≪ミューのアトリエ≫桜色の記憶


<オープニング>


「……」
 一同は声をなくした。
 先ほどまで、ただ青く茂り始めた木々が生えていたその場所が、一瞬にして桜咲き乱れる景色へと変貌したのだ。
 こうなると、逆に花見客が居ないことが不自然に感じるほどの光景。
 やや惚けた様子であたりを見回す星崎・美羽(らくがきマスター・b32144)達だったが、ふと、それらの視線が一方へ集中した。
 一際巨大な桜の木がある。
 どの桜より咲き誇り、そびえる巨木の下。
 イーゼルを前に一心不乱という様子で絵筆を走らせる人影が見えた。
 途端、結社『ミューのアトリエ』の面々は、気を引き締めると警戒姿勢をとった。
 この幻想的な世界が、異常であることは当然理解している。
 そして異常が、ゴーストによって引き起こされるモノであることも、能力者である面々には分かっていることだった。
 相手はこちらに気付かぬ様子で絵筆を動かし続けているが、能力者側としては放置するわけにも行かない。
 特殊空間を破るには、それを作り出したゴーストを倒すのが最善。
 加えて、その存在を放置した場合の一般人への被害を考えれば、害の芽は摘まねばなるまい。
 少しずつ距離を詰め、残り20メートル程まで接近した時――それは来た。
「えっ!?」
 画家がおもむろに、絵筆をこちらに向け振ったのだ。
 筆先に含まれていた桜色の絵の具がこちらに一直線に飛ぶ。
 とっさにさけつつ、「いや、絵の具を受けたくらいどうということは……」などという考えは、次の瞬間改められた。
 ドンッ!
 思わぬほどの轟音と共に、地面に穴があく。
 原因はもちろん、放たれた絵の具だ。
「これは……油断できませんね」
 美羽の呟きに皆が頷くなか、敵側に新たな動きが見て取れた。
 画家を護るように、トテトテと現れたのは体毛の代わりに桜の花びらを纏ったピンク色の犬。
 さらに桜の木よりフワフワと舞い降りてきたのは、桜の花弁を羽とした3匹の蛾だ。
 その場を動く気がないように絵筆を動かし続ける画家に、美羽は複雑な表情を向ける。
 地縛霊の在り方は、そのものが生前残した強い想いだ。
 このような幻想的な世界で、画家で在り続けるあの地縛霊の所以など分かるはずもない。
 が、
「終わらせて上げましょう。私達で」
 それだけがいま美羽達に出来る、正しいと思えること。
 成すべきを成すために、成せる力を能力者達は振るう。

マスターからのコメントを見る

参加者
柚木・兎(月の下で舞う桜姫・b19761)
バゼット・クルースニク(ミストウォーカー・b31766)
星崎・美羽(らくがきマスター・b32144)
竜造児・実果(逝き先案内人・b34005)
ティセ・パルミエ(猫ふんじゃった・b34291)
竜胆・悠(悠久の剣・b34911)
儀水・芽亜(夢何有郷・b36191)
春日・珠音(お腹が空いたら服さえ食べる・b74083)
NPC:高嶺・静兎(中学生白虎拳士・bn0231)




