力こそ正義の証


<オープニング>


●力こそ正義の証
「へへへ……それでよぅ、ヤツ意外に金持ってたんだよ。まぁいいとこのボンボンだしよぅ、こういう金は俺達が有効活用してやんなきゃな、ってなぁ」
「おー、そりゃラッキーだよなぁ。俺がヤッたのはしがないサラリーマンのオヤジでよぅ……ほれ、たった5千しか持ってないでやんの。シケてやがんよなぁ」
「だよなぁ。不況不況と言っても、万札位持ってけってんだよなぁ」
「ま、いっちょ今日もぱーっと使おうぜ! 俺達ぁこの街が縄張りなんだから、無くなればまたカツアゲすりゃいーだけの事だしよ」
 都内、沢山の人が棲まう繁華街。
 その一角に、学生服を着崩した、目つきの悪い不良の連中が笑い合う。
 彼等の手には幾つもの財布……難癖を付けて金を巻き上げる不良グループ達である。
 そんな柄の悪い男達……十数人のグループとあっては、ゲームセンター側の従業員は何も言う事は出来ず……治安が悪くなるのを見ているしか出来ない。
 ……そんなゲームセンターへと入ろうとする所に。
「待てぇっ!」
 大声で叫ぶのは、大きな身体に赤いバンダナを巻いた男の姿。
 不良……と呼ぶには少々趣が違う気もするが、彼から発せられる威風は不良グループ達を刺激した様で。
「ぁあ? 何だてめぇは!」
「俺の名は天竜・頭蓋。テッペンを獲る男だ!」
 そう言うなり、彼の左右に数人の男がずらり揃う。
 そして天竜と名乗った男は、拳を握りめながら仕掛けるのであった。
 
「皆集まったな……今回は、ナイトメアビーストの討伐を頼みたいんや」
 神丘・崔(運命予報士・bn0103)は、集まった皆が集まるなりにナイトメアビーストの依頼と口火を切る。
 勿論今迄にナイトメアビーストは何種類ものコピーが出て来ている訳だが……今回のナイトメアビーストは。
「今迄に三種類のナイトメアビーストが出て来たが、今回出て来たのは新しいナイトメアビーストや。名前は「バッドヘット」天竜・頭蓋と言う」
「彼の能力は「不良グループ一つを支配下に置く」という能力や。更に彼の支配下に置かれた不良達の一部は、能力者並みの力を得た強化型不良になる上、頭蓋のグループ自体が別の不良グループとしか運命の糸が繋がらないという厄介な力を持つ」
「つまり……ヤツを倒す為には「不良グループ間の抗争」以外で滅ぼすことが出来ないんや」
 溜息を吐く崔。そして。
「勿論頭蓋を放っておけば、、彼と配下達は他の不良グループに襲いかかり、勢力は拡大の一途を辿ることやろう。そうなれば多くの血が流れることになってしまう。それを止めるためには、能力者達も頭蓋が狙う不良グループに予め潜入し、その一員として頭蓋と戦わねばならんのや」
