≪銀誓剣術士団SSM≫剣侠八人此処に集いて数字八人此処に散れ!


<オープニング>


「敵は」
「あそこだ」
 最低限の言葉だけを交わし、男八人は頷き合った。
 傘に隠れ外套に潜み、それでもわかる屈強な体。
 刀。槍。鎌。匕首。薙刀。小太刀。仕込み杖。二刀。
 向かう先は、道場。
 道場破りなどではない。ましてや入門ですらない。
 ただ命だけ、奪いに来る。

「はあぁっ!」
「……ふっ!」
 常陸・朝霞(土蜘蛛に新しい風を吹き込んで・b50975)が力を込めて振り下ろす巨大な斬馬刀――磯の香りつき――を、風間・雷(シルバーライトニング・b61308)は長剣二刀をクロスさせて受けた。
 細い腕がしなやかにたわみ、次の瞬間朝霞を見事に跳ね返す。
「見事なものね……流石に土蜘蛛、一撃一撃が迫力ね」
 己の手合わせを終えて、タオルで汗を拭いながら小鳥遊・桐音(御伽草子・b53243)がほうと目を細める。
「うんうん。それに対して雷さんは柔って感じ? この勢いを受けて折れないのは流石だよう」
 リロ・テテム(白虹の麓に笑う猫・b77111)が大きく頷きながら、隣でその試合に見入る。
「さて。それでは俺達も一戦?」
「構わないぞ。戦ろうか?」
 霞谷・氷一(隔離されるべき論外裏商人・b55422)が相手を探すように言えば、真名崎・悠羽(玖耀剣姫・b57688)がニヤリと笑って進み出る。木刀試合か真剣勝負か、二人が話し合おうとしたところで。

 トン、トン。
 鈍い二度のノックが道場の扉を叩く。

「おや、誰か団員ですかね……!」
 扉を開いた次の瞬間、栢沼・さとる(星を継ぐもの・b53827)がダンッと地を蹴って下がる。
 一閃。上着の裾に僅かな傷、それがすぐさま詠唱銀の防具へと変わる。
 そのまま後方に一回転し、さとるはひらりと起き上がった。
「何事ですの!?」
 綾川・紗耶(青き薔薇の輝きを具現せし者・b64932)が叫ぶと同時にイグニッション、念動剣の切っ先を入口へと向ける。
「合図はした」
「何れにせよ、殺すだけだ」
「恨まれたとて、な」
「我らが糧になるならば同じ」
「一向に構わん」
 ぞろりと現れたのは、八つの武器。
 そう見えた。
 揃いの笠をかぶり、揃いの外套に身を包んだ彼らは、揃って無表情で――揃って強敵の気を放っている。
「ナンバード……!」
 剣戟の音はとうに止んでいた。
 雷の二振りの剣が、朝霞の斬馬刀が、己の命を狙う気配に敏感に反応したのだ。
 それは、他の能力者達も同じ。
「いい実戦訓練になりそうですね――!」
 自分達は負けない。剣の誇りにかけて。
 雷の頬に、不敵な笑みが浮かんだ。
 無表情な敵とは対照的に。
「やってやりましょう!」
「「「応!」」」
 戦場が、一斉に動く!

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参加者
常陸・朝霞(土蜘蛛に新しい風を吹き込んで・b50975)
小鳥遊・桐音(御伽草子・b53243)
栢沼・さとる(星を継ぐもの・b53827)
霞谷・氷一(隔離されるべき論外裏商人・b55422)
真名崎・悠羽(玖耀剣姫・b57688)
風間・雷(シルバーライトニング・b61308)
綾川・紗耶(青き薔薇の輝きを具現せし者・b64932)
リロ・テテム(白虹の麓に笑う猫・b77111)



