敗残の抗体ゴースト:落ちたる触手


<オープニング>


 光差し込むことの無い地下下水道を、彼らは歩んでいた。
 頭には頭巾をかぶり、手には薙刀――しかし彼らの手は所謂人間のそれではなく、吸盤のある触手。
 その姿は人のようでもあり、タコのようでもある。
 荒法師の様な装いの一団は、激しい戦いから落ち延びて来た様でぼろぼろの身形。
 彼らはこの下水道の一角を隠れ家とし、再起の日を待つ事にしたのだった。

「皆、本当にお疲れ様。魔都福原京は潰え、平家の抗体ゴーストは消滅したわ。不滅の災いと眷属も飛び去って、神戸はひとまず平和になったと言えるんだけど……」
 柳瀬・莉緒(高校生運命予報士・bn0025)の口調がすっきりしないのは、他でもない。
 無血宰相トビアスが石化、銀誓館の手で破壊された事により、源平合戦で残存した抗体ゴーストの群れが戦場に取り残される形になったのだ。
 ナンバードやパフュームリリス達は各自の判断と手段によって脱出していったが、獣人らはそうはいかなかった。
「相当数の獣人が、神戸周辺に潜伏している状態なの。直ちに行動を起こして害を及ぼさなくても、いずれ人間を襲うのは明らかよ。そうなる前に、敗残のゴーストを掃討して欲しいの」
「一息つく暇もないってやつですぅ」
 余り働いていたイメージも無い志筑・涼子(残念な子とは呼ばせない・bn0055)が、偉そうに言って肩を竦める。

 無数に残存したゴースト達の中で、能力者たちが担当するのはタコ入道の一団。
「彼らは10人程の集団で、神戸市内の下水道に逃げ込んだわ。あなた達に退治して欲しいの」
 1人のリーダー格を中心に、下水道の一角を自らの住処としているらしい。能力者たちが踏み入れば、迎撃してくるだろう。
「暗くて入り組んだ下水道が戦場だし、敗残とは言え敵は抗体ゴーストよ。油断は禁物ね」
「うげー……下水でタコゴーストと戯れる夏……ぞっとしないですぅ」
 下水道は既に彼らのホームグラウンドと化している。思わぬ方向からの奇襲にも注意を払う必要があるだろうし、狭い下水道では思う様に陣形を展開する事も至難だろう。
 10体のタコ入道はいずれも、長い触手と薙刀を振り回して近接の広範囲を攻撃してくる。また、個別の対象には追撃効果を持つ高威力の攻撃を行なう事も有るようだ。
 更にリーダー格の1体は、口から墨を噴射して20mの範囲内に居る敵全員に猛毒とブレイクのバッドステータスを与える技を習得している様子。

「かなり厄介な相手だと思うけど、神戸の人々を助ける為に……頑張って頂戴!」
 莉緒はそう言うと、能力者達を送り出すのだった。

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参加者
布施・命(奏緑呪・b37509)
西条院・水菜(退魔の姫巫女・b38359)
須賀・義衛郎(天を取る者・b44515)
羽鳥・氷女(覇凍蒼姫・b45222)
日生・結希(晴れときどき雪女・b45294)
月村・斎(閑人・b45672)
松虫・九郎(黒キ蟲ハ光らない・b50055)
文月・風華(暁天の巫女・b50869)
マリア・エスペランザ(蒼い戦姫・b52755)
春風・旋風(小さなつむじ風・b79424)
NPC:志筑・涼子(残念な子とは呼ばせない・bn0055)




