<Halloween 2010>100人ジャックは貴方も使役さんも、色々応援します


   



<オープニング>


『100人(?)のジャック・オ・ランタンの灯りに囲まれた中、想いを語り合った恋人は、永遠に幸せになれるという』

「これ、何年続けば伝説になるかな?」
 詩条家の居間にて。
 星崎・千鳥(中学生運命予報士・bn0223)の問いに鳴子・椿(バンカラ爆砕娘・bn0270)と詩条・美春(兄様といっしょ・bn0007)は顔を見合わせた。
 左右対称に首を傾けてしばし、
「5年!」
「その人が伝説と思えばその時点でそうなのではないしょうか?」
 考えた末にバラバラの答えを返す。
「よし」
 千鳥は94個目のお化け南瓜を机にのせると満足げに頷いた……こいつ質問しといて答えを聞いてねぇ。
 椿が千鳥を抱えこめかみぐりぐりするのを慌てて止めた後、美春はお化け南瓜を持ち上げて兄様の頭にのせてみる。
 細い兄様の指が支える鮮やかなオレンジに刻まれた笑みは、怖くもあるけど愛嬌もたっぷり。去年、沢山並んでいた彼らを思い出して自然と口元がほころんだ。
「で、今年は伝説の少しハードルを下げてみようと、思う」
 椿から脱出した千鳥はひとさし指をぴっとたて続ける。
「去年は『恋』限定だったけど、今年は友達とか使役さんに対してとかもアリってコトで」
「何を言うべっちゃ?」
「日頃言えない感謝の気持ちとか……てか、永遠につながる縁って、ちょっといいとよね」
 なんだかこう無理矢理つなげた感満載だが――100人のジャックに見守られつつ想いを語り合えば末永く幸せになれる、そう言いたいらしい。
「ハロウィンのパーティはとても楽しかったので、今年も行きたいです」
 滑り落ちた南瓜を胸に受け止め、美春がほんわり小首を傾げる。
「てことで、椿さん」
「おうさ」
「人目につかなくて星が綺麗に見えて広々とした場所をひとつ」
「簡単に言ってくれるべなぁ……」
 と頭をかきつつ、椿の脳裏には生まれ育った土地のそばで丁度当てはまる場所が浮かんでいる――それは得意気に緩む頬を見れば、わかる。
 場所は決った。
 お化け南瓜はあと6個作ればOK。
 そしたらもう一手間と欲が出る。
「はい、これ引いて」
 先っぽを握り込み、椿と美春に差し出したのはクジ。
「?」
「お土産にさ、おみくじつけようかなって。大吉、中吉、小吉……引いた先にあるのを書いてよ」
 顔を見合わせた後、指を伸ばし彼女達が引いた結果は――お土産が来るまでのお楽しみ。

 橙お化けが笑うパーティ会場は、人目につかない秘密めいた山の中。
 参加条件は唯一つ。
『ハロウィンらしい仮装をしているコト』
 100人ジャックの前で思い切って恋心を打ち明けるも良し、
 恋友情問わず、大事な人へ日頃秘めし想いを語るも良し、
 物言わずそばにいてくれる使役さんに言葉を紡ぐのだって良いだろう。
 もちろん仲間内でおしゃべりして賑やかに過ごしたり、見知らぬ客人へ『とりっくおあとりーと♪』とお菓子をねだり仲良くなるのだって素敵だ。

 ――街の明りから遠く満天の星が降るような場所で、謎めいたパーティの夜を過ごそう。

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参加者
NPC:詩条・美春(兄様といっしょ・bn0007)




<リプレイ>

 誰かが歩けば枯れ木が踏まれピシピシ鳴る、まるで彼らの笑い声みたいに。
 橙の灯がずらり100。
 ――さて、今宵はどう楽しませてくれるかな?


