何をやってもエロイズムに変換される羞恥プレイ参加者募集。


<オープニング>


 何の因果で電気も通っていない旧校舎で蔵書探しをしなきゃならないのかしらん、とバリバリギャルギャルな女子高生アケミはため息を吐いた。
 そもそも何の因果で図書委員なのか。
 くじ引きで負けたからである。
「あーもう靴めっちゃホコリまみれだし! そもそも一回捨てるって言った本の中から『やっぱり持ってきて』とかありえねーしー」
 ずかずかと書庫に踏み込んだアケミが、ホコリまみれの脚立をひっぱり出す。
「けほっ、こほっ……やだー、マジ必要なものならちゃんと運んどけってのー」
『……見た目明らかにギャルなのに口をちゃんと押えて咳をするところが育ち良さそうでギャップエロス……』
 何か聞こえた気がしたがアケミは気にしない事にした。
 超常現象は信じない主義である。
 覗き見だったらフルボッコすればいい話である。
「よーいしょっと……」
 無造作に脚立に昇っても、最上段の本には中々手が届かない。
『セーラー服からの背伸びして脇チラテラエロス……』
 今度は明瞭に聞こえたのでアケミは若干気にすることにした。
 辺りを見回しても、誰かが見ている様子はない。
 けれど念のため、とスカートを押さえながら、なんとか本へと手を伸ばす。
『ふへへへ押さえたスカートから覗くスパッツエロス……!』
「!?」
 不気味な声の出所を、アケミは咄嗟に悟った。
 下だ――!
「覗き魔は死に晒せエエエエエエエ!」
 迷うことなく脚立から飛び降り、踵を向けるアケミ。
 ごぶぐしゃ、とイイ音が――しない。
『はぁ、はぁ……スパチラからの踵落としマジご褒美……エロス……』
 恍惚の表情を浮かべるのは、モーニングコートにステッキ、カールした口髭がお洒落な中年ダンディ。
 いかん食われる敵わんこいつは何か恐ろしいものだ。
「変態ぃぃぃぃぃぃ!!」
 そう思った次の瞬間、アケミは素早く窓から身を翻していた。
 幸いここは一階である。
『ハァ、ハァ……恥も外聞も捨てて逃げるマドモアゼルの絶対領域エロス……』
 窓枠へと這い寄ったダンディは、あっという間に小さくなるアケミの姿を幸せそうに眺めていた。

「うむ。潰して構わん」
 サトウキビのジュースとオレンジジュースをマドラーで混ぜ、穂村・勇史(高校生運命予報士・bn0292)はトンとグラスを差し出した。
「『ギルティ・ヴァーディクト』だ」
 有罪判決。
 まぁ明らかにセクハラだよね、と能力者達は頷く。
「地縛霊は、ある高校の旧校舎に現れる。じきに残された荷物も新校舎に運んで解体する予定で、それまではほとんど人の訪れもないんだが、作業の時に地縛霊が現れても困るからな」
 まだロクな被害が出ていない今のうちに倒してほしいと、勇史は能力者達に告げる。
「旧校舎は特に見張りもなく、簡単に入ることができる。そして地縛霊の出現条件だが……」
 そう言った後、勇史は思わず眉を寄せ、こめかみを揉み解してから告げる。
「地縛霊は旧校舎全体を自分のテリトリーとしており、『地縛霊がエロスを感じる行動』を行うとその人間の元に現れる。そして地縛霊のエロススイッチは非常に発動しやすい」
「要するに何をしてもエロく取られるってことですか」
「うむ。しかも解説付きで」
「帰っていいですか」
「帰らないでくれ頼むから」
 ちなみに地縛霊はダメージを受けると一度消え、再びエロいシチュエーションが発生すると現れる、という性質を持つ。
 体力は高い。
 あと今回見た運命予報では幸い発動しなかったが、一応一般人が一撃で死ぬくらいの攻撃は持っているので注意してほしい。
 スカートめくりとか。
「一撃で一般人が死ぬスカートめくり……」
 どういうことだってばよ、という顔をする能力者達から、勇史はそっと目を逸らした。

「このまま放っておいては、いろんな意味で被害者が発生するだろう。それを止められるのはお前達だけなんだ。頼む、何とかしてくれ……!」
 必死の形相で頭を下げて、勇史は能力者達を送り出した。

