お返しはキスかパンチだ!


   



<オープニング>


 やあ、毒島。
 待ち合わせ場所の銀誓館学園校門にやってきた毒島・修二に、扇・清四郎は軽く手を挙げて招いた。待ち合わせというと、やはりここが一番分かりやすいし馴染みがある。
 二人はいつもの喫茶店に歩きながら、ぽつりぽつりと話をはじめた。
 今日は、珍しく扇は洋装をしている。白いファーつきのコートと、茶系のシャツ。かたや毒島は、相変わらずミリタリールックであるが。
「クリスマスなんだけとね」
「やるのか?」
「いや、ちょっと違う」
 やるのか、というのはバトロワであろう。去年はやらなかったが、別にやるというなら今年はやってもいい。むしろどんとこい、である。
 所が今年、扇はその話を持ち出すつもりはなかった。
「実はローザが依頼とかいろいろ忙しくてね。……ほら、ローザ毎年ツリーの下に立ってたでしょ」
「ああ、あれか」
 クリスマスカードをもらう代わりに、お返しとしてキスをするというものである。ローザらしい、ロマンチックなイベントである。
 楽しみにしていたローザも、企画に積極的に関われない事をちょっと残念がっていた。
「あれ、ローザの代わりにやってあげられないかなと思って」
「いいんじゃないか?」
「そう?」
 ちょいと首をあげて扇が聞いた。
 ホントにいいかな、と扇が念を押して聞く。
 毒島は前を向いたまま、何げなしに答えた。
「構わないだろ、その方があいつも喜ぶ」
「そうだよね〜」
 ぱっと笑顔を浮かべた扇に、一抹の不安を覚える毒島だった。

 ……で、本当に決行するのでしょうか。
 誰かが聞くと、扇はこくりとうなずいた。
「だって毒島はいいと言ったんだから、ローザの代わりにツリーの下に立ってもらおうよ」
 扇の曲解能力恐るべし。
 それで誰かがカードを渡したらどうなるんだ。
「カードを貰ったらキスするべきだね」
 ……と言いたいが、女性ならば毒島は手が出せないからともかくとして、男の場合はあまり洒落にならない。むしろ、毒島はパンチが出るであろう。
 それに加え、藤崎嬢に申し訳が立たないという意見もある。
「藤崎嬢は『面白そうだね』と言ってたよ。まあ、毒島はあくまでも置物だからね。元々クリスマスカードの交換の為に企画したものだから、メインは他のカップルや友達同士だよ。いつもの通り、もみの木のツリーと降雪機を用意しました」
 校庭に立つ、もみの木のツリー。そこには明かりがたくさん灯り、一番上には星が輝いている。大きなツリーには、白い雪が降り積もり、その下に立つ人達の肩や頭を白い綿で包んでいく。
 ……ロマンチックな光景なのだが、その下に立っているのがアーミールックの男だったりすると、どう考えても雪中行軍である。
「今回は少し変えてみる。……贈り物はカード。ただし中は決闘状でも愛の言葉だろうと構わない。その中身に応じて、パンチを返すかキスを返すか決めればいい」
 これはいったい、どういうクリスマスだ。
 いつものロマンチックなツリーを期待していたカップルには、どう言い訳すればいいというのだ。
「そういう訳でだ。今年もクリスマスツリーを立てる。ツリーの下に居る人にカードや贈り物をしたら、贈られた相手はお返しをしなければならない。キスか、それともパンチかだ」
 メリークリスマス。
 今年のお返しをしに来たぜ。
 扇は毒島調で、そう言ってにやりと笑った。


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参加者
NPC:毒島・修二(紅龍拳士・bn0013)