 そこまで言うと、更に崔は一枚の写真をホワイトボードに貼る。
 写真に写っているのは、雑踏の中……昔ながらと言える征服を着崩した、目つきの悪い男達の姿。
「これが今回、天竜・頭蓋が襲撃してくる不良グループや。彼等のグループ名は『烈風怒濤』……ちょっと考えたヤツも頭が痛いらしいが、それは今回本質やないな」
「彼等は基本的に繁華街の駅近くを縄張りにし、チーマーの様に街を歩く一般人に難癖を付けて金を巻き上げる。勿論状況によってはスリも厭わん奴等や」
「とは言え、奴等は見込みがありそうなヤツは取り入れていこうとする……変な所で融和心を持ってる奴等や」
「皆がこの不良グループに加入するには、駅近くでそれらしく振る舞い、たむろっていれば奴等が目を付けてくるやろう」
「奴等から難癖を付けられたらその力を見せつける事で、共同戦線を張らねぇか、とか言い出してくるハズや。皆にはそこから考えて貰う事になる」
「ま……力については、皆のいつもの能力を控えめに使えば間違い無く大丈夫やと思うがな」
 最後には苦笑する崔。しかし不良グループに入らない限り、頭蓋とも出会えないのだから大事な作戦であるのは間違い無い。
「勿論その後、彼等は自分達のたむろう場所であるゲーセンに向かう。その時に天竜・頭蓋と、その配下が仕掛けて来る事やろう」
「物騒な事にヤツの武器……鋭い切れ味の日本刀や。とは言っても、戦闘能力は極一般的なナイトメアビーストと同等なんやけど、その刀を振りかざしながら戦場を駆ける」
「又、彼の周りには配下の不良達が並んでいる。援護ゴースト……あえて言うなら強化型不良やが、その数は8人。頭蓋と共に皆をぶち殺す為に戦場を動き回る。奴等も皆、基本的には接近して殴りかかる能力に特化されとるから、言わば敵のジョブは接近戦しか出来ん様や」
「……ちなみに強化型不良は、倒されても死ぬ事は無いから安心してくれ。他の不良達もいるが……ま、能力者の能力の前には無力やからこの際気にしなくてもええと思うわ」
「倒すのはつまり頭蓋と強化型不良8人。全て倒せば頭蓋による支配は解けて、抗争も終わることになるやろう」
 そこまで言うと崔は再度皆を見渡しつつ。
「天竜・頭蓋を止めなければ、不良同士の抗争で多くの命が失われるのや。勿論不良は無くなれば良いという考えのも居るとは思うが……だからといって一般人に被害が及ぶのも不味いやろ?」
「という訳で……頭蓋を倒し、奴等の侵攻を食い止めて欲しい。それが依頼や。皆……宜しく頼むで!」
 と言って、最後に際は頭を下げるのであった。

