ツンデレ・ハイスクール


<オープニング>


 どこにでも有りそうな学校の校舎。
 その屋上で一頭の馬が笑っている。
「フハハハ! 偉大なる王、ジャック様! そのお力を賜った私めに不可能は御座いません。悪夢の力よ、我が手に集えぃ!」
 コピーナイトメア――それは、文字通りナイトメアのコピー。
 すなわち、このコピーが退治される様な事があったとしても、本体は無事で居られる。身の危険を顧みず、大胆に行動出来るのだから笑いが止らない。
「……とは言え、だ。あの邪魔者どもに、良いようにされるのも面白くない」
 彼がひとつ嘶くと、周囲には制服や体操着を纏った女子生徒達が数名出現する。
「全く、くだらない事に付き合わせないで下さいよね」
「アンタがどうしてもって言うから、手伝って上げるだけなんだからね」
 現れたのは、いずれも整った顔立ちだが、ややつり目で気の強そうな少女達。
「くっくっく……来るが良い銀誓館の小童ども! べ、別に待ってなんかないんだからねっ!」

「はぁ……いえ、何でもないの。こんな悪夢に囚われているのは、ハジメさんって言う高校生の少年よ」
 彼は恋愛シミュレーションゲームが趣味だが、どのゲームにおいてもツンデレキャラだけは未攻略と言う程ツンデレ嫌いなのだと言う。
 彼の家に潜入し、2階にある自室の枕元に辿り着くまでには、さしたる障害も無いだろうと柳瀬・莉緒(中学生運命予報士・bn0025)は言う。

「ナイトメアが作り出したのは、架空の高校。戦場は校内の色々な場所になりそうね」
 そして夢魔が対銀誓館用に創り出した悪夢の衛兵は、ツンデレ女子生徒や女教師等。
 学園内に存在する様々なシチュエーションを利用し、ツンツン攻撃を繰り出してくる。
「デレは無いんですかぁ?」
「それなんだけどね、悪夢の中では世界観に合った行動を取らないと、攻撃の威力が半減してしまうペナルティを受けるの。だから……」
 相手をデレさせる様な言葉や態度を取りつつ、攻撃する事が出来ればベターと言う事らしい。
「まんまギャルゲーですぅ」
 芝居がかった仕草で溜息をつく志筑・涼子(残念な子とは呼ばせない・bn0055)。
「ちなみに、この悪夢を束ねているのは来訪者ナイトメア――のコピーよ。実体ではないから、倒しても意味はないんだけど……」
 わざわざ逃がすのもなんだし、腹いせにボッコボコにしてやるのが良いだろう。悪夢を見せられた人の怒りもこめて。
 衛兵よりは多少強いが、ナイトメアの戦闘力も低め。さほどの敵ではないと考えて良いだろう。

「『ティンカーベル』の不思議な粉を渡しておくわね。夢の中では、常識では考えられない事が平気で起こるわ。ただし、夢の中で重傷を負ったり命を落とせば、現実でもそうなると言う事だけは忘れないで」
 莉緒は小袋を渡しながら、少し表情を引き締めて言う。
「それじゃ、行ってら……あー……べ、別に心配なんてしてないんだからね! って言っておいた方が良いかしらねやっぱり」

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参加者
芹沢・彼方(銀葬祈鋼・b05664)
御形・司(天雷无妄の理・b22570)
黒鯨・珠子(原初の狂気・b28851)
カイト・クレイドル(高校生人狼騎士・b37048)
ソフィー・セルティウス(深蒼雹刃・b60749)
セフィラ・マーゴット(割れない胡桃・b60878)
雨龍・空野(確固たる純潔の守護者・b69223)
トリスターナ・ソレル(ツンデレメイドは振り向かない・b76554)
NPC:志筑・涼子(残念な子とは呼ばせない・bn0055)