<リプレイ>

「我ら剣術士団SSMにもナンバードがやってきましたか。日々研鑽している私たちを相手にするとはいい度胸です」
 常陸・朝霞(土蜘蛛に新しい風を吹き込んで・b50975)がさらりと髪を掻き上げた。
「この剣に懸けて、返り討ちにしてやりましょう! 私のコレを『剣』と呼べるかどうか疑問ではありますが」
「いーんじゃないですかね剣として使うんですし」
 栢沼・さとる(星を継ぐもの・b53827)がくすと微笑む。その様子に一同にも笑みが浮かぶ。
 この笑みがあれば。
 負けない――!
「おお……なんかよく切れそうな人たちですねぇ」
 くすくすと微笑んだまま、リロ・テテム(白虹の麓に笑う猫・b77111)が呟く。
「こんな所にまで来るなんて大した連中ですよナンバードというのは」
 笑みを浮かべたまま、霞谷・氷一(隔離されるべき論外裏商人・b55422)はくるりと電光剣を回す。
「いいですよ、ここまで来たんだから楽しませて貰いますよ?」
 ちらと見るは薙刀使い。
 頷いた薙刀の男が前に出るのを、邪魔する者は誰もいない。
「銀誓剣術士団団長、風間・雷です。推して参らせて頂きます」
 笑顔で深々と礼をした風間・雷(シルバーライトニング・b61308)が、ぱっと顔を上げて。
「あ、お履物は脱いであがってくださいね」
「……」
 仕込み杖の男は黙って足をかけた。
 雷の瞳笑みが消える。
「脱げっつってんだろ。風間なめんな」
「……かたじけない」
 男は草履を脱いだ。
 ちゃんと揃える。
「え、あ、その……」
 実は相手を油断させるための方便だった雷が、ちょっと慌てた。
「他者の命を奪い、自らを永らえさせる……否定はしないわ」
 そんな二人を尻目に、私達だって同じだものね、と小鳥遊・桐音(御伽草子・b53243)は両手のガンナイフを握り、呟いて。
「殺すだけ、か……奇遇だな……」
 私もただ狩るだけだ、と真名崎・悠羽(玖耀剣姫・b57688)が吐き捨てて。
「お前達のようなゴーストをな……」
 悠羽が抜いた刀の鞘は、柄は、目釘は、漆黒。
 ただ刀身だけが、銀にぬめる。
「我らは人を狩る。汝らはゴーストを狩る。同じ、か」
 ふっと息を吐き、男達の一人が歩み出た。
 得物は、彼女と同じく、刀。
「でもあなたたちを放っておくと、いつか私の友人が悲しい思いをするのよ。だから探す手間が省けた今回は好都合」
 桐音がすらりと『二刀』を、構える。
「今日を限りにロストナンバーズとなりなさい」
 目を細めれば、小太刀を構えた男だけが、他とは違う眼光で彼女を見つめる。
「出来るもの、なれば」
 音も立てずに、小太刀の男が距離を詰める。
 同じタイミングで――さとるに詰め寄ったのは、鎌使い。
「死神気取りで私の命を刈り取ろうとでも?」
 ふん、と強かに笑みを浮かべ、さとるがケットシーのカデンツァを下がらせる。
「……笑わせないで下さい、百年早いです」
 ぱらりと白が閃いたのは、魔道書のページが高速でめくれる様。
「むしろ私が目指す高みの、踏み台になっていただきましょう」
 彼女の剣たる魔道書を手に、彼女は強気に、強気に笑う。
「しかし随分鋭い挨拶で……これはハードな事に」
 味方からも敵からも距離を取ったリロが、匕首持ちの男と目を合わせる。
「さっき目が合った様な気がしたけど……やっぱりボクが狙いになるのかな」
 右手に鉄扇、左手にナイフをクロスさせ、匕首の男にリロは強気に笑う。
「わたくしもレイピアとダガーの二刀ですの」
 向かってくる二刀流の男に、長短二刀の剣をかざすのは綾川・紗耶(青き薔薇の輝きを具現せし者・b64932)。
「同じ二刀同士……お相手願いますわ!」

 一瞬。
 閃く刃。
 侠と侠の戦いに、合図など存在しない。
 ただ、命を交わすのみ――!

