≪CANDY@BOX≫ リア充爆発しろ♪ 〜in シュトゥットガルト〜


<オープニング>


 ドイツ連邦共和国、工業都市シュトゥットガルト。
 毎年クリスマスの時期が近付くとこの町は華やかに活気付く。
 地元の家族連れはもちろん、若者から老夫婦、ひいては世界各国からの観光客やバカップルまで、ありとあらゆる人々がこの土地のクリスマスマーケットを楽しむために訪れるという。

 しかし、そんな平和な町にも妙にこまっちゃくれた悪事を企む連中が潜んでいる事を、人々はあんまり覚えていない。というか相手にしていない。

 そう――、彼らは悪の能力者五人組。
「リア充爆発しろ」
 を合言葉に、毎年毎年セコい事をやって自尊心を満足させているのだという。

「ショタは生け捕りにしてじっくりデッサンするのよ……クスクス」
 ――腐女子コミックマスターのアンカ。
「どうという事は無い」
 ――コスプレイヤーの魔剣士レア(美人)。
「刺しちゃうゾ☆」
 ――ガチムキ魔法少女体、太陽のエアライダーケイン(美人?)。
「俺を止められるのはメンテだけ!!」
 ――ザ・ネトゲ廃人、科学人間のハンス。
「ヤ、ヤツが目覚める……!」
 ――日本の学校制度でいうならいま中学二年生、霊媒師ジャコモ。

 彼らのイタズラを目の当たりにした銀誓館能力者CANDY@BOXの面々は、目抜き通りを駆け、広場の端まで敵を追い詰めた。
「もう逃げ場はないです〜! これ以上のイタズラは許さないのですよー!」
 にじり寄る水姫・優希那。敵をぐるりと取り囲んで仲間たちがそれぞれの詠唱兵器をかまえた。
「キミたち……タダの観光客じゃないみたいだね?」
 アンカが胸に抱えたスケッチブックを開きながら優希那に応えた。
「……って、うわヤバッ、ショタっ子がいるんですけど! え、なにこれボク的天国!?」
 土御門・雅連を見てアンカが興奮し始める。
「どうという事は無い」
 レアはそっけない。ロールプレイなのか、素なのか、不明だ。
「アタシはあっちのカレが気になるかもー☆」
 大胸筋をビクンビクンさせながらケインが護宮・マッキを振り返る。
「うわー、八匹か。俺一人でタゲ固定し続けながら削りも担当するしかないな。おまえらのユニクロ装備じゃ盾代われる奴いないし、せめて回復と弱体切らさないように気をつけてくれよ?」
「イグルザム・デーベラ……ハイトス・ザナム……いや、まだだ。まだアレは……ぐうッ!!」
 バッチリ囲まれているにも関わらず神経図太いというか、分をわきまえていないというか、何にせよ彼らはこちらに戦いを挑む気満々のようである。
「こんな悪い子たちはさくっとお仕置きをして、イルミネーションや屋台を楽しむのです〜!」
 ケッ。
「リア充なんか……」

 爆発しろおおお゛〜〜〜っ!!!

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参加者
望月・三樹(高校生ルナエンプレス・b22354)
花屋敷・幽兵(軸のブレは波動・b32720)
裏方・黒衣(デウスエクスマキナ・b57463)
水原・風戯(禍福の風・b64135)
土御門・雅連(虚空に煌めく祈望の灯火・b64610)
小鳥遊・陽太(おひさまといっしょ・b66965)
護宮・マッキ(輝速アレグロコンブリオ・b71641)
水姫・優希那(おちこぼれ妖狐・b73873)



