≪霧椿庭≫赤き魁星


<オープニング>


「……あれ? すき焼きは?」
 桂・雪(狩り手癒し手・b75753)は、握った箸で肉をつまんだままの姿勢で茫然と呟いた。
 早めの夕食の最中の真っ最中、そのはずだった。
 だが、先程まで確かに自分達が居た、霧椿庭の大食堂の風景はどこへやら。
 彼らが目にしているのは、峻険たる岩山の狭間に築かれた格闘場の光景だった。無論、彼らの前に、食べかけだったすき焼きの鍋などありはしない。鼻をくすぐる緑の香りが、自分達が間違いなく、山中にいることを伝えて来ている。
 周りの仲間達も驚きは雪と同じだったらしく、手に手に箸や茶碗、溶き卵の入った小鉢を持ったままのポーズで固まっている。
 さらには外出していたはずの者までが共におり、きょろきょろと辺りを見回していた。
「……中国的な雰囲気だね」
「拳法の修行場……か?」
 蒔田・敬介(花に嵐の喩えもあるさ・b36724)と彩木・千束(暁はただ藍色・b59747)が首を傾げた時だった。
「もきゅっ!」
 すき焼きの汁で口の周りを汚した千束のモーラットピュア、それに四紀・更紗(番犬命の真狐・b74691)のケルベロスオメガが、警告するように鳴き声を発する。
 どこからともなく声が響いたのは、その時だった。

「戦士諸君、ようこそ」
 男とも女ともつかない声は、能力者達へと一方的に声を投げつける。
「闘神の独鈷杵は、それを所有するに相応しい主を捜し求めている。戦士達よ、戦え。100の戦いが繰り広げられたのち、もっとも勝利した組織の元へ、闘神の独鈷杵は復活するであろう」
「ちょ、ちょっと!」
「せめて呼び出すタイミングぐらい考えろ!」
 食事中に呼び出された能力者達の苦情にはまるで構わず、姿を見せぬ声の主は、説明らしきものを終えると沈黙する。
「つまり……」
 結社長である更紗はもきゅもきゅと肉を噛み終えると、格闘場の反対の端へと視線を投げた。
「あなた達と、戦わなくちゃいけないってことだよね」
「その様ね」
 更紗の言葉に応じたのは、大陸風の紅色の衣を纏った女性だった。波打つ真紅の髪を鮮やかな装飾が施された髪飾りが彩り、露わな肌には金色の紋様が浮かぶ。
「大陸妖狐? けど、この力……」
 どこか面白がるように、女性が目を細めるのと同時、頭の奥で危険信号が灯るのを如月・久遠(風のとらえかた・b67802)は感じた。あの紅色の女性は、紛れもない強敵だ。
「……強そうだね」
 だが、同時に強敵の存在を前にして心のどこかに沸き立つものを感じ、梶原・沙紀(破暁の先駆・b21488)は拳を握る。
 能力者達の内心には構わず、女性は視線を受けながら髪を払った。
「全く迷惑なメガリスゴーストだこと。……けれど、これも私ら妖狐の敬愛する女王、金毛九尾様に新たなメガリスを献上する一助と思えば許しもしましょう」
 能力者達の視線を受けながら、女性は傍らにいた配下らしき7人に告げる。
「お前達は支援だけしていなさい。日本の能力者の相手をするのは久しぶり……一瞬で終わっては面白くないわ」
 7人のうち1人が無言で頷くと、彼女の腕に恭しく詠唱兵器を取り付けた。クロリス・フーベルタ(戯れの蝙蝠・b49141)は、彼女の右腕を覆った見覚えの無い詠唱兵器の形状に思わず口を開く。
「え、ええと……なんでドリル……?」
「あら、『ドリルガントレット』を知らないの?」
 遅れてるわね、と言わんばかりに薄く笑うと、女性は能力者達を値踏みするように見つめた。
「さあ、掛かって来なさい。廉貞を手こずらせているという銀誓館学園の能力者の実力……私が確かめてあげるわ」
「え、『廉貞』? ……呼び捨て?」
 女性が妖狐の女王に次ぐ将軍である七星将の一人、廉貞を呼び捨てにしていることに気付き、アカネ・テト(風と羅針盤・b74635)の眉が寄る。
「なんだか、すごくとんでもない相手のような……」
「でも……戦う前から、勝つことを諦めるわけにはいかない!」
 雪は更紗を見た。頷いてイグニッションカードを取り出し、更紗は告げる。
「行きましょう!」
「「イグニッション!!」」
 一斉にイグニッションカードから力を解き放つと、能力者達は己の詠唱兵器を手にし、あるいは使役ゴーストを呼び出す。
 先程までとは打って変わって戦う者としての顔を見せる彼らに、紅の女性は悠然と手招きした。
「せめて1分は保ちなさい。でなければ、名を告げる価値も無いわ」