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参加者
緋勇・龍麻(龍の伝承者・b04047)
錘江田・水歌(鬼火・b23273)
リラ・リエンダ(牙道忍者・b28374)
伊藤・洋角(百貨全用・b31191)
犬塚・沙雪(通りすがりの正義の味方・b38003)
黒鵡・那儀(少しでもあの人に近づきたい・b43348)
土御門・泰花(風待月の菫・b58524)
マモル・トレイア(真蒼き居眠り絵師・b62303)
久瀬・悠理(高校生太陽のエアライダー・b73652)
七尾・やこ(珠玉の仔狐・b73876)



<リプレイ>

●正義輝く前に
 崔の話を聞いた能力者10人。
 訪れるのはとある繁華街の一角……たくさんの人がごった返し、どこか喧噪にまみれたその空間は、都会特有の空気に包まれているその場所。
 当然人が多く喧噪にまみれたその空間は、やはり治安も悪い訳で……あまり居心地はよくない。
「はぁ……しっかし、なぜ本当にこんな運命の糸がつながったんだろうな……」
 その居心地悪い中で、何よりも深い溜息をはいていたのは、マモル・トレイア(真蒼き居眠り絵師・b62303)。
 そして黒鵡・那儀(少しでもあの人に近づきたい・b43348)もこくこく、と頷きながら。
「そ、そうですよね。不良のフリ……お仕事とはいえ、悪い事をする人の真似はしたくないのです。ですが……運命の糸がつながる方法がそれだけしかないんですよね……?」
「ああ。ナイトメアビーストの四人目、天竜頭蓋。直接自分らに絡んでこない……絡むのは同じ属性を持った不良グループのみ、と。何とも憎らしいですねぇ……」
「……こんどのは、どんな人だろ? 友達がいない24歳とか、怪談マニアとか、そんな感じ? ……ともかく、変なことは、まちがいない」
 更に伊藤・洋角(百貨全用・b31191)の言葉に、七尾・やこ(珠玉の仔狐・b73876)がびしりと断言。
 確かに今までのナイトメアビーストの者達は一癖も二癖もある様な者達ばかりなのは間違いない。
 ただ、今回のナイトメアビーストの大きな違いは、むしろ好戦的なナイトメアビーストの一人だ、という事。
「ナイトメア関連とだけ聞くと、今一緊張感に欠けがちですね。けれどもこの度の相手は笑っていられるほど優しい能力ではない様ですから、気を引き締めませんといけませんわね」
「ああ。厄介な能力は早急に潰すに限る。ま……不良共も相当酷い事をしてきたけれど、見殺しにする訳にもいかないからな」
 土御門・泰花(風待月の菫・b58524)に、久瀬・悠理(高校生太陽のエアライダー・b73652)二人の言葉に。
「ん……ま、不良も最近、マル暴の人を殺す位の凶暴性が指摘されてはいるけれど、まさかそれが利用されてしまうとは思いもよらなかったわ。本人に自覚は無さそうなのが救いよね……とはいえ馬鹿に刃物は御法度なので、どちらも止めさせてもらうわないと」
「そうだな。なにはともあれ悪人といえども一般人……人の死は避けませんと。烈風怒濤という名前はおいといて……何とか取り入らないといけませんね」
 錘江田・水歌(鬼火・b23273)に、洋角がまとめる様に一言を告げると。
「ま、ナイトメアビーストなんだし、やることはやってくという事で一つ往こう。しかし不良……得意なのって」
 犬塚・沙雪(通りすがりの正義の味方・b38003)が、ふと視線を向けるのは……リラ・リエンダ(牙道忍者・b28374)。
「ふっふ……姐御かぁ。なんか良い響きだぜ♪ おっしゃー! 燃えてきた。仲間思いなカリスマリーダーとして、不良達を率いてやるぜ。目指せ、不良ナンバーワン!!」
 リラはその視線に気づくこと無く、目いっぱい気合いを入れる。
 ……その肩を苦笑しつつ叩く緋勇・龍麻(龍の伝承者・b04047)。
「リラさん、まあ落ち着きましょう……とはいえ……」
 ……拳をぐぐっと握りしめながら龍麻は。
「まぁ俺も……本当はいつも以上に頭に来ているんだよな。人々の笑顔を奪う事が、一番嫌いな事だからだ。作戦の為とはいえ、人々を怖がらせるフリをする事は……必ず頭蓋にぶち込んでやる!!」
 ……アツくなっているのが二人。そんな二人をじーっとみながら、那儀は。
「んー……こういう世界、よく判らないです……」
 と、顔を伏せて呟いた。

