あの日もお前は鳴いていた


<オープニング>


 ――あの日もお前は鳴いていた。ただただ激しく鳴いていた。俺の両親の死を、誰よりも早く悟ったかのように。
 数日前、あの日のような鳴き声を聞いた時、胸がざわついた。真希に何かあったんじゃないかと、慌てて彼女の部屋へと飛び込んだ。
 驚いた顔で俺を出迎えた真希は言う。少し調子を崩してしまったと。
 嘘ではなかった。事実、勉学に大しては真面目なお前が大学を休むはめになっている。俺の血も求めるようになった。
 奇妙な願いだとは思う。けど、構わない。何でもしてやると誓っていたから。
 両親の死に塞ぎ込んでいた俺を救い出してくれたのはお前だから……。
 ……けど。
「……なあ?」
「? なぁに?」
「ミルク、お前にそんなに懐いてたっけ?」
「っ……そうね。休んでいる間、ずっと一緒に過ごしていたからかも」
 ――気づいているだろうか? ミルクがお前の近くで寝始めたのは、激しく鳴いた次の日からだって。それからミルクは、猫のくせにほとんど外にも出ていないって……。
 ……俺のやることは変わらない。真希の病が治るまで、できる限り看病する。
 だから――。

「事件だ」
 秋月・善治(運命予報士・bn0042)はただ、短く告げた。
 いつも通り様々な反応を返してくる皆を見回して、改めて説明を開始する。
「現場は、樋山京と言う青年が両親から受け継いだ一軒家。ゴーストはリビングデッド……京の幼なじみで恋人の、佐倉真希だ」
 今は京が血を与えることで真希を養っている。しかし、いずれ京が殺されてしまうことは想像に難くない。故に……。
「……みなまで言わなくても分かるか。続いて……そうだな。先に、二人の近況について話そうか」
 樋山京。地元の大学に通う大学生で、五年前に両親を事故で亡くしている。今は両親の遺してくれた家で、遺産とバイト代をやりくりしながら生活している状況だ。
 そんな彼を、両親が亡くなる前から支えてきたのが、幼なじみで恋人な佐倉真希。大学に入ってから同居を始めた二人は、真希の両親から見ても、近所の方々から見ても、とても仲睦まじい関係だったという。
「だが……不運な事故というべきだろう。足を滑らせた真希が頭を打ち、亡くなった。本来なら、それだけの悲劇で済むはずだった」
 しかし、真希はリビングデッドとして蘇った。今は病に伏せっているフリをして、京に養ってもらっている。ただ、偽りの生を続けるために。
「……お前たちが現場に辿り着くのは夕方。後一時間もしないうちに京が大学から帰ってくる時間帯だ。故に、素早く作戦を遂行してくれ」
 真希が病に伏せっているが故、玄関や窓には鍵がかけられている。が、予備なのか庭の植木に鍵が隠してあるため侵入すること自体は容易だろう。勿論、真希に悟られないよう気をつけて探す必要はあるが。
「戦場となるのは真希の寝室だな。物はあるが、部屋自体が広いため特に問題なく戦うことができる場所だ」
 真希自身は力量、攻撃力と共にかなり高い。特別な能力は持たないものの、その点だけでも厄介だろう。
「また、不運にもと言うべきか……京が飼っていた猫、ミルクが、真希の手によって殺されリビングデッドと化している。戦闘になれば彼女を守るように立ち回り、こちらを威嚇して行動を止めようとしてくるだろう。注意してくれ」
 ――以上で説明を終了する。
 善治は瞳を閉ざし、頭を閉じた。
「不運、という言葉で片付けていいのか分からない。だが、永遠に暮らすことなどできないのは事実だ。皆、確実に……どうか、真希とミルクを眠らせてやってくれ」

