謎の縞々団!


   



<オープニング>


●都内某所
 縞々をこよなく愛する者達が拠点としていた廃墟があった。
 彼らはテリトリー内に入ってきた侵入者を見つけると、その服を脱がせて破り捨て、縞々のシャツや下着を着せた上で、テリトリー外に放り出していたようだ。
 しかし、彼らからすれば全く悪気がないらしく、『これこそ、本来人間があるべき姿。イイ……。実にイイ』と言って、ウットリしていたようである。
 だが、無関係に人を襲っていた事が原因で、色々な意味で問題になり、人生の大半を檻の中で過ごす事になったらしい。
 それから、しばらくして……。
 この場所で関係者と思しきゴーストが確認された。

「みんな、集まった? それじゃ、話を始めるね」
 運命予報士、長谷川・千春(運命予報士・bn0018)。
 今回の依頼は彼女の口から語られる。

 ゴーストが確認されたのは、裏路地にある廃墟。
 ここに住んでいた人達は縞々をこよなく愛していたらしく、それ以外の格好をしている人達を襲って、自分が望む姿にしていたようなの。
 リビングデッドと化したのは、ここに残っていたメンバーで、侵入者を見つけると、服を全部脱がせて縞々の格好にさせちゃうみたい。
 まぁ、縞々のパンツや、ニーソックスを持っている一団が襲い掛かってくる時点で、物凄く怖いんだけど、男女関係なく襲い掛かってくるから要注意。
 それと、室内の一部が特殊空間と化していて、オシャレな縞々柄の格好をした少女が地縛霊と化して留まっているようなの。
 地縛霊はカラフルな縞々柄の衝撃波を飛ばして、触れるものすべてを縞々柄にしちゃうらしく、特殊空間が消滅するまで、元に戻る事がないみたい。
 もちろん、それだけだから、大した被害はないけど、あまりいい気分じゃないと思うから、遠慮なく倒しちゃって。

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参加者
庭井・よさみ(天を飛翔する大依羅の真龍帝・b03832)
白雪・晴姫(白にして白銀・b18621)
坂田・あずき(白玉ぜんざい・b20610)
皇・紫苑(常世乃姫・b21018)
水無月・亜理沙(冥土令嬢・b25690)
魔諭羅・夜魅(鬼蜘蛛闇姫・b29795)
ブルース・レイ(白黒の逆さ歩兵・b30727)
狩魔・幽魅(破戒巫女・b33386)
日比野・遊(エロス皇帝・b37467)
鋼杜・八眼(双鋏角・b44304)
紅孔雀・發音(とても影が薄い牌の音団長・b58794)
神楽・美沙(妖雪の黒瑪瑙・b76178)
NPC:葛城・未織(土蜘蛛の巫女・bn0081)




