ぼくはヒーロー


<オープニング>


 それは、一人の少年が転校生としてやって来た事から始まる。小学六年になったばかりの浩樹くんは、元来口数が多い方ではない。
 それに、本当は少し寂しがりやで小心者なのだ。
 ところが、転校三日目……。
「先生、浩樹が大変!」
 担任の若い女性教師は、生徒からの報告を受けて教室に駆け込んだ。そこで見たのは、転がって気を失った同級生の少年と無傷で立ち尽くす浩樹の姿であった。
 倒れている一人は、いつも女子のスカートめくりをしている少年、寛太である。幼い頃から武道を習っているから、誰にも逆らえないのだ。
「どういう事、浩樹くん!」
「……むかついた」
 ぽつりと浩樹は呟いた。
 仮にも武道を習っていた寛太を、一撃で昏倒させたというのだ。その日から、浩樹は一躍ヒーローになった。
 浩樹、オモチャを取られたから取り返して。
 浩樹、怪しい大人がいるから一緒に帰ろう。
 ヒーローになってから、友達ができた。転校したばかりで寂しかった浩樹にとっては思わぬ贈り物であったし、学校が楽しくなった。
 浩樹が怒鳴れば、誰も逆らえないのである。
 機を同じくして、学校内では様々な異変が起こりつつあった。浩樹の耳には『透明人間の噂』と『学校のおいなり様の狐』の噂、そして『音楽室の主』。
 浩樹はこの学園のヒーローだ。
 だから、この怪事件だってヒーローが解決するんだ!

 静かに扇・清四郎の話を聞いた毒島・修二は、こくりと頷いた。
「嫌いじゃねェがな」
 毒島は、少し笑っているようだった。
 扇はすうっと息を吐くと、扇子を開いて仰いだ。
「先の戦い、本当にご苦労様。そしてお帰りなさい。……帰り早々だけど、いくつか事件が起きている」
 事件は全て、世界結界が損傷した事にあった。
 これにより各地で異変が起こっているが、その影響の一つとして新たな能力者の覚醒がある。扇が示した小学校でもまた、新たに能力者として覚醒した生徒が事件を起こそうとしている。
 浩樹という少年をはじめとした四人である。
「四人は小学生で、一人は浩樹という名前の少年だ。転校早々青龍の力を使って学校で一躍ヒーローになったらしくて、学園内の事件を解決するんだとやる気になってる。だけどこの怪事件、いずれも能力者の子供の仕業だ」
 『透明人間の噂』は魔剣士かシルフィードであると推測される。学園内でスカートめくりをする透明人間というが、どこかで聞いたような話だ。
「そいつはもしかして、寛太とかいうガキじゃないのか? なんで同じクラスの浩樹が気づいてないんだ」
「自分も能力者だから寛太のことが見えるけど、皆が見えてないとは思っても居ないんだよ」
 毒島に扇が答えた。
 『学校のおいなり様の狐』は学園の横にあるおいなり様の社に出る、狐。どうやらこのお稲荷様をとても大事にしているようで、放課後はいつもここに居るらしい。
 最後は『音楽室の主』。いつも放課後でピアノを弾いているが、その歌を聴くといつも眠くなってしまうのだという。そして目を覚まして音楽室にたどり着いた頃には、すでに誰もいない。
「じゃあ、この四人を見つけて連れてくればいいんだな」
「そう。ただ、彼らはまだ力がどういうものなのか分かって居ないし、ただ便利な超能力をゲットしたぜ位にしか考えてない。だから、君達は先輩として、教師としてきちんと諭して連れてきてあげて」
 くれぐれに、下手に警戒されたりしないようにと扇は付け加える。
「毒島は実際に教師なんだし、練習試合の申し込みに来たとかで学校敷地内に入るのは可能かと思う。四人とも夕方しばらくは学園内にいるようだし、何とか学校に入り込んで接触してほしい。まあ、皆居場所はだいたい把握してるから探すのは難しくないとは思う。近づく時に警戒されなければ、ね」
 最悪、この四人を強引に連れ去ってでも良しとする。しかし学園に向かえる以上、出来るだけ穏便に来てもらうのが一番である。
 今後彼らは次々生まれ、そして第二世代として成長していくのだから。