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参加者
獅子谷・銀子(ライオンハート・b08195)
茂木・筑波(小さくても大丈夫・b08374)
日生・結希(晴れときどき雪女・b45294)
水走・ハンナ(清貧少女は吸血鬼・b46874)
八重咲・凛々花(月夜に咲く桜花・b51904)
冷泉・響杷(凛・b52391)
緋上・花恋(アルテミスの幻影・b74280)
山吹・和泉(氷柩に眠る・b80345)
風薙・葉月(神なる蟲の巫女姫・b83330)
雨月・なずな(追憶の音を紡ぐ翠雨・b84403)



<リプレイ>

 ある暑い夏の日のことだった。
「ただでさえ暑いのにろくでもないゴーストだね」
 獅子谷・銀子(ライオンハート・b08195)が思わず胸元ぱたぱたしたくなるくらい暑い日のことだった。
 したら絶対地縛霊来るけど。
「意味不明なセクハラ発言もスカートめくりも酷すぎ」
 めくられたくないのでしっかりショートパンツで防御。
「暮らしの中で多少の色艶は必要やと思うけどな。でも、やりすぎはあかんねんで」
 同じくめくられ対策のデニムのミニスカートで、茂木・筑波(小さくても大丈夫・b08374)がこくと頷く。
「これで平凡な日本女子やわぁ」
 隣ではやり遂げた顔で、八重咲・凛々花(月夜に咲く桜花・b51904)が胸元をぱたぱたしていた。
 ジャージ上下、サラシ、ボサボサ黒髪カツラ、黒のカラコン。
 こう、今の時期修羅場の人達を髣髴とさせる感じだった。
「これでエロス発言できるならしてみぃ……ってメッチャ暑!」
 そしてそりゃもう暑かろうって感じの格好だった。
「なんか……こう、悪寒がする」
 冷泉・響杷(凛・b52391)が暑がっていいのか寒がっていいのか微妙な顔で呟く。
「ひらたくいうならおんなのてきだー、みたいな」
 男でも発動するのかは知らない。
 あんまし知りたくない。
「エロはあたしも好きだけど……腐女子的エロならね!」
 おや、ここに知りたい人がいた。
「でも、女の子のチラリズムにエロを感じる心境はよくわからないかな」
 緋上・花恋(アルテミスの幻影・b74280)の鞄からは肌色比率の高そうな本(ぜんねんれいたいしょう)がチラリズムしているわけだが、そこはみんな突っ込まないでおいた。
「結希ちゃん、着物だけど大丈夫……」
「ちゃんと着ていますからだいじょうぶですよー」
「ストーップ!」
 すごい無防備に着物の裾をめくって見せた日生・結希(晴れときどき雪女・b45294)の前に、慌てて花恋が滑り込む。
 襦袢着てるから大丈夫ですよーと後ろから声がするがここは紳士的に他のお嬢さんにカメラを移す事にしよう。
「変態死すべし。以上」
 おっと。
 ジャケットの下に黒いTシャツと、ボロボロになったジーンズという出で立ちの水走・ハンナ(清貧少女は吸血鬼・b46874)が早速誰か踏んでいた。
『ハァ、ハァ……襦袢の隙間から覗く足首萌え萌え……』
 ああ、うん。
 地縛霊だった。
「まあこれの生前がどんなのだったかは一度見てみたい気もするわね。これまで実際に会った凶悪犯と比べてどれだけギャップがあるのか……」
 呆れかえるのは目に見えてるけど、と呟いて、さくっとハンナはノーブルブラッドで強化してさくっと戦文字『草薙剣』を超至近距離で叩き込んだ。
『げふぅ!』
 とりあえず消える地縛霊。
『……いやんダメージジーンズの隙間から見えそうで見えな』
「ええいこの変態が!」
 そして現れる地縛霊。
 だってほら、なんかダメージジーンズ状態でめっちゃ見えそうで見えないんですもん。
 でもわざわざハンナに踏まれる位置に現れるとか……へ、変態だー!
「いっつも思うけど、このスカート、スリットからパンツが見えないか、心配だなー」
 再びハンナの全力草薙剣を受けて消える地縛霊を挑発すべく……か天然か、花恋がスカートを手で押さえる。
「今日はシルクの白いパンツ履いてきてるから、ある程度は見られても大丈夫だけ」
『普通の制服の下に高級感溢れる秘密の花園……そう、それはPA・N・CHI・RA!』
「きゃああああ!?」
 思わず足元にクロスシザーズをぶっこむ花恋。
 見えるか見えないか微妙な位置にいた地縛霊が鼻と口から血を吐く。
「……変態地縛霊か」
 合わせて白燐侵食弾を放った風薙・葉月(神なる蟲の巫女姫・b83330)が、目を閉じる。
 一瞬後、開く。
「……うむ、殺すのじゃ」
 だって今日はうっかりちょっと派手な下着を穿いて来ちゃったからズボン引き下ろされちゃうみたいな真似されるとすんごくまずい。
 とってもまずい。
『……体操服の隙間から見えそうで見えない派手な下着どきどき』
「死に晒せぇぇぇぇぇぇ!」
 柱の影からめっちゃチラ見している地縛霊に、葉月は凄まじい勢いで白燐侵食弾を叩き込んだ。
「うわ、凄い変換能力だよね……」
「想像力……いや、妄想がたくましい地縛霊だね。わからなくもないところもあるんだけど」
 響杷がひそひそと呟き、雨月・なずな(追憶の音を紡ぐ翠雨・b84403)がうんうんと頷く。
「何やってもっていうの節操無しだよね」
「何やってもっていうか」
 響杷の言葉に、山吹・和泉(氷柩に眠る・b80345)が苦笑いを浮かべる。
「でもチラリズムは分かります!」
 あれ、この子敵に回ったかな、と一瞬みんなが振り返った。
「短パンの裾から見える太腿の奥は見えそうで見えない、真なる絶対領域だと思う。詰襟からのぞく鎖骨とか、裾が上がった時の脇チラ。あと半袖の裾から見える垣間見える、脇とか二の腕とか。ぁ、ノースリーブもいいよね。収まりきらなかった胸が脇からのぞいてる人いるよねー」
『同志!』
 気づいたら地縛霊が目の前にワープしていた。
 多分攻撃受けたようだ。
「Yes!」
 がしっと握手を交わす地縛霊と和泉。
 みんなはそっと攻撃アビリティを用意した。
 真ケルベロスベビーのカロンがどっちに味方していいのかおろおろしていた。
「でもこの地縛霊は、セクハラ以外の何者でもないので、とっとと逝ってもらいましょうかはっはっはー」
『ぎゃふん!』
 手を繋いだまま蒼の魔弾をぶっ放す和泉。
 吹っ飛ぶ地縛霊。
「ん、みんなどうしたの?」
 そっとみんなは攻撃アビリティをしまった。
 冷たい視線はちょっと隠しきれなかった気がした。
「色んな意味で人を傷つけることを考えたら倒さないとね」
 誰を倒すのかは明言しないまま、なずながそっと拳に共鳴振動波を宿す。
「にしても変わったスカートだね、これ。着るならスパッツとかタイツは必須かな」
『スリットがあると思って覗き込んだらスパッツだった時の高揚感はいじょうふ!?』
 静かになずなは振動波付きの拳を叩き込んでおいた。
「がっかりじゃなくて高揚感なんだ……」
 萌えって深いなぁ、となずなは遠い目をした。