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参加者
梶原・沙紀(破暁の先駆・b21488)
蒔田・敬介(花に嵐の喩えもあるさ・b36724)
クロリス・フーベルタ(戯れの蝙蝠・b49141)
彩木・千束(暁はただ藍色・b59747)
如月・久遠(風のとらえかた・b67802)
アカネ・テト(風と羅針盤・b74635)
四紀・更紗(番犬命の真狐・b74691)
桂・雪(狩り手癒し手・b75753)



<リプレイ>

 戦闘が開始された直後、敵の機先を制する形で動いたのは、梶原・沙紀(破暁の先駆・b21488)だった。彼に先導されるようにして、能力者達は次々と動き出す。
「1分保てとは、甘く見られたね……キミの名前と一緒に負け台詞も吐かせてあげるよ」
「中々の速さじゃない……あら?」
 感心するように言った紅の女の横をすりぬけ、配下の7人の妖狐へと沙紀は一気に駆け抜ける。
 紅の女から支援に徹するようにとの命令を受けた妖狐達は、互いに少しずつの距離をおいて散開した状態だ。
「流石に戦い慣れてるみたいやね」
 如月・久遠(風のとらえかた・b67802)はそう判断する。おそらくは爆発範囲の攻撃の被害を最小限に抑えるための布陣なのだろう。
「ま、それはこっちも同じだけどな」
 桂・雪(狩り手癒し手・b75753)が言うように、散開しているのは能力者達の側も同様だ。相手が妖狐だという事実ははっきりしている。
「密集なんてしてたら、幻楼火の良い的だからな」
「邪魔な下っ端狐には早々に退場して貰うよ? ボクも紅いのと戦ってみたいからさ」
 沙紀がダッシュからの跳躍で狙うのは最も右側にいる妖狐だ。鋭い弧を描いた足の先が、妖狐の首後ろに叩き込まれる。
「続けていくよ!」
 沙紀の着地の隙を補うように、蒔田・敬介(花に嵐の喩えもあるさ・b36724)の手が放った符が竜巻のように戦場を覆った。
 符がもたらす強烈な睡魔に襲われ、妖狐達の数人が倒れ込む。四紀・更紗(番犬命の真狐・b74691)は念動剣を浮かばせながら、女に呼びかけた。
「大陸の同胞さん……そう呼んだら怒るかな?」
「日本の出身者だろうと、歓迎するわよ。金毛九尾様に従うというのならね」
「それはパスかな。私は銀誓館の……皆の仲間で、貴女達の敵だよ」
「おかしな子ねぇ」
 更紗の封神十絶陣が周囲の者達をまとめて異界へと運び、クロリス・フーベルタ(戯れの蝙蝠・b49141)の二丁のガンナイフから撃ち出された弾丸が、沙紀と同じ妖狐を狙う。
 自分を後回しにする能力者達の判断に、紅の女は小さく息を吐いた。
「興の醒めることだわ」
「あなたの相手は、わたし達ですっ!!」
 宣言と共に、アカネ・テト(風と羅針盤・b74635)は真っ向から紅の女へと突き進んだ。
 アカネの拳で螺旋を描くプログラムと、紅の女のドリルガントレットがぶつかり合う。拳はドリルの先端を僅かに押し込み、しかしそこまでで止まった。
(「受けられたっ……!!」)
「いつも通り頼りにしてるよ!」
 続けざまに敬介の声援を受けて更紗のケルベロスオメガが飛び掛かり、彩木・千束(暁はただ藍色・b59747)もまた、真モーラットピュアを紅の女に向かわせる。
(「随分な強敵だが……頼んだよ、俺の相棒」)
(「こちらが敵の後衛を倒すまで、可能な限り粘ってくれれば、それで!」)
 千束と更紗は心の中で各々の声援を飛ばす。使役ゴースト達は、あくまでも時間稼ぎだ。
 能力者達が、敵配下の妖狐達を片付けるまでの時間を僅かでも稼げればそれでいい。
「この程度で止められると思っているの?」
 だが、能力者達の思惑をよそに、紅の女は2匹の使役ゴーストの攻撃をドリルガントレットをかざして受け止めると、その姿勢のままにアカネへと突っ込んで来る。
「くっ!?」
 咄嗟にかざした電光剣を突き破り、体当たりの衝撃がアカネを襲った。彼女は地面を蹴って女との間合いを取り、態勢を立て直す。
「面白い技を使いますね」
「攻防一体……っていう表現でいいかしら? 日本語は随分長いこと使っていなかったのよね」
 電光剣を再点灯させながら、アカネは体の具合を確かめる。先程の一撃は、電光剣で防いだにも関わらず、一気に彼女の体力を奪っていた。
 隙無く守りを固めた女の姿に、千束は内心で舌を巻く。
(「攻撃しながら、ガードを固める……?」)
 攻防一体とはよく言ったものだ。
 拳士の技にも似ているようにも思えるが、そのアビリティは能力者達の知識にも無い。
 直後に動いたのは、妖狐達だった。戦場に七つの幻楼火が現れ、揺らめきと共に、能力者達の体に痺れを与えて来る。狙われたのは、紅の女に立ち向かう姿勢を見せたアカネを除いた能力者達だ。
「そう好きにはさせへんで!」
 だが、それを予期していたように動いたのは、後方にいた久遠と雪だった。赦しの舞の力が、能力者達から幻楼火の影響を取り払う。
「俺達が同時にマヒさせられなければ、幻楼火はどうにかなりそうか」
「けどまぁ……難儀しそうやね」
 今の攻防だけでも、敵のアビリティが攻撃寄りでないことが察された。特に妖狐側は、紅の女一人に攻撃役を任せ切っている。
「それだけの自信がある、ってことかな?」
 攻撃を繰り返す沙紀に続く形で、クロリスは力を解き放つ。
 妖狐の頭上に現れた血の逆十字が唸りを上げ、狙われた妖狐の血を吸い上げていく。沙紀や更紗からも攻撃を受けていた妖狐が、ふらつきながら倒れた。戦闘不能に陥ったその体が、透き通るように消えて行く。
「ごちそうさま♪」
 クロリスは可愛らしい笑顔で、独鈷杵の力で消えゆく妖狐の姿を見送った。上手く最初の一人を倒せたことに、更紗は上手く行ったと拳を握る。
「このままいくよっ!!」
「ああ!」
 敬介の放った符が再び竜巻となって妖狐達の意識を奪っていく。だが、平然とその符に耐えた紅の女は、手を頭上に上げると告げた。
「それじゃ、こちらは少し変えて行こうかしらね」

