永久の闇に死を待ちて


<オープニング>


●永久の闇に死を待ちて
「ひ……な、何だよ何だよ……あいつらは!!」
「しらねーよ! そんなのどーでもいいだろ、早く逃げようぜ!!」
 長崎県は、とある街の片隅にある廃洋館。
 既に人が住まなくなったその洋館は……少女が死を迎えたという古い噂が残っており、怪談スポットとして有名な訳で。
 若者二人は、そんな噂話を聞いて……単なる興味本位でこの洋館に脚を踏み入れた。
 そして……そんな二人の背後には、呻き声を上げるリビングデッドが、一歩、また一歩と近づいて来る訳で……。
 入口まで戻ってくるものの……ドアは何故か開かない。
 半ば半狂乱になった彼ら……そんな彼らの耳に聞こえるは。
『……クスクス……ネェ、シニタイデショ……?』
 抑揚の無いその声に、取る物取らずの二人……ほんの少し先にあった窓を必死に叩き割り、急いで脱出。
 振り返る事無く、洋館を脱出する二人を……赤い少女の影は、寂しげにみつめていたのである。
 
「集まってくれた様やね。それじゃ早速やが説明、始めさせて貰うでな」
 神丘・崔(運命予報士・bn0103)は、皆が集まるとすぐに、説明を始めていた。
「今回の依頼やが、古風な廃洋館に現れている地縛霊を退治してきて欲しいのや。ただその地縛霊ってのが……今迄と違う地縛霊、と言えば皆も判ってくれるかもしれへんな」
 真剣な崔の表情からして、昨今現れ始めた強力な地縛霊であるのは疑うべくもない。
 その洋館の写真をホワイトボードに貼りだし、更に地図を見せる……長崎県のとある地方。
「現状は死者という意味での被害は出ては居ないのは幸いや。ただ……このまま放置しておけば、まず間違い無く地縛霊は一般人へ被害を及ぼすことやろう。その前に、皆で対峙してきて欲しい、って訳なんや」
 そこまで言うと、崔は詳しい説明を、メモを取り出しつつ。
「今回の地縛霊は、この洋館にて遥か昔に死んだ者らしい。故にこの地縛霊がテリトリーとしている空間は洋館の中全域となる」
「地縛霊自身はその特殊空間に迷い込んだ者を、援護ゴーストであるリビングデッド達に追い立て回させ、地縛霊自身が一番強力な力を及ぼす事が出来る抗体空間に誘い込み、現れる、という訳や。逆に言えば洋館に入り、暫く待っていれば奴等の方から仕掛けて来る」
「地縛霊が抗体空間によって及ぼすのは、皆にとって不利な状況……今回の地縛霊が産み出す抗体空間は、呻き声が常に聞こえる、ただっぴろい空間。その効果は武器封じとブレイクのバッドステータスを、毎ターンに空間に存在する能力者に与える……というヤツや」
「幸いな事に幸運にて回避出来る効果の様やが、一歩間違えば一気に不利的状況に陥る可能性が高い効果や。その点はしっかり対策を立てた上で作戦を遂行して欲しい」
 と、そこまで言うと、一端区切りつつ。
「敵側の戦況についてやが、剣の形の抗体兵器を持った地縛霊と、後を追い立てる腐敗したリビングデッドが5匹現れる」
「抗体兵器持ちの地縛霊は攻撃力的には、皆とほぼ同等。対しリビングデッドは攻撃力も体力も皆に比べれば少々劣る程度や」
「総合的な戦闘力から言えば、多少弱い……ただ抗体空間という問題がある故、絶対油断せん様にして欲しい」
 そこまで言うと、メモを閉じつつ。
「一応この洋館について伝わる話を調べておいた……話によると過去、この洋館にて殺された少女が居るらしいのや」
「恐らく今回の地縛霊は、この少女の怨念が洋館に取り憑き、強大化してしまった物なのやろう。既に地縛霊化してしまった彼女は説得やら更正するのは不可能やから……説得しようとは考えん様に宜しく頼むわ」
 そして最後に崔は、皆の顔を改めて見渡すと共に。
「敵自体はそこまで強力やないが、特殊空間がその力を幾重にも強大化しとる状況や。油断せん様、皆しっかり頼むで!」
 と、強い口調で激励するのであった。