<リプレイ>


 激闘の末、源平合戦を勝利で飾った銀誓館学園。
 神戸の街に平和を取り戻し、暫しの平穏が訪れた……かに思えたのだが、現実はそう甘くはなかった。
 敗残兵である抗体ゴースト達(主に脱出の知恵を持たない獣人達)が、神戸市近郊に身を潜めたのだ。
(「トビアスも倒し……これでようやく一安心かと思っていたら……まだ残党が残っていたなんて……戦いは、未だに終わった訳ではない、という事ですか」)
 小さな溜息を零しながらも、西条院・水菜(退魔の姫巫女・b38359)はすぐさま、すべき事に意識を移す。
「大きな戦はそう簡単に終わらぬのが常。今回のような依頼は付き物じゃな」
「ええ。不滅の災いの事とかイロイロと気になることもあるけど、まずは目の前にある脅威の排除からですね」
 布施・命(奏緑呪・b37509)の言葉に、マリア・エスペランザ(蒼い戦姫・b52755)も頷く。
 気になることは多いが、今は目の前の務め……敗残ゴースト達が再び人々を襲う前に、これを殲滅する事に集中すべきだろう。
(「厄介な力を持つ輩を、野放しになどしておけぬ……根絶すべし!」)
 戦意十分の羽鳥・氷女(覇凍蒼姫・b45222)が心中で誓う様に、傷つき疲弊して大人しくなっているとはいえ、彼らは凶悪極まりないゴーストの群れなのだから。
「敗者に鞭打つ様で相手には悪いけど、全滅させないとね」
 心優しく武士道精神に溢れる松虫・九郎(黒キ蟲ハ光らない・b50055)であっても、当然一切の手心を加えるつもりはない。
「それにしても……ジメジメと暗いところですね」
「それに、酷い臭いですぅ……鼻が曲がりそうですぅ」
 文月・風華(暁天の巫女・b50869)や志筑・涼子(残念な子とは呼ばせない・bn0055)が辟易するのも無理はない。夏の下水道はかなりヘビーな臭気に満ちているのだ。
「臭いも汚れも残らないけど、早く済ませて帰りたいもんだ」
 イグニッションを解けばすっかり綺麗になるとは言え、だ。須賀・義衛郎(天を取る者・b44515)の言葉に、皆頷く。
「人生ってもんは面白いな。まさか下水でタコと戦うことになるとはな」
 こちらもやれやれと肩を竦める月村・斎(閑人・b45672)。
 彼は、下水道で戯れるのなら白いワニが相場だとも考えたが、それもそれで十分シュールかも知れない。
「美味しくはなさそうですけど、刻んでしまいましょうー」
 どうせなら、美味しく食べられるタコを相手にしたい。日生・結希(晴れときどき雪女・b45294)でなくとも、そう考えずには居られない。
「それに相手のタコ入道の触手も何か嫌な予感がするしなぁ……」
「嫌な予感とはぁ?」
 春風・旋風(小さなつむじ風・b79424)の呟きに、首を傾げる涼子。
「いや……まあいざとなったらタコゴーストと戯れる役は涼子おねーさんにおまかせだよっ!」
「いやいや……そんなギャルゲのサービスシーンじゃあるまいし、触手があるゴーストと戦うからって、そんな安易な展開には……ねぇ?」
「「……」」
 同意を求める涼子だったが、特に返事は返ってこなかった。


