レトロ温泉の白き影! ヒントはもきゅ☆


<オープニング>


 レトロな町並みを模した温泉アミューズメントに、白くて悪戯好きの奴らが3匹現われた!

「おかーさんー、浴衣の帯がなくなっちゃったよー」
「ちゃんと探したの? あれはお店で借りたのだから、なくすと大変なのよ?」
 着替えを入れた籠の中を探ってもないないと泣きそうな女の子。
『も〜きゅ♪』
 赤い帯を頭に絡めて、ご機嫌のモラ1匹。
「おっちゃん、かき氷1つー!」
「あいよー」
 電動式じゃあございません。
 しゃりしゃり手動で削る氷はふわふわで舌触りは最高なんです。
『もきゅ!』
 捻り鉢巻きのおっちゃんが削りあげた氷の上に、2匹目のモラがダイブ!
「あーっ! こらあぁ!」
『もきゅぴぃ……!』
 蒸し暑いからと飛び込んだ氷はさすがに冷たくて、ぶるぶるしながら逃避行。
「あぁー、この汗がだらだら出て、デトックス?」
「っあー、気持ちいいー」
 と、岩盤浴で癒され真っ最中のカップルの脇、
『…………も……きゅぅ〜』
 暖かくてついついうとうとしていたモラが……バテていた。

「こういう所は1日いても飽きないよ。チープだからこそ味があるんだよね」
 ……うん、彼なりに誉めているらしい。
 星崎・千鳥(中学生運命予報士・bn0223)はいつも通りのフラットな口調で皆を出迎えた。
 今回は3匹のモーラットが、ある温泉アミューズメントに現われたのだという。
「いるのは、女子更衣室と岩盤浴コーナーとあとは休憩所を兼ねた屋台のそばだよ」
 絣和布の蓋つきの籐の籠を3つ、教卓に置くと千鳥はより詳しく説明する。

 1匹は女用の赤い帯がお気に入り。
 更衣室で捕まえるのが大変だと思うなら、出口で見張っていれば赤い帯を纏って上機嫌で出てくる所を捕獲すればいいだろう。

 1匹は休憩コーナーで食べ物をつまみ食い中。
 かき氷が特にお気に入りで、しょっちゅうちょっかいをかけているらしい。

 最後の1匹は岩盤浴コーナーでバテているようだ。

「能力者を見つけたら寄ってくるし、捕まえるのは簡単だと思うよ」
 多少の追いかけっこがあるかもしれないが。
「びっくりして出したパチパチ火花で怪我人が出ると大変だから、さくっと保護してきてくれるかな?」
 モーラットを捕まえた後は、温泉を楽しんでくると良いだろう。
 露天風呂から見る星空は格別だ。
 みんなでわいわい入れるひのき風呂と、2人で満員御礼のタル風呂があるという。
 岩盤浴は汗ダラダラ。けれど真から体を温めれば日頃の疲れも吹っ飛ぶぞ! お一人様も仲良し数名も大声でなければまったりおしゃべりしつつ楽しめる。
 レトロ屋台の一番のお勧めはモラも飛び込むかき氷! 手でかいた氷はふわふわ極上の舌触りだ。大抵のシロップが揃っているし、小豆や練乳に抹茶がけも風情があろう。
「屋台のそばの休憩所なんだけど……人目につかない場所もあるから、そこならモラを出して遊ばせても大丈夫かな」
 かき氷の他にもお好み焼きやイカ焼きベビーカステラ……と、屋台は豊富に揃っている。
「最近色々大変だったし……息抜きを兼ねていってらっしゃい」
 ひらひら。
 金魚の尾びれのように手を振って、千鳥は皆を見送るのであった。

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参加者
桜宮・桃(緋猫の恋詩・b21221)
椎名・零(ブラッティローズ・b31856)
竜桜院・エレナ(幸運の金色兎・b32417)
羽住・蒼流(空謳・b50424)
椎名・健一(六番目の夢からの招待・b51618)
珊瑚・紅音(ソニックスプレッダー・b53378)
舞城・笑弥(運命に抗う娘・b59830)
上月・晦(クックロビンの子守唄・b64199)
八瀬・鷸(銀獅子の如く・b69774)
木暮・るん(猫少女・b75043)
篠宮・亜璃子(不移黎明・b76080)




<リプレイ>

●レトロ横町にようこそ!
 入り口くぐれば、そこは浴衣や甚平の人が行き交うお祭り空間!
 鄙びたライトの下はためく煤けたノボリ。レトロ書体で『かきごおり』の文字が踊る。