 そして一端みんな別れ、各自思い思いの不良姿に身を包み、再度集まる。
 そんな中……一番おどおどとしていたのは、やはり那儀。
 金や白のメッシュ入り長髪に、強いラインに濃いチークを入れたアイメイク。そして服装自体は昭和薫るレディース風のセーラー服。
「お、おでこ恥ずかしいし、目もと……怖く無いですかぁ? 胸元も開いていて恥ずかしいですし、歩きづらいです……へ、変じゃないですかぁ?」
 那儀はうるうるした瞳で問いかけてくる……どうやら彼女の周りに居た関係者達のアドバイスらしい。
 ただ、すでにその心境は最高潮のリラは。
「ん、すっげーピッタリだと思うぜ!」
 と、その背中をパシンと叩く。
 ……ちなみに他のメンバーは、と言うと……基本的なコンセプトは不良女子高生、不良男子高生と言った風が大半だが、例えばマモルは羽織にサラシだけ、龍麻はチーマーっぽい革ジャンだけという感じ。
「……本当に、この服をとっといて良かった様な良くない様な……」
 もちろん、格好から入る不良というのもあるかもしれないが……それよりも今回の依頼で大事なのは、自分達の力を烈風怒濤のメンバーに見せつけ、共同戦線を張らせるという事。
 共同戦線を張らなければ頭蓋と出会う事も出来ないし、出会えなければ討伐する事すら不可能なのだから。
 そして皆集まった所で、最後にリラが。
「よーし、それじゃアタシのチームに入った皆に、プレゼントだよ!」
 と差し出したのは、赤と紫色のバンダナ。
「ん……これは?」
 やこが小首をかしげながら問いかけると、ふふふーと笑いながら。
「アタシのチームに入った記、さ♪ やっぱりチームメンバーの証ってのは、グループらしいだろ?」
「あぁ……確かにそうよね。了解、それじゃ私は赤で」
「俺は……いいや、俺も赤で」
 水歌、沙雪……次々と自分のバンダナを取り、各自思い思いの場所に巻き付けたりする中で。
「俺は自前のでもいいか?」
 と、悠理は自分の額につけた赤いバンダナを指さして見せる。
「ん、まあいいよ。それじゃ皆つけたね? それじゃ往くよ!」
「……姉貴、了解」
 リラの言葉に泰花がそう呼ぶと、更に一層嬉しそうに微笑んだ。

 そして能力者達は、繁華街の一角……一層柄の悪い雰囲気が漂う市街地を訪れる。
 思いっきり道一杯にまで広がり、前に龍麻、マモル、沙雪の三人が風を切って歩く。
「オラ、姐御の邪魔だ、前にいる奴はどけよ!」
 と、龍麻が人を王者の風と共に遠ざけつつ。
「なぁ沙雪、この前幾らおっさんから巻き上げたんだよ?」
「ん? ああ、シケテやがんぜ。最近はリーマンより、オタの方が金持ってるぜ? 今度オタの町にでも勢力伸ばしに行ってみねー?」
「ああ、そりゃいいんじゃね? なあ姐御、どうだい?」
 洋角と沙雪が大きな声でかいわしながら、リラはこく、と頷きながら歩く。
 勿論、そんな声を上げながら歩き回れば……この辺りをテリトリーにしている不良グループ耳にはすぐに入る。
 程なく、対する向かい側から偵察隊と思われる数人がやってきて。
『あぁ? てめぇら何此処でのさばってんだぁ?』
『ここは俺たち烈風怒濤の縄張り。てめぇら初見だが、ここで活動するなら俺たちに許可を取るんだなぁ』
 小間使い達の台詞……目をつり上げながらマモルが。
「うぜぇ奴……」
『はぁ、うぜぇだぁ? どの口がそう言ってやがんだ!』
 凄んではみるものの、その口調はやはり下っ端の域を出ない。
「リエンダ先ぱ……じゃない、姐御、あの人た……あいつら倒し……畳んでやりますか」
 何度も言い淀みながら叫ぶ那儀。更に龍麻が。
「姐御。ここは姐御の手をわずらわす事もありませんや。ここは俺に任せてください!」
 と言いながら、進み出る。
『はぁ? 畳める物なら畳んでみやがれ!』
 威勢良く進み出た下っ端……しかし。
「……五月蠅い」
 泰花を始め、洋角、悠理、龍麻がほんの数秒で、完全に伸す。
「さぁ……まあ挨拶には行きたい所だし、案内してくれるか?」
 悠理がにこりと微笑みながら問いかけると、すっかり萎縮した下っ端達はなすがままに頷き、彼らのアジトと思しきゲームセンターへ。
 十数人の不良達に混じり、ひときわ体が大きく目つきの悪い男が居て。
『あぁん、なんだてめぇらは』
「……アタシらと、共同戦線を組まないかってな。此処に来たアタシらとは別の不良グループが手強いって話でな?」
『手強いだぁ? んなの、俺達だけで十分だ。てめぇらはとっとと帰れ』
「そうかい」
 リラは短く笑い、視線で合図。
 悠理が進み出て……コーヒー缶を置き、縦に握りつぶし。
「俺達はこれ位の事は簡単にできるぜ」
 更にやこが……いつの間にかリーダーの持ってた持ち物をスって。
「……これが、一流のスリの能力。おしえてもいい」
『この……舐めたマネしやがって!』
 今度は実力行使……鉄パイプを振り落としてくる彼ら。
 水歌はその攻撃をしっかり受け手、奪い取り、そして……へし折る。
「……これでも続けるかしら?」
「少なくとも奴らは、アタシらより強いぜ? どうだ?」
 最後のリラの止めの一言に、しばし悩んでいたリーダーは……頷く以外の道は残されて居なかった。