 天に向けて振り上げられた女の左手に、強大な力が凝縮されていく。高速演算プログラムの走るアカネの瞳は、それを『気』の塊として認識した。
「これは……!?」
「七星将の力、知らないというわけではないでしょう? ……あ、言っちゃった」
 女は凝縮した力の塊を、自らのドリルガントレットに叩き込んだ。膨大な力を呑みこんだ詠唱兵器から、螺旋を描いて気の奔流が迸った。女の側にいたアカネと2匹の使役ゴーストが、その奔流に巻き込まれ、蹂躙されていく。
「何……!?」
 千束は思わず息を呑んだ。一撃で倒されていないのは分かる。だが、
「このままでは耐え切れないぞ!」
「分かっとるよ!!」
 久遠が叩き付けるように叫んだ。他の能力者達も状況は理解している。
 だからといって、配下の妖狐をたちどころに倒そうというのは土台無理な話だ。クロリスのヴァンパイアクロスが上手く作用すれば話は別だが、今はそれを待つ余裕も無い。
「相手を舐めてたわけじゃないけどな」
 妖狐への攻撃を繰り返しながら、雪は舌打ちした。
 配下の妖狐も木石ではない。能力者達が自分達を狙っていることを把握し、幻楼火への対策を持っていることを理解したことで、使用するアビリティを幻楼火からアヤカシの舞に切り替えていく。
 おまけに飛んで来る幻楼火の狙いも、雪と久遠の2人に絞られていた。
「配下まで厄介だね。……久遠!」
 敬介の放った符が久遠に貼り付き、体の痺れを取り去る。
 だがそうする間にも、紅の女による蹂躙は続いていた。絶大な気の奔流に晒され、武道場の一角が女のいる一帯のみ窪地のように凹んでいく。
「ケルベロス……」
 気の奔流に蹂躙される使役ゴーストの姿に、更紗はぎゅっと拳を握った。消える寸前のブラックセイバーに配下の妖狐を巻き込みながら、気の奔流に押し潰されるようにしてケルベロスオメガの姿は消えて行く。最後まで回復を行おうとしていた、モーラットピュアも同様だ。
「これで、2匹と1人……あら?」
 女が驚いたように、アカネを見た。気の奔流に晒されながらもよろめきながらも立ち上がったアカネは、拳を握って女を睨む。その視線を受け止め、女は平然と笑った。
「思ったよりも、頑丈ね」
「ふざけるのもそこまでです!」
 アカネが全力で振るった拳を、女は左手で阻む。だが、拳に宿った詠唱停止プログラムは、拳の勢いのままに女のドリルガントレットへと作用した。
 回転動力炉が回転を止め、気の奔流が収まっていく。
 荒い息をつくアカネに、女はさも痛そうに左手を振りながら賞賛の言葉を向けた。
「やるものね。あなたのような人が……そうね。百人もいたら、私も危ないかしら?」
「武器を封じられておいて、余裕ですね」
「だって、そんな時の対策を用意しておくのも、淑女のたしなみでしょう?」
「……ッ!?」
 女の右眼が輝いた。
 奇妙な気が渦巻くのを後方にいた久遠が感じた次の瞬間、生じたのは星々を思わせる輝きだ。輝きは熱となり、魔炎の嵐へと変わりながら、後方にいた能力者達をも呑みこんでいく。