「相変わらず南瓜すげぇ」
 死神な緋邑は去年と変わらぬ南瓜ランプの群れに瞠目。
 気が抜けた瞬間を狙い魔女桜が「とりっく…」両手をあげた所で、ガサッ!
「トリックとお菓子!」
 飛び出したのは、キョンシー空。
「お菓子頂戴にゃ♪」
 猫娘沙希、猫耳生やした3人がお供。
「ん」
 空に並び手を出すキョンシー千鳥。柚流とれいあのモンブランとココアクッキーゲット済み。
「さあ、雪色僵尸謹製の運試しに賭ける勇気はあるかい?」
 キョンシー3人目、いちるの月餅に我こそはと手が伸びる。
「お菓子くれなきゃ、凍らせちゃうよ?」
「もきゅー(がおー)」
 伸ばした髪を雪飾りで束ねフリル揺らす雪女のユエ。隣のモルモはお揃いの飾りで雪男気分だ。
「Trick…」
 白銀の甲冑騎士は、兜に詰まったお菓子を差し出す。
「がおー! お菓…?!」
「…and Treatかな、これじゃ」 
 キャンディ缶は実はびっくり箱、瞳を瞬かせる空に寅靖は相好を崩す。
「すっぱ!」
 梅月餅は桜に。
「綺麗な雪女さん、悪戯にゃ?」
 沙希に塩クッキー。しかし当の雪女は綺麗に照れて雪…白の花弁をばら撒いてたり。
「似合ってるよ」
「綺麗なのにね」
「もきゅ!」
 寅靖にハグされるモルモと頷くいちる。
 星の杖から零れる仄かな白銀光。魔法のように甘い星を由衣は悪戯っ子達へ手渡す。
「兄様とお揃いの仮装、似合っているわね」
 由衣は更に少女に魔法をかける。
「星の魔女さん、ありがとうございます」
 手に星飾りを絡め喜ぶ後ろから、
「トリックオアトリートある〜」
「あ、パト…?」
 美春はきょと? だってスカルの真から声が!
「今晩はある〜」
 種明かしと被り物を外すパトリックと笑いあいお菓子交換。
「っぐぁ圧し掛かるなぁー!」
 まん丸鬣ライオンが魔女ユウキに懐きほっぺたぺろり。
 美春から箒を受け取りユウキはライオンの背をぽふっ。
「ほら、クローセル。美春さんに挨拶!」
 がおっ。
「トリックオアトリート」
 由衣に南瓜ドレスの礼する椿の前に最中餅。
「悪戯いぐねぇぞぉ?」
 吸血鬼イフ君とスカルロード姿の李鶴ににんまり。
 賑やかさに頬緩め、李鶴はまた一緒にこれたらとイフ君の手を握った。
「にゃお」
「可愛いにゃ♪」
 南瓜クッキー囓り淡々と鳴く千鳥を沙希は撫でる。
「猫耳…びーむ」
 照れた、のか?
「Trick or treat♪」
 黒翼に赤ら顔の天狗参上!
「龍麻先輩、鼻だけ白だべ」
 吹き出す椿の隣、堪えきれずに美春も。
「プレゼント♪」
 箱を開けると天狗人形があっかんべー!
「星見えっべ?」
「これも仮装ですから」
 包帯サングラスの操に椿が星煎餅を。
「今日は悲鳴ないの?」
 千鳥はパイを小悪魔ウルスラと邪妖精マリアンに。
「皆さん素敵ですね♪」
 星のサンタジングルが皆連れて戻る頃、サンタと対の鬼に扮した天体観測同盟団長ジャックは灯を消す。
「豪勢な城のシャンデリアにも劣らぬ美しい夜空だ」
 照れる椿、夢路のケーキをかじりぽつり。
「なんもねぇから、キラキラしてんだぁ」
 耳を傾けジャックはミルクティを注ぎ分ける。
「わわ…ありがとうございます!」
「にゃぁ」
 猫耳魔法使いアルトの隣から三角帽子を揺らしとてちて、よつばさんは南瓜のメレンゲクッキーを配る。
 夢路が甲冑外せば出てきたのは包帯捲きで瞳ぱちくり☆
「味もお墨付きですよ」
 サンタからは一口マフィン、食べるのが勿体ない!
「中々の戦果ねっ、て」
 マリアンはキャンディ10個にしょんぼり、でも。
「がおー。お好きに召し上がれ♪」
 狼男千破屋のにくきゅーが示す飴とクッキーに頬が緩む、皆で持ち寄りって楽しい!
「オレ、爺ちゃんと南瓜ねりきり作ってきたんだ」
 爺ちゃんのお面そっくりで愛嬌たっぷりだ!
「じんぐる、このイチゴ飴美味いよ!」
 千破屋の無邪気さにサンタの頬がぽっと服色に。
「空の火も地上の火も、ホンマ綺麗やな」
「100人ジャックの伝説は、案外的を得ているのかもしれねェな」
 魂が還る時願いを叶える贈り物、か。
 光の海に目を奪われていた流、爺ちゃんの手ふわり包み頷く。
「大勢で遊ぶのって初めてだから、凄く楽しいわ」
「それは何よりだ」
 仲間の幸せな声で心に灯が点る。
 よつばさんを抱きしめるアルトに夢路はお礼を紡ぐ。
「Winzig Werkstattという想い出を作って下さって…」
 アルトも微笑み返し。
「みんな超愛してるっ!」
 奇しくもジャックと同じ名の優しき人の元に集いし彼ら、来年もまた――それが願い。


