【超マ鳥】出現、てりやき文鳥!

<オープニング>


「んーっと予報士さんのゆーことにゃー……いたっ!」
 紗耶の持ち出した新聞紙でメガリスゴーストはへろへろ地面に落っこちた。
「今です寧さんっ」
「おっけー!」
 るりと寧が無駄な所でコンビネーションを発揮する。
「えいえいっ!」
「うりゃー!」
 二人がかりで足蹴にしまくる。
 そんな平和っぽい光景を背に、砌は頭をかりかりと掻いた。
「そういやデカくなるんだよな。何となく想像はつくけど」
「くえるのか?」
「いや、食えないだろ」
 珠子の言葉をぴしゃりと下げる砌。
「じゃあスキンヘッドでマッスルなおっさんとか?」
「それもう地縛霊とかの域じゃねえか」
 早夢の言葉も下げておく。
「所でこのメガリスゴーストは自分に刺しても何か効果があるのか?」
「あったら大変なことだよ」
 20mくらいの堅一郎を想像して、早夢はちょっと怯えた。
 どうやらそういうもんじゃないみたいです。
「さて、どんな感じですかねっ」
 ぐっと腰に手を当てる笑弥。
 ヤツフサは足元でため息のようなものを漏らした。
 ……が、すぐに硬直する。
 
 一同の前に現れたメガリスゴースト。
 それは……。
 全長20mある鶏の丸焼きだった。
「「おいしそー!!」」
「焼いたからか、あの時散々焼いたからか!?」
「ふ、イイ料理になったな……」
 無駄に格好つけるファルク。
 るりや珠子がふらふら引き寄せられていく。
「とり……まるやき……」
「たべれるのか? たべほうだいか?」
 とその時、堅一郎とファルクが野生の勘を働かせた。
「まずい、安易に近づいてはいかん!」
「へ?」
 振り返る寧。おまえもか。
『ピ――ピ――ピ――ピィィィィィィ!!』
 丸焼きの腹部分から、大量のマッスル文鳥(1mサイズ)が飛び出してきた。
 それも羽を広げての滑空突撃である。
「ピー!」
「う、うわー!」
「ピー!」
「食べられるお肉にとは言ったけどー!」
「ピー!」
「結局マッスルだよー!」
「ピー!」
 阿鼻叫喚。
 
 かくして、大いなるマッスル文鳥の物語は後編へと突入したのであった。

マスター:空白革命 紹介ページ
『マッスルかく語りき』アヤナシ アラタメです
どうしてこうなった?

●てりやき文鳥
全長20mある鳥の丸焼きです。
でぶーんとしてます。動くか動かないかって言ったら動きます。
幾つかの発射ゲートから小型マッスル文鳥が大量に射出され、こちらに自爆特攻をしかけてきます。
ちなみにこの子マッ鳥はミサイル扱いなので攻撃で死にません。
そのうえ『回避困難』『20m爆発』がついているので大変危険です。
避けて。超避けて。命中率が▲なのできっと頑張れば避けられる筈。
焼き文鳥自体の体力はかなり高い方なので、思いっきり集中攻撃を浴びせなくては倒せないでしょう。
避けまくり集中しまくりの大忙しになるかとおもいます。
ファイト!

●制限
アビリティ残弾マイナス2(換装可)。
装備も一応換装可。
以上の状態からスタートとなります。

以上。グッドラック!

参加者
日下部・砌(ゲイルトレーサー・b01206)
日向・るり(蒼空に揺れる向日葵・b06322)
黒鯨・珠子(原初の狂気・b28851)
杜塚・紗耶(朧灯と踊る・b52278)
博麗・早夢(高校生真符術士・b53534)
角田・堅一郎(真ゾンビハンター・b57323)
舞城・笑弥(運命に抗う娘・b59830)
ファルク・エーデンハルト(伏虎魂絆・b61354)
雹牙堂・寧(正義系女子・b81307)