<リプレイ>


「淑やかで優しいお姉さんタイプが好みみたいですねぇ」
 貼ってあるポスターから、ハジメの好みを推理する志筑・涼子(残念な子とは呼ばせない・bn0055)。
「ツンデレキャラが嫌いって珍しいよな。ツンデレかわいいよ、ツンデレ」
 対照的なカイト・クレイドル(高校生人狼騎士・b37048)。
 多少Mっ気があるか、忍耐強い人間でないとツン時の暴言を耐える事は出来ない。カイトの場合は、さてどちらか。
「ツンデレなー……たまに見る分には面白いんだが」
 かくいう芹沢・彼方(銀葬祈鋼・b05664)も、頼まれたから仕方なく今回の依頼に参加したのだそうだ。ツンデレツンデレ。
「最近の流行かしらね……素直になれない気持ちは、なんとなくわかるのだけれど」
 昨今のツンデレブームに少し食傷気味か、ぽそりと呟くセフィラ・マーゴット(割れない胡桃・b60878)。
 確かに、オリジナリティを失ったステレオタイプばかりでは飽きてしまうだろう。
「ツンデレって……どういうものでしょう……?」
 小首を傾げる雨龍・空野(確固たる純潔の守護者・b69223)。
 ここから暫くツンデレについて説明――するには余白が狭すぎる。
「ソレルさんみたいな人のことですぅ」
「……てか、ボクだってツンデレツンデレ言われるのは好きじゃないんだけどさ……」
 トリスターナ・ソレル(ツンデレメイドは振り向かない・b76554)も確かに、素直になれずツンツンしてしまう不器用な性格の持ち主。
 しかし彼女らは、素直になれない自分を歯痒く思っている場合が殆どで、ツンデレを魅力と捉える事に違和感を感じている物だ。
「ツンデレねえ……それ以前にゲーム如きで悪夢に囚われるなよ面倒臭い」
 シニカルな物言いの御形・司(天雷无妄の理・b22570)。
「志筑、普段ツンデレ娘を相手にしてるんだからコツはわかるだろ? 頼りにしてるぜ」
「えっ、あ……任せておけですぅ」
 ドライな司から、突然頼りにされてどきまぎする涼子。これもツンデレの魔力か。
「久々の外しょ……依頼だな♪ ……ナイトメア……馬……馬刺し!!」
 一方、全く別次元の黒鯨・珠子(原初の狂気・b28851)。
 ナイトメアを食べる気満々の様だが……バクでも無い限り無理という気がする。
「では、行きましょうか?」
 ティンカーベルの粉を手に尋ねるのは、ソフィー・セルティウス(深蒼雹刃・b60749)。
 キャラ立ては苦手と言うだけあって、けれんみのない素直な少女。もっとも、彼女ほどならそのままで良いと言う意見が殆どだろう。
 そんな一行は早速、悪夢の中へと入って行く。


