≪Under the Same Sky≫お菓子の国のお姫様


<オープニング>


「誕生日の記念にちょっと変わった遊びをやりませんか?」
 相馬・真理(暖かき絆は確かな希望の光へ・b29620)のそんな提案から、全ては始まった。
『Under the Same Sky』の団長である和真の誕生日に、通常のパーティではなく真理の夢の中でパーティをしようと言うのだ。
「楽しそう、ですね。それで……どんな夢にするの、ですか?」
 繭の問い掛けに対し、真理はにこりと微笑んで答えた。
「お菓子の城です」
「お菓子の城?!」
「ええ、床以外はほぼお菓子で出来たお城。クッキーやチョコレートだけでなく、ポテトチップやおせんべいなども」
「……凄く楽しそう」
 お菓子好きの燿は言うまでもないが、お菓子で出来た城と聞いて心躍らない者は居ない。
「その城の奥深くに閉じ込められた和真姫を、私達の手で悪い魔女から救い出すと言うお話です」
「面白そうですね……王子様役は誰なのかしら」
 お姫様に魔女と言えば、当然王子様も必要だろう。そんなエルレイの問い掛けに、一同は暫し顔を見合わせる。
「ふつーに柏木さんだと思ってしまったことを白状しておきます」
「え、オレ? でも、和真姫がどんなドレスを着てるのかとか、皆の役どころとか色々楽しみだなぁ」
 馨の言う通り、王子役が似合いそうなリク。
 各々、自分に合いそうな――或いは、逆に普段の自分とは違う役どころに挑戦してみるのも楽しいかも知れない。
「無事に姫を助けたら、改めてお祝いをしましょう」
「日頃お世話になってますし、思いっきりお祝いしたいですね」
 葵の言葉に、一斉に頷く一同。
「それじゃ、早速行きましょ! 一度、悪い魔女役をやってみたかったよね」
 こちらも、もう待ちきれないと言った様子のめぐる。

「眠ったかな? ……よし、それじゃ行こう!」
 ティンカーベルの粉によって、真理の夢へ通じる入り口が開かれた。
 次々に夢の中へと飛び込んで行く一行。その行く手には――

「……すごい!」
 彼らが降り立った城下町からまず見えたのは、おとぎ話に出てくるような中世ヨーロッパ風のお城。
「皆さん、お待ちして、ました」
 そして、この城下町にマッチした服装に模様替えした真理の姿があった。
「おぉ、勇者様だ!」「勇者様がいらっしゃったぞ!」
 どこからともなく現われた無数の町人達が、歓喜を持って一行を出迎える。
「勇者様、わしらの姫を助けて下さい。悪い魔女のめぐるが、城を占領した上に姫を閉じ込めておるのですじゃ……」
 長老の説明によれば、城は魔女の力により幾つものトラップが設けられている。村人達の力では、どうやっても城に入ることは出来ないのだと言う。
「どうか、和真姫を助けてくだされぃ!」
 言われてみれば、和真の姿がない。
 彼の誕生日を祝うには、城へ入り魔女から奪還しなくてはならない様だ。
「では皆さん行きましょう。姫を助けに!」
「「おーっ!」」
 Under the Same Skyの勇者7名は、こうしてお菓子の城へと乗り込むのだった。

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参加者
エルレイ・シルバーストーン(銀石の操霊士・b00312)
遠座・繭(蝶を追う指先・b01015)
千勢・馨(アウラウェニアース・b10823)
津島・燿(緋翔彩華・b14495)
黒瀬・和真(黒のレガリス・b24533)
覚羅・葵(不断の誓いは確かな不屈の刃へ・b27583)
相馬・真理(暖かき絆は確かな希望の光へ・b29620)
柏木・リク(アウィナイト・b38226)
NPC:速坂・めぐる(烈風少女・bn0197)




