【超拳駆】王道、ジャイアントカンガ・ルー!

<オープニング>


「真っ白に……」
「もえつきたー……」
 マッキと晶が椅子に座ってなんか白くなっていた。
 当時、こういうの流行りましたよね。
「一体何をやっとるんじゃ彼らは」
「浪漫だろうか……ふむ」
 伏姫がフリッカージャブでしゅしゅっとメガリスゴーストを殴り落とし、ユラがげしげし踏みつけると言う妙なコンボで撃破。
 その様子をのんびり眺めていた水無月と紗雪が顔を見合わせる。
「そろそろカンガルーさんが巨大化する頃なのです」
「さて、どうなってるかだな」
「減量のリバウンドでふっくらしてると思うのです」
「……主婦のダイエットじゃないんだから」
 妙な汗をかきながら空を見上げる二人。
 そこには、なんか巨大なカンガルーがいた。
「………………」
「………………」
「ルー」
「「もういたー!!」」
 上からぶち込まれるジャイアント鋼パンチ。
 土砂とともに突き上げられる衝撃。
 晶たちがうわーと言って飛んでいく。
 そんな中、シャコティーヌと竜太は素早く空中反転して着地した。
「まさか、何のひねりも無く巨大化するとは思いませんでした」
「シンプルも意外性の一つってことか……あれ、そういう話だったっけか?」
「ルー!」
 巨大なカンガルが両腕を振り上げてこちらへ襲い掛かってくる。
 さりげなく攻撃から逃れていた連夜がクールに構える。
「さあ、第二ラウンドと行こうか」

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参加者
山内・連夜(葬魔の奏者・b02769)
羽鳴・竜太(暁闇に掲ぐ盾・b16343)
犬塚・沙雪(通りすがりの正義の味方・b38003)
露木・水無月(もふもふ尻尾のお狐様・b43410)
ユラ・セレスト(パラヤーナ・b58838)
シャコティーヌ・メイデン(殴り愛メイド・b65035)
護宮・マッキ(輝速アレグロコンブリオ・b71641)
犬神・伏姫(死人機士団・b77239)
黒紡・晶(黒耀狼・b81114)