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参加者
日下部・砌(ファントムステップ・b01206)
嘉納・武道(柔道先生・b04863)
美坂・真也(ナイトブレイカー・b06015)
芦夜・恋月(縛鎖の中で足掻く狗・b10866)
高屋敷・鉄平(マニアックシンガー・b21031)
プリス・ベルグランデ(吸血幼女・b47961)
鋼・正義(豪華絢爛フルメタルカイザー・b80883)
根・清白(孤高たる撫子・b82810)
NPC:毒島・修二(紅龍拳士・bn0013)




<リプレイ>

 フェンス越しの向こう側で駆け回る子供達の声を聞きながら、日下部・砌(ファントムステップ・b01206)は音もなくフェンスの扉を閉めた。
 鍵もない扉は単に校庭とその外側を区別するだけのものであり、侵入者対策といったものではなさそうである。
 比較的治安の言い場所なのか、学校側が暢気なのか。それは、こちらとしても都合の良い事ではあったが。
 砌の後ろから、一匹の小さなネコがするりと着いて入った。
 砌は周囲を見回し、障害物もなく比較的広い場所だなと呟いた。ほんとうに小さなお社ではあったが、古い幟が二つ風に揺れていた。
「綺麗にしてあるじゃないか」
 うっすらと目を細め、砌は言った。
 ここなら合流場所として都合が良さそうだ。砌はネコ……美坂・真也(ナイトブレイカー・b06015)を連れて、その場を後にした。

 さて、交流試合を名目に入り込んだはいいが、3人は愛想のいい教員に連れられて校内巡りをされられていた。
 ここ最近増えた新たな能力者の騒動は、各校に少なからず影響を与えているのかもしれない。3人は教員という立場で改めて能力者事件に関わり、今後の能力者達の指導というものを感じさせられる。
 ともあれ、プリス・ベルグランデ(吸血幼女・b47961)を探すという名目で学校案内を抜け出した毒島・修二(紅龍拳士・bn0013)と違い、抜けだしそこなった芦夜・恋月(縛鎖の中で足掻く狗・b10866)は修二と合流せねば……ときょろきょろと不審な態度で見回す事になったし、嘉納・武道(柔道先生・b04863)も武道でお社の方へと行かねばならないのだが。
「……ほら、早くしなさい!」
 小声で恋月が肘鉄をくらわせると、武道は慌てて丁重に案内を教員に申し出たのであった。慣れないスーツの襟元のボタンを外し、武道はその場を離れながらほっと息をついた。
 修二がジャージ姿なら、スーツなんか着てくるんじゃなかった……。

 シンプルなスカートをひらひらと舞わせながら、プリスは見知らぬ校舎を歩き回っていた。今日は大人しく、お淑やかに。
 プリスは新しい能力者と出会うのを楽しみにしながら、先輩らしく振る舞おうと誓った。なんせこれも先輩の勤めであるからして、第一印象が肝心である。
 教室はこの辺りだろうか、とドアプレートを見ながらプリスは確認して笑顔を浮かべた。もし寛太がスカートめくりをしているなら、女子の悲鳴がどこかから聞こえてくるはずである。
 注意深く耳をすませるプリスの耳に、案の定甲高い悲鳴が聞こえてきた。
「そこか!」
 小さく呟くと、プリスは素知らぬ様子でその女子の方へと歩いていった。スカートを抑えて見回す女子生徒のそばにいき、不安そうに見回すプリス。
「また、透明人間ですか?」
 くすくす笑いながら寛太が駆け出すと、その方向へと気付かぬふりで歩いて近づく。ほらほら、スカートはここですよ、とプリスは背を向ける。
 無警戒に背を向けたプリスのスカートをパッと寛太が捲った瞬間、プリスは動いた。相手が反応するより早く、その手をがっちりと掴んだのだ。
「透明人間、捕まえた!」
「な……な、えっ?」
 驚いて動揺している寛太の手を掴んだまま、プリスは物陰へと引きずっていった。人の居ない化学室の前で、大人の人が二人立っているのが見える。しかも一人は怖そう。
 逃げようにも、プリスの手は容易に外れそうにない。
 無言で項垂れている寛太に、砌は声をかけた。
「そんなに警戒しなくても大丈夫」
 落ち着いた口調で、砌は寛太の顔をのぞき込んだ。
 怒られているいたずらっ子のような顔。砌は、まだ自分の置かれた状況を把握していない少年の様子を見て、思わず笑みを零した。
 こんな風に穏やかに覚醒して学園に来られたら、自分や仲間の生活も変わっていたのだろうか……そんな風に考える。
「おれはお前と同じ力の持ち主だ。まあ、四捨五入したら、先輩ってヤツかな」
「おなじ?」
「お前が今スカートめくりした時に使った力の事だ」
 修二がじろりと睨むと、寛太は肩をすくめた。
 もしかして今まで『誰にも見られない』と思っていた力って、自分の気のせいだったのか…とか、この人達も消えられるのか? ならどうして自分は見えてるのとか、寛太は色々考えているだろう。
 砌はともかく敵意がない事を伝え、話をする為に来てほしいと言った。