「光よ……我が身を守れ」
 レイピアを高く掲げ、紗耶はリフレクトコアを回転させる。
「護りの技か。ならば我も」
 左手の太刀が振り上げられる間も、男の右手の小太刀は胸の前から揺らがない。
 けれど片手で放った一撃は、やはり紗耶が左手で扱うダガーに食い止められる。
 真っ直ぐにレイピアを突き出せば、光の槍がそれに重なる。
「其は浄化の力! 創世の煌めき!」
 けれどその光が止んだ時、ダガーで捌き切れなかった刀が紗耶の眉間に傷をつけていた。
 フィルがそっと背中から彼女によじ登り、舌を伸ばす。その舌が、温かい。
(「……負けない!」)
 溢れ出る勇気を体中に纏い、紗耶は再びレイピアを繰り出した。

「気をつけよ、局地的に大嵐が吹き荒れるからのう」
 ぶぅん、と巨大な刀が風を起こす。
(「槍は間合いの遠い所には強いですが、懐に入ってしまえば……」)
 一瞬そう考えてから、朝霞は手元の得物に目を落とす。
「……って妾のカツオブシも小回りは効かなかったのう」
 力押しこそが、この武器の神髄。
「ふっ!」
 突き出された相手の槍を飛んでかわし、飛び乗る。そのまま巨大カツオブシを振り下ろせば、相手は槍を振り回して朝霞を飛ばす。
「妾と特性は似ておる。じゃが、一撃の重さでは……」
 着地と同時に膝を折り、そこから跳躍。
 横にして掲げられた槍に、ぶち落とされる紅蓮。
「負けぬぞ!」
 飛び散った血の赤。けれど笠の下から輝く目が、まだ決着はつかぬと伝えている。
 穂先とカツオブシが、再び交錯する!

 腹に刺さった武器に、雷が大仰に驚いた顔をした。
「うわぁ! なんか隠しっぽい武器ですよ、卑怯な!」
 く、と顔を歪める。抜かれた刃から血が滴る。
「まったく、不意打ちだなんて卑怯な! プンプン!」
 出来れば自分も不意打ちしようと思っていたことを棚に上げ、ぷくりと雷が頬を膨らませる。
 だが、仕込み武器の強さは、最初の一撃なればこそ。
 種さえわかってしまえば、あとは普通の仕合にすぎぬ。
 くるりと剣を回しながら、雷は微笑んだ。そのまま二振りの剣で、仕込みの刃を受け止める。
 左の剣でそのままそれを弾き、右の剣は攻撃へ。黒いオーラが剣を染め、包み込む。
 男の胸に咲いた赤と黒の花に、雷は不敵な笑みを浮かべた。

「今日は特別に……吸血鬼ではなく、剣術士として相手をしてあげるわ」
「それは光栄」
 くいとガンナイフで男を招いた桐音に、小太刀の男はひるまず斬り込んだ。
 先に一撃を誘えば、打ち込んだ男の経験が読める。足運び。重心。一撃の鋭さに、これまで研鑽した剣が宿る。
「ふむ……それなりの経験者のようね」
 ならば、と桐音はガンナイフの向きを変える。男の二撃、三撃を、トンファーのように持ったガンナイフでいなしていく。
 そして斬。小太刀を受け止めた左手をくるりと捻り、体勢を崩したところに右手で一撃、捻った体を戻す勢いで左手でもう一撃。
 それは舞のように、踊りのように。
 受け止めた右手から、左手の一撃。
 そして右手を武器から離す!
「!?」
「――――水よ」
 男の背後に現れた水の分身。掌から流れる水流が、男を捉え、その体内に入って蹂躙する!
 そして桐音の右手は、瞬時に落ちかけたガンナイフを拾う。
「っ!」
 その瞬間、左脇腹を走った痛みに顔をしかめる。だが、二撃目はその左のガンナイフで受けた。
「刀二ツ、その意味を知りなさい」
 そのまま、男の胸に右で一撃。
 一旦離れた二人の間に血が点々と落ちる――けれど二人の舞は、止まらない。

「カデンツァ!」
 ページが凄まじい勢いでめくれると同時に、カデンツァがレイピアを掲げる。
 魔力が空間を超えて、さとるの魔道書を薄く輝かせる。
「踏み台、と言ったな」
「ええ」
 魔道書から浮かび上がるは、蒼の魔弾。
 一歩、また一歩と距離を詰めるは、白の男。
「我が負ければ汝が踏み台、汝が負ければ我が糧。同じことよ」
 タン、と軽い音。
 鎌の銀が己に迫る、と思った瞬間、さとるが蒼の輝きを爆ぜさせる。
 さとるのスーツの胸が裂け、男の数字が蒼く焦げる。
 己の中に、治癒を阻む力が生まれたのを知る。けれど、怖いことなど何もない。
「侮ってもらっては困ります!」
 武器は魔道書。盾も魔道書。
 けれど形無き剣は胸に、そして己が相棒たるカデンツァの存在そのものとして、此処に在る。
「貴方と私とでは背負っているものが全ッ然違う!」
 駆ける男。留まるさとる。
 蒼の輝きを浮かべ、閉ざした魔道書の背でさとるはがっしりと鎌を受け止めた。