<リプレイ>

●縞々に対する愛情
「縞々をこよなく愛する者達って、ただの虎ファンちゃうの? 大阪生まれの大阪育ちやから、オレはこの世に生を受けた瞬間から虎ファンや! 縞々を愛する気持ちはよく分かるで。せやけど、横縞は愛する事はできん……。『縦縞を横縞に変えてでも……』という某監督の口説き文句を、あのリハビリ番長が断って以来、オレは横縞が大嫌いなんや。それが例え美少女が身に付けた縞パンや、縞ニーソックスであっても……」
 血の涙を流しながら、日比野・遊(エロス皇帝・b37467)が熱く語る。
 実際にそんな状況に陥ったら、心が揺らぐかも知れないが、鋼の精神を持ってすれば、その程度の事で動じる……わけが……ない……とも言い切れない。
「横縞か? 縦縞か? それが問題ですわ」
 険しい表情を浮かべながら、狩魔・幽魅(破戒巫女・b33386)が呟いた。
「姉様は邪(よこしま)に決まってんだろ。ところで、姉様。今日はオレと一緒にリビングデッド班だぜ。もし逃げたらどうなるか分かって……って、もういねぇっ?!」
 ハッとした表情を浮かべ、魔諭羅・夜魅(鬼蜘蛛闇姫・b29795)が汗を流す。
 夜魅が毎回重傷になっているため、心配して一緒の依頼に参加したのだが、既に幽魅は地縛霊が確認された場所に向かった後だった。
「まぁ、縞々が好きなのはいいと思いますが、他人の服を無理やり脱がせるのは強制猥褻で犯罪になりますし、それを破り捨てるのも器物損壊で同じく犯罪です。そこに気づいてくれれば……無理ですね」
 どこか遠くを見つめながら、水無月・亜理沙(冥土令嬢・b25690)が溜息を漏らす。
 その間に夜魅が『待て、こら!』と叫び、幽魅を追って裏路地に入っていく。
「やっぱり、無理矢理はアカン。やりようによっては迷惑を通り越して犯罪にもなるで。こ奴らの末路も納得や。まあ、それに近い存在もこっちにおるしな? で、そこの男性陣が鼻を伸ばしとるような気がするんは、気のせいか?」
 苦笑いを浮かべながら、庭井・よさみ(天を飛翔する大依羅の真龍帝・b03832)が男性陣をチラ見する。
 その途端、遊が『お、俺はちゃうで! 縞々の事なんて考えとらん』と言い訳をした。
「そんなに縞々が好きなら、イギリスの囚人服でも来て閉じ籠ってれば良いじゃないか?」
 縞々団の気持ちを理解する事が出来ぬまま、ブルース・レイ(白黒の逆さ歩兵・b30727)が口を開く。
「……囚人服か。何だか一昔前のアニメや漫画に出てくる囚人みたいで目立ちそうだなぁ……。でも、ゴースト達に着せられたんじゃ、他の人達も着てるだろうから目立てない……と言う事も踏まえた上で、今日はスパンコールが付いた服を着てきたよ。スパンコールがキラキラ光って目立つ事間違い無し! ……って、誰だあ〜ぁっ! 目立ってるのはスパンコールで僕じゃないと言ったのはあああっ!」
 ムッとした表情を浮かべ、紅孔雀・發音(とても影が薄い牌の音団長・b58794)が叫ぶ。
 しかし、仲間達は誰も發音を見ていない。
「……って、また僕の独り相撲になっているし! 何だよ、その『お前にも見えるのか、あれが……』的な視線は! 僕はここにいるし、ちゃんと生きているから……って、こっちを見ろおおおお!」
 仲間達に対してツッコミを入れ、發音が瞳をわずかに潤ませる。
「どちらにしても、何がそこまで縞々に駆り立てるのか、さっぱり理解出来ぬ。他人に強要するに至っては、理解出来ぬどころの騒ぎではなく、頭の悪さに呆れる他ないぞ。ま、奴らには確かに縞々は似合うじゃろうがな。囚人服という縞々がの。もっとも、最早それすら許されぬゴーストじゃ。己の立場というものを弁えてもらわねばならぬ」
 険しい表情を浮かべながら、神楽・美沙(妖雪の黒瑪瑙・b76178)がゴーストの確認された廃墟に入っていく。
 そこには姉を探す夜魅の姿があったが、肝心の本人は既に特殊空間に引きずり込まれてしまったのか、まったく見当たらない。
「どうやら、囲まれているようですね」
 ただならぬ殺気を感じ取り、皇・紫苑(常世乃姫・b21018)が気配を殺す。
 物陰に隠れたリビングデッド達は妄想の虜と化しているらしく、縞々姿になった紫苑達を妄想して興奮しているようだ。
「これってただのフェチじゃない!」
 わざとリビングデッド達に聞こえるように、白雪・晴姫(白にして白銀・b18621)が大声をあげる。
 その言葉を聞いてリビングデッド達が『何だと、この野郎! 俺達は普通じゃ!』と叫ぶ。
 だが、その言葉とは裏腹に縞々のパンツやニーソックスを穿いているせいで、余計にアブノーマルな雰囲気が強調された。
「最近のゴーストは面白いな〜。夢中になれる物があるのは良いけど、押し付けは良くないと思うよ」
 リビングデッド達に語りかけながら、坂田・あずき(白玉ぜんざい・b20610)がイグニッションをする。
 しかし、リビングデッド達は『ふざけるな! 俺達は大真面目だ! 遊び感覚でこんな事をやっちゃいない!』と妙な方向にぶち切れた。
「何だか奇っ怪なゴーストだな……。まぁ、今回はあずさと一緒だし、気合をいれて頑張るか」
 色々とツッコむ気力すら薄れ、鋼杜・八眼(双鋏角・b44304)が気持ちを切り替える。
 相手は色々と胡散臭い雰囲気が漂っているが、倒すべき相手である事は間違いなさそうだ。