<リプレイ>

 空を見上げると、真っ白い雪が降り続いていた。
「…扇の奴、遠慮無く降らせやがって」
 これじゃあ本当に軍事演習だ。
 毒島が愚痴を1つこぼすと、ひょいとコップが差し出された。同時に渡されたカードには、今年もゴースト退治お疲れ様、とある。
「こうやって見ていると、自分達が守っているものを実感しますね」
 洋介は毒島とともにコーヒーに口をつけ、ツリーの下の人々を見やった。
 待ち合わせの人々の間を抜けて、チャイナドレス姿の銀麗が毒島の方へとやって来る。
「去年のお礼だよ」
 手書きのカードの文面は、銀麗らしいものだ。
 しかしさて、ここにいる以上お返しをしなければならない。
「お返しはいいよ」
「そうはいかないよ!」
 銀麗の言葉に言い返したのは、恋月であった。
 シンプルな腕時計にカードを添えて差し出した恋月は、どんと来いとばかりに真ん前に立った。殴るでも、キ、キスでも…!
 悩んだ末。
「今日だけだからな」
 軽く頬にキスをした。
 こうなりゃ自棄だ。
 そんな毒島の様子をじっと見上げ、カードを出した壱。中には英語が書いてあるが、険しい表情で毒島はため息をついた。
「読めん!」
「じゃあ来年は日本語にしますね」
 そう言って笑った壱の頭を、毒島は撫でた。
 パンチの代わり、である。

 吐く息は白く、午後の風は冷たい。
「待たせたな」
 寒そうにしている夭に、末は自分のコートを掛けてやった。
 メリークリスマス。
 笑顔とともに渡されたプレゼントは、羊のぬいぐるみであった。夭はぎゅっと抱きしめ、それからそっと見上げる。
「歯を食いしばって、目を閉じてください!」
 ぎゅっと拳を握ると、趣旨がよく分かってない末はきょとんとしていた。目を閉じた末の頬に顔を近づけ、そっとキス。
 夭のかけだした後、末の手にはマフラーと…キスの感触が残っていた。
 お返しはキスかパンチか。
 シャドウボクシングをしつつ待っている瑞鳳に、兇はおそるおそる近づく。
 カードを両手で差し出すと、瑞鳳は拳を握った。
「分かりました、言うとおりにします…」
 素直に目を閉じると、暗闇が包み込んだ。
 ぴた。
 猫パンチが頬を掴み、そしてキスが降った。
「そっちの方が良かったか?」
「いえ、結構ですはい」
「ところで、俺がプレゼントしたらどうするのかな?」
 瑞鳳の手には、贈り物のカード。
 お返しは、もちろん…。
 周囲は次第に人で溢れていく。
 突然の呼び出しに、御凛は戸惑い気味。やってきたルシアは、笑顔でカードを手渡す。
「もうちょっと誘い方って…」
 言いかけて開いたカードには、側に居たい、と一言書いてあった。
「迷惑か?」
「迷惑じゃ…ない、けど」
 ルシアはそれを聞いて、髪を結んでいた赤い組紐を解いた。それで自分と御凛の手首を結び止める。
 繋ぎ止めたい、今を生きるきっかけをくれた大切な人だから。
 御凛は小さく礼を言うと、頬にキスを返した。
 初めてのクリスマスだからショートスカートと黒タイツ、毛糸のポンチョで音呼はちょっとおめかし。
 あい、あむ、らぶゆー!
 と書かれた颯太からのカードを受け取るなり、がっちりと音呼は腕を取った。
 勢い余ってぶつかったような、キス。
「うおお、お、落ち着け!」
 颯太はびっくりしている。でも音呼は止まらない、こんなのじゃ物足りないのである。
 ぎゅっと掴んだ腕は、絶対放さない。