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参加者
琉孔・セト(彼の蟲溢るる籠灯籠・b03188)
霧島・芽衣(銀誓のバンド娘・b28397)
伊藤・洋角(百貨全用・b31191)
国見・眞由螺(影武者・b32672)
叢雲・そうや(天微星・b44036)
麻希・智夜(夢の虜・b51400)
風雅・月媛(告死天使・b55607)
御雷・雷華(黒き雷・b72662)



<リプレイ>

●闇の呼び声
 長崎県はとある地方にある、廃棄された洋館。
 過去には凄惨な事件がおこったとも言われる洋館を訪れるような人はほとんどおらず、周りに人気も無い寂れた雰囲気を醸し出している。
 そのような場所に、8人の能力者達は向かう……時間の程は昼間なのに、どこか近寄りがたい雰囲気がしだいにひしひしと伝わりつつある。
「……しっかし、抗体ゴーストかい……先の戦争ではずいぶん世話になった奴らだねぇ……」
 と言葉を紡ぐは霧島・芽衣(銀誓のバンド娘・b28397)。しかしその言葉の端には、少々怒りが含まれている様にも思える。
 でも、それも当然と言えば当然かもしれない。彼女にとっては、彼らの陰険な作戦で満足に力をふるう事が出来なかったのだから。
「たまりにたまった怨嗟が、銀の雨と万色の稲妻の影響を受けて、強大な負の力として自分らの前に立ちふさがってきた……という訳ですね。中々、骨が折れる仕事ですね」
「ああ……とは言え『死人』が死人と争うというのも滑稽な話だな」
 伊藤・洋角(百貨全用・b31191)に、叢雲・そうや(天微星・b44036)が呆れんが如く溜息をつくと。
「……死人が、死人……ですか?」
 きょとんとしている麻希・智夜(夢の虜・b51400)。
「ああ……俺は死人だからな。毎朝その時思いつく限りの最悪の方法で死ぬ。無論頭の中で、だがな。そうやって生への執着を断しているのでな」
「……そう、ですか……」
 何か、ほんの僅かに悲しげな表情を浮かべる智夜。
 そして、洋館の方を見上げて。
「……廃洋館に出るゴーストの女の子は、きっと……死ぬに死ねない、悪夢を見続けているのかもしれませんね……ならば、解放してあげないと……ゴーストとなってしまった以上、倒すのしか無いのならば、少しでも早く、苦しみの無い様に……」
 ぐっと拳を握りしめる智夜。そんな彼女の肩をぽん、と軽く叩きながら洋角と、国見・眞由螺(影武者・b32672)が。
「……自分らは、あの最悪の事態を乗り越えた自負があります。この程度で屈する訳にはいきません。生憎被害者もまだいませんし、早急に片付けるのが得策です……皆で、頑張りましょう」
 そしてそれに風雅・月媛(告死天使・b55607)と、琉孔・セト(彼の蟲溢るる籠灯籠・b03188)が。
「最近噂になっている抗体ゴーストが、今回の相手……手強い相手の様だし、一つ気合いを入れていきましょうか、ね!」
「そうね……抗体ゴースト……と言っても、やる事は一緒、ね……さて、頑張りましょうか」
 そして最後に芽衣は。
「うし……今回はあの時の屈辱……思いっきり晴らさせて貰うからな! 待ってろよ!」
 と、気合い充分に声を上げるのであった。

