<運動会2010>小麦粉パフパフ飴食い競争! 妨害? 許可しよう!〜中学生の部


<オープニング>


 10月11日体育の日は、銀誓館学園の運動会!
 キャンパスや学年の枠を越えて集った9つのチームが、この日熱くぶつかり合う!

 中学生競技の中に、飴食い競争がある。
 なんてことないよくある競技だが、プログラムの説明をよくよく見てみれば、普通とは少し違うようだった。

 なんと、自分以外の選手への妨害が認められているというのだ。
 荒っぽいスポーツマンシップにのっとって、この飴食い競争は以下のように進行される。

 スタートと同時に、選手は30メートルほど離れたところに設置された台へと走る。胸の辺りまである高さの台の中には小麦粉が入っており、その中に隠された飴を1つだけ口に含み、ゴールを目指す。

 そして、競技の途中、自分以外の選手への妨害も可能。使うのは体のみ。足を引っ掛けて転ばせたり、飴玉を探している無防備なところを狙ったり。
 ただし、道具を使ったり、事前に罠を仕掛けることはルール違反。あまりに危険な行為をすれば、審判に止められ、スタートからやり直しになってしまうことも忘れずに。

 ちなみに、飴玉を口に含んだ時点で、審判によるお口の中チェックが入る。
 飴玉がなかったり、2個以上の飴玉が入っていたらやり直しとなるので要注意である。

「ね、それに出るの?」
 廊下でプログラムを眺めていると、後ろから、月島・生樹(中学生運命予報士・bn0202)が声をかけてきた。
 返事をしながら頷けば。
「だったらライバルだね! 負けないぞ!」
 にっと不敵な笑みが返ってくる。

 普段は学園生活を共にする仲間でも、ひとたび競技が始まれば皆ライバル。
 勝利を目指して、正々堂々と戦うのだ!

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参加者
山本・真海(晴色忍者姫・b05587)
ヴィントミューレ・シュトゥルム(ジーザスシュラウド・b22548)
琴吹・紗枝(青空駆ける春一番・b49528)
宮古島・うるみ(猛襲破砕型必殺撲殺赤貧少女・b57318)
射月・天香(飛天月牙・b60127)
嵐月・凪(自由気ままな暴嵐の翼・b71242)
春日・珠音(お腹が空いたら服さえ食べる・b74083)
竹島・蘭(中学生霊媒士・b78113)
NPC:月島・生樹(中学生運命予報士・bn0202)




<リプレイ>

●飴食い競争スタート!
 10月11日体育の日。今日は待ちに待った運動会。
 秋晴れの空の下、たった今行われているのは、妨害ありの飴食い競争。スタートを間近に、同じレースを走るライバル達が顔を合わせていた。
「今日はよろしくお願いしますッス! 春日さん、漢らしく正々堂々勝負ッス!」
「うゆ……妨害? 全ての飴を食らい尽くすまで、あたしは進むのを辞めないの〜」
 いつもは同じ結社の仲間でも今はライバル。威勢よく宣戦布告をしてくる、宮古島・うるみ(猛襲破砕型必殺撲殺赤貧少女・b57318)に、春日・珠音(お腹が空いたら服さえ食べる・b74083)は自分なりに気合の入った返事をする。どこかちょっとかみ合っていないような気がするのは、まあ、ご愛嬌というやつだ。
「一緒に勝てるといいね!」
「うん! がんばろう!」
 一方、同じ組連合の、山本・真海(晴色忍者姫・b05587)と、月島・生樹(中学生運命予報士・bn0202)は、がっしりと握手を交わした。
 何度も言うようだが、このレースは妨害ありの飴食い競争。運動能力だけではなく、微妙な駆け引きが勝利を左右する。
「妨害ありなら手加減しないよ〜」
「望むところです。負けませんよ」
「あはは、この学校に来てからは自重してたけど……久しぶりに悪戯、出来るかな? 面白く……なってきたかも!」
 にひっと悪戯っぽく笑って言う、嵐月・凪(自由気ままな暴嵐の翼・b71242)に、くすりと意味深な笑みを浮かべた、竹島・蘭(中学生霊媒士・b78113)。琴吹・紗枝(青空駆ける春一番・b49528)もワクワクしたように、ぴょんと軽く跳ね、自分達が走る順番を今か今かと待ち受ける。
「こちらからやるつもりはないけれど、対応できるように心構えは必要かな」
 やる気十分のライバル達の様子に、射月・天香(飛天月牙・b60127)はそっと呟いて前方を見やった。
 遠くの方に見える、一つ前のレースの選手達。
 スタートの時が、いよいよ迫ってきている。
「ふふ、どんなレースになるか、楽しみだわ」
 ヴィントミューレ・シュトゥルム(ジーザスシュラウド・b22548)は、スタートライン横一列に並んだ面々の表情をちらりと伺って、薄い笑みを浮かべつつ自らもスタートの位置につく。
「位置について、よーい……」
 パンッ、と響き渡る乾いた音。
 各連合の勝利に貢献するために、今、9名の選手がスタートを切った。