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参加者
琉孔・セト(彼の蟲溢るる籠行燈・b03188)
西・竜彦(ひとでなし・b17290)
菫白・憐(無垢の哀華・b22288)
玖月・王理(狗憑・b23828)
ミラ・エセルドレーダ(冥土へ誘うもの・b41885)
舞月・詠仁(舞零新月・b43103)
霧島・絶奈(さよならを教えて・b61363)
鈴鹿・小春(空色のうたかた・b62229)
功刀・伊知郎(深紅の錬士・b65782)
篠原・千秋(光霧の茶道家元継承者・b78170)



<リプレイ>

●過ぎ去りし黄昏は
 世界が茜色に輝く時間なのに、色彩の失せた冬の空。今はまだ泣いていないけど、しきりにため息を吐いている。
 体を冷やしてしまわぬよう、琉孔・セト(彼の蟲溢るる籠行燈・b03188)が鉢植えを動かす手を止めた。両手に穏やかな息を吹きかけ僅かばかりの暖を取り、再び鉢植えを持ち上げる。
 鍵を手に入れ、悲劇の舞台へ上がり、最悪を導く演目を仲間と共に壊すために。
 銀狐に変身した鈴鹿・小春(空色のうたかた・b62229)も、枝と枝をかき分け探っていた。樋山家の庭は予想よりも広く、窓の真下に隠れることはできなかったから、もしもの時のために尻尾を身体に巻きつけて。家屋からわずかに感じる、人あらざる者の気配を感じつつ。
 舞台に上がる前に、見つかってしまってはかなわない。想いをぶつけるべきは、今ではない。だから……。
 小さく、無彩色の狼が鳴いた。一人と一匹は足音も立てず集合した。
 前足で鍵を指し示し、功刀・伊知郎(深紅の錬士・b65782)は拾うよう促した。しゃがみ込むセトに背を向けて、一足先に仲間の下へと戻って行く。
「首尾は良さそうだねぇ。ご苦労ご苦労っ」
 セトと変身を解いた二人を軽薄そうな笑顔で迎えた西・竜彦(ひとでなし・b17290)も、家の裏側から戻ってきたばかり。幸か不幸か勝手口の近くに門はなく、脱出口は正門に絞られるとの調査結果を説明した。
 ――役者も、手段も出揃った。後は舞台に上がるだけ。
 風に藤色の袖をなびかせつつ、玖月・王理(狗憑・b23828)が解錠。守刀を宙に浮かせ、扉をずらし、僅かな隙間から中を覗いていく。
 一足の靴と、二足のサンダルの他には誰もいない。薄い影の漂う、酷く広く思える玄関だけが広がっていた。
 一つ、安堵の息。
「……幸い、気づかれてはいないようです。さぁ、行きましょう」
 迫る夜に背中を押され、引き戸を完全に開け放つ。仲間を内部へと招き入れ、改めて舞台を目指していく。
 樋山家は表札が、何度も塗り替えられた外壁が、色あせた屋根瓦が静かに語る、それなりの歴史を越えて来た和の屋敷。庭を引き合いに出すまでもなく、障子に閉ざされていた客間も広い。廊下も長い。
 無論、終わりがないわけではない。
 佐倉真希が住まう部屋へと辿り着き、ミラ・エセルドレーダ(冥土へ誘うもの・b41885)が立ち止まる。仲間を背に、ふすまの引き手に手をかける。
 目を閉ざしたのは、一瞬。
 覚悟はとうに決めていた。
 開けば、布団から体を起こし、驚き口をあけている真希の姿が赤の双眸に映り込む。
 枕元で寝ていた白猫、ミルクは毛を逆立てた。
「……誰? 京の友達が来るなんて聞いてないけれど……」
「いきなり押しかけてしまって申し訳ありません。わたくしどもは――」
 ミラは語る、粛々と。少しずつ感情を高ぶらせながら。
 真希が一度死したこと。リビングデッドとして蘇ったこと。理性は徐々に失われ、やがて愛する京を殺してしまうこと。自分たちは生者を、京を守る存在であること。真希を討つために来たこと。両親の死からようやく立ち直った京のために、遺書を残して病死を装う死に方を望むべきではないかと。
「……」
 沈黙も、この場では肯定となりえない。
 白い唇からも肯定の言葉は紡がれない。
「……大丈夫、きっと大丈夫だよ。今までだって大丈夫だったもん。だからこれからも、ずっと、ずぅっと、私は生きて行けるはず。目が覚めたままでいられるはず。うん、いられるはず……」
 毛布を跳ね除け、一度死した女が立ち上がる。口元を歪ませる。
「けど、それはシアワセ? うん、シアワセ? シアワセなはずだよね? だから……だから、ミルク、お願い。一緒に……」
「……」
 戸惑うような呟きが、悲劇の舞台の幕を開いた。終幕へと導いた。。
 想いも、力も、全てを受け止めるために、菫白・憐(無垢の哀華・b22288)は身構える。白銀の天輪を握り締め、唇を強く噛み締める。
 ごめんなさい、なんて言えないから。言いたいけど、事情があるのはお互い様だから。
 猫が甲高い声を響かせた。
 人を静止させる歌声が、終幕を導きこだまする。

