THE END OF SILVERRAIN 〜時代を創った君たちへ〜


                                         



<オープニング>


 人類の歴史を紐解く時、どうしても触れなければならない言葉がある。
 『彼等』は元々一万にも満たない少数の組織であり、この世界におけるほんの一握りでしかなかった。
 だがそんな組織が積極的な活動を始めてからおよそ6年で、彼等は世界最大の組織へと成長していた。
 その歴史は世界人類のそれと同じく、戦争と対話の歴史だったと言えるだろう。
 初めて来訪者との接触を果たし、死闘の末に対話を図るに至った土蜘蛛戦争。
 ナイトメア、吸血鬼、人狼……来訪者たちが世界に根付き巨大な勢力を持っていることを知り、対話や闘争を経て一部の者達と手をつなぐに至った人工島の戦い。
 日本に眠る巨大なゴーストの存在を知った竜宮城決戦や幽霊船討伐戦。
 妖狐の影と狂える人々の存在を知った狂鬼戦争。
 その間にも雪女を初めとする多くの仲間たちとの理解を交わしつつ、彼等は成長を続けていく。
 ヨーロッパ人狼戦線、今治市解放戦、大いなる災い討伐戦、デスティニーサーガ……全ては誰かの悲しみや痛みに満ち、彼らはその全てという全てを武力と結束力をもって打ち払ってきた。
 一部の妖狐たちとの手繋ぎとなった武曲七星儀。
 吸血鬼の大いなる力を知った吸血鬼艦隊戦。
 ある意味で至上最強とされるリリスの女王とぶつかった聖杯戦争。
 マヨイガでの戦いを経て彼らは日本全国へとその足を伸ばし、妖狐の兵隊として囚われていた神将たちとの交流や、聖杯を守る巡礼士たちとの対話を挟み、彼等はより世界の真実へと近づいていく。
 ナイトメア王ジャックマキシマムによる夢の橋計画。敦賀市攻略戦を経て姿を見せる悪路王。
 そしてついに勃発する異形との初接触、カタストロフ。
 外宇宙存在にして生命の天敵である異形との戦いを続けながらもさりげなく王手をかけていたナイトメア勢力を撃退し、彼等は抗体ゴーストと呼ばれる新たな外敵との戦いを始めた。
 歴史に刻まれた深い傷跡を知る源平合戦、理事長にある意味驚いた月からの接触、そして彼等を窮地へと追いやった吸血鬼勢力の一斉攻撃と伯爵戦争。
 更に日本全国を破壊せんとするオロチの連続覚醒、そして暴走。
 そして迎える2012年7月、生命の敵である異形を倒し、この世界の生命を守ったのだ。
 さらりと振り返っただけでも、世界が何度滅びてもおかしくはないような……そんな歴史が存在していた。
 だがどうだ。
 『彼等』はその全てと戦い、打ち倒し、人類の歴史を刻んできた。
 やがて世界最大組織となった彼らは、人類の未来の為に十年近い時をかけて人類史の新たなる時代を創りだして行った。
 世界人口に対して驚くほど少ない人数でだ。
 名は――『銀誓館学園』。

 彼等銀誓館学園が創った新たなる時代、そして歴史を……ゆっくりと、そして噛みしめるように、振り返って行こうではないか。

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参加者
聖馬・アキラ(緋狐・b00129)
比良木・征司(ユニコーンギャロップ・b00148)
萩坂・暈人(剱持つ考古学者志望・b00168)
天見・日花(ソルカノン・b00210)
天鳥・てふてふ(真電脳魔女っ娘・b00248)
風見・玲樹(の弱点は虫・b00256)
神無月・神子(銀月光・b00269)
エルレイ・シルバーストーン(銀石の操霊士・b00312)
葉月・十造(半端な世捨人・b00384)
緋之坂・央璃(タラントラディベルダストロ・b00444)
月宮・友梨(スペードの巫医・b00504)
風見・莱花(高雅なる姫君・b00523)
草剪・ひかり(七色の虹を描く少女・b00540)
如月・清和(魔導特捜ザンガイガー真・b00587)
要・耕治(気骨稜稜の徒・b00625)
蜜月・杏奈(あんみつ姫・b00657)