●小麦粉と妨害の嵐!
 一斉に飛び出す選手達。まずは横一線かと思いきや、凪と紗枝が不自然な形で遅れている。何かの作戦だろうか。
 しばらくこの状態が続くかと思われたその時、最初から勢いのあるスタートダッシュをかけていた真海が一線を僅かに抜いた。
「みんなに追いつかれなければ妨害もされないもんね!」
 このまま飛び抜けるかと思いきや、そう簡単にいかないのがこのレース。
「覚悟っ!」
 一気に距離を詰めてきた蘭が、真海に足払いを掛けんと滑り込む。
「……っ! なんのっ!」
 1位に躍り出た瞬間、しっかりと妨害を警戒していた真海は、蘭の足をひょいと軽く飛び越え、転倒を回避。だが、これで少し遅れを取ったか、レースの順位は遅れている2人を除いてほぼ横一列の状態に逆戻り。選手達はそのまま飴の入った台へと辿り着く。
「糖分をよこすッス!」
 のっけから、うるみはもの凄い勢いで台の中に顔を突っ込んだ。その勢いが必要以上なのはもちろん作戦だ。
 舞い上がる小麦粉の煙幕が、他選手の視界を遮る!
 しかし、台に顔をつけているうるみの足元に隙が生まれた。
「(今だ!!)」
 あえて遅れてきた甲斐があったようだ。チャンスを見逃さなかった紗枝は小麦粉が舞う上空を避けるようにしゃがみ込み、そのまま思いっきり足払いをかける。
「うわっ、とと! だ、誰ッスか今の!?」
 見事にすてん、とひっくり返ったうるみが辺りを見回す。だが、紗枝が素早く離れた位置の台の前をキープしたおかげで誰が足払いをかけたのかわからないようだった。何食わぬ顔で飴を探し始めた紗枝は、にまりと笑う。
「このままじゃ終わらないッス!」
 それでも立ち上がったうるみが、更なる妨害に出た。
 台の中の小麦粉を思い切り吹き上げて、小麦粉の嵐を巻き起こす!
 生まれる隙が多い分、この辺りのゾーンの妨害が激しくなるのは必然的なものだった。
 舞い上がった小麦粉がもうもうと立ち込める中、周りを警戒しながら小麦粉の中に手を入れて飴を探すのは、天香と蘭の2人。そう、この競技には、飴を探す時手を使ってはいけないというルールは無かった。
 見事、先入観に囚われず冷静な判断を下した天香と蘭。隣り合った彼女達の視線と視線が、一瞬重なる。
 先に、にやっと笑ったのは蘭だった。
「隙ありっ!」
「ひゃっ!」
 突然のコチョコチョ攻撃! 足元には気を配っていた天香だったが、この攻撃には不意を突かれたようだったが、咄嗟に前を開けて着ていたジャージの上着を脱いで体を反転させる。
「お返し……!」
 片手で台の中を探りつつ、空いた手で迎撃のコチョコチョ攻撃!
 まさに妨害合戦となりつつあるこの場所で、新たに忍び寄る怪しい影。それは台に顔を入れて飴を探している、真海、ヴィントミューレ、生樹の背後に、すぅっと近づいていく。
「え〜いっ、コチョコチョ攻撃っ!」
 響いたのは凪の声だった。3人をまとめて狙い、わっと脅かすように飛び掛っていく。
 しかし。
「ふふ、ごめんなさいね、あなたの動きはバレバレなのよ」
「その手は食わないよ!」
 台の隅に陣取り、警戒する方向を絞っていたヴィントミューレと、足元はもちろん、脇もしっかりと締めてガードを固めていた真海にはあまり効果がなかった。
「うわひゃあっ! や、やったな〜、凪ちゃん!」
 唯一警戒の薄かった生樹には効果あり。生樹は小麦粉で真っ白になった顔で振り返り、お返しにと言わんばかりに凪へ飛び掛ってコチョコチョ攻撃のカウンター。
 皆がわあわあと妨害合戦を繰り広げる中、黙々と飴を探している選手がいた。
「飴一個じゃ足りないの、沢山、沢山、飴を食べるの、食べ尽くすの〜」
 珠音だった。なんと彼女は台の中に顔を突っ込んで、小麦粉さえももぐもぐと食べていた。
 たまに聞こえる、ガリっという音は飴を齧った音だろう。空腹に負けた結果か、単にルールをあまり理解していないだけなのか。
 そうこうしているうちに、妨害の合間を縫って次々と飴を捕まえ始める他の選手達。
「見つけたっ! あ〜〜ん」
 審判に口の中をしっかり見せて、蘭も一気にラストスパートをかける。
 最後の直線コース。果たして、栄光の1位を手に入れるのは誰なのか!?