 噂のヒーロー見物、と恋月が聞き込みをすると浩樹の姿はあっさり見つかった。聞くまでもなく、それとなく教員に聞いたら場所を教えてくれたのである。
 廊下をウロウロと歩き回る浩樹の姿を発見した恋月は、鋼・正義(豪華絢爛フルメタルカイザー・b80883)と合流してその背中を見守る。
「どうやらあの子は、透明人間を捜しているようですね」
「もう毒島くん達が接触してるらしいから、幾ら探しても見つからないはずだよ」
 恋月は正義にそう携帯電話のメールを見せて言うと、浩樹の方へと歩き出した。さて、出来れば校外か人気のない所に誘いたいものだが。
「きみが浩樹くん?」
 恋月が声を掛けると、浩樹はくるりと振り返ってこちらを見上げた。気の強そうな、しっかりとした表情だ。
 嫌いじゃない。
 恋月が呟くと、正義はじっと正面から見据えた。
 いったい、お姉さん達は誰なんだ。浩樹の問いかけに、恋月が笑って応えた。
「他の学校の先生よ。ちょっと用事があってお邪魔していたんだけど……」
 口を閉ざし、恋月は周囲を見回した。
 廊下はちらほらと生徒の姿があるが、声は届かない距離だ。ちらりと恋月が正義を見ると、彼が浩樹に話しをはじめた。
「君、正義のヒーローだね。私は鋼正義。君と同じ志を持つ者だ」
「すごい力を持ってるんでしょ?」
 彼には、興味津々で話しかけた大人、といったように見えただろうか。
 だが証拠といって正義がイグニッションして見せると、態度は変わった。何だかよく分からないが、かけ声とともに正義の格好が変わったのである。
「すげー!」
 目を輝かせる浩樹の様子に、恋月も笑いを零す。
「おー。その格好は児童の説得に効果覿面だねぇ」
 ヒーローを意識した正義のイグニッション後の姿は、やはり浩樹達にとっては本物のヒーローに映るのであろう。
 別段子供の説得の為にそうしている訳ではなかったが、こうして子供が喜んでくれるのは悪い気がしない。
「私達は君の手伝いがしたい。……少し、話を聞いてもらえないだろうか」
 正義の言葉に、浩樹は首をかしげた。