<リプレイ>

●驚きの前半戦
「あぁ? リア充爆発を合言葉だ? 舐めてんのかお前ら」
 いきなり啖呵を切った望月・三樹(高校生ルナエンプレス・b22354)に、アンカはギョッとなった。そしてレアが振り返る。
 独り寂しいジングルベル――。
 街には温かな灯りが溢れているのに、吹く風はやけに冷たい。
 一応、気分だけでもと買って来たケーキをつつきながらちょっとだけ贅沢なメニューを囲み、TV観たりして過ごす気ままな夜も悪くはないな、なんて思った矢先……隣の部屋からラブラブな声が聞こえてきた時のあのやるせなさを――、
「体験した事あんのかテメェら……無音の部屋のほうが寂しくないと思ったことあんのか?」
 鮮明に思い描かれる光景に、レアは強烈なシンパシーを感じていた。
「(ある……)」
「アレですよねクリスマスって。ネトゲのイベントを楽しむのが普通なんじゃないですか? リアルとか別にどーでもいいし」
 小鳥遊・陽太(おひさまといっしょ・b66965)は事も無げに言い放った。
 その言葉に「ほぅ!」と眉をあげるハンス。
「え、何? キミらリア充って訳でも無いとか?」
「そんなもの、『なかった』」
 と、目力一杯に花屋敷・幽兵(軸のブレは波動・b32720)。
「もう少し別の出会い方であれば、友達になれたのかもな……」
 水原・風戯(禍福の風・b64135)は旋剣の構えをとりつつ、ちょっぴり残念そうに言った。
「クリスマス爆発しろって気持ち良くわかります。別に爆発してもいいんじゃないですかねぇ?」
 いっそ爆発しちゃいましょうよ、と水姫・優希那(おちこぼれ妖狐・b73873)が言うので、土御門・雅連(虚空に煌めく祈望の灯火・b64610)も頬を染めながら同調する。
「う、うん、爆発だー」
 チラリと横目で優希那を見る。
「リア獣爆発しろなのです。能力者も人の子です」
 裏方・黒衣(デウスエクスマキナ・b57463)までその様に言うので、このまま仲良く同盟を結……かと思いきや?
「というわけで、心情的には一緒にクリスマス爆破! って思うけど、依頼は依頼。爆発するのはおまえらだ!」
 護宮・マッキ(輝速アレグロコンブリオ・b71641)が綺麗に〆てくれた。……ホッ。
 さあ、観念しろ悪党ども!
 まず狙うは腐女子のアンカ。
「ボクから逃げられると思うな!」
 破竹の勢いで雅連を捕らえようと飛び掛る!
「じゅるるぅ……デッサンさせろぉ〜♪」
「ひ、ひぃぃ!?」
 逃げる雅連を救おうと仲間が動く。盛大にばら撒かれた妄想紙はショタBLのオンパレード。続けざまにスピードスケッチで短パン姿のSD雅連が追いかけてくる。
「えっと、『しばる』ってどんな字でしたっけ?」
 陽太が戦文字を投げようとするが、漢字をド忘れした。
「えっとね、ひなたちゃん、『しばる』っていうのは糸へんに……」
 けれども雅連が教えるより先に陽太はこう書いた。