●縞々に対する情熱
「……縞々の集団が、縞々の下着やらを持って屯している姿は、なんと申すか果てしなくシュールじゃな。最早それだけで害悪と言える気がするぞ。そなたらがいくら縞々を愛そうが構わぬが、それを他人に押し付けるでないわ! 身勝手極まる阿呆には、相応の仕置きが必要じゃな!」
 リビングデッド達に語りかけ、美沙が氷雪地獄を発動させる。
 しかし、リビングデッド達の気合は半端ではなく、『この程度の寒さで縞々に対する愛の炎は消せない!』と襲い掛かってきた。
「う、うわあああああああああ!」
 一瞬の隙をついて背後から襲われ、ブルースが慌てた様子で悲鳴をあげる。
 これにはケルベロスオメガのめしあも驚き、ブルースを助けに行こうとしたが、前方からリビングデッド達が攻撃を仕掛けてきたため、その場から離れる訳にもいかなかった。
「ま、まさか、背後に潜んでいたなんて……」
 信じられない様子で、紫苑がリフレクトコアを展開する。
 だが、リビングデッド達は自らの体が傷ついても怯まず、相手の格好を縞々にするため全力を尽くす。
「少々、多勢に無勢ですが、丁度良いハンデです。しかも、負けたら即全裸……。これは絶対に勝たねばなりません。こんな公衆の面前で裸にされるなんて乙女の危機です……」
 色々な意味で身の危険を感じ、亜理沙が旋剣の構えを発動させる。
 その視線の隅では縞々スタイルになったブルースが倒れており、めしあにぽふっと前足を置かれて慰められていた。
「……とは言え、この状況はシャレになりませんね」
 攻撃を仕掛けるタイミングを窺いながら、紫苑が少しずつ間合いを取っていく。
 しかし、リビングデッド達が捨て身で攻撃を仕掛けてくる以上、こちらも無傷では済まない。
「私に触らない方が良いですよ。こう見えても私、鬼神のように強いですから……」
 強化後は腰に下げた魔剣は抜かないまま、リビングデッド達の前にツカツカと歩いていき、亜理沙が含みのある笑みを浮かべる。
 だが、リビングデッド達は縞々衣装を持ったまま、『やれるものなら、やってみろ!』と叫んで襲い掛かってきた。
「だったら、お望み通り暴れさせてもらうぜ!」
 姉に逃げられた腹いせとばかりに、夜魅がリビングデッドに紅蓮撃を叩き込む。
「ちなみに今日は縞々の下着を履いてきましたので、回転中にチラリズムが拝めるかも知れませんね。最もロングスカートなので倒れ込んだ後かもですが、最後にそれくらいの情けはかけてあげましょうか……ねえ? あ、もう死んでるかもですけど……」
 即座に両肘から処刑の刃を生やし、亜理沙が高速回転で周囲の全員を容赦なく切り裂いていく。
 それでも、リビングデッド達が『シマシママシマシ』と呪文のように唱えたが、最後まで彼女の下着を拝めぬまま肉塊と化す。
「めしあぁ……。僕、もうお婿に行けない……」
 リビングデッド達から服を取り戻し、ブルースがそそくさと着替えてめしあに泣きついた。
「異常性癖というのは、ほんに恐ろしいものじゃな。己がよいと思っておる以上、歯止めがかかりにくいのじゃろう。それが寄り集まれば、集団心理が働き、拍車がかかったか。何にせよ、己を律する心構え程度は持ちたいものじゃ」
 軽く溜息をついた後、美沙がさっと踵を返す。
「……姉様。今日は重傷の更に先の世界を見せてやるぜ」
 地縛霊が確認された場所の前に陣取り、夜魅が姉の帰りを待ち続ける。
 それが彼女の警告を無視して、特殊空間に向かった姉に対する罰なのだから……。