「おにーちゃんと一緒にお出かけなんて初めて!」
 藤の髪をぴょこっと揺らし、篠宮・亜璃子(不移黎明・b76080)はひまわり模様の子供浴衣を広げて大はしゃぎ。
「屋台もいいが、肝心の捕獲忘れるなよ」
 櫂の釘指しに固まる亜璃子、その隣では……。
「勿論モラが先だよね? 分かってる☆」
 こんがりイカ焼きもぐもぐ、珊瑚・紅音(ソニックスプレッダー・b53378)の台詞に説得感は、ない。
「のんびりまわれる時間はたっぷりだし」
「楽しみだね」
 その様子に八瀬・鷸(銀獅子の如く・b69774)と椎名・零(ブラッティローズ・b31856)は穏やかに笑みを零す。
「ん、モラさん……捕まえるの、初め、て……楽しみ」
「わたしも初めてですねー」
 静香に渡された金魚の浴衣を胸に上月・晦(クックロビンの子守唄・b64199)が頬を少し染めれば、舞城・笑弥(運命に抗う娘・b59830)も頷く。
 知ってるモラはハードボイルドでもふらせてもらえず、この日が楽しみだったのだ。
「モラちゃんと遊べて、カキ氷をお腹一杯、いい依頼だにゃーん♪」
 純白のスカートから零れるつけしっぽゆらゆら、木暮・るん(猫少女・b75043)も大はしゃぎ。
「温泉、いいわよね……」
 しみじみ。
 夏の原稿描きに集中していた竜桜院・エレナ(幸運の金色兎・b32417)が「モラも疲れてるのかしら?」と続ける。
「でも、ずっといると暑いよね、たぶん」
 現われる場所を確認しつつ、桜宮・桃(緋猫の恋詩・b21221)は小首を傾げる。
 初モラ依頼の面々から笑顔のお裾分け。桃の語るモーラットピュアうずまきの話に皆ますます笑みが深くなる。
「よっしゃ、健康第一健一くんはもっと健康になってやるぜ」
「遊ぶのも良いけど、一応千鳥からの正式な依頼だからね、けん兄」
 名は体を表すの椎名・健一(六番目の夢からの招待・b51618)に、幼なじみのしっかりさん羽住・蒼流(空謳・b50424)が釘を刺す。
 さて。
 また誰かさんが屋台の魔力に捕まる前に、もらさん保護といきましょうか!

●ひらひら☆もら
 女子更衣室の中、もらを探すのは笑弥、紅音、桃の女の子トリオ。三手に分かれて捜索開始!
「どこかなー」
 赤い帯と赤いマフラー二刀流でひらひら、笑弥。
「んーと……」
 籠を抱えきょろきょろ、赤い紐ゆらゆら、桃。
「これで……よしっと」
 借りた帯をぎゅっと結ぶ紅音が左右に視線を向けると……いた!

 もきゅ〜きゅぴぃ♪

 子供用の帯にころころくるくる。
 機嫌良く遊ぶもらの前に紅音はなが〜い帯をたらす。
「こっちの方が長いぞいいだろ〜っ」
「もきゅ?」
 つぶらな瞳ににまっと笑い、桃と笑弥に手をあげて合図。
「ダブルもらじゃらし……なんてね」
 ぱたぱた。
 あわせて笑弥が赤で軽く床を叩けば、ちょちょっとそっちに手を伸ばしてみたり。
 もきゅ。
 さっ。
 もきゅっ?
 ささっ。
 もきゅきゅ!
 さささ!
 2人で徐々に徐々に桃の方へと誘導。
「も〜きゅ〜〜!」
 中々触れないのにじれたのか、もらは強硬手段に出る事にしたぞ!
「わっ!」
 ジャンプして紅音の真っ赤な髪を柔らかく握る。
「あはは、くすぐったいー」
 でも紅音、きゅっと受け止めます!
「もう、いたずらしちゃダメだよ?」
 落ちた帯を拾い桃は軽くお説教。もちろんおっとり笑顔、だって髪にじゃれるモラが無邪気で愛らしくて。
「全く、いけないのらもらですねっ。もふもふの刑に処しますっ!」
 物々しく宣告した後で笑弥は腕を広げ全身で、もふもふ〜!
「もきゅ〜♪」
 きゅーっと目を閉じ、もらも楽しそうに手足をちたちた。
「笑弥ちゃん、喜んでるよー♪」
「ほんと?!」
 更にもふれば今度は紅音の髪に手を伸ばす。
「あ、そんなにボクの髪が気に入ったか?」
 まんざらでもない紅音。
 ひとしきりもふった後、移動のため一旦籠に。
 入り口からちょっと奥まった休憩所で籠をあければ、ぴょこっともふもふが顔を出す。
「クッキーあげる♪ うずまきもいる?」
「もきゅ♪」
 さくさく、さくさく。
 テーブルの下、軽やかな二重奏を奏でる2匹に3人ともめろめろ。
「ああぁ、可愛いなぁもう!」
「じゃ仲良くしてるんだよ〜! センパイ、うずまきチャン、ヨロシクっ☆」
「まかせて!」
 笑弥の金平糖に瞳輝かせる2匹を桃に任せ、2人は温泉へ!