「しかし暑いねここ」
『ペットボトルの中身を口に流し込むときの首筋エロスぅ!?』
「えっちなのはいけないと思います!」
 爽やかにペットボトルを傾けていたので反応が遅れた銀子に代わり、結希が踏み込んで結晶輪を叩きつける。
「日常の何気ない仕草がとっても綺麗だったり艶っぽくって、思わずドキってしてしまったり、きゅんってなってしまうのはすごく解ります……でもそこからのセクハラはダメです!」
 ぐぐっと結希が結晶輪を両手に握り込む。
「そういうものはそっと愛でるもの! 不意打ちで見えるのがいいんですっ!」
『お嬢さん知っているか』
「ひゃぁん!?」
 耳元で囁かれて結希は思わず飛び上がる。
 同時に脚を襲う涼しげな感触。
『自分で得たパンチラはそう! 戦利品! 戦利品なのだよけけけいいヒップライんふ!』
「あぅーっ! はぅーっ! えぅーっ!」
 赤面涙目で結晶輪ぐるぐるパンチ状態の結希を相手に勝ち誇る地縛霊に、蒼の魔弾が突き刺さって消滅。
 仕事人の顔で手をはたく銀子。美しき仲間愛である。
「ふぅ、少しはマシになったわ」
『学生ジャージからスーツになる女の子マジ大人の階段上ってる! きゃー!』
「アンタが消えるまで、斬り刻むのを止めない!」
 イグニッションしてスーツ姿になった凛々花が、凄まじい勢いでスラッシュロンドを繰り出す。
 こう、夏の祭典でキャラを知らないでナンパ目的で声をかける男とか、チアを不純な目で見る男とかそういうのに対する怨念を込めて。
 退魔呪言突きじゃないよ本当だよ。
「解説の和泉センセイ、今のはどうでしょうか」
 そしていつのまにか筑波が和泉にマイクを向けている。
「大人の階段上るというのはですね、人に従う学生時代から自立する大人へ、さらにスーツの女性というのはキャリアウーマン、人を従える立場への転換とういことですね。つまり加虐嗜好から被虐思考への移り変わりを表しているのではないでしょうか」
 完璧な解説を繰り広げる和泉センセイ。
 完璧に変態って意味では多分ないと思う。
『……ふとももー?』
 かと思ったら地縛霊が筑波の太腿に暑い、いや熱い視線を送っているではないか!
「こっちくんな、ド変態!」
『デニムスカートの硬さと変態罵倒の潔癖さはイイ組み合わせですそこにミニというお色気要素が加わって最高に見えー!』
 ずばずば突き刺さる尾獣穿。
 嬉しそうな地縛霊。
 思わず冷静にと己に言い聞かせ深呼吸し、ハンナはガンナイフを握り直す。
 大きく振るい、草薙剣の三文字を――、
『デカァァァイ説明不要! むしろ扶養精神に溢れた大きな』
「このドスケベ! ドエロ! ド変態! 最終日東館壁際!」
 ちなみに何故最終日かって言うと、問題が発生した時に被害を最低限に留めるためなんだって。
 何がとは言わないが。
 冷たい目を三たび踏まれている地縛霊に向けながら、響杷がそっと萌える拳を握り締める。
 違った。燃える拳を握り締める。
『そう下を向くと着物の隙間からうなじが綺麗なラインを描くんだよお嬢さん!』
 後ろに邪な気配を感じて勢いよく振り向く響杷。
 地縛霊が手でハートマークを作っていた。
「こっちくんな俺の目の前に姿を見せんな馬鹿ー!」
 鼻息が吹きかかる前に響杷は全力のプロミネスパンチをぶっ放した。
「男の子のチラリズムでエロ、感じようよ! ほら、あたしの秘蔵のBL本!」
 そこに後から花恋が詰め寄る。
「こう、短パンとかTシャツとかいろいろチラリするとこあるじゃない!」
 地縛霊は、真面目な顔で同人誌を見つめ――口を開いた。
『いいのか、俺はBLでもホイホイ妄想しちまうオトコだぜ?』
 あ、こいつヤバイと危機感を露わにするみんな。
「OK!」
 そんなことにはお構いなくぐっと親指を立てる花恋。
 それが油断だった。かもしれない。
『しかしBLを語る時のキラキラと腐った瞳は百万ドル! 嬉し恥ずかしカーテンで仕切られたコーナーに初めて足を踏み入れたその日を思い出させ』
「があああああ!」
 顎に指を引っ掛けてくいって感じにされたので、思わず花恋は叫んで噛み付いた。
 吸血噛み付きである。
「萌えるなら男の娘にしなさぁい!」
 そして同人誌を開いて叩きつける。
 最初はまるで女の子だったけれどこんなかわいい子が女の子のはずがない感じのストーリーである。
「エロは国境でなくて、性別も超える!」
 ぜーはーしていた花恋が我に返り、「って、あたしのBL本、破っちゃいやん!」と慌てて皺を伸ばす。
「君は今までに食べたパンの数を覚えているか。そう、今までにいただいた萌えシチュエーションの数は無限大……」
 後ろからぐっと和泉がガッツポーズ。
 そっと遠い目をしたカロンが、現れた地縛霊を爪の一撃で吹っ飛ばしていた。