<リプレイ>


「姫、今助けに参ります」
 お菓子の城に踏み込むのは、柏木・リク(アウィナイト・b38226)王子擁する『Under the Same Sky』の勇者達。
 そんな7人の前に立ちふさがる第一の関門は。
「立派な門なの」
 人形遣い、エルレイ・シルバーストーン(銀石の操霊士・b00312)の背丈の何倍もあろうかと言う城門。
「良く来たわね!」
 どこからともなく響くのは、悪い魔女、速坂・めぐる(烈風少女・bn0197)の声。
「その門には魔法が掛けられていて、開けることは出来な――」
「勇者様、その門は愛の告白をすれば開くって書いてある……ありますわ!」
 割り込むように声を上げたのは、囚われの黒瀬・和真(黒のレガリス・b24533)姫。
「あれ……空耳……? ああ和真姫の怨念ですか……」
 周囲を見回して、妙な結論に至るエルレイ。魔女の声だけでなく、姫の声も届く様だ。
「なにバラしてるのよ!」
「きゃーきゃー」
 ――ぶつっ。
 それきり2人の声は聞こえなくなった。
「すぐ助けに行きますから待ってて下さいね」
 姫の身を案じて呟くのは、騎士の津島・燿(緋翔彩華・b14495)。
「門に向かって愛の告白をすれば、開くという事、でしょうか……?」
 と、クラシカルなメイド姿の遠座・繭(蝶を追う指先・b01015)。
「恥ずかしさに悶絶しそうなのでパス!」
 神官の千勢・馨(アウラウェニアース・b10823)は、早々とパス宣言。
「葵くん、ちょっとそこに立ってもらえますか?」
 何か閃いたのは、魔法使いの相馬・真理(暖かき絆は確かな希望の光へ・b29620)。
「この辺か?」
 東方からの旅人、覚羅・葵(不断の誓いは確かな不屈の刃へ・b27583)は、言われるままに門の前へ。
 いかなる秘術が行われるのか、見守る一同。
「あなたは甘くて、優しくて……触れられると、蕩けちゃいそうで……大好き、です♪」
 真理が紡いだのは、葵に対する甘い告白。
 何も無い所で告白するから恥ずかしいのであって、恋人に告白するなら恥ずかしくないと考えた様だが。
「(よくよく考えてみれば、こっちの方が恥ずかしいっ!?)」
 向かい合って真っ赤になる2人。
 ――ゴゴゴゴ……。
 その尊い犠牲(?)の甲斐あって、門はゆっくりと開き始めた。
 ――ゴ……。
 と思いきや、中途半端な位置でストップ。
「門に対して告白しないとダメなのかもね。……滑らかな白いクリームに赤い苺がキュートでセクシーだね。とても美味しそうだ」
 リクは、扉を撫でながら色んな意味で甘い言葉を囁く。
 が、反応は無し。
 その後も数人が試したが門は開かず、繭の番がやってきた。
「ずっとずっとお慕いして、ます……っ。甘く薫る誘惑を想うだけで、この身は蕩けてしまいそう、で。貴方と過ごす蜜月に溺れてしまいたい、です……。わたしを受け入れて、頂けますか……?」
 たどたどしく紡がれた、大胆で情熱的な言葉。
 ――ゴゴゴゴ。
 これにはさすがの扉も陥落。7人の前に道を開く。
「……あ、あくまで甘味への告白です、よ」
 照れくさそうに弁解する繭を賞賛しつつ、一行は城の中へ。


「やるじゃない。でも、その橋を突破出来るかしら?」
 めぐるが自信満々に言うだけあって、そこには恐ろしげな光景が広がっていた。
 虚空に浮かぶ3本の架け橋。手すりもなく、下は底が見えない奈落。足を滑らせたり、橋が崩落すれば命は無い。
「では、私はビスケットの橋を渡りますね」
 真理と葵は、ビスケットで出来た橋を選択。最初は探るように数歩。
「なんだか……楽しい」
 サクサクと音が上がるのに気を良くしたのか、2人は橋の上をスキップしながら渡って行く。
 しかし1歩ごとに無数の破片が奈落に落ちて行く光景は、思わず背筋を凍らせる。
「わ、私は飴の橋を」
「み、皆で渡れば怖くない!」
「下が透けてて綺麗です」
「ほんとだ、キラキラしてるね」
 飴の橋を楽しげに渡って行く燿とリク。繭もその後をすたすたと続く。
「高い所は怖くない筈なんだけど、下が奈落で今にも壊れそうな橋なのは……!」
 少し怯えつつ馨が続き――。
「なんか、足に力が入らない……」
 更にはエルレイが這いつくばりながら続く。
 先頭の燿が渡りきろうと言う丁度その時。
 ――ぴしっ。
「ヒビが!」
 丁度、馨が次の一歩を踏み出そうとしたその場所に、大きなヒビが1つ。
「戻って戻って!」
「ええっ……」
 馨の指示に従って、後ろ向きに戻るエルレイ。
 ――ばりばりっ!
 2人が何とか元の岸に辿り着いた刹那、飴の橋は真ん中から真っ二つに割れて崩れ落ちた。
 結局2人は、無傷の板チョコの橋を使って無事、向こう岸へ辿り着いたのだった。