 そして、廃洋館前に到着する能力者達。
 目の前には……とても陰鬱な気配が漂う建物……勿論、周りには人の影はほとんど無い。
「なんか、怪談スポットを体現している感じね……」
 セトのつぶやきに、誰しもが自然と頷く。
 そしてその後すぐに御雷・雷華(黒き雷・b72662)が。
「少女よ……キミは抗体平気などという力を欲して、そこまで人を殺したいというのだろうか? ならば……キミが過ちを侵す前に、俺がキミに人としての最後をくれてやる……!」
 雷華は辛辣に、そして……自分に言い聞かせるかの様に叫ぶ。
 そしてそんな言葉に皆も意識を新たにしながら、能力者達は洋館の入口へ。
 人の訪れを拒絶しているかの様に、蔦等がドアに絡まっている。
 しかし蔦は柔らかく、用意に引きちぎる事が出来る。
「さて……それじゃ突入するわよ?」
 月媛が確認する様に言って、周りの仲間も頷いて……各自イグニッション……そんな中、一人月媛の姿が少し違う。
 頭にはシルクハット、黒の蝶ネクタイと黒のベストを着た、翡翠色の瞳を持つ黒猫紳士の着ぐるみ姿。
「……よし。やっぱりこの姿は気合いが入るわ」
 と言う月媛だが……周りが渋い顔をしたのは言うまでもない。
 それはさておき、ヘッドライト等と共に、セトが白燐光を天井に打ち上げ、視界を確保する。
 目の前に広がるのは、ホールと思しき広い場所。
 人の気配は全く以て無く、ただ静けさのみがその場を支配している。
「……さて。油断だけは禁物ですしね。注意しながら進みましょうか」
「そう、だね……あ、芽衣さん、智夜さん……ちょっと」
「ん?」
 洋角からセトの言葉……振り返る芽衣に、接近し白燐奏甲。
「いつ……襲ってくるかも、解らないし、ね?」
 にっこり微笑むセトにくすりと嗤いながら、芽衣は頷き。
「よし……それじゃ行くぜ! ほら抗体ゴースト、とっとと出て来いよ!」
 しかし……その声に応える声は無かったのである。