「何だ、そりゃぁっ!?」
 仲間達を癒さんと、妖狐達の幻楼火をかわした久遠と雪は即座に赦しの舞を踊る。炎の嵐自体の威力も軽視できないうえに、あの魔炎を放置するのは短時間でも命取りだ。
「片方潰したらまた別のかい……」
 余裕さえあれば自分も攻撃に移る……そう考えていた久遠は、回復に専念せざるを得ない現状に歯噛みする。
「しかし、七星将……。あれが?」
 雪は、改めて女を見た。
 七星将。
 『七星儀』と称される儀式を経て生まれる、大陸妖狐最強の将軍達だ。
 銀誓館学園も、過去には武曲や廉貞といった七星将と交戦している。戦場に現れた彼らの力は、単身でも妖狐にとっての決戦戦力と呼ぶにふさわしいものだった。
「それと同格って……勘弁して欲しいなぁ」
 クロリスも思わず苦笑する。その後方から、千束は落ち着き払って言った。
「……一分」
「?」
「一分だ」
 携帯電話を取り出し、千束はそこに表示された時間を示して見せる。
「そろそろ、そちらの名前を教えてくれてもいいんじゃないか。先に名乗らせてもらうが、俺は彩木・千束だ」
「そうそう、お名前プリーズ!」
 敬介も一緒になって言う。
 一瞬きょとんとした表情を浮かべた女は、袖で口元を押さえて笑った。ひとしきり笑い、彼女は目尻に浮かんだ涙を拭いながら紅の衣を翻した。
「あー、おかし……。いいわ。ならば聞きなさい。我が名は貪狼。七星将が一の将、貪狼!」
 名乗りと共に、両手を広げた瞬間、再びの炎の嵐が巻き起こる。
「更紗!」
 転がるようにして炎の嵐から逃れた敬介が、鋭い腕の振りと共に更紗へ符を飛ばす。身を覆う炎が消え去り、活力を取戻した更紗が再び封神十絶陣を発動させた。
「昔潰した色ボケ妖狐オバサンとは格が違うね……」
 妖狐を蹴り倒し、ようやく2人目を戦闘不能としながら沙紀は呟く。貪狼の視界の外にいるため、彼自身はいまだに皆を先導する形で攻撃を行うことが出来ていた。
 だが、もはや戦いの流れは覆しようもない。
 魔炎の嵐が荒れ狂う中、千束は輝きに照らされる貪狼に言葉を向ける。
「七星将、貪狼か。その名、俺のモーラットに名をつける参考にさせて貰うとしよう」
「好きにしなさい……と言いたいところだけど、この間も銀誓館学園の能力者達がわざわざ中国に来て人の名前を詐称していったとか報告が来てたわね」
「いや、知らんが……」
 穢れの弾丸を放った千束、そして彼と同じく使役ゴーストを失っていた更紗の姿が、再び燃え盛った炎の中に消える。だが、それに構っている余裕は他の能力者達にも無い。
「もう抑えとか言ってる状況じゃないかな……おねーさん相手して♪」
 離れた場所で難を逃れていたモーラットの祈りを受けて炎を振り払い、クロリスは銃口を貪狼へと向けた。撃ち出される弾丸、そしてアカネの拳を避けながら、貪狼は悠然と身を翻す。
「それじゃ……残りはゆっくりと楽しみましょうか」
 やがて再び回転を始めるドリルの音と共に、貪狼はいたぶり甲斐のある獲物を前にした肉食獣の如き笑みを浮かべた。