●誇り
 そして共同戦線を張って一日後……。
 ゲームセンターにてたむろっていると……その入り口の前にやってくる男達。
 先頭に立つ、赤いバンダナの男は、ぐるり見渡すと、大きな声で。
『俺の名は天竜・頭蓋。テッペンを張る男だ! 大人しく出てこい!』
 威勢の良い言葉は自信に満ちあふれていて、それでいて纏う覇気は当然の如く一般人を軽く凌駕している。
『あ、兄貴、姉御……来やした!』
 下っ端の一人が怯えた声で言うと、その言葉に頷くリーダー。そしてリラに向けて頷き。
「よーし、それじゃアタシ達の出番だよ! 皆!」
『オウッ!』
 能力者達だけでなく、下っ端全員も声を上げ、ゲームセンターの外へ移動。
 最も前に立つ頭蓋の他、その周りにはそれぞれ普通とは違う武器を身につけた不良姿の者達。
「お前が天竜頭蓋か。アタシらに喧嘩を売った事、後悔させてやるよ!」
「そうだ。きらめく龍の相眸は、貴様らの悪事を見逃しはしないぞ!」
 リラ、龍麻二人の宣言に対し、頭蓋はふっ、と笑い。
「ふっ、後悔させられる物ならさせてみるが良いさ」
 武器をスラリと抜き、構えると共に強化型も構える。
『ナメラレちゃ堪らねぇ、行くぜ!」
 と、先手必勝とばかりに、先に動き始めた烈風怒濤の者達……だが、やはり一般人に強化型の相手が出来る訳もなく、次々とのされていく。
「……いわんこっちゃない」
 とぽつりやこは呟きながら、続けて。
「まずはききたい。年、いくつ?」
「答える義理は無い!」
 一閃を放つ頭蓋……しかしその攻撃は龍麻がカットイン。
「お前の相手は俺がする! 残る奴らを頼む、皆!」
「了解よ。それじゃ……さっさと行きましょ」
「うん。一流の逃げ足。相手が追えなくなればいい」
 水歌の言葉。
 その言葉にあわせ、幻楼七星光の一撃、二撃が水歌とやこから放出。
 光に包まれ石化を始める数人。しかしそれに構わず、残った強化不良は前進と攻撃。
「ん、そんな屁みたいな攻撃、当たった内に入らないぜ! どっちの腕が上手か、ここで試してみるかい?」
「だよ。伊達に姐御と呼ばれちゃいない、その力見せつけてやるよ!」
 沙雪、悠理、リラ三人が次々と攻撃を分散して受け止め、反撃として黒影剣やプロミネンスパンチ、そしてリラが獣撃拳。
 そして続き。
「行きます……いや、行く、ぜ?」
「……もう口調は良いかと。さ……自分の視線、見えますか?」
 那儀が森羅摩天陣で、洋角が呪いの魔眼で拘束を狙い続ける。
 ……そして1ターンが過ぎ、2ターン目。
 拘束から逃れた者達を中心にして、今度は攻撃シフトへ。
「さぁみんな、まずはアイツからぶっ倒すよ!」
 リラが主軸となるターゲットを指定すると共に。
「了解……ここ、がら空きよ」
 泰花のダークハンドを基軸に、やこの呪詛呪言、那儀のジャッジメントサンダーが最後尾から轟く。
 中衛から洋角の呪いの魔眼と、マモルの呪詛呪言で続けて攻撃。
 勿論前衛に属する三人は、攻撃を後衛に迄到達させない為に防御を主軸に置いて行動を続け、龍麻はがっつり頭蓋に対する。
 ……確実に強化不良を倒し、十ターン程で全ての強化不良は崩れ落ちていく。
 そして残るは天竜・頭蓋。
 陣形を戻し、頭蓋を取り囲む様に包囲すると。
「よし。遊びは此処までだ。ここから全力で行くぞ!」
「了解!」
 龍麻に頷き悠理が。
「天竜とか言ったな、このキャラ被……もとい、とにかくお前だけは野放しにはさせない!」
 ……個人的怨念が混じっている気がするが、それはさておき。
『行くぞ、俺の力を食らえっ!」
 と、頭蓋はその日本刀を大きく振るいながら暴れ回る。
 その攻撃は、多くのダメージを龍麻に与えるが、確実に水歌が祖霊降臨で回復。
「貫け竜拳、はあぁぁぁーっ!!」
 龍麻の龍顎拳を基軸にし、連係攻撃で以て一気に頭蓋の体力を削る。
 攻撃対攻撃……防御の無い、いわゆる男同士の戦いが繰り広げられる。
 しかし最終的には1対10。次第にジリ貧になり、そして……。
「本当は悪から足を洗ってまっとうに行きようと思った……でも、お前達のせいだ、覚悟しろっ!」
 マモルの呪詛呪言の一撃がその体を穿つと共に、天竜・頭蓋の体は断末魔の叫び声と共にその体は消失するのであった。