「ちょっと他の剣士と違って、俺は真っ当なもんじゃないのでね〜……精々多くの苦しみでも味わって貰いますよ」
「ならば我はなるべく苦しみなく終わらせよう」
 意地悪く笑った氷一に、無表情に薙刀使いの男は頷いて。
 己が有利となる多対多の戦いを選ばず、あえて一騎討ちを選んだ男を、氷一は感心したように見つめる。
 けれど己の戦い方を、変える気はない。
「沢山の苦しみと共に、この電光剣で書かれるは苦悶の文字」
 葬の一字が輝く剣で描かれ、男の体に貼り付いて顔を苦悶に染める。
「搦め手か」
 呟いた男が、薙刀を振り回す。一撃、二撃、三撃目は体ごと回転させ、四撃目で足を止める。
 けれど聖職服を大きく斬られた氷一は、薄笑いでそれに応えた。
「そぅれ……」
 二つ目の『葬』は、直接電光剣で胸の上に。
「成程」
 くるりと回した薙刀が、今度は縦に回転して氷一を襲う。
 一撃、二撃。飛沫く赤。
 ついに体に傷をつけられた氷一が、ふっと笑みを浮かべて瞳に手を当てる。
 超高速で流れるのは、身体の限界を引き出す計算式。
「さて、そろそろ全力全開で行きますよ……これから先、今までみたいに楽な一撃はありませんので覚悟して貰いましょう」
「楽しみだ」
 ふっと息を吐いた男の体から、毒が消えていく。
「その前に、立っていれば」
 薙刀を回転させ、男が床を蹴って跳ぶ!

「言っておくがそう簡単にやれると思うな……」
 悠羽が無表情に言えば、やはり無表情で男が返す。
「何合保つか、楽しみに……」
 最後まで聞かないまま、悠羽は男の背後に回り込む。
 そのまま腰を逆から折るような、強烈な蹴り。
「ほう」
 滑るように前に出た男は――胸に沿わせて水平に刀を構えた。
 狙うのは強烈な突き。
「っ!」
 悠羽の刀が、咄嗟に男の刀を跳ね上げた。
 死の翼と名付けられた刀が、主の身を守る。
「注意が散漫だな……隙だらけだぞ……」
 けれどその刀は、名前通りに死をもたらす刀ともなる。
 黒き気迫を、刀身にまとって。
「……ふっ!」
 男が短い距離を詰めて斬り下ろされた刀を、悠羽が刀で受け返し。
「……まだだ」
 そのまま身をかがめ、くるりと低い蹴りを放つ。
 彼らの戦場は、道場の隅に移っていた。
「後はどちらが先に倒れるか、だけだな……」
 薙がれた腹を押さえることもなく、悠羽は刀を頭上に構え体勢を立て直す。
「いざ、尋常に」
 男が振り上げた刀と、悠羽が攻撃に転じた刀が、真っ向から交錯した。

 キン、と澄んだ音が鳴るのは何度目か。
 匕首を白い蟲が舞うナイフで、鉄扇で、リロが受け止めては跳ね返す。
「似たような間合いの武器ですけど使い方は大分違いますしね」
 連撃を跳ね上げたリロが、くるりと体を回した。
 三日月を描いた爪先が、的確に男の喉を抉る。
「成程。真の武器は、脚か」
 次の瞬間、男の右手から匕首が消えたことに、リロが瞠目する。
 そしてさらに一瞬、右の腹に鋭い痛み。
「……甘いですね」
 けれど二撃目が僅かに甘いのを感じ、鉄扇でそれを薙ぎ払う。
 ナイフの一撃、そしてそのまま三日月の蹴り。
「そろそろ行きますよ」
 息もつかせぬ攻勢が始まる!