「真っ暗……ですね」
 次に7人が辿り着いたのは、暗闇が支配する長廊下。
 リクがロウソクに火を灯すが、それでも周囲が僅かに見える程度だ。
「う、うふふふ。こういうのって怪談話にありそうなシチュだよね」
 馨の何気ない一言に、思わず数人が息を呑む。
「掴まってても良いですか?」
 燿は半泣きになりながら、リクや繭の服の端っこを掴んで尋ねる。
「このお城、もし食べ始めるなら……何処からに、します?」
 繭はそんな彼女の気が少しでも紛れる様にと、そんな問い掛け。
「えっと――」
「話の途中で悪いけど。その廊下には、世にも恐ろしい妖怪変化の数々が棲息しているわ。油断しない事ね」
 めぐるの声が響く。
「うう、そうだ、もしかしたら姫もこんな環境かもしれないし頑張って耐えよう……ううう」
 眼を細め、出来るだけ怖い物を見ないようにしながら進む馨。そんな彼女にしがみついているエルレイは、完全に目をつむってしまっている。
 そしてその頃、姫は――。

「く、黒瀬が囚われのお姫様、だと……似合わないにも程が――」
 れっきとした男の子である自分が、何故姫君なのか。至極当然な疑問を口にしつつ、ふと鏡台を見遣る和真。
 そこには、豪奢な金髪のウィッグと、フリルが贅沢に施されたピンクのドレスを身に付けた美少女の姿。
「……ま、まあ、お姫様らしく? 皆が助けにきてくれるのを待とうか」
 と、すっかりノリノリの和真姫なのでした。

 その頃勇者達は、ミイラやゾンビ、キョンシーらに追いかけ回されていた。
「ま、まだ出口に着かないの?!」
 先程から全力疾走の馨。
「なんで笑ってるんですか」
「オレ、お化け屋敷とか結構好きなんだ……あ、見て!」
 怯える女性陣を微笑ましく見守る余裕さえ見せるリク王子、前方に小さな光を見付けて指さす。
「出口だ!」
 最後の力を振り絞り、廊下を駆ける7人。
「もう、お化け屋敷は二度と入りたくない……」
 ぐったりとへたり込む燿。


「と、ところで、僕……じゃなかったや。私を捕らえて……どう、するの?」
 勇者達が奮戦する間、和真姫はなんとか魔女の手を脱出出来ないか、独自に交渉を開始していた。
「この世で一番美しいあなたを捕え――私が一番になるのよ!」
「美しさか……」
 再び鏡を見遣れば、元々整った顔立ちの彼は確かに美人と呼んで差し支えない姿に変貌を遂げている。
「じゃあ仕方ないか……!?」
 やはり勇者達の救出を大人しく待つのだった。