<リプレイ>


「あっ……桜……?」
 柚木・兎(月の下で舞う桜姫・b19761)の呟き
「まだこんなに綺麗なピンクの桜を見れるとは思いませんでしたねー……」
「本当ですわね……」
 星崎・美羽(らくがきマスター・b32144)と高嶺・静兎(中学生白虎拳士・bn0231)が空を仰ぎ見て、皆が周囲を見回した。
 暖かな陽光の下、咲き乱れる桜に、散り乱れる桜吹雪。
 幻想的と癒える光景に囲まれ、9人は居た。
「ぅゅ? ここ、どこなの〜? おじさんに変なところに連れ込まれたの〜」
 春日・珠音(お腹が空いたら服さえ食べる・b74083)はひとり、彼方を見ながら首を傾げる。
 確かに彼女らの先、一際巨大にそびえ立つ桜の下には、画板を前に一心不乱に筆を走らせる初老の姿があった。
 この異質な空間、作り出しているのは彼の者に違いない。
「なるほどなぁ。絵の代わりにこうやって風景残しとるんやね」
 その様子を細めた目で見る竜造児・実果(逝き先案内人・b34005)。
「にゃー、心を奪われそうなぐらい桜が綺麗なのです。ずっと見ていたいのですけど……」
 頬をわずかに紅潮させ、笑みでこの世界を見ていたティセ・パルミエ(猫ふんじゃった・b34291)が、不意に表情を改めた。
「そうもいかないのですね〜」
 桜の木より飛び立つ3体の桜蛾、初老の足下より駆け出てこちらに向かってくる桜の犬。
 共に自然の者ではなく、かつ敵意を有している。
「素敵な雰囲気に惑わされている場合ではないわね」
「そうね、……あの桜、なんだか悲しそうだし」
 先んじた竜胆・悠(悠久の剣・b34911)に続き、兎がイグニッションをすれば、みなも倣って武装を完了する。
 この世界がどんな思いで作られ、あの画家がどんな想いでこの地に縛られているか知るよしもないが、
「……徒花は、潔く散るのが心意気。……討たせて貰うよ」
 バゼット・クルースニク(ミストウォーカー・b31766)が宣誓し突出する。
 続き前に出るのは悠と、実果の使役ゴーストであるカグツチ。そして、
「まあ、たまには前衛にいましょうか」
 笑み一つ零し、巨大鋏を振りかぶると、儀水・芽亜(夢何有郷・b36191)もまたその一陣の中に身を置いた。


 旋剣の構えを取った悠が敵との距離を測り、後衛の兎へ視線を飛ばす。
「悠ちゃんいくよ!」
 言葉を返し、兎の振るう結晶輪が戦場に吹雪の竜巻を巻き起こした。
 それに乗じるように美羽がパラノイアペーパーを発動。
 桜吹雪を飲み込む勢いで、雪の白と、紙の白が周囲へと散り敵を攻める。
「桜吹雪に氷の吹雪が綺麗なのです……けど折角の絶景が……シュールになっちゃってるのです」
 雪と桜の競演に入り込んだ紙に、魔弾の射手を前方に展開していたティセが苦い笑みを浮かべた。
 別に美羽の原稿が面白くないという意味ではない、本当に。
 面白いと面白いで、この場に不釣り合いなことに代わりはないけどね!
 白の猛攻に耐えながら前進を続ける敵勢に、今度は黒が降りかかる。
 芽亜の悪夢クラスターが撒き散らした黒は桜蛾の1体を深い眠りに誘うことに成功した。
 フラフラと不安定に落ちかかる桜蛾を見ながら、芽亜は笑み、
「まあ、どうせすぐにまた全体攻撃が吹き荒れるのですから、叩き起こされてご愁傷様ですけど」
「儀水さん、やる気満々なの♪」
 その様子を頼もしげに見つつ、兎へ白燐奏甲を施す珠音の声を聞きながら、実果はこぶしを振り上げた。
「ばぜやーん、別にそっちもかたしてもええかんなー?」
 振り上げたこぶしの小指から赤い糸が伸び、前線のカグツチに繋がる。
 カグツチは悠と共に桜蛾と接触、交戦を開始した。

「……気軽に言ってくれる」
 そう零しながらバゼットは桜犬と接触、交戦状態に入っていた。
 こちらの一撃を避けた桜犬が、花弁となって霧散した。
 突然のことに驚くも、反射的に右へ向けたパイルバンカーが強い衝撃を受け止めた。
 そこに再び実体となった桜犬がいる。
 防御され態勢を崩した桜犬に、一度は避けられたタイマンチェーンが伸び今度はしっかりとつなぎ止めた。
「……躾のなってないワンちゃんは、鎖で繋いどかないとな」
 そして自分の間合いへ。が、
「……躾がなっていないのは、飼い主も同じか」
 画家が飛ばしてきた絵の具弾とも呼ぶべき攻撃が腕を掠め、熱を持つ。
 傍らに来たティセの使役ゴースト・真モーラットピュアの存在を有り難く思いつつ、バゼットは次手の動きを見せた。