 少し早めに着いたはずの博士と遅いと叫ぶイァリス。
「す、すいません…」
 謝りながら、博士がプレゼントの小箱を差し出した。
「あ痛っ!」
 飛んだパンチに、仰け反る博士。
「何期待してたの、チキンハートのくせにバッカじゃないの」
 言いたい放題言った後、イァリスはプレゼントを渡した。やっぱり僕のセンスは駄目だったか、としょげつつお返しにそっと拳で頬に触れる。
 お返しのお返し。
 イァリスは博士にそっとキスをした。
 対してとてもいい笑顔で駆け寄る、直人。
 紙袋を持った深緋は、びくりと肩をすくませる。
「深緋ちゃーん!俺だーっ!」
 直人からキスをした事はあるけど、深緋からはない。学園祭での汚名返上だ、届け俺の渾身のプレゼント!
「それじゃあ…この間のお詫びもこめて…」
 ついにきたか!
「ところで、これ中身聞いてもいいですか?」
 中から出てきたのは、シルクのレースつきパン…。
「ぜぜぜ、前言撤回します!!」
 強烈なパンチが、繰り出された。
 伝えたかった言葉は、多分同じ。
 鈴女と語が交換しあったのは、どちらもシンプルなカードであった。香水が優しく風に乗り、鈴女は目を細めた。
「スズ」
 名前を呼ばれて、鈴女が顔をあげる。
「今日から、妹やなくて…一人の女の子として付き合うてくれる?」
 鈴女は頬を赤くして、俯いた。
 言葉にするだけの度胸はなかったけれど、鈴女のカードにはちゃんと答えが書かれていたのだ。
 カードのお返しは、語からキスを…。
 もみの木の下は、冷たい雪と暖かい言葉に溢れている。
 後ろから突然待ち人に抱きしめられ、ヘイゼルは驚いて振り返った。
「お待たせ!」
「びっくりしたよ青葉…」
 驚いたヘイゼルも可愛い。
 驚かせたお詫び、と青葉が贈り物を差し出す。包みから出てきたのは、チェーンのブレスレットであった。
 青葉に付けて貰いながら、キラキラ雪に輝くブレスレットを見つめる。
「ありがとう、青葉」
 ずっと大事にするから。
 ヘイゼルは手を取り合ったまま、青葉にキスをした。

 待ち合わせは恋人達だけではなく。
 雪が肩に降り積もる頃、朱里が笑顔で雪の中をやってきた。
「メリークリスマ…」
「遅い!」
 すかさずボディーブロー。
 辛うじて防いだ朱里は、涙目になりながらカードを差し出した。読まずにハルフェリスは、またブロー連発。結局殴るのである。
「まあ、年内に会ってもまた殴るとは思うんだがな」
「隙あり!」
 そういいながらカードを読んでいたハルの首に、朱里からの贈り物が掛けられた。
 駆け出す姿に、嬉しさが溢れている。
 雨へのカードに何を書こうか、雅鼠はずっと悩んでいたのだ。
 凛々しくも美し似顔絵の描かれたカードを、読み上げる。
「姉貴は料理上手で、お裁縫も上手で、とっても頼りになって…」
 雨はそんな雅鼠の様子を見て、思わずぎゅっと抱きしめたのであった。頬に親愛のキスをすると、雨からもカードを雅鼠に。
 義弟が誘ってくれた、それだけで今夜は満足だ。
「姉貴、だぁーいすき!」
 ぴょんと抱きつくと、雅鼠は頬にキスをした。

 白い羽織と着物を着た白い髪の扇は、雪に紛れて毒島の横に立つ。
「寒いね」
 自分で雪を降らせておきながら、扇はしゃあしゃあと言った。
 克乙は笑顔で頭をさげ、箱を差し出す。
「環さんにもよろしくお伝えください」
 それから克乙は、毒島にもバウムクーヘンの箱とお茶を差し出した。
 目的は、お返し…である。懺悔の罰ゲームだというカードを差し出され、それならばと遠慮無く毒島はにやりと笑った。
 転がった克乙を、黒夜が呆然と見下ろす。
「…何だこれは」
 手にあるカードは、毒島に向けられていた。
 毒島への日頃の感謝を込めてお返しを、とある。
「こっちはお返しはコイツって決めてんだよ!」
「な、何しやがる!」
 とっさに避けながら、黒夜は叫んだ。
 じりじりと睨み合いながら、黒夜は朔羅を恨むのであった。
 望まずして勝負にもつれ込んだ黒夜に続き、龍麻も毒島に挑戦状を叩きつけた。
「勝った方が何か奢るって事で」
 雪の中体を動かしているだけで、暖まってくる。
「あっ、藤崎さんが!」
 指さして龍麻が毒島の視線をそらすと、その隙に拳を叩き込んだ。
 息をついている毒島に、円がひょいと何かを差し出した。
「修二先輩、お疲れ様」
 …キスの天ぷら?
 円の本題は、実は武道と美鈴にあった。
 美鈴に告白して1年。
 今回は武道から美鈴を誘った。
 −君の心意気を見せてもらおう−
 美鈴の渡したカードには、そうあった。大した進展もなかったのは甲斐性のなさだと武道は思っていたし、この間の失態の分は挽回しなければならない。
 カードのお返しは、1つだ。
 意を決して武道は、背を伸ばすと美鈴の頬にキスをした。
 こっそり見ていた円は『飯抜き…』などと呟いたが、美鈴は笑顔。
「しっかりと見せてもらった」
 武道の、心意気を。