●終わりを迎えに行くために
 寝室に静寂が舞い戻る。十人分の鼓動だけが響き渡る。
 王理は指を曲げ、体が動くことを確認。ミルクの威嚇を袖にして、宙に浮く二本の刀を引き寄せた。
「今、舞いましょう。皆様方、しばしお待ちを」
 藤色の華に導かれ、刃が乾いた空を切る。無味乾燥な病室に艶やかな舞が咲き誇る。
 香り代わりの熱を得て、霧島・絶奈(さよならを教えて・b61363)が体の自由を取り戻す。
「Ich erkenne Sie、Feind zu sein」
 虚ろに笑う真希を、続いてミルクを瞳に映し、静かにマントを翻した。
「Befreiung von Blut」
 抱いた想いを伏せた瞳の奥に隠し、雰囲気だけが貴きものへと磨かれる。
 あるいは、そう。従者として道を切り開くため、ミラが白虎の如き爪刃を光らせた。
「わたくしが援護いたしますわ。千秋様は仕掛けてくださいませ!」
「ああ。早く送ってやるためにも……頼む」
 篠原・千秋(光霧の茶道家元継承者・b78170)が握りしめる、ガラス細工の冷たい剣。切っ先の示す先、おぼろげにたゆたうレンズの中、銀髪の従者が暴れるミルクを拾い上げた。遠慮無く首筋に牙を突き立てて、命の残り香をこぼれさせていく。
「すまない、おまえの主人を守るために散ってくれ」
 優しい包容から逃れるのと、千秋が切っ先を真希に向けたのと、どちらが早かっただろう。
 床に着地したミルクの腹が二つに裂けた。痛みを感じていないのか、ミルクは再び毛を逆立たせる。
 声はない。全て、空気に変わり腹から漏れた。
「ミルク?」
 主人の言葉にも、反応はない。痙攣するほどに尻尾を立てて……そのまま、骸と化す。
「……そっか。ミルク、もう動かないんだ……あはっ、ははっ、あははははははは!」
 涙はない。
 ただ、笑い声を零し、真希は宙を闇雲に引っ掻き回す。ステップの遅れた伊知郎の、血液色のコートを破り取る。
「ぐ……」
 傷はなくとも、防具が機能を失い危険な状況。伊知郎は敢えて前に出る。
 赤みを帯びた刃を振るい、防がせる。
「このまま仮初に生き永らえ、樋山まで手に掛けるつもりか?」
「そんなつもりは全然ないよ。でも、もし殺すことになっても……あれ? 殺したら死んじゃうよね。でも生きるよね。あれ? 私、京をコロしたい?」
 刃を押し返す腕の力が緩んだ。
 跳ねのけるように後ろへ下がり、伊知郎は剣を構え直す。
「手に掛けるつもりはないのだろう? 悔いはあるだろうが静かに眠れ」
「でも、私は生きたいよ? イキてるよ? 京と一緒にイキテルヨ?」
「……けど、その想いは紛い物。あなたはもう、真希さんじゃない」
 ガラスの剣士に向けられていた視線が、鋼鉄の扇を逆手に構える小春へと向けられた。
 虚ろに細められた双眸を前にして、雪色の狐拳士は一歩も引かずに床を蹴る。
「私は真希、ワタシはマキ。マキじゃない、なんて違う。ワタシは、ワタシは」
「……せめて在るべき姿に安らかに、ね?」
 一気に懐まで入り込み、体を捻る。真希が一歩下がった姿も見えたから、一瞬だけ静止。
「もし、大切に思うのなら、護りたいのなら……今のままでは、駄目ですよ?」
 一拍遅れて、破魔の矢が女の頬を掠めていく。
 怯んだ隙に、叩き込まれる白虎の力。黒フレームのメガネに写し、舞月・詠仁(舞零新月・b43103)は更に言葉を連ねる。
「真希さんも、愛おしい人をこの手にかけてしまう前に……散って下さい」
「人の死はいつ訪れるかわからない。君はもう死んでるんだ、転倒して、きれいな姿でな……思い出せないか?」
 引き継ぎ語る千秋もまた、切っ先を逸らすことはしない。軽く手首をスナップさせ、偽りの命を削っていく。
「知らない、知らない! 私は生きて!」
「俺が彼の立場なら、人為らざる存在のまま居続けるより、楽に逝けたことを喜ぶ。違うか?」