「みなさん素敵な仮装ですね!」
 アリシアとリラは揃いの純白ドレスに蜘蛛の巣ヴェール。
「普通のと悪戯、どっちがええ?」
 黒いトンガリ帽子陽花から悪戯お菓子をもらい、おずおず…ぱく。
「☆?!」
 蝙蝠羽のワンダラーからのお菓子を囓るオメガと不安げなリラの前で、パチパチ綿菓子に目を白黒。
「いくらハロウィンでもほどほどにね」
 ワンダラーの籠にマドレーヌを補充しつつ化け猫アカネが朱軽く窘めれば…。
「ハッピーハローウィーン!」
 ライトを下からあてた天使とごつい悪魔のご挨拶に目がまん丸!
 涼太の輪っかはレモンキャンディ、ペンテの三又戟にはカラフルビーンズ。
「テーブルありがと」
「おやすい御用です、星崎さん」
 淑やか天使が示す先『Cache‐cache』の仲間、ブランシュが手を振り招く。
「スコーンやサンドウィッチも用意してきました」
 暖かな紅茶に一息ついて、4人はお菓子交換を開始。
 妖精の羽根の魔女ブランシュからはハロウィンにちなんだ姿のチョコやクッキー、そして天蓋飾る星のような金平糖。
 南瓜王冠のオメガにムジカのつけ耳がぽふっ。
「ムジカはうさぎさん?」
「もきゅ〜」
 アカネに答える声は嬉しげ。
「リラ、良かったですね」
 アリシアもお礼とお菓子をムジカに手渡した。

「お菓子、頂戴っ♪」
「桜ー、どんなお菓子食べたい?」
 愛らしく首傾げる桜にメロメロな叔…バカップルをジト目でスルーし、栗花落は自前の牙をきらり。
「お菓子をくれないと悪戯するよっ♪」
 狼の後ろから顔を出すのは猫尻尾の朔耶。
「美春さん、六芒星同盟の時はいろいろ有難うございました」
「朔耶さんお久し振りです。少し背が伸びましたか?」
 美春は狼と猫にジャックの棒付きキャンディを。
「トリックオアトリート…お菓子頂戴…」
 天香はヘイゼルの黒猫手袋に甘いクッキーを握らせる。
「天香…それは?」
「キョンシー。仮装というとこうなりがちなの」
 でも「楽しいから」とハモった所で菜園コテージ【百華荘】無事合流。
「皆さん可愛いですね♪」
「凄く似合ってるよー♪」
 栗花落は戦利品のお菓子を広げお裾分け。
「そういえばアルは…?」
 周りを見回す朔耶に魔女姿の悠はある一角を指さしす。
 がりがり…ぺったん。
 アルは南瓜提灯にご執心。ゆれる厚紙わんこは地獄の番犬ケルベロスのつもり。
「その南瓜は食べ物じゃないから…」
 悠の溜息に笑いが弾ければ、がりんごりん…アルの隣で更に大きな姿が?
「紫電。星崎力作のオバケ南瓜は齧るな」
「火傷してしまいますよ?」
 紫電とお揃いの豹衛に誘われ、美春はしりとり同好会のテーブルへ。
「俺からの差し入れは、これだ」
 シルバーアクセきらりな忍、章人は撒菱に偽装したチョコが降らせる。
「その美味しそうなお菓子を隠しちゃいますよ!」
 小悪魔・是空のフリルの袖には、撒菱チョコが既に一杯。
 兄様が差し出すジャックキャンディに指を伸ばすは白拍子の水澄花。
「美春ちゃん、お兄さんとお揃い可愛いよ」
「水澄花さんはもしかして…鈴鹿御前ですか?」
 すずつながりで正解、と微笑む。
「鈴鹿御前、小悪魔、忍者…華やかですね♪」
 仮装ですよと狐耳をぴこぴこさせて、紅実は暖めたポットからパンプキンティを注ぐ。
「南瓜の紅茶は珍しいな」
「このカップ可愛いね」
「はい、小悪魔もお手伝いです」
 是空が誂えた南瓜のティカップは、まさにこの紅茶にぴったりで。
「本当に南瓜の香りがしますね!」
 切り分けたほくほくパイの横、水澄花の南瓜巾着とお団子が彩りを添える。
「唐辛子を練った物は相当辛いぞ」
 南瓜に髑髏…豹衛はハロウィンにちなんだ煎餅を。
「皆さんとはいつもお会いしているのに、不思議な感じです」
 不可思議な装いに美春の唇が綻ぶ。