「美羽団長のサポートはあたしに任せて欲しいの。みんな、回復して、回復して、回復しまくるのー」
 ミストファインダーで射程を伸ばした珠音が白燐奏甲でバゼットを回復する。
 桜蛾が桜に紛れようが、それごと潰せばよいことだ。
 ゆえに、兎と美羽は心置きなく白と白の吹雪が舞わせ、
「桜色に炎の赤が映える……かも?」
 それが収まるが早いかティセが隕石の魔弾が降下、炸裂し紅蓮を灯す。
 爆発音と共に桜の花弁が真紅に染まり、その刹那に悠は相対していた桜蛾を己の射程に収めた。
 桜蛾とてただ攻められるだけではない。突如として高度を下げ、下段からの急上昇。
 死角からの攻撃を、悠は長剣と芽亜に施されたサイコフィールドの力で受け流し、敵の姿を目で追う。
 上空へと至った桜蛾は、そこで光弾の連射を受けていた。静兎のクロストリガーだ。
 羽を穿たれ落ちてくる桜蛾に対し、悠の黒影剣が全力を持って振り抜かれ、敵を左右に両断した。
 他方では実果との絆と、纏った金色の鎧により大幅な強化を得たカグツチが奮戦していた。
「こっちも続くでー!」
 実果の声に背負ったブラックセイバーを左右に展開し、一閃。
 桜蛾は中空でバランスを崩しながら堪えると、羽を激しく羽ばたかせ桜色の鱗粉をまき散らせた。
 カグツチの動きが鈍る。
「ッ、回復頼めるか?」
「了解です!」
 即座に応じた美羽が、赦しの舞で麻痺を祓う。
 その間に、桜蛾は近隣で発動した芽亜のアンチウォーヴォイスを受けて態勢を崩していた。
 そんな敵のやや上方に狙いを付け、実果の詠唱ガトリングガンが火を噴く。
 桜蛾の逃げ場は下のみ。が、そこに駆け込む金色の一閃。カグツチが桜蛾を上下に両断した。
 残る1体を相手取る芽亜は、画家が放ってきた容器に満ちていた桜色の絵の具が広がるのを見て横にステップ。
 わずかに掛かりそうだった部分はサイコフィールドに任せ、眼前より来た桜蛾の体当たりをクロスシザースで受け止めた。
 が、桜蛾はそこで止まらず激しく羽を振るわせてみせる。
 麻痺を伴う鱗粉が周囲に散布され、しかし静兎のクロストリガーがその放出を強制的に停止。
 鱗粉をわずかにでも避けようと口に当てた袖越しに、芽亜は桜犬が天高く吠えるのを見ていた。
「しめたもの、ですわね」
 笑う。
「さあ、牙を抜いて差し上げましょう」
 その口からあふれ出る非戦の叫びが桜蛾を打ち、桜犬に変化を生じさせる。
 満足の笑みを持った芽亜の前で、瀕死の桜蛾がティセの隕石の魔弾の直撃を受け微塵と散った瞬間にこそ一瞬呆けたが、すぐに笑みを取り戻し後衛へ振り返る。
「良い援護ですわ。続けて参りますわよ?」
 残る従者はあと1体。

 眼前の桜犬が異常を示したことを理解しつつ、バゼットは相対する敵へと距離を詰めた。
 踏み込んだ右足に桜犬の爪で受けた痛みがあったが、二歩を踏む頃には珠音の白燐奏甲が届き気にならない程度に癒える。
 ゆえに退き気味な敵に思い切り踏み込み、
「……来いよ、パピー。不味い餌の時間だぜ?」
 高速のインパクトを撃ち込んだ。
 確かな手応えが手元に返る。
 桜犬は耐えたが、右手から駆けつけてくるカグツチと芽亜、左手からは悠。
 さらに後衛の攻撃が加わり、その進退は極まる。
 だが桜犬は吠えた。
 その身を桜に変じ、死角より実体化して食らいつく。
 牙はバゼットに届き――だが、浅すぎた。
 兎の結晶輪が桜犬の側面を裂き、魔氷に。
 バゼットは自分から離れ、落ちる桜犬に上段から一撃を叩き込む。
 桜犬は叫び声もなく、砕けて霧散した。