<リプレイ>

●小型マッ鳥を避け続けるだけの簡単なお仕事です
「うおおおおおおおおおお!!!!」
 2m近い巨体が飛んだ――とでも思っていただきたい。
 肩のサイズが子供の頭くらいあるグレートマッスル、角田・堅一郎(真ゾンビハンター・b57323)の跳躍であった。躍動する筋肉。翻るエプロン。
 眼下を小型マッスル文鳥(略称子マッ鳥)が通り過ぎる。
 堅一郎は両足を踏ん張る様にして着地。頭上スレスレを飛ぶ子マッ鳥を屈んでかわし、筋肉を膨張させての大加速を始めた。
「なんだこの展開は。笑えばいいのか。フーハハハハハー!!」
 鈍器と言うより重機に近い巨大ハンマーを振り上げる。
 堅一郎、呵々大笑。
 『てりやき文鳥』に強烈なロケットスマッシュを叩き込んだ。
 ぱかっと開いていた扉が衝撃で壊される。すると、真横に出現した扉から子マッ鳥を射出。堅一郎に直撃した。
「うおおっ!」
「わー! 堅一郎さーん!」
 日向・るり(蒼空に揺れる向日葵・b06322)がばったばったしながら子マッ鳥から逃げ回る。
 想像できるだろうか?
 何十体と言う子マッ鳥が空を飛び交いさまざまな方向から特攻を仕掛けてくる恐怖。
「うわーん! こんなにてりやきなのに食べられないなんてー!」
 ……が、るりはそんなん別にどうでもよかった。
 流石ともいえる食への執念。
 どのくらいの執念かと言うと。
「ころしてやるのです!」
 妖獣が食べられないと言う理由でマジキルなセリフを吐く程度である。
 るり、黒オーラ全開で呪いの魔眼を乱射。てりやき文鳥に攻撃を入れまくる。
 そうして攻撃を入れつつ、子マッ鳥をぴょいーんと回避。
「あ、カメラさんもっと寄って。BGMも! ばーんとどーんと!」
 翻る堅一郎エプロン。チラリズム・ザ・恥骨筋。
「そっちじゃなくてー!」
「をおおお! 夢の要塞が、今ここに……!」
 空中でわたわたするるりの横を黒鯨・珠子(原初の狂気・b28851)が高速で追い抜いた。
「いくぞ、ショゴス! あれだけあれば三日はもつ!」
「食べる気です!?」
 わっしゃわっしゃする不気味な黒マントを操る珠子。
 一度マントをバネ状に絞ると、両足の勢いと共に大跳躍した。
「むむむぃ、ショゴスども、遠慮なく喰っていくがよい〜! 僕も遠慮なくもらうがな!」
 てりやき文鳥に飛びつくと、マントの先端を爪状にして側面に取りついた。
 無造作にデモンストランダムを乱発して肉を削いでいく。
「血も肉も思念もみな飲みつくそぉ〜。あはははははは!」
 ついには頭を突っ込んでもっしゃもっしゃし始める珠子。
「お、おおお……」
 るりはホンマモンの食欲キャラの執念にちょっとビビっていた。
 さもあらん。あんなものを見たら誰だってドン引きでしょう。
「あれも頑張れば食べられる……かも」
 ダメだそっちに行くなー!