●怨嗟に纏い
 そして廃洋館の中を進む能力者達。
 かなり古くにうち捨てられた様で、所々に飾られた陶器類には蜘蛛の巣が掛かり、足下も埃が降り積もり、一歩歩みを進めると、その足跡は否応なしにはっきりと残ってしまう程。
「しかし……不思議なものだな」
 ふと眞由螺が声を上げる……同列の月媛が小首を傾げると。
「廃された洋館となれば、陶器類等は無くなっていそうな物……それが総て、昔のままに残されて居る、と」
「……確かにそうですね……」
 眞由螺に頷く月媛……と、その時。
『…………クスクスクス……』
 廃洋館の中に響き渡る、女の忍ぶ笑い声。
 その声に、咄嗟に周囲を見渡すのだが……声の主は非ず。
 そんな能力者達の動きを見ているかの様に。
『フフフ……ネェ……シニタイ?』
 可愛げのある声に対し、死にたい……という言葉。
 その言葉に、そうやと、月媛が。
「……生憎今朝『死んだ』ばかりだ」
「シニタイデショ? って興が乗っている所悪いけど、私はまだまだ死ぬつもりはないのよね。一人で勝手に死んでて頂戴な」
 月媛の言葉はカッコイイものの、どこかその着ぐるみとあうと……少々違う感じに聞こえる。
 ただ、その挑発の言葉には誘われるが如く……漆黒の暗闇の中からリビングデッドが一人、二人……三人、四人と出現。
「どうやら現れたみたいだな」
「ああ……みんな、油断するではないぞ! 案内役は一人で充分、倒しすぎぬ様に注意するのだ!」
 雷華と眞由螺の声に皆も頷き、いざリビングデッドに向けて直行で仕掛けていく能力者達。
 対するリビングデッド達は、そう対した実力は無く、8対4の状況の中ではみるみるうちに体力が減っていってしまう。
 そしてしばしの経過の後。
「さぁ……黒子は引っ込む時間……だよ!」
 と、セトの一撃が一匹を崩し、更にもう一匹を月媛が仕留める。
 後二匹……というだけであれば楽なのだが。
「みんな、倒しすぎるなよ!」
 改めて芽衣の声が響き渡る。
 総て倒すのは容易な事。しかしそうしてしまえば、本来の敵である地縛霊を倒すことにはならない。
 地縛霊を倒すためには、彼女の居る抗体空間に誘われる他に、今この場で手段は見つからないのだから。
「そうでしたね……ではあと一人……始末しますよ」
 洋角の声に皆も頷いて、残る二匹の内一匹に狙いを定めて攻撃を行う。
 その一匹が倒れると共に……攻撃の手数を落としていく。リビングデッドに苦戦を装い、リビングデッドの攻撃を兼ねた誘いに誘われるがままに……。
「さぁ、案内してもらうぜ!」
 と芽衣は仲間に声を上げる。
 そして……リビングデッドらに誘われるがまま、暫くの間廃洋館の中を歩いて行く能力者達。
 次第に周囲の暗闇が、先の見えることのない闇に落ち始める頃……。
 ……能力者達の耳に、何かかすかに聞こえる声。
『クルシイ……クルシィヨゥ……』
『タスケテ……タスケテヨゥ……』
 ほんの微かなうめき声は、歩を進めるごとに陰鬱さと、精神を蝕むメロディとなる。
 そしてその声がはっきりと聞こえ始めた頃……暗闇の中に、うっすらと見える影。
「どうやら……現れた様だな。噂の抗体ゴースト……抗体兵器なる道具を操り、そして魂すら凌駕すると聞く者達……」
「ああ……だが、その様な事、俺には関係無い……ただ倒すがのみ、だ」
 眞由螺にそうやが改めて戦闘態勢の意思を紡ぐと……地縛霊の少女は。
『……シニタイ……シニタイデショ……シネバイイノニ……』
 少女は小さく……しかしながらその場に響き渡る声で、怨嗟の声を上げる。
 そんな彼女に向けて、雷華は。
「お前が抗体ゴーストか?」
 問いかけるも、答えはない。
 いや、その答え代わりに、先程の苦しみの声が、一斉に戦場に響き渡る。
 その力を奪い去り……そうやと雷華、月媛の武器の動きが一気に鈍る。
「……どうやら抗体空間にはいった様だな。ならばさっさと進めるぞ」
 と、そうやは拳を握りしめながら……構える。
 そして彼が放ったのは龍撃砲……しかしその一撃は空しく空を切る。
 更に続けて眞由螺、雷華の前衛人二人が。
「我が紅蓮撃は、武器を封じて尚、あなどれぬと知るがいい!」
「……こいつが俺の、奥の手だ!」
 と、紅蓮撃とクレセントファングで、一層の攻撃を仕掛けていく。そしてそれと共に。
「ちっ……今回は観覧席から仲間を応援かよ! ……仕方ねぇ、回復はアタシらに任せて、みんなは全力で行きな!」
「了解……さぁ、食らいつくしなさい!」
 芽衣の声を受け、セトの白燐拡散弾、そうやの龍撃砲で以て、攻撃をし尽くす。
 ただ、それらの攻撃は、残る一匹のリビングデッドが総てを受け、彼も死に至る。
 ……残るは地縛霊ただ一人となるが、抗体空間の効果は決して効果を緩めること無く能力者達に、心底まで冷え切る悲しみの泣き声を奏で続ける。
「さぁ……アタシの音楽は、あらゆるプレッシャーをはねのけるぜ!」
「……覚めない悪夢は無いんです……」
 そんな抗体空間のバッドステータスを回避する為に、芽衣のリベリオンビートと、智夜の赦しの舞。
 ……しかし回復しても、うめき声は止むことはない。
 幸いな事に次のターンのバッドステータスは回避出来たが……気を抜けば……またその波の中にもまれてしまうかもしれない。
「本当厄介な歌声ですね……それに、この泣き声は、心をジリジリとあぶられる様ですね……」
「そうですね……では、変身っ!」
 洋角の声に、月媛は更に己へ雪だるまアーマー。
 ……メカニカルパーツを全身に纏いつつ。
「このフォームを使うことになるなんてね……さぁ、覚悟しなさい!」
 ニヤリと微笑み、そして次のターンになると共に、すぐさまにインパクト攻撃。
「ふふふ、私のバンカーを封じたとしても、超猛毒は痛いでしょう? 私は既に死んじゃった人より、今を生きている人が大事なのよ。だから貴女の都合なんて知らないわ。大人しく成仏して頂戴!」
『イタイ……イタイヨ……』
 攻撃を受け、苦しそうな声……悲鳴。そして次の瞬間、反撃とばかりに、腕の剣の形をした抗体兵器を……力に任せ、素早く振り回す。
 その攻撃を両手で受け止める眞由螺。しびれる腕を抑えつつ。
「今だ!」
「了解!! 貴様の動きには、無駄が多すぎるぞ!」
 頷く雷華に、雷華が素早くクレセントファング。
 更に一歩後方の洋角が呪いの魔眼、そしてそうやが。
「人の怨念、執着……確かにこうなっては見苦しいな。そろそろ幕引きの時間にしてもらわねばなな」
 と、白虎絶命拳をたたき込む。
 また、セト、智夜も。
「……貫いて!」
「……武器を封じられても、心を封じる事は出来ないんです。きーちゃん、走って!」
 と、光の槍とナイトメアランページで攻撃を加える。
 能力者達の総じて激しい攻撃が、確実に地縛霊の体力を削る……地縛霊の攻撃は、芽衣が回復に専念し、大きな被害へ陥る前にどうにか塞ぐ。
 そして、十ターン程が経過し、確実に体力を削り行った少女の体は……傍目から見て解る程にボロボロに傷ついていく。
 上げる悲しみの泣き声は強く、悲恋に染まる。心への痛みは激しくなるが……それに惑わされる訳も無く。
「さて……後もう体力も残り少ない様ですね」
 洋角の声に、そうだな、と頷きながら眞由螺が。
「解った……皆、同時に仕掛けるぞ! 一気にとどめを刺す……!」
「OK! しっかり頼むぜ!」
 芽衣がクライシスビートに切り替え、マヒにシフト。
 残る仲間達が、連続して攻撃を仕掛け……そして。
「……これで終わりです。もう……永遠の悪夢に苦しめられなくてもいいんですよ……」
 悲しげに、智夜が呟きながら放ったナイトメアランページに、地縛霊は吹き飛ばされるのであった。