●デトックス☆もら
 専用ガウンに着替えて中に入れば、出迎えるのはほんのりとしたレモンの香り。
 岩盤浴コーナーにやってきたのは、健一と蒼流そしてエレナ。
「……うわー温かいっていうか身体の芯から温まるのね」
 肩こり眼精疲労その他諸々が汗と共に溶け出していくようで、エレナはすっかり満喫中。
「「はやっ!」」
 健一と蒼流はとりあえずツッこみ、きょろきょろーり。
「バテてるので、早く助けてあげないと……!」
「だな」
 室内はさほど暑くないとはいえ、岩盤は暖かすぎるだろうしと、健一。

 ……も……ひゅぅ〜。

 まず気がついたのは、鋭利な聴覚を持つ蒼流。
「いた!」
 くるくるきゅ〜。
 ほっぺの渦巻きと同じように目をまわすモラがくってり。背中は岩盤でぬくぬくじりじり。
 即座に起き上がり健一に声をかけて、エレナも駆けつける。
「涼しいところに連れて行こう」
 エレナと健一のタオルでくるみ、即座に扇風機の回る岩盤浴内休憩スペースへ。
 毛皮ぺっちょりのモラを抱え、健一は受付で貰ったミネラルウォーターをまず飲ませる。
「大丈夫? 気持ちいいなら一緒に楽しみたかったのだけれど」
 んくんくと零しながら飲む仔を撫でるように、エレナはタオルでふきふき。
「モラって汗かくのか? 体重って減るのか、こいつら」
「物食べたりするから、あるんじゃないの?」
 スポーツ飲料を手に戻ってきた蒼流は、ひんやりペットボトルを頬にぴと☆
「もきゅ〜♪」
 きゅーっと目を閉じペットボトルにすりすり。冷たさが気持ちいいらしい。
「食うか?」
「もきゅもきゅ」
 スポーツドリンクを飲み干したタイミングで健一がベビーカステラを差し出せば、頬に2個3個と入れる。
 そんな様子に安堵と共に笑いあう、もう大丈夫だ。
「よし、お友達んとこ行くぞ。かき氷でも食べてこいや」
 ほっぺたにお土産。
 残りも桃に預けて、エレナからはコーヒー牛乳の差し入れを。
「いってらっしゃ〜い」
 さっそくベビーカステラを分け合う3匹を撫で、桃は3人を見送った。

●こおり☆もら
 屋台組が向かったのはもちろんかき氷屋台。
「らっしゃい! おっと、団体さんだねぃ!」
 親父はハリキリながらどれにする?! と聞いてくる。
「メロン味お願いします」
 最後に頼むのは鷸。
 先に頼んだ亜璃子と晦はすぐ側のテーブルで冷菓満喫中。
「新雪みたいにふわふわでさらりと溶けてく〜♪」
「ん、すごく……美味しい、ね」
 ほっぺたを押える亜璃子と、もらの目につくようにかき氷を横から崩す晦。
「モラちゃんどこかにゃーん??」
 かき氷にスプーンを挿したままでるんもきょろきょろ。
 鷸のメロン、零の練乳小豆たっぷり宇治金時も出来上がり、5人はさくさく新雪の山を崩す。
「……あー、食べ過ぎて眉間がキーンってなってきたよ」
「慌てすぎだよ」
 レンズの間を抑える鷸に零にしては珍しく吹き出し笑い。

 もきゅ〜ん!