 ファルックマである。
 飛来する子マッ鳥を両腕(プラス呪髪)ガードでやりすごす。
 そして、ファルク・エーデンハルト(伏虎魂絆・b61354)は振り向いた。
 誰にともなく振り向いた。
「一つ問わねばならない」
 シリアスな顔で言ってるけど見た目がファルックマなのでもうど〜しょもない。でも聞こう。
「なぜてりやきなのか! 私も好きだよ。倒さなきゃいけないのは胸が痛い……胸肉だけに」
 HA−HAHA!
 額をぺちんとやって大笑するファルク。
「まあいいさ。このファルックマは多少の爆撃じゃびくともしな――」
 顔面に三体くらいの子マッ鳥が突っ込んで来てファルクは吹っ飛んだ。
「飛ぶことは飛ぶのか……」
 ぼやーっと呟く博麗・早夢(高校生真符術士・b53534)。
「まあそれにしても……」
 てりやき文鳥へと向き直る。
 『悲劇的ビフォーアフター』
 今回のお宅はマッスル文鳥さん。
 鳥なのに羽のない貧層な腕は……なんということでしょう。思い切って排除。ついでに首まで排除してすっきりとしたボディに。
 大きさも十倍に大増量し、好きな所から子マッ鳥を発射できる扉を設置。これでもう寂しくありませんね。
 能力者一人に焼き焼きされていたか弱いマッスル文鳥は、匠の技で豪華なてりやき文鳥へと変身したのでした。
「……みたいな。まあ喋らないなら少しは」
「ギャピー!」
「キェェェェアァァァァシャベッタアァァァァァァ!!」
 謎のヘドバンをキメながら絶叫する早夢。
「何だそれ! どういう芸だそれ!」
「いや、やらないといけないような気がして」
 丸焼きが鳴いたからって騒ぎすぎである。これで走り出したらどうなっちゃうんだ。白目剥いて倒れるんか。
 とはいえ苛烈な全体攻撃である。ダメージもそれなりに嵩んでいたので、日下部・砌(ゲイルトレーサー・b01206)は浄化サイクロンを展開した。
「派手に行きますよっとぉ!」
「え、ボム!?」
「いやボムじゃない」
 そーいやあんた符術士ですらねーみたいなことを言って半眼になる早夢。
 砌は自分の頭を掻いた。
「まあ分かるよ、巨大化する所までは。でもなんだよ照り焼きって。子マッ鳥って! もうこれ弾シューボスじゃね?」
 手裏剣をひょいひょい投げながら文句を言う砌。
 今さら言ってもアレだけど、このジョブ構成だと世界忍者の方が似合いますよね。
「ま、いいさ。早夢やるり達同じ依頼になるのももう無いだろうしな」
「何だろうねそのフラグ臭いセリフ」
 既に実現してそうなね。
 と言いつつ、二人はちゃっかり子マッ鳥の爆撃に晒されたりしていたのだった。

 さて、そろそろまともな反応をする人たちを描写しておこう。
「きゃー! こないでー!」
「やだー! お願い来ないでー!」
 舞城・笑弥(運命に抗う娘・b59830)と雹牙堂・寧(正義系女子・b81307)が全力ダッシュで子マッ鳥から逃げ回っていた。
 一応ながらについていくヤツフサ(ケルベロス)。
「なあにこれ。マザーグース? マッチョ文鳥を吐き出す鳥の丸焼きと戦ったとか言ったら何人が信じてくれるかな、ヤツフサ?」
 走りながら話を振る笑弥。そっぽを向くヤツフサ。
「おいしそうだと思ったのに、不意打ちでトラウマ刺激された系ー!」
 子マッ鳥をぴょいんと回避しながら自分の両肩をさする寧。
「何かあったの?」
「いやそれが……」
 ダッシュ中に器用に耳打ち。
 内容は聞えなかったが、断片的な単語が漏れてきたので紹介しよう。
 サナギ。穴。寄生バエ。
「うわわわわあわわ」
「あわあわあわあわ」
 ガタガタ震え始める二人だった。
 想像できる人はして……そして後悔するがいい。『蝉アイス』の画像検索結果くらいに。
 そんな感じで逃げ回っていると、杜塚・紗耶(朧灯と踊る・b52278)がシャープなポーズで呼びかけた。
「寧さん、ここはやっぱりダンシングだよ!」
「うお、忘れてた系!」
 ぎぎーっと両足ブレーキ。
 紗耶と寧は二人で並ぶと、てりやき文鳥に向かってダンシングワールドを展開した。
「レッツダンス!」
「踊れてりやきクン!」
 まいにちまいにち僕らは鉄自粛。
 正直まったく踊りは効かなかったわけだけど、二人は自己強化だけにしててりやき文鳥へと身構えた。
 集団飛来してくる子マッ鳥。
「まだ叩かれ足りないのかなー!?」
 妙に重量感のあるバトンをバットのように構えると、紗耶は思いっきり子マッ鳥へとスイングした。
「何匹来てもー、千本ノックー!」
 かこーん、とは鳴らなかった。
 どかーん、と鳴った。
「爆弾なの忘れてたー!」
「ばかー!」
 そして、紗耶たちはひゅるひゅる雲を引きながら飛んで行ったのだった。
 