 ――ぱきっ。
 旋風がケミカルライトを折って、分かれ道に置く。
 持参したケミカルライトは一定距離ごとに置かれており、振り返れば点々と能力者達の歩いてきた道を示している。
「マッピングと言えばこれですよねー♪」
 また、マッピング担当の結希が、かなり正確にこれまでの経路を書き記しているので、位置把握に関しては心配は要らないだろう。
 ――がさっ。
「?! ……またネズミか……」
 物音や動く影に反応して身構える一行だが、その正体はネズミや虫と言った下水道の住民達。
「それにしても、随分と面倒な場所に逃げ込んだものですね……」
 ぽつりと零す水菜。
 下水道という劣悪な戦場には少しずつ慣れを感じてきた能力者達だが、入り組んだ迷宮のような地形はどうしようもない。
 いつどこから敵が現われるか解らない緊張感の中、歩み続ける精神的な疲弊は計り知れないのだ。
「いっそ、全部まとめて出て来てくれた方が楽ですぅ」
「今一斉に出て来られたら大変ですよ……広くて一方向だけを相手に出来る場所があると良いのですけど」
「なんだかんだ言っても、これだけ腕利きの能力者が揃ってるんだし心配無いですぅ。所詮死に損ないのへっぽこゴーストどもですぅ」
 ――じゅる……。
「?!」
 涼子と氷女の会話に混じって、水のそれとは異質な音を聞いた気がして立ち止まる斎。
「どうしました、月村さん」
「……いや、気のせいか……」
 周囲を見回していたが、風華の問い掛けに対し、軽くかぶりを振ると再び歩み出す。
「向こうから出て来るって話だったのに、中々姿を現わさないわね」
「恐れをなして逃げた……なんて事は無いよなあ」
 ――じゅるる。
「……なぁ、今」
「はい、確かに聞きました」
 マリアと義衛郎の声が途切れた瞬間、どこからともなく響いた粘着質の水音。斎と九郎はそれを聞き逃さなかった。
 身構え、物音の発生源を探る一行。
 しかし、悪くしたことに、能力者達の居る通路は極めて入り組んでおり、敵の姿を認めるのは容易ではない。ちょっとした物陰や一定距離ごとに存在する横穴、ともすれば天井や水中に身を潜めている可能性だって有り得る。
「楽に戦える場所では出て来てくれぬものじゃな」
 身構えつつ、努めて自らの心を落ち着かせる命。
「……あの、ここから少し行くとまた開けた場所があるかもですー」
 と、手元の地図をチェックしていた結希が唐突に言う。
「……確かに」
 同じく、地図で現在位置を確認した旋風も確信めいた頷き。
「なんでそんな事解るですかぁ!」
「複雑に入り組んでいる様ですけれど、構造には一定の法則があるみたいです。ほら、これまでも細い通路が暫く続いた後に、広場が」
「よし、行こう!」
 水菜の説明に涼子が納得する頃には、周囲に無数の気配。
 それは、自らの住み処を侵略し害を及ぼす侵入者に対して、凄まじいまでの殺意を発するゴースト達に他なるまい。
 能力者達は、マッピングの示す法則性を信じて移動を開始する。