「ハァ、ハァ……ッ!!」
 滴る汗を拭い、沙紀は顔を上げた。
 もはや銀誓館学園側で立っているのは、敵の只中へ突っ込んでいた彼だけとなっていた。敬介やクロリスも残っているはいるものの、アビリティも使い果たし、立っているのがやっとの状態だ。
 既に貪狼の配下達は後退し、戦況を見守っている。
「やっぱり日本の能力者は面白いわね。昔より種類も増えているみたいだし……」
 貪狼は嫣然と微笑んだ。
 敬介やクロリス達が粘る間に何度も攻撃を受けていたはずだが、涼しい顔だ。
「これが、『七星儀』を完全な形で終えた神将の力か……。でもね」
 沙紀は総身に力を篭めた。戦闘態勢を取ると共に、魔狼の力が体を覆う。
「星を隠し消し去る暁光、破暁の先駆が紅星を消してあげるよ!」
 沙紀の足が、顔面を目掛けて三日月の如き弧を描く。貪狼がそれを受け止めると、鋭い音が山々にこだました。
「この状況で大言壮語を吐けるのは大したものね。でも、七星将に敗北は許されない」
 瞳を輝かせ、魔炎の嵐を呼びながら、貪狼は告げた。
 炎に取り巻かれ、能力者達の体が消えて行く。霧椿庭に戻されようとしているのだ。
「また戦いたいものね、銀誓館学園。面白い相手がいてこそ……悪巧みも楽しめるわ」
『勝者、妖狐!』
 貪狼の瞳に宿る邪悪な気配、そして妖狐の勝利を報せる奇妙な声の宣告。
 その2つを感じながら、能力者達の意識は薄れて行った。


マスター:真壁真人 紹介ページ
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参加者:8人
作成日:2011/02/17
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