 とうに、抵抗は止んでいた。例え爪撃が放たれても、錯乱している様子から意図的なものではないと断ぜられた。
 連ねた言葉が故か、偽りの蝋燭が燃え尽きようとしているのか。千秋は小さく息を吐き、剣の代わりに光を握る。眩い槍を司り、吹き消す手助けに移っていく。
「もっとも……佐倉真希が猫殺して喰うか?」
 炎は尽きる時に最も大きな輝きを放つから、あるいは口元に浮かべている笑みが表すように、竜彦が言葉で覆っていく。
「彼氏の血を啜るか? 姿形が同じで記憶や感情があっても、君は佐倉真希じゃないんだよ」
「……」
 熟考か、思考の停止か。笑い続ける男にさよならを刻まれて、真希はピタっと動きを止める。錯乱していたのが嘘のように口を噤む。
 説得を受け入れてくれたなら……抵抗らしい抵抗も見せない彼女にそんな期待を抱いてしまうのは、甘いのだろうか? 札を創りだそうと構えを取り、憐は強く息を飲む。
「……やっぱり、君は佐倉真希じゃない。佐倉真希は、男の胸を貫いたりできない」
「記憶、姿形、感情……何をもって私が私でないと判断する? ワタシ以外に判断する? そもそも、ヒトハナニニヨッテコウセイサレル?」
「……」
 幼くも思える女の顔から、感情と呼べるものが失せていた。瞳に光は元からなかった。
 込める力の質を変え、憐は竜彦を治療する。唇を噛み、不味い唾液を飲み込んだ。
「動きは鈍くなってる、後もう少しのはずだから……だから、みんな!」
 守るための戦い。
 憐は世界を、真希も世界を。
 互いに譲れないのなら、戦うしかない。真っ向勝負で決めるしかない。
「私も、治療に回る。だから、お願い……」
 治療に意識を集中させていく憐の前に立ち、セトは得物を握りしめる。白燐蟲を呼び集め、真希の一挙手一投足を心に写し取っている。
 真希は壊れていた。きっと、とうの昔に壊れていた。
 すでに意味ある言葉はなく、目的を持たぬ反撃はカスリ傷すら生み出せない。懐に入り込まれても気づかない。
「……泣くこともできない、か」
 表情も変えず、小春は触れる。一切の容赦はせず、白虎の力を送り込む。
 女の体が大きく震えた。膝を崩して座り込んだ。
 反撃は止まらない。
 虚空を引っ掻き回し、近付く者を牽制する。ただただ空気をかき回す。
「……」
 別段、何に優れていたわけでもない女の爪撃。容易く、間合いの内側まで入り込むことはできただろう。
 しかし、絶奈はまだ動かない。
 束の間の結界から逃れたまま、真正面から瞳を覗き込む。
「貴女が愛する人の血肉を喰らってまで生き延びたいならそれはそれで構いませんが……。その選択肢を是とするなら、貴女にその人を愛してるという資格はない。人として死ぬか、化物として私たちに殺されるか……どちらを選びますか?」
「……」
 答えはない。
 代わりに、動きが止んだ。
 青ざめた顔に色が宿った。
「本当はきっと……京さんは気付いているのでしょう。それでも失いたくなくて、必死に看病しているのでしょう。……真希さん、京さんの優しさに、甘えてはだめですよ?」
「……う」
 言葉と共に飛ぶ詠仁の矢が、女の足元へと突き刺さる。
 女は静かに顔を上げ、小さく小さく首を振り、言葉紡がず床を蹴る。身構えていたミラへと襲いかかる。
 ミラは受け止めた。肩で受け止め抱き止めた。
「貴女の血をいただきますわ」
 首筋に噛み付いて、流れた分だけ吸血。白い肌に赤みがさすごとに、細かな傷が癒えていく。
 代わりに、真希の体から硬さが抜けた。いつしか力も抜けていた。
「……さよなら」
「ひとまず終幕、でしょうか」
 一足早く剣を収め、絶奈が静かに瞳を閉じる。詠仁は壁にかかった時計を見た。
 戦いをはじめて、二分足らず。鍵を探していた時間を足しても、まだ、余裕のある時間。
 最後の作業に映るため、彼は沈黙を打ち破る。