●昇華の先に
「ん……おわった」
「そうだね……不良のフリ……これはこれで面白かったのかな? お疲れさん」
 やこの声に、沙雪が苦笑しつつねぎらいの言葉を駆ける。
 そしてその声を聞くと同時に、マモルはすぐさま自分の黒いシャツとヘッドフォンを着用。いつも着慣れた服装に。
「うん、やっぱ前よりこれが丁度良いな」
 と安堵の溜息。
「うん、今日も頑張れました……?」
 那儀はちょっと小首をかしげながらも頷いて行く。
 そして各自イグニッションを解除……そして改めて周りを見渡すと、頭蓋に属する不良達だけではなく、烈風怒濤の面々が倒れている姿が見える。
「……此を機に構成なさって下さればいいのですが……どうでしょうかね?」
「そうだなぁ……さすがに懲りたら、真面目に生きてくれる事だろうけど……どうなるかは判らないな」
 泰花に悠理が溜息。
 一度悪事に手を染めてしまうと、その悪事から抜け出せなくなってしまい易いのは確かな話。そして克服するのも彼らの心。
「ま……運が悪かったという事で諦めて貰いましょう。今度こそ『お疲れ様』ですかね」
「ええ。お休みなさい。暫く怪我も頭も冷やして頂戴」
 洋角と水歌がちょっと冷たく、そして那儀と泰花も。
「もう悪い事しちゃダメですよ」
「そうです。おけが……早く直ります様に」
 と声を掛ける。
 勿論……意識を失った彼らが、能力者達の言葉を信じてくれるか判らないけれど。
 そんな彼らの体を龍麻がロープに縛り、そして警察に通報……。
「すべて、おわった……いっけん落着」
 やこの言葉に皆頷きながらも、各自の帰路につくのであった。


マスター:幾夜緋琉 紹介ページ
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楽しい 笑える 泣ける カッコいい 怖すぎ
知的 ハートフル ロマンティック せつない えっち
いまいち
参加者:10人
作成日:2010/09/25
得票数:楽しい5  カッコいい13 
冒険結果:成功!
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