「何だか、変わった世界ですね」
 率直な感想のソフィー。
 どこにでもありそうな学校だが、どこか違和感がある。ありそうでありえない、いそうでいない、それがギャルゲーの世界だ。
 ――ビュオッ!
「っ!?」
 唐突に能力者達に降り注いだのは、白球の嵐。
 振り返れば、少女が数人。剣呑な様子でこちらを睨み付けている。
「くだらない音楽にうつつを抜かしてる割には、まぁまぁの動きだな」
 ボールを蹴ってきたのはどうやら、ボーイッシュなFW系女子。たまきと言うらしい。
 サッカー少年に変身したトリスターナに対し、対抗心を燃やしている様だ。
「くだらないかどうか、ボクの歌を聴けーッ」
 トリスターナは、手にしたギターで激しいビートを刻む。
「――っ!?」
 エレキギターを掻き鳴らす彼を見て、息を呑むたまき。少女漫画ならバックには花のトーンが一杯に貼られていそうだ。
「く、くだらないって言ったのは取り消してやるから感謝しろっ」
 そっぽを向いて、赤くなりながら言うたまき。
「で、でもサッカーの腕が落ちてたら意味が無いぞ! 確かめてやるっ!」
 しかしすぐに気を取り直すと、足下にサッカーボールを置き――
「タイガーカミソリシュートっ!!」
 勢いよくキック。
「くっ!」
 強烈なシュートだが、怯むことなく胸でトラップするトリスターナ。
「こっちの番だ。くらえっ! 情熱のファイヤーシュート!」
 ――ゴォォッ!!
 そして、激しく燃え盛るシュートを打ち返す。
「きゃあっ!!」
 たまきはその直撃を受け、グラウンドへと倒れる。
「くっ……私が負けるなんて」
 悔しげな彼女に、差し伸べられる手。
「勝負は決まってないだろ?」
「えっ?」
「次の大会で、どっちがいい成績残せるか勝負だぜ」
「トリスターナ……」
 その手を掴み、立ち上がるたまき。
「お前はボクのライバルなんだから、下手な成績で終わるんじゃないぞ。……これでも応援してるんだからな」
「なっ!? お前こそ足を引っ張るなよ! ……ツートップは2人でひとつなんだからっ」
 トリスターナの激励に、視線を逸らしながら言い返すたまき。
 どうやらグッドエンディング一直線か。
「こんな所で何をしていますの? まさか、今更コーチ面しに来たとか仰いませんよね?」
 さて、もう1人はテニス部員らしい。白いテニスウェアに身を包んだ、お嬢様っぽい少女。
 眼鏡のイケメン教師である彼方を睨み上げる。
「れいこ、今日も可愛いですね」
 彼方は少女の名を優しく呼び、そんな言葉を掛ける。詠唱停止プログラムを纏った甘い台詞だ。
「そ、そんな安っぽいおだてで、貴方を許すと思っていますの?!」
 頬を赤くしながら捲し立てるれいこ。
「テニスウェア、似合ってますよ。さっき私に何をしているか聞きましたね、れいこの走る姿に見蕩れてました」
「っ!!」
 ぐぐっと距離を詰める彼方。狼狽えるれいこと、生唾を飲む一同。
「腰が引けていますよ。久しぶりに、先生と居残り練習が必要かな」
「なっ……ななっ……」
 密着と言って良いくらい、接近する2人。
「僕のモノになってください」
「ふぇあっ!? 何を仰っているか解っていますのっ!?」
「本気ですよ?」
 耳元で囁く様に告げる彼方。
「コ、コーチ……」
 カランと音を立てて、ラケットが地面に転がる。
「これエロゲでしたっけ」
「ギャルゲーです」
「安心しましたぁ」
 そんなこんなで、グラウンドの女の子達を攻略した一行は校舎へと向かう。


「先輩!」
「……おはよう。早いのね」
 下駄箱でソフィーに声を掛けてきたのは、ポニーテールの少女。どうやら剣道部員らしく木刀を手にしている。名札には「さくら」と記されている。
「どうして私を代表メンバーから外したんですか!」
「どうしてって……」
「いえ、問答は無用です。勝負して下さい。私が勝ったら代表に、先輩が勝ったら大人しく諦めます」
「ごめんなさい先輩。止めたんだけれど、この子聞かなくて」
 少し困った様な顔で言うセフィラ。
 自分の言葉を素直に出来ないツンデレには、えてして彼女のような良き友人が代弁者役として付き添う必要がある。
「セフィラは黙ってて。これは私と先輩の問題なんだから!」
「……いいわ。そこまでいうのならかかってらっしゃい」
 こちらも剣を構えるソフィー。
「はあっ!」
 ――ビュンッ!
 鋭い斬撃だが、ソフィーは紙一重で見切る。
「ほら、どうしたの? いつもの元気、見せてごらん?」
「くっ!」
 ――ガキッ!
「しまっ――」
 渾身の鋭い突きだったが、これもソフィーに受け流される。生じる大きな隙に、さくらは敗北を覚悟する。
 ――ばしんっ!
 しかし、さくらを打ったのは剣ではなく、ソフィーの素手だった。
「なぜ剣を使わないんですか! 私とは勝負する価値も無いって言うんですか!?」
「……剣は使わないわ。すぐに剣に頼るのは、未熟者だから。それに………」
 静かに言葉を紡ぎながら、剣を仕舞うソフィー。
「……本当は貴女とは戦いたくないのよ」
 ソフィーの言葉を聞いて、さくらも構えを解く。
「私だって……でも、先輩も来年には引退しちゃうんだって思うと……少しでも先輩と一緒に居たかったし……ひとつでも多くの試合を一緒に戦いたかった……実力不足なのは解ってました……でも……」
 涙を零すさくら。
「貴女には才能がある。いずれ剣道部を背負う存在になるわ」
 頭を撫でながら、優しく声を掛けるソフィー。
「代表でなくても、一緒に戦う事は出来る。貴女には才能があるけれど、それだけじゃ部員はついてこない。色々な経験を積んで欲しかったの」
「……せ、先輩……私頑張ります! もっともっと努力して、自慢の後輩だって言って貰えるように!」
 さくらは顔を上げると、ソフィーに抱きつく。
「ほんと、不器用なんだから」
 やれやれと肩を竦めるセフィラ。
「女子校ってこんな感じなんですかねぇ」
「創作物の中ではね」
 さて、一行は更に校内を進んで行く。