 氷と能力者に惹かれ、もら登場!
「ほら、モラさん……美味しい、よ」
 一番近くの晦が体を横にして氷の皿を見せれば、ぽよんっとテーブルにのる白っ仔。
「はわー! ふわふわー。あまーい。つめたーい」
「美味しいよ。君も食べてみる? ほら」
 スプーンを差し出す亜璃子と鷸。
 スプーンの小さな盛りと、お皿の大きな盛りと。
 つぶらな瞳がきょろきょろ、どーしようかな? と、くるくる。
「にゃんにゃん♪」
 みぞれシロップのかき氷を床に置き、るんは四つ足になって猫っぽく誘ってみた。
「もきゅ? もきゅきゅーう?」
 床に降りておめめぱちくり。
 驚くもらに、るんは親愛のすりすりと肉球パンチを優しくもふっ。
「きゅ〜?」
 ちょっと戸惑い上を向く瞳。亜璃子と晦はそれぞれのスプーンから泡雪を差し出した。
 ぱく! ぱく!
 きーん!
 冷たさできゅっと瞳を閉ざしたところを、鷸が後ろからタオルで包み無事確保! 人目につかないようにそっと抱きかかえ、集合場所へ。

「お疲れ様ー!」
「はい、モラちゃん、あーん、にゃん」
「もきゅ♪」
 すっかりるんと打ち解けた3匹目を前に、桃は笑顔で手を振る。
「モラというものをちょっとだけもふりたいです先生」
 びしっ!
 元気よく手をあげる亜璃子に、桃は人なつっこい1匹目を差し出した。
「もふもふーもふもふー♪」
「もきゅ〜☆」
 ひとしきりもふり倒す亜璃子をずっと見ていた晦は、彼が去った後おずおず。
「触っても、いい、かな?」
「うん。この子撫でられるの好きみたい」
 ふわ。
 腕の中に来た柔らかなぬくもりに、晦は無邪気な笑みで顔を埋める。
「ん。もふもふ……可愛い、ね……」

 もきゅ♪

 可愛いと言われたのが嬉しかったのか、腕の中でもらは懐くように声をあげすり寄った。

●温泉・岩盤浴で内緒話?!
「ああ、気持ちいいな……」
 エレナはひのき風呂で1人空を仰ぐ。
 都会より町の光控えめのここでは星がきらり誇らしげ。疲れも静かに抜けていく。
「あ〜。やはり温泉は良いですのう」
「やー、癒されますねー♪」
 一方タル風呂では、紅音と笑弥が仲良く入りまったり中。
「ところで……どうなった?」
 ぎっくん。
「や、ぇ、あれから全然何ともなってなってないよっ!? っつかそもそも何が!?」
 笑弥、怒濤の勢いで墓穴彫り中。
 ざばー。
 じたばたで溢れる水に淡紅の瞳を瞬いて、紅音はつけたした。
「夏の祭典のコト」
「………もー」
 ぷくぷく。
 沈む笑弥に紅音は「原稿、やばい」と頭をかりかり。
「まだ時間があるわ。リフレッシュして夏の戦いに備えましょ」
 ぐっ!
 エレナがキーワードに惹かれ話に加わる。
「えれなチャンのジャンルは?」
「私は……」
「どの衣装作るかとか、悩んでるんだよね」
「笑弥さんレイヤーなの?」
 屋台に行くと去るエレナに手を振り……紅音、不意打ち。
「さっきの話聞きたいな〜?」
「ナンノコトカナー?」
 カタコトでごまかす笑弥をつつけば、トキメキ話から縁遠い自分を見出しちょっとせつない紅音さんだったり。恋バナきゃいきゃい真っ盛り♪

「みんな結構スタイルいいにゃん☆」
 ウェストフリルの紺の水着からしっぽを揺らし、るんは白に薄紅の咲く笑弥のワンピ、スポーティなビキニを着こなす紅音を遠目にチェック中。
 ……ハグしたいけれどぐっと我慢。
「〜♪」
 その脇を浴衣のエレナがコーヒー牛乳手に通り過ぎる。

 一方、黒い岩に転がる男2人、健一と蒼流である。
 幼馴染みで家族同然、だけど2人で出かける事は余り無かったので、ちょっとした旅行気分だ。
「けん兄、横になればいいの?」
「そそ、休憩も適宜入れてな」
 他の人の迷惑にならぬよう、頭を寄せてこそこそ話。
「最近、どうよ……好きな人とはー」
 健一、いきなり修学旅行の夜モード、行った!
「何言い出すんだよいきなり!?」
 慌て振りにからかうような笑みの健一に、蒼流はむむっとふくれっ面。ぷいっと顔を背ける仕草の返事は「教えてやらない」。
 更に話題は学校の事友達の事へと移りゆく。