 3番目の噂は、音楽室の主。
 猫の姿の真也が音楽室に近づくと、微かにピアノの音色が聞こえていた。ちらりと高屋敷・鉄平(マニアックシンガー・b21031)が猫……真也を見下ろすと、きょとんと真也はこちらを見上げた。
「……何があるか分からないぞ、そのままでいいのか」
 真也は猫の姿の方が安心してもらえるんじゃないか、と先ほど話していた。まぁ、真也は戻る様子がないし、いざとなったら強制的に戻される訳だから問題はないだろう。
 先に扉からするりと入った真也に気付いたのか、ピアノの音が止んだ。それを聞いて、鉄平が後に続いて音楽室に入っていく。
 そこにいたのは、まだ十歳くらいの少女であった。髪をうしろで一本の三つ編みに結んでおり、今時にしてはシンプルなスカートをはいている。
 ハッとこちらに気付いて口を開いたが、真也がひょいと膝に上がると少女は困ったようにおろおろと視線を泳がせた。
「さっきの歌、おまえか? 俺もな、歌にはちょっと自信があるんだぜ」
 鉄平はそう言うと、コトダマヴォイスを使って少女へ向かって歌い始めた。これは少女と同じ、歌に気持ちを込めて届ける能力。
 少女は表情を和らげて、鉄平を見つめた。
「同じ……?」
「そ。……まだまだお前や俺と同じ、すごい力を持った奴が沢山いるんだ。ちょっと、一緒に来て話を聞いてもらえないかな」
 鉄平の説得を支援するように、真也がにゃあと鳴いてすり寄る。先ほどの鉄平の歌には、敵意は無かった。
 今まで誰にも分かって貰えなかった力を、鉄平も持っている。同じように小学生の頃覚醒した鉄平には、彼女の気持ちはよく分かる。
「もう……みんなの前で歌ってもいいの?」
「ああ。皆の所に行こう」
 鉄平は少女の手を取ると、待ち合わせ場所へと向かった。