<リプレイ>

●ワンパンで地震起こす時点でもう勝てる気がしない
 巨大妖獣、ジャイアントカンガルー登場!
「む、まさかあの拳は……!」
「知っているのか連夜!」
 山内・連夜(葬魔の奏者・b02769)と犬塚・沙雪(通りすがりの正義の味方・b38003)が無駄にシンクロした。
「並の王を超えたカイザーの拳に相応しい。まさかこんな極東に使い手がいたとはな。だが考えてみればカイザーとカンガルーは似ている。ルールーとも似ている気がする。どうやら九つの力が一つになったことで正式な継承者として認められたと言うことか。あとガンガルにも似ている」
「中盤からもうどうでもいいよなその話」
「いや最初からどうでもいいよ」
「ふ……」
 連夜は帽子を目深に被って背を向けた。
 今日の連夜は真面目なフリをした別の何かであるらしい。
「いきなり、ずるい、のー! ふいうち、ひきょう!」
 ぴょんこぴょんこ跳ねる黒紡・晶(黒耀狼・b81114)。
「あきらも、カンガルくらい、でっかくなりたい、のー!」
 よく漫画で見る空中に滞空しながら手足をジタバタやるあのアクションが晶にはできるようだった。
 これをコミカル力場と言う。
 それを横目に頭をかく沙雪。
「今更こんなものでビビらないさね……」
「ここで退くわけにもいかぬしな」
 犬神・伏姫(死人機士団・b77239)が手袋越しに拳をこきりと鳴らした。
「お、今回はシリアスだね」
「元々こういうコンセプトだ。しかしまあ、今回は少し特別なのだよ」
 首をゆっくりと回して、伏姫は村雨丸(ケットシーガンナー)を指で招いた。
 魔力供給完了。地に手を突き森王の槍を出現させた。
「離れるなよ、村雨丸――制圧射撃!」
「ニャ――!」
 二人の攻撃が戦端を切る。
 それに合わせて沙雪が聖葬メイデンを召喚。
「足を止めての打ち合いだってできる。伊達に修羅場は潜ってない!」
「カンガル、おっきくても、まけない、のー! がう!」
 仲間の射撃を受けて軽くのけぞりを見せたカンガル。
 晶は相手に向かって両腕を振り上げると、地を叩いて吼えた。
「いたいの、いくの、よぉー!」
 腕の下から影が伸び、カンガルへと高速で伸びていく。
「ルー!?」
 立て続けの攻撃に思わずたたらを踏むカンガル。
 そんな中……!
「何か巨大化して面倒くさくなったのぅ」
 ユラ・セレスト(パラヤーナ・b58838)がせくしー(だと思っている)ポーズでそんなことを言った。
「私と違って可愛さのカケラもないのじゃ」
 かっこいい(と思ってはいる)ポーズに変更。
 その後ろで護宮・マッキ(輝速アレグロコンブリオ・b71641)がお茶碗を取り落していた。
 信じられないと言う顔で地面を見下ろすマッキ。彼はさっきゅんの方に両手を伸ばした。
「さっきゅん、胸のボタンをかけてややややややや……」
 カタカタ震える指先。
 いや別にサキュバスドールのロリータ具合に打ち震えているわけじゃなくて。
 あとセクハラじゃなくて。
 この依頼を読んでいる全国の小学生の皆、違うんだ! マッキはそんなやつじゃない! パンチドランカーネタと偽って女の子の胸のボタンをスムーズに外していこうなんて思ってるわけじゃないんだ。ちょっと魔が差しただけなんだ!