「散開して、囲んで、一気に狭ますよ」
 美羽の指揮に、皆は周囲へ散った。
 絵筆を走らせ続ける画家の周囲に能力者達は布陣し、そして一気に包囲を狭める。
 前衛一番槍は悠。
 美羽からのギンギンパワーZを一息に飲み干すと眼前、ティセの隕石の魔弾が至近に落ちたにも関わらず絵筆を走らせる画家の背後へ迫った。
 桜吹雪を押しのけるように、黒影の刃を叩き込む。
 敵は反応した。
 手にしていた絵筆で刃を受け止める。
 威力が全て殺された訳ではなかったが、受け止められた事実に驚きはあった。
 その絵筆には、よほど強い思いがこもっている、と言うことか。
「来るで!」
 実果の声に、悠は反射的に飛び退いた。
 一寸前にいた場所に大量の絵の具がばらまかれる。
 ばらまいた本人は無表情に悠を見つめ、
「桜吹雪共々、切り裂いたれ」
 彼女の背後から攻め上がってきたカグツチの攻撃を絵筆で受け逸らし、振り返り飛び込んできたバゼットのインパクトの打ち逸らし掠り傷に止める。
「さぁ……雪に抱かれてお眠りなさい」
 兎の巻き起こす吹雪の竜巻の中でも、魔氷の効果は見られず画家は絵を描き進める。
「あれ、本当に画家さんなの?」
 妖獣戦のダメージが残っている仲間の回復に当たっていた珠音が苦笑を浮かべた。
 確かにあの立ち振る舞いで画家とか、悪い冗談としか思えないが、
「ゴースト、ですものね。それにしても……気に入りませんわ」
 芽亜は表情を消して、ナイトメアランページを仕掛ける。
 遠距離からの攻撃を無表情で受け、しかし絵は進める画家。
「花は桜木、人は武士。潔い散り際こそ、美しい破滅の美学。永遠の存在など、進化という前進を停止した、ただの怠惰に過ぎませんの」
 自身が留まるのみならず、他者の歩みすら止めかねない存在、それがゴースト。
 続けてははなたれたナイトメアランページが、合わせて掛かった仲間達と共に地縛霊を襲う。が、
『アァァアァァ――!!』
 初めて地縛霊が発した言葉と共に、画家の前に置かれていたイーゼルが周囲を一閃。
 そのイーゼルに込められた想いも相当のものか、接近していた仲間は薙ぎ払われ、ナイトメアは打ち消された。

「弾切れですわ」
「じゃあ、久しぶりに合わせましょうか?」
 クロストリガーを撃ち尽くし前線に出た静兎に悠が微笑み、静兎は笑みで頷く。
 長剣と日本刀、電光剣の二刀。
 左右より来る斬閃に加え、正面はバゼットが振りかぶったパイルバンカー、背後には兎の結晶輪という全方位からの攻撃。
『アァァアァァ――!!』
 対する画家はイーゼルを旋回、しかしその大振りの動きならば避けるのは難しくない。はずだったが、
「っ!?」
 イーゼルは目くらまし。
 絵師の手にあったはずの絵筆、さらに予備と思われる絵筆が数本宙に舞い、各々に迎撃に飛び出していた。
 結晶輪は弾かれ、残る3人は痛み分け。
「回復を……!」
「みうちゃん、あんまり前に出たらダメです!」
 ギンギンパワーZを振りかぶった美羽の前に出たティセが、飛来した絵の具をマジカルロッドの魔弾で叩き落とした。
「あ、ありがとうございます、ティセさん」
「美羽団長ー、高嶺さんはこっちで回復するのー」
 芽亜が敵の動きを制している間に、後衛の癒し手達や前線のモーラットピュアが慌ただしく負傷者の回復に努め、前衛陣は立ち直る。
 敵は残り1体。
 どのみち畳みかけるより他にない。
 ただ、攻めるならば、みんなでだ。
「何度でも!」
 倒すまで、全員が一斉に動く。
 きっかけを作るのは悠。上段からの黒影剣が筆で防がれ、その隙に下段より切り込むのは静兎。
 旋回を始めたイーゼルに阻まれ踏み込みは浅くなったが、離脱と同時に逆サイドからバゼットが踏み込む。
 美羽から受け取ったギンギンパワーZを飲み干し、繰り出す渾身のインパクトはイーゼルの一部を砕き、地縛霊本体に食い込んだ。
「……徒花は、潔く散るのが心意気。……討たせて貰うよ」
 わずかふらついた敵へ兎と実果、ティセの射撃攻撃が殺到し、さらにその身を削る。
 いまなら、押し切れる!
「これで……完全に相手はチェックメイトなの」
 珠音の白燐奏甲により、芽亜のクロスシザースから白光が吹き出す。
「偽りの桃源郷、私が裁ち切って差し上げましょう」
 大鋏が振り下ろされ、ナイトメアが疾駆する。
 身構える画家は、しかしその身を置かしていたインパクトによる猛毒にタイミングを逃し、
『……!』
 直撃。
 筆が砕け、イーゼルが砕ける。
 残されるキャンパスに手を伸ばし、しかし届かず、地縛霊は霧散した。