 糸肉。

「いや、あの……」
 当然、効果は発揮されないワケだが、なんとなく面白チックなのでOK。
 幸い、仲間内に文系の得意な面子が揃っているのですぐ正解を教わり事無きを得たのでよかった。
「フんぎゃっ!」
 どタっ☆ とすっ転んだアンカ。そこへ三樹のアブソリュートルナが注がれる。
「さって、みんな踊っちゃいなよ!」
 マッキが踊ればテンションUP! ケインも肩を揺らし胸をぷるぷるさせながらどんどん距離を詰めてくる♪
「マッキ……綺麗なお前はもう居ないんだな」
 かつての戦友に別れを告げ、幽兵はレアと対峙する。
「うぁ……魔法少女怖いのです……欧州の方々は大きいので怖さ倍増なのです……」
 優希那にはその美しさが耐えられない。
「こいつは魔法少女なんてかわいいもんじゃない。断じて!」
「ああ〜もおぅっ、そーゆうの乙女は傷付くんだぞっ! 訂正しないと、おしりの穴に注射しちゃうんだから☆」
 レアへ向かった幽兵。彼女の美貌を見て言った。
「確かにいい女だ。誇っていいだろう。だが、俺の連れている女の方が上だな!」
 女? 連れている? ……ああ、仲間達の事ね。
「ナのに俺はリア充では無い。なので死ねぇ!」
 燃え盛る焔がバチバチと爆ぜり。
「邪魔だ」
 閃光発するレアの黒影剣とぶつかった。しかし力量の差は明確に表れた。力では押せないと思ったレアは素早く飛び退く。
「この作戦で行く!」
 戦略オプティマイズ。ダークハンド&魔弾乱れ撃ち。しっかりとキャラになりきる拘りを捨てない彼女はまさにマニアだ。
 一方、ハンスを相手取る黒衣と風戯の二人。
「科学は盾ジョブじゃなくてアタッカーなのだぁ!」
 ハンスと黒衣、科学人間同士のぶつかり合い。黒衣が正面なら風戯は横から攻める。
「なあ、『ディスティニーサーガ』は知ってるか?」
「ああン? あんなヌルゲー、俺は最初から興味なかったね」
 風戯の問いにハンスはそう答えた。
 ゲームと自分達に纏わる事柄を風戯は語ってみたが、彼はうんざりした面持ちで聞き流している様だった。
「どうせ集団チートだろウルセーな!」
 イラついた口調でハンスがデモンストランダムを打ち返す。
 綾がそれを受け止め、反撃の隙を作る。黒衣と目を合わせた風戯は剣を大きく振り被った。
 彼と同時に拳を引き絞り、力を溜める黒衣。
「恥かしいと思ったら負けです」
 そして叫ぶ。
『黒蒼合体ブラックファントムストランダム!!』
 二人の連携攻撃が炸裂!
「ふぎ……ナに俺の黒衣と連携してるんだ」
 し(ナントカ)と叫びながら幽兵が割って入って風戯へ嫉妬の紅蓮撃をぶちかました! なんと、仲間割れ発生です!
「温いな……」
 風戯は不敵に笑う。そしてこちらも反撃!
「俺の嫉妬魂一兆度!」
「俺の魂は太陽よりも熱いぜ!」
「君が謝るまで殴るのをやめない」
 突然ケンカし始めた二人の間で黒衣はきょとんとしている。
 そんな中、シカトされたまんまのジャコモが……。
「ぬ、ぬぉおおぉおおぉおあぁ!!」
 ――ついに目覚めてしまったというのか!?
 腕を押さえながら傷付いた戦士のように肩で激しく息をするジャコモ。俺を見てくれと言わんばかりの壮絶なアピールだ。

 しかし、皆は振り向きもしなかった……。

「こ……このままでは! ……ぐあッ!!」
 見えない敵と独り戦い続ける少年ジャコモ。
「ごめんな、手加減とかできないからさ!」
 マッキがヒロイックフィーバーを繰り出せば、ケインも負けじとサンシャインドライヴで対抗。
「フォオ゛オオオオ〜〜オッ!!」
 アンカとハンスが倒れ、レアに皆が殺到する中、マッキは一人で魔法少女の相手を続ける。
 誰もジャコモを見ていない。
「悪くない勝ち方だ……」
 そしてとうとうレアもキャラの勝ち台詞を(負けたのに!)吐きながら倒れた。
 ようやくジャコモがフォーカスされる!
「お前ら……ど、どうなっても知らんぞ」
 何もしてない内からやけに苦しげなジャコモ。まだ彼の強さは計り知れないはずなのに、とてもとても残念そうな相手に思えて仕方無い。
 にじり寄るCANDY@BOXの面々。
 ジャコモは怪しげな指輪が光る拳を突き出し、雑霊弾で牽制。命中した攻撃は雅連の額に傷を付けた。
「花嫁かよ……」
 一行から、深い落胆の溜息が漏れる。
 不必要に重々しい空気を纏い、憤りというよりはむしろ憐憫の匂いさえ漂う。
 特にコメントも無く一瞬で畳まれ、ぷすぷすと煙を上げる燃えカスのようになった。
 嗚呼、ジャコモ。