「あれ、今全国の小学生から冷たい視線を浴びているような……」
「気のせーですよ」
 露木・水無月(もふもふ尻尾のお狐様・b43410)がしゅしゅっとシャドウボクシングしながら答えた。
「あと、さっきゅんが前回美味しい所持ってったことは気にしてないですよ。ほんと」
「…………」
「ほんとにね、全然ですから。太平洋の心持ちで、はい」
 そう言いながら徐々に接近。そして全力で掴みかかった。
「だからその着ぐるみ(カンガル)を脱ぐのです! 視聴者は求めてないですから!」
「――!!」
「何抵抗してるですか! ほら、脱ぐのですよ! 脱げば楽になれるですよ! すっきりしましょう! その内これなしじゃ生きられなくなりますって! もう何が不満なんですか! はあはあ!」
「あれ、何だろう。画面にモザイクがかかってる気が」
「と言うか全体に影がかかってる気がするので……す?」
 とかなんとかやってるそばからカンガル必殺メガトンパンチ。
「うおわー!」
「へうー!?」
 水無月達が回転しながら飛んでいく。
 その様子を眺めて、羽鳴・竜太(暁闇に掲ぐ盾・b16343)は抗議の声を上げた。
「これ明らかに階級違うだろ! 殴り合いの次元じゃないだろ!」
「そうですか? ただの巨大化とは全く芸が無いと思いますけどね」
 シャコティーヌ・メイデン(殴り愛メイド・b65035)がクックックと黒っぽい笑みを浮かべた。
「さて、ここからが本番でございます」
 言うや否やメイド服を脱ぎ捨てる。
 ごすんと地面にめり込むメイド服。
「何だあの重さは!」
「あんな服を着て戦っていたというのか!」
 お約束な反応をする竜太とマッキ(もう帰ってきた)。
 そして服の下から現れたのは、やけにぬめっとしたビキニだった。
「鰻の皮を使った、その名もタコ焼き水着。これならば相手の攻撃も逸れる筈……」
「色気があるんだかないんだか」
「ふむ、準備はできたようだしそろそろ行くかのう」
 それまでシャドウボクシングしながら背景に見切れていたユラがいきなりセンターにスライドイン。
 空中にカンガルのスケッチを描いて突っ込ませる。
「るーるーるー! 前回大活躍のカンちゃん出動なのじゃ!」
「こっちも行くぜ! 足切ってやる!」
 刀を抜いて竜太吶喊。
 と同時にマッキがダンシングユニバースを発動させた。
「さって一緒に踊ろうか!」
「ルールー!」
「るーるー!」
 頭の上で手首を回転させる感じの『ひゅーひゅー』的ダンスを始めるマッキとユラ(何故か混ざった)。
 それにつられて踊り出すカンガル。
 めっちゃ踏み鳴らされる足。
「うおおおおおおお!? 怖えええええええ!!」
 足元で黒影剣していた竜太が半泣きで逃げ帰ってきた。
 拳でくいくいと手招くジェスチャーをするシャコティーヌ。
「覚悟が足りませんね。間合いを測りますからちょっと下がっていて下さい」
 と言うと、周囲に白い粉的なものをまき散らした。
「え、ちょっとこれ……」
「ええ、素敵な白い粉です」
「コムギコダヨネ!?」
「小麦粉か何かです」
「ナニカ!?」
「そしてこれを利用した……粉塵爆発にございます」
「ちょ、おまっ」
「うわあああああああ!!」
 全員を巻き込んだ爆発が起こった。