●始まらないまま終わる物語
「防犯対策は確りしようっつー教訓ですな。めでた」
「自然死に見せかけましょう。恐らく、可能なはずです」
 今はまだ、会話を交わす余裕もない。竜彦の笑い声を遮る形で、真希の状態を確かめていた絶奈が立ち上がる。
 無言のまま頷き返した伊知郎が、率先して部屋の掃除を開始した。
 沈黙が積み重なるとともに、部屋の汚れも払われる。来た時以上に、おそらくは生前くらいに清められる。
「……どうか……次の生があるときは、幸せで終わって欲しいな」
 真希の遺体を寝かしつけ、跪いていた憐が顔を上げる。いつの間にか落ちていた鍵を拾い上げ、元の場所に戻すために歩き出す。
 皆も続き、ふすまを越えた。最後に詠仁が振り向いた。
「……真実に打ち勝つことを、祈ります」
 一人ぼっちの寝室に、小さな小さな黙祷を捧げるために……。

「……もう鳴かなくても、そばにいられるから」
 最後の土を平らにならし、痕跡は全て消し去った。セトは溜息と共に身を起こし、ぼうっと空を仰ぎ見る。
 暗へと向かう、無彩色。けれど果てには茜が見える。どうやら雨は降らないらしい。
 頬に、熱い雨粒が流れようとも。
「彼なら大丈夫だと信じるしかないか……真希さん、天国から彼を見守ってくれ」
 震えている肩を叩き、千秋も深い息を吐く。優しく手を引き立ち上がらせ、速やかな帰還も促していく。
 示し合わせたかのように、携帯のアラームが鳴り響く。
「……時間で御座いますね。行きましょう」
 音を消し、仲間に背を向け王理は行く。とうの昔に旅だった一人と一匹のように、独りで。
 誰かが過ごした日のように、鳴くものはもういない。鳴くべき時も過ぎ去り、時は残酷に流れていく。
 藤色の瞳に映るのも、今。未来でも、過去でもなく。
 生死の認識は様々で、抱いた感情も十人十色。
 しかし、終幕の担い手たちは、誰一人欠けることなく静寂を嫌う町並みへと回帰する。
 流れ、薄まる叢雲に、明日の晴れを望みながら……。


マスター:飛翔優 紹介ページ
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楽しい 笑える 泣ける カッコいい 怖すぎ
知的 ハートフル ロマンティック せつない えっち
いまいち
参加者:10人
作成日:2011/01/31
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