 ハイスピードで回避困難な魔法の数々に、マッキは苦戦を強いられる。
「そーれ、いっくよぉ♪」
 迫るケインの太陽ぱふぱふ。骨より先に心が折れそう。
 みんなは二人を眺める。
「とりあえず観戦――」
「してないで手伝ってよ!」
 大胸筋の隙間から救援要請するマッキ。魔法少女の迫力に泣き出す優希那。
「くっそ、びくんびくんするな!」
「きゃはっ☆」
「そこのでかい魔法少女、優希那ちゃんを怖がらせたら許さないぞ」
 キッと見据えて石兵天穴を放つ。
 三樹が龍顎拳で殴り付け、残りの栄養ドリンクを投げる黒衣。
「ここで負けたらクリスマスに負けたことになるのです〜。頑張ってくださいですよ!」
 優希那もマッキを応援しつつ祖霊降臨。
 幽兵と風戯はまだ後ろでやり合ってる。
「んもぉぉ〜お! ジャマするなあっ!」
 雨霰の弾丸を降らせるケインの牽制を耐え切り、二人を除いた全員で一斉反撃!
「ひぐぅぅ……いつかゼッタイ仕返ししてやるんだからぁ〜……!」
「本当のリア充爆発しろの怖さ、教えてや……できることなら僕だって知りたくなかった!!」
 これにて無事解決!

●めくるめく後半戦
 戦勝祝いに、まずは乾杯。
「禁断の文庫か……ワクワクするな」
「幽兵様、違いますよぅ〜キンダーブンシュなのです」
「そうですよ金欠文集です。ちゃんと間違えないでくださいよ」
「ひなた、金欠文集なんて日本にもないだろ? 訂正してくれ」
 正解はキンダープンシュ。アルファベットで綴ると Kinderpunsch スパイスを加えたホットジュースのこと。
 ともかく、これはこれで慣れると美味しい。身を切るような寒さにホッと安らぐ温かさ。
「温かいりんごジュースも美味しいのですねぇ〜。スパイスのいい香りもして身体ぽかぽかなのです」
 近くでシュトーレン(菓子パン)も見付けたので陽太と優希那で買ってみんなと分けっこ。マッキが薄く切って食べるんだと教えてくれた。
「シュトーレンは楽しみにしていたのです」
「これでしたら持って帰って皆様と食べても大丈夫ですねぇ」
 陽太も優希那も本場モノを食べられて満足した様子。
 さて、せっかくシュトゥットガルトくんだりまで来たのだから、これは是非ともクリスマス市を楽しんで帰りたい。
 という事で、擬似リア銃でも何でもイイじゃない。くじびきでペア決めようぜ!
 黒衣がチョチョイとくじ棒をこさえれば、まずは雅連を呼びつける。
「え、黒衣ちゃん、どうしたんですか……」
 不思議そうに首を傾げる雅連に、黒衣は目でくじ棒のひとつを示してみせる。雅連は彼女の意図を了解したのか、こっそり礼を言いながら頷いてその一本を引いた。
『ゆきな』
 ハッと息を呑む雅連。そっと優希那を振り返り、ぽっと頬が染まる。
『くろご』
 を引いたのは幽兵。キラリ☆
『ひなた』
 は、マッキ。
『みき』
 と風戯。――これでお膳立ては済んだ。あとは若いもん同士、好きにしなされ……ホッホッホ。

 *

 風戯はデートのマナーに従い、女の子の荷物を持ってあげる。
 三樹も気恥ずかしさはあるものの、ここで客観的になっては相手にも悪いのでなるべく楽しむ努力をする。
 道行く途中で通り過ぎる食べ物屋台に風戯は気持ちを吸い寄せられる一方、三樹は小物などが並ぶ一角を見付け、彼を伴って歩き回る。
 クリスマスにちなんだ可愛らしいぬいぐるみのお店に、三樹は気に入りそうな物を見付けた。
「ねぇねぇ! コレかわいい〜。お揃いでどうかな?」
 はしゃぐ三樹。今まで見た事もない彼女の笑顔が風戯のそばにあった。
 クリスマス、三樹とお揃いの――。
「……とか」
 急に顔を赤らめて風戯から目を逸らす三樹。少し瞳が潤っているのは気のせいか……。
 あれ、おかしいな。
 なんか……だんだん妙な気分になってゆくぞ……?