秋枝・昇一郎(コーチ・b00796)
ガイ・ブリアード(裸足のマッスルナイツ・b00913)
氷山・悠治(自由人・b00951)
伊達・正和(真クルースニク・b00969)
塩原・朱理(赤烏・b00975)
遙・菜子(青藍の薔薇・b00997)
東・理緒(罪深き終末論・b00999)
御堂・巽(災厄ノ暴嵐麾シ禍キ蒼翠ノ女王・b01048)
相澤・頼人(闇纏う希望の双剣士・b01073)
合瀬・瑠羽(往きし黒に不敗の名を捧げ・b01219)
芝本・五六八(ワーロック・b01225)
栂野・在人(ラディカルショウタイム・b01361)
此花・樹(朝朱の天・b01365)
鬼柳・詩織(狼なんか怖くないっっ・b01366)
時任・瑛二(バーミリオンクラッカー・b01400)
風月・陽炎(テトカポリトカ・b01404)
月代・界(紫紺の闇・b01411)
篠田・春一(夕焼けの春空・b01474)
アキシロ・スチュワート(碧眼の教師・b01500)
蓮見・永治(死なない青年・b01537)
エクセル・カーリム(蒼月・b01754)
九曜・沙夜(神韻・b01823)
草薙・藤次郎(真水練忍者・b01852)
天宮・奈月(天翔茜歌・b01996)
御堂・遥(銀の剣閃・b02015)
水田・えり子(スターライトティアラ・b02066)
言乃葉・伝(元気印なたくあん娘・b02161)
街田・良(常葉香・b02167)
馮河・鼎(シロボシムシ・b02389)
河崎・統治(フレイムソルジャー・b02414)
武内・恵太(真処刑人・b02430)
島津・有紗(真土蜘蛛の巫女・b02484)
白岸・衛(白騎士・b02556)
戒・蒼魔(戒刀乱魔・b02671)
雨乃森・珪(太陽小町・b02687)
汐見・棧穣(汀の黒龍・b02692)
草間・静音(ナイトダンサー・b02758)
不破・零夜(漆黒の剣聖・b02805)
佐原・利也(魔剣士・b02831)
青柳・暁人(真水練忍者・b02849)
ニーニアルーフ・メーベルナッハ(誰彼の澱・b02883)
銀・観風(闇に沈む刃・b02963)
蒼間・夜刀(禍つ蛇・b02968)
朝沼・狭霧(真フリッカースペード・b02993)
鳳・流羽(門吏の符呪士・b03012)
柏木・隼人(黒の想火・b03076)
灯神・漣弥(巧速の探索者・b03209)
水無瀬・葵(黒刃の屍狩者・b03253)
秋風・なつき(銀誓館学園の図書館の司書さん・b03469)
白瀬・友紀(蒼の浄巫女・b03507)
凪・龍一朗(写の位・b03508)
瀬崎・直人(朝焼けの冬空・b03547)
赤目・虚太刀(神攻鬼怖・b03674)
金田・祐一郎(ソウルブラザー・b03703)
庭井・よさみ(天を飛翔する大依羅の真龍帝・b03832)
咲坂・桃内(ファイティングブル・b03849)
緋勇・龍麻(龍の伝承者・b04047)
桐生・カタナ(修羅龍眼・b04195)
暁葉原・燵吉(炎塵・b04308)
神崎・翔(闇を背負いし青き瞳・b04754)
逆上・夜刀(紫黒を繰る虚白の夜叉・b04904)
舞志野・美咲(傀儡操師・b04977)
悠是・鋼志朗(堅牢強固なる護り手・b05075)
新城・紫織(黒紫の祓い手・b05154)
美咲・牡丹(緋牡丹・b05183)
吉国・高斗(赤マフブレイド・b05216)
刈谷・紫郎(見通す者・b05699)
時司・瀧人(揺風流水・b05708)
刑部・紀乃(魔弾術士・b05875)
御陵・敬介(大輪の向日葵・b06020)
境・鷹男(帰ってきた真の努力家・b06261)
日向・るり(蒼空に揺れる向日葵・b06322)
小森・つばさ(ミスオールディハロウィン・b06575)
ジングル・ヤドリギ(吟星クリスマスロイド・b06651)
小金井・馨(は最大の幸せ者です・b06722)
立湧・深冬(嵐を呼ぶかも知れない前向き娘・b07602)
氷霄・かぐら(真魔剣士・b07636)