●てりやきをお預けされるだけの簡単なお仕事です
「うおりゃああああああ!!」
 砌は霧影分身術で巧みに子マッ鳥をかわしながら突撃。
「おれは紙装甲なんだから手加減しやがれ、このてりやき!」
 地面を強く蹴って飛ぶと、渾身の爆水掌を叩き込んだ。
 てりやき文鳥ががらがらと揺れながら奇声を上げる。
「びぎー!」
「シャベッタァァァァ!」
「それはもういい!」
 思わず振り向く砌。すると視界いっぱいに子マッ鳥編隊が広がっていた。一斉攻撃。
「これ終わったら打ち上げだからな! 絶対だからな!」
 砌は爆風に煽られながらてりやき文鳥の側面を転落して行く。
「いよっし!」
 そんな様子を大体スルーして、紗耶は後方で射撃体勢をとっていた。
 天妖九尾穿の尻尾を生やし、なにかがちゃがちゃ小細工をする。
「いっけぇ、天妖九尾切り分け!」
「切り分け!?」
 地面にべたっとついた砌が顔を上げた。
 説明しよう。天妖九尾切り分けとは、ナイフとフォークに見立てた尾獣穿で肉を切り取り引き寄せてしまおうという無理難題である。
 そんなアクション一つで肉を切り取れてたまるかあ!
「あ、とれた」
 とれたの!?
「……うん」
 尻尾の先に突き刺さったほかほかのてりやき肉(約50センチ四方)をじっと見つめる紗耶。
 そして、たまたま近くにいたヤツフサに突き出してみた。
「たべる?」
「…………」
 ヤツフサは肉を掴んでぺいっと捨てた。
 みるみる消滅する肉。
 よかった。食べなくて本当に良かった。
 なんて書いたらいいか分かんないもん本当。
「あ、食べ物を粗末にしたらダメだよヤツフサ」
 穢れの弾丸をめちめち乱射しながら振り返る笑弥。
 そこでふと笑弥の脳裏に図が浮かんだ。
 二等身にデフォルメされた笑弥が穢れの弾丸を発射。落書きみたいなてりやき文鳥に当たって毒色に染まる。
 そこにとびつくヤツフサ。なぜかナイフとフォークで切り分けるとあむっと肉を頬張った。
 しばらくもぐもぐしていたが、ヤツフサは顔を青くしてこてんと転がってしまった。
「毒状態になった肉を食べたら毒になるんでしょうか?」
「……………………」
 わがままな少女を預かってしまった中年の殺し屋みたいな、とても複雑で渋い表情をするヤツフサ。
「おお、レオン……」
 その様子を、紗耶は感心したような顔で見つめていた。