 紅のハイビスカスティを口元に運ぶ黒の貴婦人フェシア。壮麗な仕草に甲冑騎士楓の瞳が釘付けに。
「100人南瓜の伝説、聞いたことあった?」
「初めて聞いたわね」
 今宵限りの伝説。心が浮き立つのはハロウィンの雰囲気のせい?
 後で行こうとの誘いには豪奢な貴族の服をさしだして。愛を語るなら鎧を脱いだ騎士様と。
 狐さん2人。
 樒が持ってきたのは南瓜のクッキー。
「コゲたのは、残していいからな?」
「へっちゃらや、全然美味ぇぞ?」
 消えゆくクッキーに瞳ぱちくり、やがて破顔。
「恭之介は美味しそうに食べてくれるから好きだ♪」
「俺を踏み台に料理上手になってくれよ? せやけ失敗作は俺にくれや、な?」
 樒も頬染め、ご馳走様。

「もきゅー」
 お化けの扮装に大張り切り、のはずだった。
「穴空けようか」
 シーツをくりぬく桃の隣、垂れ耳兎さんの瞳がきらり。
「ぅと…トリックオアトリート…です」
「コレットのもあるから安心しろ」
「もうちょっと何とかならなかったのそれ」
 紅茶クッキーを手にシルクハットの遥、シーツだけの慧夜につっこめばトリュフお預けの刑に。
「急に笑い出したらおもしろいのに!」
「千鳥に言っとくべ」
「おっ、椿先輩」
 真弥と桃示し合わせて、
「「トリックオアトリート!」」
「悪戯っ子にやっべっちゃ」
 星煎餅降らせる椿に、慧夜は弟が世話になったとトリュフを渡す。
 真弥のチョコケーキに視線が集中!
「おいうずまき、よだれ」
「うずまきも欲しかったら言わないと」
 ブラックナースはカプセルの金平糖を配りつつ。
「もーきゅきゅ!」
「はい♪ のどにつまらせないようにね…」
 キューピットの未緒からは愛一杯のハートのキャンディ。
「おいしいねぇ…」
「ショコラ…美味しいです…よね」
「お菓子食べてるといつもと変わらないね」
 彩雫音。
 雫全てが彩り鮮やか、笑声一杯それが一番!


 自分作のジャックを見つけ兄様の袖引く美春に声がかかる。
「素敵なパーティのお誘いありがとう」
「ブランシェさんと楽しんでくださいね」
 黒猫姿のフォアは柔らかな膝に頭を乗せる。
「ブランシェがいたからボクは今までやってこれた。ありがとう」
 少しずつ大人になる妹の頬を姉様は優しく撫でた。
 小草はアヤメに湯たんぽを持たせスープを啜る。
 綾目。
 由来の傷をなぞり、捧ぐ。
「い、いつも有難う…あ、相棒」
 無茶も言うかもしれない、けれど負担を掛けぬよう強くなるから。
「本当の意味で貴方の花嫁にはなれない」
 風。
 黒のマントが笑弥の貌を隠す。
 ――だけど好き、一緒にいたい。
 我儘ごめんと抱きしめれば、分かっていると言いたげにヤツフサは短く吼えた。
 死神と病人…実はじじと彼を信じ慕う曾孫の終夜。
「世界結界が完全に復活した時、徳四郎じいちゃんとは会えなくなるんだろうな」
 せめてその日まではと、曾祖父の手を握る。
 花嫁榮はエンゲージリング代わりの花冠を白檀に。
「もきゅ!」
 どんな時も護るよと言いたげな花婿は得意げなグレートモーラット。
「この先もジョブチェンジを致しません」
 永久を誓うキスを頬のうずまきに。
 姫と王子は、無言。
 幸四郎の姉七ノ香と美春の兄様。知性なくしたスケルトン、けれど、
「幸せそう…な気がしますね」
「童話の1頁みたいで素敵です」
 死神姿の弟妹は微笑み合った。