●良く考えたらカンガルのポケットが全く活用されていない
 巨大化してからそれなりの時間が経った頃。
「むっ!」
 身構えた晶めがけ、カンガルのメガトンパンチが振り下ろされる。
「みきった、のー! ふきゅー!」
 直撃は避けたものの衝撃でふっとんでいく晶。
 他のメンバーも似たようなもので、竜太やユラがぽてぽてと地面を転がっていた。
 そんな中へ飛んでくるマッキ。
 空中で三回転すると両手を挙げ足をそろえて着地。
「10、10、10――10点満点!」
「新体操かっ!」
 沙雪の足払い炸裂。マッキは顔から倒れた。
「なんだよもう。たまには運動神経いいって所をアピールしないとダメだろ」
「お前にそんな一般技能はねえ」
「ぐるる……まけない、の……」
 漫才をしている男達をよそに、晶が両手両足を地面にぐっと食い込ませる。
「がうっ――!」
 四肢を獣のように疾駆させ、カンガルへと突っ込んで行く晶。
 風を強引に切って飛び掛ると、黒影剣をカンガルの膝へと叩き込む。
「かんがるの、ちょーだい!」
「ルー!」
 序盤に竜太の黒影剣が入っていたからか膝が弱っていたようだ。
「ならその足、叩き斬ってやるよ!」
 晶の後ろで抵抗なく接近した沙雪が遅れて跳躍。
「この一刀は星をも薙ぐ――はぁぁぁぁぁ!」
 黒影一閃。膝に致命的な一撃を叩き込む。
「ほらマッキ、運動神経いい所見せろ!」
「よっし!」
 沙雪によって開けられたロードを駆け抜け、マッキが跳躍。
「ファイナルコークスクリューマッキパンツ!」
「パンツ!?」
「……噛んだ」
 ぎりっと唇を噛みしめるマッキ。
 直後、地面を抉るようなカンガルしゃがみアッパーで天の星と化した。
「マッキー! おのれカンガル、人の心が弱ってる時に! これでも食らえ!」
 竜太がカンガルの顔面目がけて蒼の魔弾を撃ちまくる。
 これにはさすがのカンガルも弱ったのか、ずしんと尻もちをつく形になった。
 こうなればあとは駆け上がるだけである。
「残ってるメンバーで援護と直接攻撃だ。水無月、ユラ、まだ生きてるか!」
「美少女は死なん」
 謎のせくしーポーズでこたえるユラ。
 一方、よだれを拭って腰の砂を払う水無月。
「いたた、脱がせることに夢中になってたら吹っ飛ばされたですよ」
「お前何してたの。読者の誤解を避ける為に聞くけど」
「さっきゅんの服をひんむこうと」
「駄目だイメージ変わってねえや!」
 当のさっきゅんはカンガルの着ぐるみ(ベルト追加バージョン)を着てファイティングポーズをっていた。脱ぐ気が無い。
「こうなったら原因の方を倒すのがはやいのです! 天妖九尾穿(てんきゅー)!」
「ふむそろそろ出番か。ひっさつスピスケ乱舞なのじゃ!」
 カンガルに射撃攻撃が加わり立ち上がりを阻止。
 その間を狙って連夜達が駆け込んで行く。
「よく考えたら、吹き飛ばされてもその距離を走って殴りに行けば何の影響もない。むしろ駆け込んだ威力を上乗せできるから遥かに効率がいいと言えよう……はあ、はあ」
「明らかにバテてませんか」
「20mは走ったからな」
「何故そこまでして」
 自分に攻撃が来ないならかかるターン数は同じである。
 まあそれはいいとして。
「ルー!」
 カンガルとて足をとめられただけである。接近してきた相手にパンチを繰り出して吹き飛ばそうと試みる。
 そんな相手に伏姫が突撃。
 砂煙と熱気を噴き上げ、前傾姿勢でダッシュ。
「どうする気だ伏姫」
「何、奴のパンチに我の拳をぶつけてやるだけだ」
「その程度で全体への衝撃は……」
「分かっている。これは意地の問題なのだよ。今日は特にな」
 伏姫、両足でブレーキ。
 パンチのインパクトポイントで停止すると片腕をぐっと引いた。
「しかと見届けよ、村雨丸!」
「ルー!」
 カンガルのメガトンパンチと伏姫の通常パンチが激突。
 途轍もない衝撃が周囲にひろがりすり鉢状の砂煙が舞い上がった。
「ニャ!」
「この不出来な主に、よく今日まで忠を尽くしてくれた。礼を言う」
 ある時はナマコの道連れにし、ある時は共にもふり、ある時はカメラを持たせ、ある時は波に乗り、ある時は身代わりにし、ある時は蜜柑の皮を武器にさせてきた。無茶振りもいい所であった。
「ながら苦労をかけたな、村雨丸よ。休息を許可する」
 伏姫ががくりと膝をつく。帽子を目深に被り直す村雨丸。
 その両脇を、連夜とシャコが駆け抜けた。
「シリアスは終了ですか?」
「冗談を言うな。ここからだ」
 連夜は拳に力を溜めると目を光らせた。
「おれの寿命を乗せることでより強力なパンチとする(ような気がする)」
「……ほう、具体的には何年ほど」
「1発30年だな」
「確実に死にますね」
「望む所だ!」
 連夜はカンガルの膝を踏み台にして跳躍。顔の前まで飛ぶと霧影爆水掌を叩き込んだ。
 30年分の寿命を引き換えにしている(つもり)だけあってカンガルは盛大にのけ反った。
「そろそろ見切れました、空中殺法――いきますよ」
 シャコティーヌが高速回転をかけて飛翔。顔面にローリングバッシュを叩き込むと、そのまま吸血噛み付きにつなげた。
 吹き上がる鮮血。
 盛大な音と共にカンガルは仰向けにぶっ倒れた。
 どこからともなく鳴り響くゴングの音。
 それは試合終了の合図であった。

 こうして、巨大鉄拳妖獣ジャイアントカンガ・ルーは撃破された。
 勇敢に戦った戦士らは静かに、そして厳かに戦場を去った。
 向かうは某喫茶店。目指すはジャンボパフェ。
 運動した後は……甘いものが食べたくなるのだ。


マスター:空白革命 紹介ページ
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楽しい 笑える 泣ける カッコいい 怖すぎ
知的 ハートフル ロマンティック せつない えっち
いまいち
参加者:9人
作成日:2011/09/20
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冒険結果:成功!
重傷者:なし
死亡者:なし
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