「絶対にあんなことやこんなことをされぬように、地縛霊には接近されぬようにしないと……」
 スカートめくりを防止すべく全力弾幕を張る葉月。
『知っているかいお嬢さん、技を出すたびに中に入れていない体操服の上着がチラリズムしてちょっとシタチチが見えそうに』
「好きで大きくなったわけじゃないわー!」
 匍匐前進してくる地縛霊に、容赦なく葉月は白燐侵食弾をぶち込んだ。
 消えた地縛霊がなかなか出てこないので、なずなは解いていた長い髪をかき上げ、一つにまとめる。
 ヘアゴムを口に咥えて。
『このうなじと脇と唇が同時に堪能できるというポニーテールシチュエーションを考えた人は天才だと思いますバンザ』
 げしげしげしげしどす。
 素早く髪をまとめ、なずなは全力で地縛霊をレゾナンっておいた。
『ふぅ……だが満足するにはまだまだエロ力が足りない!』
「ひゃう!?」
 消えた地縛霊にほっとしていた結希の帯を、いつの間にか地縛霊が掴んでイイ笑顔。
『良いではないか良いではないか〜!』
「あ〜れ〜!」
 帯を解かれてぐるぐるしながら必死に結晶輪で地縛霊をビンタしまくる結希。
 回すたびにビンタされつつすげぇ嬉しそうな地縛霊。
「お〜っと、ダメージを受けた筈なのに喜んでいる! タイヘンなヘンタイです!」
「うむ。被害者に対する絶対優位を背景にした日本の悪代官文化と、弱い立場の者から加虐を受けるという欧州変態文化の融合が今ここに……」
 感無量といった様子の筑波・和泉コンビ。
『そして妙齢のお姉様のショートパンツはイケナイ魅力……』
「ッ!」
 真っ赤になった顔で銀子が蒼の魔弾を連射する。
 ちょっと離れた位置から肘をついてルンルンポーズしていた地縛霊が悲鳴を上げて姿を消す。
「皆、大丈夫……?」
 主に大丈夫じゃなさそうな結希を、そっと背中で庇う響杷。
『ヘイYou! スーツのスリットはこのためにいひゅう!?』
「パンツやないから恥ずかしくないもん!」
 その隙に後ろから現れて勢いよくスカートめくりした地縛霊から、凛々花は凄まじい勢いで体力を吸い上げた。
「ちゅうか、アンスコチラ恥ずかしがってチア部の部長が出来るか、この変態!」
 肩で息をしながら凛々花が地縛霊を睨み付ける。
 地縛霊が素敵な笑顔で親指を立てた。
『濃紺の、五段レースフリル……』
「――っっ!!」
 鮮血が再び逆十字に舞い上がった。