「ささやかな歓迎の席を設けさせて貰ったわ。気に入ってくれると良いけれど」
「勇者様、助けてー?!」
 7人が到達したのは、大食堂。
 これまでの恐ろしげな雰囲気とは打って変わって、長テーブルには煌びやかな食器や美しい花が並んでいた。
「お菓子の城で出る料理……やっぱりお菓子なのかな?」
 目の前に運ばれてきた皿、期待を膨らませながら蓋を開けてみると――。
「魔女さん、すごく意地悪……」
 エルレイの皿に盛られていたのは、大量のピーマン、茄子、かぼちゃ。どれも彼女が苦手とする食べ物ばかり。
「緑の悪魔、こわい……!」
 繭の皿は緑一色。山盛りのグリンピースだ。
「……生ってどうしても駄目なんだ」
 これまで颯爽とパーティを率いてきたリク王子でさえ、苦手な刺身の舟盛りを前にうっすら涙目。
「せ、セロリだ……と……克服するために練習してるけど、いまだに慣れないんだよな」
 冷静沈着な葵でさえ、思わぬ難敵に表情が強ばる。
「もちろんお残しは許さないわよ」
 別の皿に移そうとしていたエルレイの手が止まり、渋々自分の皿へと戻る。
「虫を食べるのだけは……死んでも嫌な……え、出てくるの!? 本当に?! 嫌あぁ!」
 馨は祈るような気持ちで蓋を持ち上げるが――そこには、大量のイナゴの佃煮。
「私はフルーツパウンドケーキが苦手です」
 一同の混乱を他所に、真理はそんな言葉を呟いて蓋を持ち上げる。

「……く……、俺、は負けなかった、ぞっ」
 ようやく強敵を降した勇者達。殆ど味わう事無く飲み下した者が殆どではあったが。
「えへへ、ごめんなさい……実は、好きなもの、でした♪」
 真理だけは、好物のケーキを食べてご満悦。元々好き嫌いの無い彼女だからこそ出来た芸当だろう。


 やがてダンスホールへと到達した一行。
「さすが勇者と言った所かしら」
「勇者様ー」
 舞台上にはホログラム映像の様に、めぐると和真の姿が映し出されている。
「最後の試練よ。突破出来れば姫を返してあげる。自らの恐怖と向かい合う事が出来れば、扉は開かれるでしょう」
 パチンと指を鳴らすめぐる。
「苦手な食べ物を完食した私達に、怖い物なんて――」
 ――がさがさっ。
 耳障りな物音がダンスホールのあちこちから響く。そして現われたのは……。

「ご、ごごご……でかいゴキブリが?!」
「お嬢ちゃん。そんなに邪険にしなくてもいいじゃろ」
 エルレイを執拗に追い回す巨大ゴキブリ。バサバサと羽をはばたかせ、距離を詰める。
 やがてホールの隅に追い込まれたエルレイに逃げ場はなく――。
「鬼ごっこはおしまいみたいだなぁ」
「……」
 ゆっくりと接近してくるゴキブリに、エルレイの中で何かが切れた。
 ――バッ!
「えっ? ちょ、ギャアァ!」
 降り注ぐ裁きの光、無数の兎達に力を借りた霊弾を続けざまに放つエルレイ。
 揚句には、騰蛇を情け容赦無く振り下ろす始末。完全に暴走している。
「じ、女王様ぁ!」
 哀れな巨大ゴキブリは、そのままボワンと音を立てて跡形も無く消え去った。
「……このお菓子の城の壁を食べなかった、よかったの」
 我に返り、いつもの純真な少女に戻るエルレイ。どちらが恐ろしいか解らない。

「いやいや、こんなに大きくても凄く困るんだけど」
「つれないこと仰らないで、王子様ぁ♪」
 その頃リクもまた、巨大ゴキブリに追い回されていた。
「近寄りたくない……でも、本物より怖くない気がする?」
 リクは距離を取って振り返ると、飛来するゴキブリを見据えて力を集中させる。
 ――バシュッ!
 空間を歪ませる程のエネルギーを篭め、放たれる蒼の魔弾。
「ギャァァ! 王子様のいけずっ」
 直撃を受けたゴキブリは、やはり白煙となって霧散した。

「馨様、もう大丈夫なの」「今助けるよ!」
 戦う事も出来ず逃げ回っていた馨も、エルレイとリクの助太刀により救助され、3匹の巨大ゴキブリはいずれも跡形無く消滅した。

「……!?」
「ぐひゅ、見た目で嫌うなんて酷いですぜ」
 繭の声を奪ったのは、巨大なめくじ。
「し、視界の暴力、反対……!」
 涙を浮かべながら、繭は箒を力一杯振り下ろす。
 ――ドカァッ!
「ぎゃふぉっ!?」
 メイド+箒の殺傷力(色んな意味で)は凄まじく、その一撃は巨大ナメクジを内部から破壊した。