 さて、一方こちらはてりやき文鳥の上。
「フハハハハー! ミンチミンチー!」
 巨大ハンマーでそこらじゅうを叩きまくり、射出扉を片っ端から壊していく堅一郎。
 扉を開けて八頭身の子マッ鳥が顔を出した所など、モグラたたきもかくやと言う勢いで叩き潰していた。
 三つ扉が現れたら三つ潰す。
 四つ扉が現れたら四つ潰す。
 そして十五個扉が現れたら……。
「ふむ」
 堅一郎はその場から両腕を広げてダイブ降下。
 背後で起こる大爆発から勢い良く逃げたのだった。
 ちなみに飛び込む先が湖かプールだったら全米が震撼するタイプの映画決定である。
「ファルク、頼むぞ!」
「ようし任せろ。ここはやっぱり爆発――だと思うのだよ!」
 謎のポーズで暴走黒燐弾を乱発するファルク。
「誘爆したら楽しそうだな! ヒャッホォウ!」
 厳密には火器ではないが、まあ爆発っちゃ爆発する暴走黒燐弾をてりやき文鳥の表面にどかどかぶつけていく。
 そんな爆発を掻い潜り、無数の子マッ鳥が射出。ファルクへと特攻を仕掛ける。
 が、その後ろに控えていた早夢がわずかに屈んだ態勢からダッシュ開始。
 一歩で音速を超え、二歩で雲を纏い、散歩で地を蹴る意味を無くす。
 輪状の雲を散らして進む早夢。周辺を飛んでいた子マッ鳥が一度風に煽られ、数秒してから逆向きに吹っ飛ばされていった。
「受けとれぃ!」
 そんな超音速突撃、ゴッドウィンドファントム。
 早夢はてりやき文鳥の一点に強烈な掌底を叩き込んだ。
 表面の鳥皮を引きはがす程の強烈な衝撃が走る。
 ぐらつくてりやき文鳥。
 子マッ鳥を八艘飛びで回避していたるりが、両足をそろえた着地で顔を上げた。
「運動大好き少女をなめたらいかんですよ。欠食少女だきえじゃないってところ、みせるのです!」
 そうはさせるかとばかりに飛んでくる無数の子マッ鳥。
 るりは高く跳躍すると、それぞれの子マッ鳥を踏み台にし始めた。
「焼き鳥!」
「塩焼き!」
「てりやき!」
「おにくー!」
 やっぱり食欲で動いていた。
 るりの半分は食欲でできている。
 あと半分は睡眠欲。
「必殺、おにくかえしてメイデン! 食べちゃえ!」
 指をびしっと突き出すと、てりやき文鳥の上に現れた巨大メイデンが全体を挟み込んだ。
 穴だらけにしてごろっと落とされるてりやき文鳥。
 そのタイミングに合わせ、珠子がデモンストランダムを炸裂させる。
 良い所に入ったのだろう。全体にあった射出扉が一斉に破壊される。
「むぃ」
 マントから無数に爪のようなものを生やしながら、両手両足を駆使してよじ登り始める珠子。
 すると、射出扉とは別の扉から出てきた子マッ鳥がハンマーてとんかんして扉を直し始めた。
「……整備マッ鳥?」
 次の瞬間、全ての扉から子マッ鳥が射出。珠子目がけて飛んでくる。
「を、おおお……!」
 流石に危機感を覚えたのか、それとも鳥の群れに食欲をそそられたのか、珠子は急いで頂上まで上り詰めると、マントを翻して球状に自分を覆った。
 子マッ鳥殺到。大爆発。
 マントを解いてみると、足元に変なシャッターが出現していた。自分の攻撃じゃ倒れませんよってか。ご都合主義め。
 とはいえてりやき文鳥は虫の息。いやさ手乗り文鳥の息。
「最後はこれでー!」
 いつのまにか珠子よりも上の位置まで跳躍していた寧が、ギロチンや鎌を一斉に光らせた。
「ちぇっくめいと☆」
 ヒロイックフィーバー発動。
 両手両足をフルに使っててりやき文鳥の表面をざくざく削り取って行く。
 破片をぴょいぴょい飛んで咥える珠子。
 最後の一発で大きめの肉を握りしめ、寧はすちゃっと地面に着地した。
「…………」
 手元の肉を見つめる。
 ほかほかのてりやきチキンだった。
 正しくは文鳥だけどそんなのどうでもいい。全長20mの時点でこれ文鳥じゃないし。
 口元を拭って両足着地する珠子。
 その様子をチラ見してから、寧は肉をはむっとやってみた。
「…………いける系」
「まじですか!?」
 両目を光らせるるり。今日一番の輝きがそこにはあった。
 愛用の剣を包丁みたいに持つと、てりやき文鳥へととびかかる。
「おにくっ!」
 が、てりやき文鳥の体力は、悲しいことにもう尽きていた。
 確かに伸ばされたるりの手は、透明に霞んだてりやきをすり抜けた。霧を掴むことができないように、雲に立つことができないように、るりは仰向けに落ちていく。
「お――」
 にじむ涙。
 伸ばされる手。
「おにくーーーーーーーーーーーーーーーー!」
 こうして、謎の感動と共に巨大鳥形妖獣『てりやき文鳥』は消滅したのであった。
 この後、彼らが打ち上げと称して食べ物やへと突撃し、パーティー料理だと言って出てきた鳥の丸焼きにひたすらやるせない気持ちになったのは……言うまでもない。


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楽しい 笑える 泣ける カッコいい 怖すぎ
知的 ハートフル ロマンティック せつない えっち
いまいち
参加者:9人
作成日:2011/07/15
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