 ――やがて。
 響杷はクールは顔で教室の窓から空を見上げた。
「私、この地縛霊嫌いだ……」
 現実逃避したいところだがまだ地縛霊は消えていなかった。
『ふふふ教室から空を見上げて物や思うと人の問うまで』
 投げ縄が横から地縛霊をぶん殴る。
「……本当にもう、何じゃろうじび精神的に疲れる依頼は……」
 最後の白燐侵食弾がぽーんと地縛霊をぶち抜く。
「これだけ大勢の可愛い女の子たちが来てくれたのよ。充分でしょ」
 観念して消えなさい、と銀子が現れた地縛霊が口を開く前に魔弾をぶちかます。
 ガッツポーズに似た姿勢から胸の前に腕を振り下ろす動作を繰り返しながら消えて行く地縛霊に、とりあえず響杷はもう一発投げ縄をくれておいた。
「えーと……お休み、永遠に」
 ルールーもいないからもう復活とかしないだろう。
 多分。
「ところで、ドMの地縛霊にとって自分が消滅するようなダメージって、究極のご褒美なんやないやろか」
 筑波の言葉に、みんながはっとして。
「……そのまま一生寝ててよ」
 一斉に溜息を吐いた。

「地縛霊はのーかうんとですよね……?」
 光を失った目で結希が呟いた。
 うっかりヤンデレ化してもちかたないねって感じだった。
「夏の祭典の会場とか、あんなのが何匹か出てへんかねぇ」
 凛々花がはぁ、とため息を吐く。
 ところでイグニッションを解いたらすごく暑そう。
「ある意味すごい地縛霊だったね……」
 できれば出てくるのは二度とごめんだけど、となずなが息を吐く。 


マスター:旅望かなた 紹介ページ
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知的 ハートフル ロマンティック せつない えっち
いまいち
参加者:10人
作成日:2012/07/29
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