「先生、僕胸が苦しくて、先生のことを思うだけで胸が張り裂けそうです」
 保健室のドアを開けるなり、思いの丈をぶつけるカイト。
「また君か」
 白衣姿の女性が振り向いて言う。20代後半だろうか、凛と整った顔立ちに、口元のほくろが色っぽい。
 脚を組み変える仕草もいかにもセクシーだが、視線と口調は絶対零度の冷たさである。
「こんな所で無駄な時間を過ごす暇があるのなら、もっと有意義な事に時間を使うべきだろう……君に残された時間は限りある物なのだから」
 カイトは不治の病に冒されており、その命はいつ尽きるとも知れない。その事に触れる瞬間、女医の顔には憂いがよぎる。
「限りあるからこそ、ずっと先生だけを見ていたいんです!」
「っ!?」
 カイトの告白に、女医の手からペンが転がり落ちる。
「わ、私など……君から見ればおばさんだし……」
「先生の一言一言が僕の心を蝕むんだっ! 寝ても冷めても先生のことばかり、僕は恋という病に冒されてしまったんだ」
 おろおろと視線を泳がせる女医を、真っ向から見つめるカイト。
 縮まる2人の距離。
 夕焼けに染まる保健室。
「カ、カイト……」
「僕の心は張り裂けそうに凍ってるんだ! だから温めてください」
 がばっと抱きつくカイトを、女医もやがて受け入れる様に優しく抱きしめる。
「解った……私が温めてやろう。可愛い生徒が病に冒されていると言うのなら、出来る限りの事をしなくてはな?」
「これって」
「ギャルゲーです」
「安心しましたぁ」
 保健室もクリアした一行は、一路屋上を目指すのだった。


「雨龍さん!」
「何かご用ですかぁ? 風紀委員のサキさん」
 階段を上っていると、空野に掛けられる声。その主は風紀委員の腕章をつけた眼鏡の少女だ。
「スカートが短すぎます! 校則を守れない人間は、学生失格ですよ!」
 現実とは正反対(?)に、華美な装いの空野に対していちゃもんを付ける。
「ふぇーん」
 ついには泣き出す空野。
「一体どうした?」
 尋ねるのは蛮カラスタイルの番長。藍ノ丞が擬人化(?)した物だ。
「私に言いがかりをつけるんですぅ」
「可哀想に。ほら、もう泣き止め」
「怖かったですぅ」
 藍ノ丞に抱きついて、イチャイチャと甘える空野。
「し、神聖な学舎で破廉恥なっ!」
 顔を覆いながら、益々声を張り上げるサキ。
「自分が恋愛出来ないからって八つ当たりなんて酷いですぅ」
「ち、ちがっ! 私だって……好きな男の子くらい……」
 藍ノ丞の影に隠れたまま、言いたい放題だ。
「何の騒ぎだ?」
 そこにやってきたのは、現代的不良スタイルの司。
「ご、御形くんっ……!?」
 ドキンと言う効果音が聞こえるくらい、解りやすいリアクションのサキ。
「……なるほどな。俺も下らない決まり事に縛られるのは御免だ」
「く、下らなくなんて! 常識的に考えてもっ」
「常識とか規則に踊らされるなよ」
 サキを制しながら、踊るように近づく司。
「ルールを守る前に、ルールの必然性に疑問を持った事も無いのか」
「だって……ずっと大人が言う通りにしてきたし……」
「本当になりたい自分は何だ。折角綺麗な目をしているのに、勿体無いぜ?」
 サキの顔を上げさせると、目を見据えながら告げる司。サキの中で、何かがドカーンと爆発する。
「……御形くん……どんな髪型が好き?」
「ん?」
「私もお洒落、してみようかな……でも、どうしたら良いか解らないから……色々教えてくれる?」
 上目遣いに、御形へ尋ねるサキ。
 これでナイトメアが待つ屋上は目と鼻の先だ。