「夢の中でまで……」
 葵の前に出現したのは、大蛇。
「オレの毒を食らったらただじゃ済まないぜ? 精々逃げ回るがいい」
 間合いを詰める蛇。
「お前ら、嫌いなんだから出てくるなっ!!」
 しかしこの時、葵の中では恐怖よりも怒りが勝っていた。
「は、はうあ!?」
 至誠天破は、大蛇の眉間に深々と突き立てられた。恐れを知らぬ捨て身の攻撃により、大蛇も呆気なく消滅。
 
「ぐるる……オレ様は凶暴だぜ?」
 燿の前には、巨大かつどう猛な犬。
「デフォルメされてればかえって大丈夫!」
「えっ?」
 しかし燿は臆することなく朱月桜華を抜き放つ。
「少しストレス発散にも付き合って下さいね」
「は、話が違……ぎゃぁぁ!」
 黒炎を纏った斬馬刀により、巨大犬もあっさり敗北。

「ぬるぬるが嫌いなんて言いっこなしだぜ、お嬢さん」
「捌いて、差し上げます……!」
 目の前でのたうつ巨大うなぎを前に、誓絆を振るう真理。
「オレの皮膚は良く滑るぜ、果たして斬れるかな?」
 しかし、自分が魔法使いだった事を思い出した真理は、薙刀を杖に変える。
「えっ?」
 ――ヒュッ!
 放たれたのは、光の槍。
 これではぬるぬるも関係無く、真っ二つに下ろされてしまった。


 ついに最上階へ辿り着いた勇者達。
「お待たせしました姫様……なんだか、妙に似合ってますね」
 早速姫の身を案じる葵。
 意外とドレスが似合っている事は認めざるをえない。
「あわわ、なんて美しいお姫様!」
 エルレイに至っては、肩を震わせて笑いを堪える。
「皆さんなら必ず助けに来てくれると信じてました」
 そんな皆の反応を他所に、板に付いた姫様っぷりで応える和真姫。
「約束通り姫はあなた達に返すわ。お姫様抱っこで連れて行きなさい」
 観念した様に言うめぐる。
「姫、ご無事で何より――うん、ドレス姿可愛いね和真ちゃん」
 リク王子は、言われるままに姫君を抱き上げる。
「えっとここは『そして二人は幸せに……』なのね?」
「王子様とお姫様のキス?!」
 数名が色めき立ったが、キスは必要無いだろうと言う結論に落ち着いた。
「さあ、無事に、クエストクリアです! お姫様も、悪い魔法使いも、一緒にお祝いですよ♪」
 そんな真理の言葉を合図に、誕生日パーティが始まった。
「誕生日おめでとうございます、良い一年になることを祈っています」
「素敵な笑顔が……絶える事のない、楽しい日々をお祈りしてます、ねっ」
 大きなケーキを運び、祝いの言葉を贈る葵と繭。
「初めて会った時はまだ中学生だったんだよね。何だか感慨深いなぁ」
 これまでの付き合いを思い返すリク。
 その頃から大人っぽい印象は変わってない様だ。
「卒業してからもずっとお世話になってますけど、これからも宜しくお願いしますね」
「年下って気がしない君だけど、いつも遊んでくれて本当にありがとうね」
 年上の女性である燿や馨にとっても、やはり和真は頼りになる存在。
「これからも一緒に遊ぼう♪」
「改めて宜しくね、和真」
 逆に年下のエルレイやめぐるにとって信頼出来る友であり、「Under the Same Sky」には欠かせない存在だ。
「皆にこんな形で誕生日を祝ってもらえて本当に僕は幸せ者だと思う。皆本当にありがとう」
 和真もまた、掛け替えのない仲間達に改めて感謝の言葉を贈る。

 こうして、姫を取り戻すことに成功した勇者達は、お腹いっぱいになるまでお菓子の城を食べ尽くし、夢が醒めても冷める事のない熱い絆を結んだのでした。
 めでたしめでたし。


マスター:小茄 紹介ページ
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参加者:8人
作成日:2010/07/31
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