「スピードなら負けない!」
 九郎の瞳が、前方の横道から現われたタコ入道を見据え、禍々しい呪いの力をぶつける。
 能力者達の動きの変化に釣られてか、或いはこれ以上自分達のテリトリー深くに入る事を阻止する為か、潜んでいたタコ入道達は次々に姿を現わし立ちふさがる。
「あちこちから出て来るな」
 正面の敵に対してダークハンドを放つ斎。
 予想していたとは言え、無数の横道から次々に這いだして来るタコ入道の姿は、見ていて愉快な物では無い。
「後ろからも、来ます」
 振り向いた水菜の視線の先にも、複数の敵影。
 こちらはかなり早い段階から能力者達の動きをマークして、尾行していたようだ。
 ――じゅるじゅる……。
 無数の触手を蠢かせ、能力者達ににじり寄ってくるタコ入道の群れ。
「さっさとやっつけてお外に出たいです」
「生きて地上に出られるんでしょうかぁ……」
 体内に眠る気を呼び覚まし、臨戦態勢を取る風華。涼子もこれに倣うが、地獄のような光景に思わず不吉な言葉を漏らす。
「出られるさ」
 ハンティングモードを発動しながら、きっぱりと言い切る義衛郎。
 それは出任せではなく、熟練の狩猟者である彼なりの確信あっての発言なのだろう。
「このまま、前方を突破するのじゃ。地の利さえ得れば」
「もう少しです……多分」
 両手にした結晶輪で命を援護しつつ、結希。
 ――ぶおんっ!
「っと!?」
 最前衛のタコ入道が、薙刀を一閃。
 ――ガキィンッ!
 人間の腕とは異なる長いリーチと変則的な太刀筋に、やや意表を突かれながら長剣で防ぐ斎。火花が散り、鈍い金属音が衝撃の強さを物語る。
 風華は紙一重でこれを回避。
「ぎゃんっ! こ、このタコ……許さんでゲソ!」
 避けきれず、腕に手傷を負う涼子。
 ――じゅるっ……じゅる……。
「ええい、次から次へと……」
「でも、逃げないで向こうから来てくれるのは助かるね」
 九郎はポジティブに受け止めながら、独鈷杵に黒燐蟲達をまとわせる。
 タコ入道の群れは能力者達を包囲殲滅せんと、四方八方から迫り来ている。
「冷凍食品になっちゃってくださいー」
「貴方方の居場所はこの世界に存在しない……疾く、消えなさい」
 結希が猛吹雪を巻き起こすと同時に、周囲を氷雪の地獄と化す水菜。
 能力者達を仕留めるために接近してきていたタコ入道らは、当然ながらこれに飲み込まれる形になる。
「敵が怯んてる、今のうちに」
 ――ザシュッ!
「グォォォ……」
 斎の花魁艶姿が黒い炎に包まれ、その一閃によってタコの触手が切断される。
「はじめから全力で参ります!」
 ――ガッ!
 苦悶のうめきを上げたその個体を、間髪入れず風華の拳が打ちすえる。
「もう一息で、囲みが解けます」
「くらえ、一撃必殺の呪いの符」
 氷女の呪いの魔眼、命の御霊滅殺符が続けざまにタコ入道を直撃、ひとたまりも無く消滅させた。
「涼子さん、援護するよ」
「おういえ!」
 ――ババッ!
 更に前衛に居たタコ入道に対し、クレセントファングを仕掛ける涼子と、すかさず呪いの魔眼で援護する義衛郎。
「こっちも集中攻撃を、ましろ!」
 ――ガガガガッ!
「ウオォォォ……ン!」
 手負いのタコ入道に対し、無数の弾丸が降り注ぐ。マリアの使役ゴーストであるましろも、主人と呼吸を合わせてのモラスパークを放つ。
 触手を振り回し、のたうちながら咆哮をあげるタコ入道。
「当てるだけなら楽勝だよっ!」
 ――ガァン!
 その脳天に、旋風の詠唱銃から発射された弾丸が直撃する。
「オォォォ……」
「今だ、一気に駆け抜けよう!」
 開かれた血路を、能力者達は一斉に駆け抜ける。


「もらったよ!」
 九郎による呪いの魔眼が、手負いのタコ入道を屠る。
 目論見どおり開けた空間に到達した能力者達は、多分に有利な状況でゴーストを迎え撃つ形となった。
「近づけば死、と心掛けよ」
 迫り来るタコ入道らに、幾度目かの猛吹雪が襲い掛かる。
 水菜と結希によって形成される極寒の地獄は、確実に敵の体力を削っていた。
 ――ぶおんっ!
 無論、タコ入道らも苛烈な抵抗を繰り返してはいたが、能力者達の守りも堅かった。
「三途の川を渡る準備はできたか。……あばよ」
 二振りの長剣によって、眼前の敵を細切れにする斎。
「まとめて当たってください!」
「トドメは頂きですぅ!」
 風華の龍撃砲がまたも手負いの敵を貫き、涼子はクレセントファングでこれに呼応。
「ウォォォォ……」
 ――ブォォンッ!!
 けれど、瀕死の状態で生き延びたタコ入道は最後の反撃とばかりに薙刀を大回転。
「うぎゃああっ!」
 大きなダメージを受けて崩れる涼子。
 ――じゅる……。
「えっ、や、やめるです……私は清純派なんですぅ」
 倒れた涼子に迫る無数の触手。
「ねぇ、そんな事より」「そんな事?!」
「リーダーってどいつ……?」
 落ち着いて敵を見遣れば、確かに群れを率いているリーダーらしき者の姿が見えていない。
 旋風の言葉に、今一度警戒を強める一同。
「命さん! 後ろ!」
 ――ブオォンッ!!
 義衛郎の声に反応して、とっさに身を屈める命。
 大薙刀が唸りを上げながら、彼の髪を数本切断する。
「わしは大事無い、耐えるのじゃ! すぐに回復してやる」
 命は仲間達に告げると、病魔根絶符を飛ばして窮地の涼子を回復させる。踏ん張り所だ。
「ましろ、あっちにトドメを!」
 瀕死のタコ入道をましろに任せ、自身は別のタコ入道にクロストリガーを見舞うマリア。
 一体はましろのスパークによって葬られ、もう一体は虫の息に。
「オォォォォ……」
 そしてその直後、身体を蝕んでいた魔氷によって崩れ落ちた。
「そっちから片付けちゃおう!」
「はい」
 九郎の瞳に呪いの力が宿る。
 満身創痍となったタコ入道にそれが直撃し、結希の六花と天花から矢の様な冷気が発される。
「グォォォォ……!」
 凍て付き、砕け散るタコ入道。
 ――シャッ!
 水菜の念動剣が宙を舞い、タコ入道に迫る。
 それが眉間に突き刺さらんとしたまさにその瞬間、触手でこれを受け止める。
 心なしか安堵したようなタコ入道だったが……
 ――ヒュッ!!
「ガッ……!?」
 その瞬間、もう一振りの飛龍刀が彼の心臓を貫いた。
「……今の私は優しくありません」
 これで、敵は残り2体。
 リーダーとの合流を試みるタコ入道。
「おっと、ここは通さんよ」
 しかし、その前に立ちふさがる斎と風華。
「トドメじゃ」
 ――バシィィッ!!
 そして、命の手より放たれた御霊滅殺符が彼に引導を渡した。