 ティセが猛ダッシュで地縛霊が居た場所へ駆けつけ、残されたキャンバスに視線を落とした。
「どうしましたの?」
 静兎が続き、ティセの後ろから絵を見る。
 見ることは叶ったが、次の瞬間に絵は消えた。
「どんな絵でした?」
 美羽達が遅れてやって来て、首を傾げて問い掛ける。
 ティセと静兎はお互いに顔を見合わせ、首を傾げた後、
「なんというか……」
「前衛的? と、いうのでしょうか……」
 芸術はかくも難しいものだ。
 皆がハテナ顔をする中、バゼットはすっかり勢いが収まった桜吹雪の最後のひとかけを受け止めた。
「……少し、勿体無かった……かな」
 この世界はじき消滅する。だから、
「あ、そうだ、みんなで記念撮影するの♪」
 珠音が携帯電話を取りだし……表情を曇らせた。
「ゴーストは、電子機器に影響を与えることが多いものね」
 悠も残念そうな笑みをうかべ、
「……」
 バゼットは用意していたピースを無表情のまま背に隠したのだった。

 元の世界は、この季節に相応しく深緑に満ちていた。
 やや強い陽を避けるように、皆は一本の巨木の下へ待避する。そうして、
「クッキー、もってきたんです」
 美羽がお菓子を取り出せば、そこはお茶会の会場に早変わりだ。
「来年、見頃になったらまた来ようかの。おべんと持って」
 クッキーをかじりながら青空を見上げる実果の隣で、ティセが心地よい風に目を細めながら応じる。
「そうしたら、あの綺麗な桜がまた見れるのですね〜」
「桜も良いですけど、いまこの季節の花を探すのも面白そうですわね」
「ん〜、みんなと一緒ならどこでも楽しいと思うのです〜」
「あたしもそう思うの〜♪」
 ティセと珠音の答えに、芽亜は微笑み頷いた。

 そんな様子を見守りながら、木の幹に背を預けていた兎が隣に座った悠へ、視線を向けず問い掛けた。
「終わらせてあげる事ができたのかな?」
 答えはしばしの間を持って、
「はい、お茶」
 お茶が来た。
「……」
「いまわたし達が、ここでこうしてる。それが答え、よね?」
「……悠」
「すいません、皆さんもお茶が欲しいって……」
「はいはい」
 バゼットと静兎が呼びに来て、悠羽は苦笑で皆の元へお茶を配りに行く。
 その背を見送り、兎は心地よい風に身を任せるのだった。


マスター:皇弾 紹介ページ
この作品に投票する(ログインが必要です)
楽しい 笑える 泣ける カッコいい 怖すぎ
知的 ハートフル ロマンティック せつない えっち
いまいち
参加者:8人
作成日:2010/07/02
得票数:楽しい8  怖すぎ1  ハートフル2 
冒険結果:成功!
重傷者:なし
死亡者:なし
   あなたが購入した「2、3、4人ピンナップ」あるいは「2、3、4バトルピンナップ」を、このシナリオの挿絵にして貰うよう、担当マスターに申請できます。
 マスターより許可を得たピンナップ作品は、このページのトップに展示されます。
   シナリオの参加者は、掲載されている「自分の顔アイコン」を変更できます。