「その突き、見切ったわ!」
 幅広の武器を盾代わりに、朝霞が敵の突きを受け止めそのまま頭上にかざし。
「屍は屍らしく、消し炭になるがいいわ!」
 真っ赤に燃えたカツオブシは、焼き立ての磯の香。
 真っ向から落とされて、真っ二つになった男は消えた。

 二刀を交差させ、桐音が小太刀を受け止める。
 そこから始まる怒涛の連撃。神薙の刃が薙ぎ、神威が突き刺さり、そして二刀を離して両手を重ね。
「殺されるものか……私の次を、その次を……そんなことはさせないわっ!」
 荒れ狂う水流が、桐音と分身の手を通して男の体を暴れ回り。
 跡形もなく、消し去った。

 魔道書に刻まれた無数の傷に、新しい傷が重なる。
 けれどそれは、さとるが己を、カデンツァを、仲間達を護った証。
 カデンツァが魔力を送る。さとるの指が、魔方陣を描く。
「絶対、負けるものかッ!」
 蒼の一撃が、男の体を時の中に釘付けにする。
 続けて放った一撃は、見事男の体を消し飛ばした。

「……その抗体兵器を潰すほどのリミッターを外した一撃。果たして耐えられますかね?」
 氷一の素手となった拳にまとわりつくは、詠唱停止プログラム。
 気合と共に、真っ直ぐに突き出された拳が薙刀の刃を砕く。
 そしてそのまま、電光剣で喉元を狙って。
「苦しんでる相手に斬り込む外道ですいませんね〜。でも俺の相手は大抵そういう目に逢うのでご理解をっと!」
 突き刺す。
 輝きに血が伝い、男は倒れた。

 蹴りを刀で止め。
 斬撃を受け流し。
 突きを避け。
 そのまま足を蹴り上げ。
「言っただろう……? そう簡単にやれると思うな、と……」
 体力が削れれば、構えを取って回復する。
「……終わりに、しよう……」
 腹を蹴り飛ばした一撃が、綺麗に入って男の体をくの字に折る。
 露わになった首に、悠羽は黒影剣を振り下ろした。

「この、程度か」
 ぐったりと倒れ込んだ紗耶に、男はそう声をかける。
 フィルが慌てて駆け寄るのにも目を留めず、立ち去ろうと振り向いた男の胸に。
 レイピアが、刺さっていた。
「……まだ……まだですわ! 貴方の相手はわたくしよ!」
 引き戻したレイピアとダガーがクロスし、敵の太刀を受け止める。レイピアで斬りかかると同時に、ダガーを男の後方に投げる。
 それに男が、気を取られた瞬間。
「光よ!」
 体ごとぶつかっていったレイピアに、光の槍がかぶさって。
 光の中で、男は消えて行った。

 匕首を弾いた鉄扇を手の中におさめ、リロは笑みを浮かべて地を蹴る。
 蹴りが来るか、と構えた男の虚をついて、背後へ。そのまま鉄扇を頭に、ナイフを腰に叩き込む。
 向き直った男の一撃を――リロは、胸で受けた。
「っ!?」
 深く突き刺さる一撃。けれど、匕首の一撃ならば――知れた威力。
 ダン、と男の頭を、リロの脚が吹き飛ばす。
 三日月の蹴りを終えたときには、男の体はすっかり消え去っていた。

「魔剣士の基本に忠実に行きますよ」
 その言葉通り、体力吸収と回復を駆使した戦いを雷は繰り広げる。
 黒曜を埋め込んだ剣を、黒のオーラが覆い尽くす。銀の輝きを放つ剣で敵の一撃を受け止めて、そのまま踏み込んだ黒曜の剣が。
 綺麗に、男の頭を断ち割った。

「つ……疲れた……」
 倒れ込むSSMの能力者達。だが、大きな怪我を負った者は誰もいない。
 けれど能力者達の心に、いい勝負をしたという感慨が満ちていく。
 確かに強敵だった者達に、彼らは剣で、勝ったのだから。


マスター:旅望かなた 紹介ページ
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知的 ハートフル ロマンティック せつない えっち
いまいち
参加者:8人
作成日:2011/10/17
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