「まだ墜ちぬか!」
 氷女の魔眼が、最後の――群れのボスだったタコ入道を捉える。
 万に一つも勝ち目のない戦いではあったが、もはや行き場をなくし、手下を失った彼に他の選択肢はなかった。
 ただひたすらに、矜持を示すかのように、大薙刀を振るい戦い続ける。
「いい加減諦めやがれですぅ」
 クレセントファングで確実に打撃を与える涼子。
 死角に回り込んだ義衛郎は、チェーンソー剣によって触手を切断する。
「グォォーッ!」
 ――バシュッ!!
 大きな咆吼と共に、周囲を闇が覆う。
「あぅ……墨で真っ黒に……」
 それは、タコ入道が吐き出した霧状の墨。それは単に目眩ましと言うだけでなく、猛毒を有している。
「タコの墨なんかボクの暴風で吹き飛ばしてあげるよっ!」
 厄介な攻撃には違いないが、戦況をひっくり返す程の効果はない。旋風は癒しの風を巻き起こし、仲間達を癒す。
「これでっ!」
 マリアが弾丸の雨を降らし、ましろが死角を突く。
 能力者達の集中攻撃によって、さしものタコ入道も終わりの時が近づく。
「これで終わりです! 覚悟!」
 風華の指先が、入道の眉間に触れる。
「グ……オォォォーッ!!!」
 断末魔の叫びを上げた入道は、体内を暴走した気によって膨張し……
 ――ボシュッ!
 やがて千々に砕け散ったのだった。


「ようやくあの戦争の決着が着いた形ですか……それでは、戻りましょう」
「ええ、あまり長居したくないです……」
 風華の言葉に頷く水菜。皆も同じ気持ちだろう。
「気分的にはお風呂、入りたいですねー」
 物理的にと言うだけでなく、精神的にも綺麗にさっぱりしたい所。結希の言葉にも、一同頷く。
「涼子おねーさん大丈夫だった?」
「いやいや、危ない所でしたぁ……もう当分タコはごめんですねぇ」
 楽しそうに尋ねる旋風へ、肩を竦めながら大袈裟に応える涼子。
「たこ焼きでも食って帰る? 涼子ちゃん」
 と、笑いながら尋ねる斎。
「……それは名案ですぅ」
「今、当分ごめんだって……」
「食べるのは良いんですよぅ」

 かくして、一行は下水道に逃げ込んだタコ入道の一団を掃討する事に成功した。
 将来起こるであろう悲劇を未然に防いだ彼らは、人知れず凱旋の途につくのだった。


マスター:小茄 紹介ページ
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参加者:10人
作成日:2011/07/22
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