 待ち合わせ場所のお社へは、少し早い時間に武道と根・清白(孤高たる撫子・b82810)がやって来ていた。時間はあと三十分ほどあるが、それまでに二人はせねばならない事がある。
 先に到着していた清白は、お社の前にちょこんと座って武道の到着を向かえた。清白は既に、狐の姿を取っている。
 武道にも清白にも、周囲で様子を伺っている気配がひしひしと感じられていた。武道はスーツの腕をまくり、周囲を見回す。
「さて、皆が戻ってくるまでにお社の掃除でもしますか」
 お社の周りのゴミ掃除、枯れた花の撤去、水の交換など。
 てきぱきとした様子の武道を眺めながら、狐は耳をそばだてた。敵意はないという事を伝えるべく、清白は用意していた包みを運んでお社の前へと置く。
 器用に咥えて開いた包みのハンカチには、稲荷寿司が詰められていた。
 ……どうじゃ、妾お手製の稲荷寿司じゃ。
 喋れはしないが、胸をはって清白はつんとすました。とりあえず、一生懸命掃除をしている武道や狐の自分の事は分かってもらえたのではないだろうか。
 しばらくすると、そろりとお社の後ろから一匹の子狐が現れた。
 だが姿を戻す気配はなく、清白もまた狐のまま。そうこうするうちに、修二や正義、砌達といった他の班の仲間がぞろぞろと集結しはじめた。
 お社の後ろに引っ込んでしまった狐をちらりと見て、修二が武道に声を掛ける。
「なんだ、まだ終わってなかったのか武道?」
「聞いてくれてはいるようですから」
 改めて集められた仲間の一人が寛太であった事から、浩樹と寛太は『スカートめくりをするヒーローなんていない』とかなんとか、喧嘩をしはじめてしまった。
 容赦なく毒島が怒鳴りつけると、二人は再び黙り込んだ。
「はじめろ」
「……毒島は小学生の教師に向いてませんね」
 くすりと武道は笑って言った。
 全員が集まった所で、武道がまず口を開いた。
「さて、今君達が手に入れた力は大変役に立つ物であり、また危険なものでもあります。人を助ける事も出来るでしょう。この力をどう使うかは、君達の自由です。ただ自分は出来る事なら、その力を、誰か他の人の為に使って欲しいと思っています」
 この力?
 浩樹達はまだ、力がどれ程のものか分かって居ないのかもしれない。すると、今まで猫のまま少女の手に抱っこされていた真也がひょいと飛び降り、人の姿に戻った。
「ある時は癒し系ラブリーにゃんこ、その正体はみんなのアイドル真ちゃんでっす」
 しーんとした面々を見回すと、あえて突っ込みせずに笑っている恋月と目が合う。清白はヤレヤレといったように首を横に振り、自分も元に戻る。
 そしてちらりとお社の後ろを振り返った。
「そろそろ、表に出てきてはどうじゃ。妾は根・清白と申す。おぬしと同じ、妖狐じゃよ」
 真也と清白、二人が獣の姿から戻るのを見た子狐は再び皆の前に姿を現した。
 おずおずと戻ったその姿は、小学生の男の子。年は、まだ入学して間がない位であろうか。この子もまた、突然覚醒した能力者……。
「よし、それじゃあ揃った所で皆に一通り何が起こってるのか説明しようかな。それと、俺達の学校の事もね」
 ちなみにこれが先生、と真也は恋月、武道、修二を指した。
 突然手に入った力はどんなものなのか、そしてこれからどうなるのか。少しずつ説明するが、子供達には難しかっただろうか?
 砌は少ししゃがんで、子供に語りかける。
「こいつはおれたちの日常を護ってくれる力だ。でも、使いすぎたら日常を逆に壊しちまう。なるべく人がいない所で使わなきゃ駄目なんだ」
 それは大事な友達や家族を護る為なんだ、と砌は言う。
 正義はさきほどイグニッションする時に使った、カードを見せた。ここにいる9人全員が持っている、大切なものである。
「これを使えば、いつでも能力を抑えて生活出来る。こういう風に……カイザーイグニッション!」
 ……まったく迷いがないな、お前は。
 正義のイグニッションの声を聞いて、修二がぽつりとそう呟いた。それは褒め言葉と受け取っておこう、と正義が返す。
 ヒーローは正義の矜恃であり、それに迷いなどあるはずはないのだから。
「それじゃあ、僕もイグニッションをして見せるね」
 プリスがカードを取り出し、正義に続いてイグニッションをする。衣装はゴスロリ風で、両手にガンナイフが握られている。
 プリスは吸血鬼である事を明かした。
 鉄平は揃った4人の子供を、前に押し出す。
「さて、4人揃った訳だが……能力には色々あってな、たとえば俺やこの子の場合は『声』の力。そして普通の人を威圧する力。普通の人から見えなくなる力。そして、別の生き物に変身する力。俺は昔、この力の使い方を知らずに人を傷つけちまってさ。だから、銀誓館学園で力の使い方を学んで欲しいって思ってる」
 ここにいる4人には、そんな思いをしてほしくないと鉄平は言う。良い事ばかりではなく、悪いこともあるのだ。
 恋月がふっと息をつくと、修二に視線を向けた。
「ちょっと実践してみようか」
「……俺を見るな、俺を!」
 ひるむ修二の背後に、鉄平が声援を送る。
 いざとなったら、ヒーリングヴォイスがある!
 こんな所でと武道は止めようとしたが、とりあえず見張っているから大丈夫じゃろうと清白が宥めた。
 仕方なく構えた修二に、恋月のヴァンパイアクロスが炸裂する。巨大な十字架に血が吸い取られていく様は、異様な光景であった。
 その傷は、鉄平の歌で若干癒えたようである。
「……。よい子は真似しちゃ駄目だ!」
「危険な力である、という事は証明出来たのだから良いではないか。なぁ鋼」
 清白は正義に言い、自分もイグニッションをして見せた。
 皆が話したのだから、特に付け加える事はないがのぅ、と清白は言いながらも子狐の子の頭に手をやって、うっすら笑った。
「一概にゴースト全てが悪ではないが、人を襲う輩もおる。目覚めたての能力者は特に襲われやすいからの。故に……妾たちは一つの学園に集まって、日常を守るために戦っておるのじゃよ」
 さて、お主らに…能力者としての覚悟はあるかの?
 清白の問いかけに、子供達はそれぞれの思いを伝える。
 歌を思い切り歌える事。
 姿を隠しても、ちゃんと皆に気付いてもらえる事。
 大切な場所を護りたいという事。
 そして、ヒーローになるという事。
「楽しく学生生活を過ごして、そして力の使い方をみんなで学ぶ。それが出来たら、きっとヒーローになれるよ」
 真也が応えると、小さな能力者達は嬉しそうに頷いたのだった。


マスター:立川司郎 紹介ページ
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知的 ハートフル ロマンティック せつない えっち
いまいち
参加者:8人
作成日:2012/08/07
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