 *

「ひな超レディなんでしっかりエスコートするのです。あと英語話せませんのでしっかり値切るのです」
 どさどさっとマッキに荷物を預け、陽太は意気揚々と歩き出す。女王様気分の陽太にマッキはとことん付き合ってあげた。
 アッチへふらふらコッチへふらふら、陽太は興味の赴くまま何処ヘでも向かった。お陰でマッキも初めてのドイツで沢山美味しい物と出会えた。
「思ったよりうまい物あるなあ」
 二人とも楽しんだ。
「ソーセージとかもいいけど、アイスバインがおいしいんだよ」
 塩漬けにした豚のスネ肉を使った料理。マッキはこれが食べてみたいと言った。二人は地元民で賑わうとあるパブへと入り、そこで目当ての物を注文した。そこかしこでぼてっ腹のおじさん達がビール片手に談笑している。
 そんな賑やかな雰囲気もヨーロッパらしくてなかなか悪くない。
「えへへ、楽しいですね」
 目の前には肉を頬張る陽太の無邪気な笑顔。

 *

「さあエスコートしてやるぜ!」
 張り切る幽兵に、黒衣は高台広場のライトアップを見に行きたいと所望した。
「荷物持ちとかやってやんよ。擬似だけでも味わい尽くしてやるぜ」
 道すがら黒衣は持参したカメラで町の様子をフィルムに焼付けてゆく。活気溢れる市場に集う人々の陽気な顔、町を包むような熱気……眩い電飾がキラキラと移り変わり、黒衣を照らす。そんな彼女の嬉しそうな姿を幽兵は心の一眼レフで撮影する。
 高台付近には小さいながら観覧車も設置されていた。どこかで見覚えのある顔を見たような……?
 それはともかく、高台からの眺めも華やかで楽しげだった。二人はしばし無言で旅の醍醐味を味わう。
「折角なので一緒にどうですか」
 そう言いながら手にしたカメラを揺すって見せる黒衣。ツーショットで写真を撮れるチャンス到来だ!
 幽兵はニヒルな笑いを浮かべながら承諾すると、近くの人に頼んでシャッターを押してもらった。
 二人ともいい笑顔だった。

 *

「家族やお友達にお土産買いたいのですよぅ」
 優希那がそう言うのであれば雅連に異論はない。耳まで赤くして言われるがまま付いて行く。そして行く先々で笑う優希那を雅連はじっと見詰めているだけで幸せだった。
「あ! あの焼き菓子美味しそうなのです〜。あちらのソーセージも美味しそうなのですよぅ。一緒に食べませんか?」
「うん、食べよう食べよう」
 誘いながら気持ちが急く優希那の手が不意に雅連を掴んだ。
「あっ……」
 焼き菓子でもソーセージでも、何でも食べよう。
 優希那ちゃんと一緒なら何だって、何処へだって。
「美味しいですねぇ〜♪」
 優希那ちゃ〜〜〜ん……。(ぽっ)
 ああ、なんて幸せ……ありがとう黒衣ちゃん。僕、がんばるね。

●まさかの延長戦
 リア充爆破で酷い目に遭えば良いと思ってたはずなのに。
 気がつけば隣に女の子がいた。
「異国の夜景と言うのは……やっぱり日本と違う感じがしますね」
 彼女の瞳に町の灯りが反射して、まるで宝石のように輝いている。
 ここは高台の上にある小さな観覧車の中。
 ぎっこんぎっこん音を立てながら観覧車は空中を旅する。ひととき町の喧騒を見下ろしながら二人は別の世界へ放り出されることに。
 隣でいま彼女が夜景がどうだとか言った内容はよく聞こえなかったけれど、ひとまず彼はウンと返事をする。
「綺麗……」
 彼女の少し掠れた小声に、生唾を飲み込む。
「………」
 ドキドキドキ。
「………」
 ドキュンドキュンドキュン。
「………」
 こ……、これがリア充……っ!!?

 *

 ありがとうクリスマス。
 そしてありがとう、シュトゥットガルト!


マスター:楠司志雄 紹介ページ
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参加者:8人
作成日:2011/11/15
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