束原・キリヱ(クルエラ・b07703)
睦月・双樹(深淵の月・b07857)
獅子谷・銀子(ライオンハート・b08195)
都筑・騰蛇(穢れ無き鋼のプライド・b08282)
久世・洋介(白燐蟲使い・b08285)
森野・えり(ヨモギ猫娘・b08410)
関・銀麗(天華青龍・b08780)
嵐堂・一矢(破魔矢・b09232)
黒鋼・輝刃(牙鳴り散らす・b09479)
天喰・鶫(フューネラル・b09663)
白雪・咲夜(根腐れの雪・b10190)
四神・巽(バスタード・b10193)
稲垣・晴香(発展途上の仔猫レスラー・b10327)
穂村・陽子(猛き焔の妖狐・b10384)
御鵺・つづら(鳳仙睡羊弾蜂御寮・b10421)
芦夜・恋月(縛鎖の中で足掻く狗・b10866)
三笠・輪音(夕映比翼・b10867)
乾・玄蕃(魔法使い・b11329)
各務・風姫(謡い巡る西風・b11362)
武藤・旅人(幻惑の微笑年調伏士・b11445)
月島・眞子(トゥルームーン・b11471)
青井・海(爆裂看護師・b11667)
煌月・朔(呪言士・b11702)
青井・葵(空と海との境界線・b11746)
春峰・斗輝(リベネギネギネギネギネギネギ・b11833)
吹春・志華(観測者・b11998)
凶月・陸井(我護る故に我在り・b12455)
琴月・ほのり(鳳翼の詠媛・b12735)
柏木・美桜(燈の魔猫・b12927)
ウィル・アルファード(お日さまフリッカー・b12971)
堂真・久狼(混沌の羽・b12981)
立湧・治秋(寡黙な剣士・b14010)
和宮・優姫(初代名誉最終兵器純情風紀魔王・b14444)
硬鎖禍・鴉皇(原始の闇を纏う存在・b15375)
平良・虎信(荒野走駆・b15409)
ジョフロア・モンストルレ(シュネルベフェールスハーバー・b15471)
美原・月(闇に放つ月輝・b15609)
焔堂・さやか(和心大家・b15942)
鴉颯・霧歌(風霧の舞姫・b16079)
滝川・雅樹(赤黒き白・b16164)
楡崎・洋子(梅咲洋子・b16444)
西野・御子(中学生真処刑人・b16555)
迷惑・健(悪戯けものミミ忍者・b16630)
テオドール・フォルクナー(白ム廃園・b16818)
芹澤・天(一陣・b16926)
葛城・浪漫(真赤い亀裂・b17113)
神門・夜守(真魔弾術士・b17149)
大塚・万里(型破りがモットーの真霊媒士・b17247)
掛葉木・いちる(翔月六花・b17349)
霧島・双一(黒狼ノ夜想曲・b17639)
柊・刀(抹茶アイス湯煙殺人事件・b17654)
五十鈴・尚人(神誓継承者・b17668)
狗狼・紗那(クルースニク・b17710)
主神・砂夜(黄昏の騎士に恋する者・b17967)
浅上・空(黒蛇王・b18206)
久賀・零亜(雪華の祈り巫女・b18403)
水上・智也(霞追う星鴉・b18501)
宮代・月音(岩砕き・b18821)
朱残・誄火(灰紅葉・b18864)
水沢・環奈(春雪に守られし桜の子・b18954)
山田・八重(小鳥の花遊び・b18967)
津軽野・海(荒波こえて山越えて・b19077)
高天崎・若菜(永遠と須臾の玄人・b19366)
鈴桜・雪風(空に抱かれた憂いの焔・b19613)
水野・亀吉(ネガポジムジカ・b19642)
水野・鶴吉(ストライドライフ・b19693)
椎名・悠(深緑のねぼすけ娘・b20132)
守森・姫菊(橙黄の延齢客・b20196)
川原・世寿(皇帝の花嫁・b20582)
駿河・諌早(朱色の兎・b20590)
坂田・あずき(白玉ぜんざい・b20610)
佐川・鴻之介(湾曲男子・b20654)
大木・夏美(ファンシーショップなつみ店長・b20748)
葛西・涼太(高校生真ゾンビハンター・b20773)
黒桐・さなえ(甘党で乙女な符術使い・b20828)
霜月・秋野(時の迷子・b21044)
瀬崎間・亮(覚醒こいくまんごー・b21102)
陰条路・朔之助(雲海・b21798)