●解ける時
「ふぅ……終わったか」
 眞由螺の一言……地縛霊の姿は消え去り、そしてずっと鳴り響いてきた唸り声も止む。
「みたいですね……お疲れ様でした」
「本当だな……ここまで抗体空間が嫌なものだとは思いもしなかったぜ」
 洋角と雷華の言葉に、皆しも頷く……効果が常に続くとなれば、その分常に回避の手を取らなければならない訳で……手数が増えてしまう。
「抗体ゴーストを相手にするのは久々だったわね……ふぅ、ちょっと息が上がってしまったわ」
「そうですね……今回は何とか終わって良かったと思いますが、これからこういう輩がゴーストの中心となるのならば……自分達も、少しやり方を考えていかなければならないかもしれませんね」
「ああ……ま、強い相手がこれからも増える訳だ。尚のこと……戦い方を考える必要がありそうだな」
 セトに洋角とそうやが言葉を重ねる。
 少なくとも、今までの様なゴーストとは一味も二味も違うゴーストであるのは間違い無い訳で……その点をしっかりと認識した上で、作戦に望まねばいつかは死を迎えかねない事だろう。
「……ちょっと、すいません」
 そんな中、智夜は一言断ると……先程まで少女のゴーストが立ってた場所に進んで行く。
 すでにゴーストの気配は無く……戦いの痕跡が残るのみではあるが、確かに少女はそこに立っていた。
 そこにミニブーケを捧げ、彼女の冥福を手を合わせて祈る智夜。
 それに月媛、洋角……次々と促されるように、各々、悲しみの地縛霊の少女の霊に、冥福の祈りを捧げていく。
 ……そして、一通りの祈りを捧げた後。
「さて……それでは帰るか。ここは元々廃墟だという事だし……戦闘の痕跡は、あまり緻密に消さずに済みそうだな」
「ああ、そうだな……俺達の痕跡を消したら、さっさと去るとしようか」
 そうやにうなずく雷華。
 そして己が痕跡を消すと共に、能力者達は廃洋館を後にする。
 すでに空は真っ暗な暗闇に包まれている……しかし満点の星空が、まるで皆をねぎらうかの如く、瞬いていたのである。


マスター:幾夜緋琉 紹介ページ
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知的 ハートフル ロマンティック せつない えっち
いまいち
参加者:8人
作成日:2011/05/03
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