 さて、お約束だが夕亜が差し出したのもキスの天ぷらだった。
 サンタガールの格好で待ち受けた夕亜は、サンタの袋の中からそれを取りだしてカードのお返しに湊へと渡したのである。
「おのれ、そうきたか…」
「串はクリスマスツリーだからね、ちゃんと味わって」
 日頃の感謝を込めた湊のカードを手に、夕亜は笑って串を指した。
 本当に本当に、今日は嬉しかったから。
「また、遊ぼうな」
 夕亜が言うと、湊はふと目を細めて頷いた。
 たまには素直になってみようと、麻咲が認めた『これからもたくさん仲良くしてください』というメッセージカード。
 らぶを込めたカードを、日向に差し出す。
 読んでいる日向に、麻咲は来るなら来やがれと構えてみせた。ちらりとそれを見て、日向が目を細める。
「わかった、目を閉じて歯ぁ食いしばれ」
 所が、降ったのは日向からの不意打ちキスが額に。
 突然の事に動揺が隠せない、麻咲。
「好きだよ麻咲、これからも仲良くしよう」
 そう言うと、くすりと日向は笑った。

 有理が冬華に渡したのは、ダイヤの6。
 つまりトランプであった。
 実に有理らしい、と冬華はカードを見つめる。言葉にせずとも、このカードの意味はちゃんと分かっていた。
 ならば。
「必殺、たぬ王パンチ!」
 お互いが対等で、交わす言葉は拳。
「ははは、さすが冬華。ダイレクトだ」
 じゃれ合うように殴り合った後、冬華は笑った。
「祝福のキスは、時が来るまでお預けだ」
 今宵は気が済むまで、クリスマスを楽しもう。
「今日は君の為に、君を思って君への想いを認めたんだ」
 やけにクールぶったジャックが、指で挟んだカードを差し出した。
 陽太がカードを開くと、中からオルゴールの音色が。
「わ、ステキ…」
 …が、書かれているメッセージに目を通すと笑顔で拳を握りしめた。
「断罪ナッコー…だと…」
「もっとこう…もういいです!」
 がくり、と崩れ落ちたジャックのバンダナに、陽太がカードを差し込む。
 駆け去った陽太のカードがひらりと目の前に落ちると、目に入る。
 いつも一緒に居てくれてありがとう、と。
 華やかなツリーの下に待つ人に、薔薇の花束を。
 息を切らせて駆けつけた馨は、大切な人へと差し出した。
「好きですっ!」
 差し出されたのは、優…の隣に居た毒島であった。
「馬鹿っ!」
 今日位は自分からキスとか色々考えてたのに!
 優の分の拳は、遠慮なく毒島が叩き込んでくれた。
 転がった馨に、優がプレゼントのクッキーを投げつける。
「じ、冗談…です」
 本当の贈り物は、サンタ服の熊。
 クッキーのお返しは、馨からのキス。