●屋台めぐりは宝探し!
 ノボリはためく屋台通り。
 1種類1軒の短い道中だけれど、お祭り気分を味わうには充分だ。
「何食べる? いろいろあるから目移りしちゃうけど」
 紙カップのかき氷を口に運び、鷸は隣の零に問い掛ける。
 年上に言うのもなんだが、朱の花散る浴衣を難なく着こなす零は、可愛いという表現がしっくりくる。
「鷸くんは?」
「個人的にわたあめって食べたことないから食べてみたかったんだよね」
 紺の空を飛ぶ鳥を纏う鷸は屈託なく返す。大人びた容貌とのギャップが彼の魅力のひとつかもしれない。
「ふわふわで甘くていいよね」
 甘党の零は賛成と微笑み、もらに似た白いふわふわ屋台に向かう。

「晦、一口いただきたいですわ」
 半分崩したところで小豆と抹茶のかかった氷を差し出しながら、静香。
「ん、宇治金時も、おいし……」
「苺も美味しいですわ」
 舌に乗せればあっさり溶ける。だから山盛りでも硝子の上の雪はどんどん減っていく。
「静ねぇ、違う、屋台みたい」
 晦の望みに9歳の静香は大人びた微笑でええ、と頷いた。

「こら、走るな」
「はーい」
 櫂の注意にも生返事。亜璃子はタコ焼き屋台に駆け出していく。
「あふ(熱)いー」
 頬にソースつけてドネルサンドを頬張る。机にはお好み焼きに林檎飴、まだまだ沢山!
 お祭り風景をスケッチするエレナにはしゃいで手を振る亜璃子だが、ふと神妙な顔で手を下げた。
「どうした?」
「記憶が無くてもわくわくするのは、前のボクもお祭りが好きだったからなのかな……?」
 沈んだ様子はなく、きょとんとした風にぽふぽふと、櫂は亜璃子の髪を優しく撫でた。

●もら☆ぱらだいす
 もーきゅぅ〜?
 もきゅきゅきゅん!
 ……もっきゅ、きゅーきゅー。
 もきゅもきゅ。

「ど、どうしよう。モラ4匹に囲まれるとか幸せすぎる……!」
 ――桃は今、至福の空間に、いた!
 仲間に乗っかったりぽよんっとぶつかったり。
 ちょっと「もきゅ!」っとなりかけたら仲裁に入るうずまき、さすが。
 じゃれあうもらを見ていると心が和むったらない。受験勉強の疲れが癒えていく。
「かき氷、食べさせていいかな?」
 5つ分の氷を手に現われた零と鷸。桃が頼んだ氷を届けに来たのだ。
 苺は桃、練乳はうずまき。
「ありがとー♪」
 ブルーハワイ、レモン、みぞれを掬い、零はもらへと差し出す。
「もきゅ♪」
「美味しそうだね」
 微笑む鷸の隣、ベビーカステラの袋を持つエレナが現われた。
「スケッチしちゃおうかな」
 動きのあるもらは描き甲斐がある素材だ。
「お、さっきのも元気になったな」
「クレープ食べる?」
 健一と蒼流、そしてるんも帰還。
「うずまきったらまた口の周り汚してるー……って、モラ達みんな汚してるっ!?」
 鮮やかに口元を染めて上機嫌のもら達を順に、桃は膝に乗せてふきふき。
 大人しくしてる仔、上機嫌で歌う仔、てちてち手で押し返す仔、気にせず桃のクッキーに手を伸ばす仔……四者四様の仕草に全員が、きゅん。
「モラをもう1回もふりたいです!」
「綿飴……食べる、かな?」
 亜璃子と晦も屋台のお土産をひっさげて登場。
「にゃん☆」
「もきゅ?」
 1匹はるんの耳に興味津々。
 ちょと茹であがった笑弥とご機嫌の紅音も加わり、休憩室は笑顔一杯!
 屋台のご馳走広げ、今日という日を心から楽しむのでした!


マスター:一縷野望 紹介ページ
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楽しい 笑える 泣ける カッコいい 怖すぎ
知的 ハートフル ロマンティック せつない えっち
いまいち
参加者:11人
作成日:2010/06/30
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