 99を越える南瓜ランタンに囲まれ怪異に扮すれば、言葉も力が篭りそう。

「折角の応援団の前だし…」
 ばさり。
 英二は和沙にマントを被せ笑う。
「甘〜いキスしてくれなきゃ、イタズラしちゃうわよ〜?」
「はわ?!」
 焦る悪魔っこは背伸びをすると吸血鬼の真っ赤な唇に、ちゅ。そしてお返し。
「ぎゅって抱きしめてくれないと、いたずらしちゃうぞ!」
 いたずら歓迎?
 つないだ手からドキドキが伝わりそう。
 感謝を伝えあった所で、リシャールは指を握る力を強くする。
「これからも…一緒に居てくれる?」
「勿論、ずっとずっと一緒だよ?」
 背伸びで見つめてくる華那の瞳が愛しくて、額にキス。
 来年も、共にこの地へ。
「少し冷えてきたね」
 マントをあけるヴァンパイア柚流の胸へ、妖精のれいあが舞い降りる。
「一緒なら温かいね」
 お日様のように温かに包んでくれると、れいあ。
 その笑顔は星の灯りだと、柚流。
 ――出会った頃よりずっと。
「傍に居てね…」
 羽が撫でるようにれいあは柚流に唇を寄せた。
「触れていないと消えちゃうみたいですので♪」
 透明人間風斗にメイド朱里は朗らかに。いつもよりくっつくのは人恋しい猫だから?
「これからもずっと一緒です」
 想いに応えたくてしゅるり、包帯が解けた。
「ああ、絶対離さないからな」
 抱き寄せれば柔らかな唇がふれてくる。
 白のドレープひらひら、逸れぬよう死神菫はついて行く。
「初めて会った時からもう二年か」
 星空の下、風の声に菫は耳を傾ける。
「菫ちゃん、好きです」
 気がつけば帰りたい場所だったと告げれば、控えめに菫も首を揺らす。
「私も風さんの事、大好きです…ずっと一緒に居たいです」
 大切な友達から一歩、踏み出す。
 裾を気遣うカリュアの手を包み縁はエスコート。堕天使の凛々しさに天使の頬は髪飾り色に染まる。
「カリュア、いつも一緒に居てくれてありがとうね」
 日常にあなたが存在している、幸せ。
「恋人として…家族として…」
 つないだ指を深く絡めカリュアは囁く。
「これからも、ずっと一緒に生きていきたい」
 縁の返事は幸せな笑顔と、抱擁。
 ――会えなくても変わりようのない想い。
「待っていてもいいか」
 衝平のキョンシー札にじゃれていた蓮真は手を止め藍を瞬かせた。
 応える必要ないと連ねる前に、札が取られた。
「オレは嫌いな相手には自分から近付くことはしない」
 待たせるつもりはないと、逃げるようにフードに隠れる面を衝平は捕まえる。
「…また会いに行っても?」
「オレからも」
 腕の中、微かな肯首。
「その…」
 宴もたけなわ。
 千鳥を呼び止めたのはマサトだった。
「友達で、いていいですか?」
 戦いで力尽きるかもしれない、予報の苦しさもわからない…けれど。
「もうトモダチだって、思ってた」
 フラットな表情のまま更に唇が動いた。
 約束。
「力尽きちゃダメ、かえってきて」 
 マサトに…銀誓館の全ての能力者に、望む。
 ――100人ジャックが証人だよ?
 紡がれた恋も語られた友情も交わされた笑顔も…全て見聞きしたオレンジのお化け南瓜達。
 風に南瓜が揺れた。
 まるで頷いているように。


マスター:一縷野望 紹介ページ
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楽しい 笑える 泣ける カッコいい 怖すぎ
知的 ハートフル ロマンティック せつない えっち
いまいち
参加者:69人
作成日:2010/11/11
得票数:楽しい16  笑える1  ハートフル29  ロマンティック9 
冒険結果:成功!
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