●ラストスパート全力疾走!
 素早く飛び出し、先陣を切るのは、真海とヴィントミューレ。他との差もそう開いている訳ではないが、度重なる妨害を華麗にかわしていた2人が、今直線コースで1位を競っている。
 と、そこへ勢いをつけて迫ってくる紗枝の姿が!
「こっからが勝負! 狙ってくよー!」
 勢いを殺さずにスライディングを仕掛けてくる紗枝。その矛先は、周囲を警戒ながら走っていたせいか、真海よりも勢いの面で僅かに劣っていたヴィントミューレの元へ。
「ふふ、甘いわよ」
「っ、外した!?」
 多少の劣りはあったものの警戒していた甲斐はあった。紗枝の動きを目線の端に捕らえていたヴィントミューレは最小限の動きでそれをかわす。
「もしかしてチャンス? 走っちゃうよ!」
 この隙に、ぐん、と1位に躍り出た真海。そうはさせない、と皆がその背中を追いかける!
「その飴よこせぇぇぇぇ!!」
「……これは、逃げた方がいいかな」
 もの凄い形相で猛ダッシュしてくるうるみ。前を行く天香は、追いつかれまいと必死に走る。
「これが、勝利への……架け橋だ!!!」
「足の速さには自信があるんだからぁ」
 すぐ側には蘭と凪の姿も迫っている。
「よーし、あたしだって……ん?」
 一気にスピードを上げていく選手達。生樹もそれに合わせようとしたようだが、何かに気がついたらしく、ちらりと後ろを振り返った。
 そこにはとんでもない光景が。
「うゆ……飴、欲しいの、飴……」
 中の飴を食べ尽くしてしまったのか、台の周りをウロウロしている珠音。
「何だかお腹が空いてきたの〜……体操服って、きっとふわふわの素材で出来てるから、食べたらおいしいよね?」
 ま、まさか……。
「いただきまーす♪ もぐもぐもぐ……」
「ギャース! それはダメーー!!」
 衝撃の瞬間を見てしまった生樹は、思わず逆走。着ている体操服を口へ運び始めた珠音を慌てて止めに入る。
 その間に走り続けていた選手達はゴール目前。
「……っ、取った! 1位! やったーー!!」
 順調かつ勢いのある走りをみせていた真海が、ゴールイン! 喜びを体全体で表すように、真海はそのまま地面を踏み切り、前方宙返りを決めてピシッとポーズをとった。
 堂々の1位である。
「ふぅっ、まあ、こんなところね」
「何とか順位、上がった、かな?」
 続いて、妨害の手を読み切り、華麗にかわしながらスマートに駆け抜けていたヴィントミューレ、隙があれば果敢に妨害を試み、ラストスパートで走ることに専念していた紗枝の順でゴール。
「何とか、逃げ切れた、かな」
「あー、惜しかったッス!」
「やっぱり、皆、早い……!」
「1位、狙ってたんだけどな〜」
 冷静な判断を失わなかった天香が、うるみに追いかけられる形のまま4位の順位をキープしてゴール。
 その後すぐに、蘭、凪の順でゴールイン。
 ここまでは本当に良い勝負、接戦であった。
「うゆ……飴、もうないの……?」
「後で余ったのくれるらしいよ! がんばって!」
 そして、しばらく経った頃、もぐもぐと口を動かしている珠音を引っ張りながら生樹が何とかゴールした。

●健闘をたたえ合って!
「あー、楽しかった!」
「本当、皆、お疲れ様」
 晴れやかな顔で、うーんと背伸びをする紗枝。それに小さく頷いて、ヴィントミューレは同じレースで戦った一人一人の肩をねぎらうように、ぽん、と軽く叩いていく。
「うん、楽しいレースの後の少しの間だけは、チームも関係なしだよね」
 にっと笑った真海に、皆も思わず笑顔になる。
 今この瞬間だけは、順位もチームも関係なく、お互いの健闘をたたえ合う。
 ちょっと捻くれたレースではあったけど、最後は皆でこうして笑い合えた。
 吹き抜けていく秋風と同じくらい、妨害ありの飴食い競争は爽やかに幕を閉じた。

 されど、運動会はまだまだ続く!!


マスター:海あゆめ 紹介ページ
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知的 ハートフル ロマンティック せつない えっち
いまいち
参加者:8人
作成日:2010/10/11
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冒険結果:成功!
重傷者:なし
死亡者:なし
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