●縞々さえあれば何もいらない
「天井から床まで縞々ですね」
 地縛霊が作り出した特殊空間に引きずり込まれ、葛城・未織(土蜘蛛の巫女・bn0081)が汗を流す。
 特殊空間内はどこもかしこも縞々で、じっと見ているだけで目が痛くなった。
「ところで、未織ちゃん。地縛霊には触れるもの全てを縞々柄に変える特殊能力があるそうやけど、それやったら最初から縞々の服を着てしまえば、ええと思わへん? そこで虎柄ビキニと縦縞の法被を用意したから、これを着てゴースト退治に挑んでくれ。ビキニも法被も洗濯せんとそのまま返してくれてええからな」
 旋剣の構えを発動させ、遊が未織にニコッと笑う。
 その途端、縞々模様の中に隠れた地縛霊が攻撃を仕掛け、未織の服を縞々模様に変化させた。
「こ、これは大変ですわ! すぐに下着が無事か確かめてみないと……って、冗談ですわよ」
 飛び掛かろうとした途中で背後から殺気を感じ、幽魅が愛想笑いを浮かべて後ずさる。
 だが、未織は下着にまで変化があったのか、自分で確認した後、『み、水色の縞々が……』と呟いた。
「ねえ、未織先輩。また僕の出番を奪うつもり? この泥棒猫ッ! 影の薄い僕から更に出番を奪って楽しいか! ゴルァ! はぁ……はぁ……。ごめん、ついカッとなっちゃった……って、聞いてないし!」
 大粒の涙を浮かべながら、發音が未織をジロリと睨む。
 こうなったら彼女を守るようにして、地縛霊の攻撃をすべて受け止め、彼女よりも目立つだけである。
「なんか嫌だなぁ、そのやり方……」
 地縛霊に対して視線を送り、晴姫がボソリと呟いた。
 その間も未織の言葉が気になっていたが、あえて口には出さないようである。
「さて、覚悟はええか!」
 すぐさま森羅呼吸法を発動させ、よさみが自分自身に気合を入れた。
 その間に地縛霊が再び気配を消し、縞々模様の中に逃げ込んだ。
「鬱陶しい真似を……。探せ、珠鬼!」
 イライラとした様子で、八眼が蜘蛛童・爆の珠鬼に指示を出す。
 しかし、地縛霊の攻撃が予想場所から来るため、なかなか居場所を特定する事が出来なかった。
「がんばろうね、アサリ!」
 モーラットヒーローのアサリと目を合わせ、あずきがヤドリギの祝福を発動させる。
 次の瞬間、アサリが地縛霊の攻撃を食らい、縞々模様になったような錯覚を受けた。
「……なんか凄い事になっているな」
 唖然とした表情を浮かべ、八眼が気まずい様子で汗を流す。
 単にそう錯覚しているだけなのだが、あまりにもシュール過ぎて、ついつい笑いが込み上げてきた。
「でも、ちょっと可愛いかも」
 縞々模様に和みつつ、あずきが胸をキュンとさせる。
「……って、ちょい待ち! なんや、その節操のない縞々は! 縦や横だけでなく斜めまで……! それでも、虎ファン……やないんか!? だったら、縦縞の服を着せるで。脱がしの遊と呼ばれたオレの実力を見せたる」
 無駄な方向に気合を入れ、遊が地縛霊に襲い掛かっていく。
 そのため、地縛霊が酷く怯え、『縞々は好きだけど、貴方は怖い』と答えて逃げ惑う。
「おい、地縛霊。未織先輩と僕、どっちが目立ってるのか言ってみろ」
 穿いていた縞パンが見えるように派手な立ち回りで地縛霊の行く手を阻み、發音が殺気立った様子で問いかける。
 だが、地縛霊は『いまはそれどころじゃな……』と答え、發音から『これ以外に重要な事なんてないんだよ』と言われて、近距離から幻楼七星光を食らう。
「ひれじゃ、行くわよ。ナイトメア! 撃ちく……縞馬?」
 何となく脳裏に縞馬が浮かびつつ、晴姫がナイトメアランページを放つ。
 その一撃を食らって地縛霊が血反吐を吐き、『最後まで縞々でいたかった』と捨て台詞を残して、特殊空間もろとも消滅した。
「さて、地縛霊は倒れましたけど、皆さんの縞々は元に戻りましたかしら? ……チェックですわっ!」
 いやらしい未織の背後に忍び寄り、幽魅がスカートを引っ張ろうとする。
 すぐさま、晴姫が幽魅をドツキ倒したが、彼女は薄れゆく意識の中で、晴姫のスカートを掴んでズリ落とす。
「ちょッ!? 幽――魅――さ――ん!!!! いきなり何て事を!?」
 反射的にフロントスープレックスを仕掛け、晴姫が幽魅をあっちの世界の入り口へと誘った。
 しかし、ここで未織のドジッ娘スキルが発動し、『わっ、わっ、きゃあ!』と間の抜けた声を上げ、倒れた拍子によさみの袴を引っ張った。
「……!?」
 声にならない悲鳴をあげ、よさみが顔を真っ赤にする。
 その途端、色々な物をモロに見てしまった遊が、身の危険を感じて『お、俺は関係ないで。無実や。故意やない。これは事故!』と言い訳し始めた。
「これで悔いはありませんわ」
 自らの瞳に晴姫の下着を焼き付け、幽魅が満足げな表情を浮かべる。
 だが、幽魅はまだ気づいていなかった。
 本当の恐怖(注:夜魅の事)が背後から迫っていた事を……。


マスター:ゆうきつかさ 紹介ページ
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楽しい 笑える 泣ける カッコいい 怖すぎ
知的 ハートフル ロマンティック せつない えっち
いまいち
参加者:12人
作成日:2011/06/15
得票数:楽しい3  笑える7  えっち1 
冒険結果:成功!
重傷者:狩魔・幽魅(破戒巫女・b33386) 
死亡者:なし
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