 雪の降る中、リシャールはツリーの下に来て周囲を見まわした。
「リシャールさん、メリークリスマス」
 カードを華那に差し出され、なるほどと呟いた。
 ツリーの下でカードを貰ったら、お返しをしなければならないのだ。日頃の感謝と、来年一緒に居てほしいと書かれた華那の気持ち。
「こちらこそ、よろしく」
 リシャールは彼女の手を取ると、手に誓いの口づけをした。
「あ、そうそう」
 メリークリスマス。
 リシャールは言葉と一緒に、華那の頬にキスをした。
 少し遅れて、いちごがツリーの下にやって来る。先ほどから待っていた虎子の所に、手を振って駆けた。
「いつもお世話になってるふーちゃんに、メリークリスマスです♪」
 とびきりの笑顔で渡された、いちごからのカード。
 嬉しさで虎子は飛びつき、いちごの唇にキスをした。
「それはさすがに恥ずかしいですよー!」
 顔を赤くして、いちごはパンチで返した。
「び、びっくりしすぎよ、いっちゃん」
 幸せパンチで、虎子はノックアウト。

 もう一年、過ぎたのか。
 お付き合いを始めて1年半。2度目の聖夜だ。
 若菜は一成を待ちながら、今までの事を思い返す。
「若菜さん、お待たせ」
 雪降るツリーの下、一成は若菜にカードを渡した。
 それを若菜は大切そうにしまい込む。
「では目を瞑っていただけますか?」
 一成は多分、分かっていた。
 その通り、若菜は少し屈んで一成の鼻先にキスをした。すると不意打ち、一成が若菜の唇にキスを返した。
 いつか、背伸びをしなくてもいい位、君に近づくから。
 もう一年、と亜弥音も呟く。
 中々会えず、すれ違う日々もあった。
 静かに前に立った紫郎を、亜弥音は見つめる。
 差し出したのは、青いカードだった。
「ありがとう。それじゃあ、さっそく返事だけど」
 何が来ても驚かないと思っていた紫郎だったが、亜弥音は冷たくなった紫郎の頬を挟むと軽くキスをした。
「色々あったけど、それも含めていい一年だったじゃない」
「……食事を予約してあるんです、ご一緒していただけませんか?」
 それはお詫びもかねて。
 ほっと息をついた紫郎の腕に、亜弥音も手を絡ませた。
 去年のクリスマスも、千里と和泉はこうして待ち合わせをしたっけ。
 ツリーの下で告白して、それで…。
「メリークリスマス」
 和泉が渡したのは、やはり千里猫の絵の描かれたカードであった。
 でもあの時よりもっともっと、気持ちは強くなっている。
 千里は笑って胸にパンチ…を出しかけて、和泉の服を掴んだ。引き寄せた和泉に、千里からキスをする。
 去年よりもっと、愛してる。
 千里の言葉は、そっと和泉の服に忍んだ。

 雪を見ていたら、遅れた。
 華はそう謝りながら、紅羽を見上げた。突然の呼び出しに、首をかしげている華であったが、カードを受け取ってその内容に目を見張る。
「華さえよければ、いつか、一緒に住めれば…」
 中にあったのは、鍵。
 ぎゅっと鍵を握りしめ、華は背伸びをして頬にキスをした。華からのカードにも、彼への気持ちが綴られている。
「サンキュ。大切にする、な」
 彼の、手紙も、全部。
 華の唇に捧げるのは、誓いのキス。

 暖かそうなマフラーや帽子には、すっかり雪が積もっていた。
「何でカズマさんがいるの?」
 というか、いつから居るの?
 雪を払い落としながら、小夏が聞いた。すっかり冷えたカズマに、小夏が抱きついて暖める。こうしていると、震えも止まっただろうか。
 カズマはほっと息をついて小夏を抱きしめ返す。
 今年のクリスマスは、恋人ではなく婚約者として。
 カードを交換しあうと、キスも交換しあった。
「えへへっ、また来年も交換しようね」
「ああ」
 来年も、再来年も。

 冷たい人口の雪は、いつしか本物の雪と混じり合って溶けていく。
 メリークリスマス。


マスター:立川司郎 紹介ページ
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楽しい 笑える 泣ける カッコいい 怖すぎ
知的 ハートフル ロマンティック せつない えっち
いまいち
参加者:54人
作成日:2010/12/24
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冒険結果:成功!
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