「貴様等ギャルゲーをやり込んでいるなッ!」
「答える必要は無いですぅ!」
 屋上には、黒馬と幼なじみが待ち構えていた。
「アンタって昔から時間にルーズよね。待たされる側の気持ち解ってんの?!」
 すっと前に出る幼なじみ。黒髪ツーテールの少女、マキだ。
「ほら、飲みなさいよ」
 言いながら、熱々の缶ジュースを投げつけてくる。
「んぃ……なんだかんだで優しかったりで、キミのそういうとこ、ボク大好きだよぉ♪」
 珠子は難無くそれを受け止めると、笑顔で言う。
「は、はぁ? アンタが風邪引いたらうつされるかも知れないでしょ!」
 そっぽを向くマキ。
「ほんとに……独り占めしたいくらいに……」
 ――バチバチッ。
 珠子の後ろ手で、スタンガンが火花を散らす。
「何を言っ――きゃあああっ!!」
 詠唱停止級(?)の電撃が走って、崩れ落ちるマキ。
「な、何……するのよ……」
 起き上がろうとするが、痺れて力が入らない。
「うふふ……これで、独り占め……」
 つかつかと歩み寄る珠子の手には、一振りのナイフ。
「ひっ!? や、め……」

 険しくも美しい山の峰。
 その中程に、ひっそりとそびえる白亜の古城。
 鏡のような水面を、白波を立てて進む美しい船。
 
「ま、まて。俺を倒しても誰も得しないぞ!」
「ボク、馬って、すごく好きだよ〜……カッコいいし……強そうだし……」
 震えるナイトメアに、笑顔でにじり寄る珠子。
(「タマコ、それ演技……だよな?」)
 敵より味方が恐ろしい。カイトの背筋に冷たい汗が流れた。
「他の女と一緒に居るなんて……ぶっ壊してさしあげますわ」
 いつの間にかヤンデレ少女に変身した彼方。
「もうヤンデレはやだ!」
 恐怖におののく黒馬。残りの能力者達の方へ逃げてくる。
「あなたとなんか……戦ってあげない……です……」
「そ、そんな!」
 空野のツンに、必死のナイトメア。よほどヤンデレが怖いのだろう。
「会いたい、なんて思ってたわけじゃないのよ? たまたま、ここで出会ってしまっただけ、よ!」
「袖すり合うも多生の縁って言うじゃないですかぁーっ」
「嘘。ここまでに出会った誰よりも、貴方に会いたかったわ」
 にこりと微笑みながらデレたセフィラは、光の槍を放つ。
「べ、別にあんたのこと心のそこからうざいからさっさと倒されろって思ってるんだからね!」
「下らない夢に付き合わせやがって、覚悟しやがれ!」
「こういうのは、もう御免です……!」
「とっととボクの視界からいなくなれ!」
 能力者の集中攻撃が降り注ぐ。
「ぐはあっ」
 ナイトメアは倒れたが、心なしか顔には安堵の色が浮かんでたとか。
 かくして、無事悪夢を壊した一行は、現実へと帰還するのだった。

 尚、本作は都合により、一部描写を変更してお送りしました。


マスター:小茄 紹介ページ
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知的 ハートフル ロマンティック せつない えっち
いまいち
参加者:8人
作成日:2010/12/07
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