立見・鑑三郎(宝積・b21872)
ルーベット・アキモト(職人見習い・b22039)
ハルフェリス・グレイク(動かない刻の忘れ者・b22118)
敦賀・凛(光と歩む風・b22341)
星海・業(魂風に舞う翼・b22539)
水原・流惟(晴れた空の笑顔・b22551)
不破・赤音(真ゾンビハンター・b22569)
八神・沙奈(マジックナイト・b22636)
氷室・冷羅(アイシクル半霊・b22689)
土方・伊織(にゃんこ先生のお弟子さん・b22693)
浅草・紫郎(浅草探偵事務所所長・b22753)
退紅・涼(燦めきの旋律・b22876)
樹・咲桜(蒼の御雷・b23115)
アウローラ・テレシネス(クイーンオブアイス・b23244)
橘・鞠絵(楽園に咲く黒百合・b23279)
白羽・命(白の妖精・b23300)
日守・灯弥(剣狐・b23316)
橘・恭介(仮面ライダー恭子・b23336)
アーミーナ・ブレア(深紅の剣侠・b23842)
高崎・優一(真モーラットの花嫁・b24417)
御神・蓮華(龍の女・b25008)
護塔・洸太(曉芒刃・b25401)
風越・雪祢(灰音の旋律・b25414)
十衛・慧託(中学生真妖狐・b25642)
桐嶋・宗司(深黒晦冥・b25663)
氷上・靜(浮薄・b25686)
二条・葵(紫の黄昏・b25989)
白山・小菊(懸崖菊花・b26103)
犀遠寺・限(黄泉津の楔・b26238)
風魔・姫耶呂羅院(誘凪・b26286)
バン・アルテノール(闇を纏いし孤高の忍・b26720)
神谷・小夜(真土蜘蛛の巫女・b27152)
水菜・渡里(フワモコがお友達・b27348)
ユエ・レイン(白の翼と銀の尾と・b27417)
灰兎・ユキ(ハートを描く砂糖菓子の魔女・b27859)
ルシア・バークリー(リトルウィッシュ・b28515)
神原・勝義(真ムーンサルトリ・b28635)
氷采・陸(瑠璃色ニュートラル・b28712)
黒鯨・珠子(原初の混沌・b28851)
桃野・香(夜焔鬼・b28980)
獅子守・大地(風纏い煌く陽光・b30011)
御鏡・幸四郎(菓子職人修行中・b30026)
紫苑・涙(乙女ハート燐華の底力・b30086)
葛城・時人(光望青風・b30572)
瀬名・雪乃(ありがとうの花束を・b30841)
マリス・アンダー(わんわんののろい・b31212)
蘇芳・沙那(鎮めの花・b31261)
紅月・秋桜(夕宵華・b31719)
緋羽音・榎楠(宵紅翔・b31720)
チェスター・ドルトムント(斬り拓く者・b32351)
足利・灯萌(奪ってもいいのよというか奪え・b32352)
花屋敷・幽兵(退かぬ媚びぬ省みぬ・b32720)
真島・明日香(恋する乙女・b32736)
八握・彩陽(空紡ぎの織・b32869)
シリルーン・アーンスランド(未来向く護り風・b32979)
東郷・悠紀(雲耀の大太刀・b33078)
文月・裕也(太陽と月の着ぐるみ探偵・b33412)
白咲・朝乃(キャストリンカー・b33560)
灰田・ちえ(スィーパー・b33655)
イブキ・アルテノール(弟想いの心優しき姉・b34032)
ガレル・ヴァルゴ(色褪せたマリアベール・b34126)
新城・真理(は黒狼の隣でメモをとる・b34173)
川原・透(中学生雪だるま・b34179)
出葉・柊(インヘルト・b34609)
矢代・朱里(朱の明星・b34612)
ユゼン・クロイラ(水月と君と鋼の心知る花・b35092)
山桜・麻里(花守くのいち・b35101)
アルステーデ・クロイツァー(葬闇のシュヴァルツェナハト・b35311)
小森・るい(中学生ナイトメア適合者・b35467)
ヒュー・メイスフィールド(百万回生きたくも・b36152)
儀水・芽亜(夢何有郷・b36191)
八手・鉋(華鬼・b36570)
今市・直人(イマイチな男・b36897)
エルム・レーレリーニエ(小さき金色・b37197)
花岬・雅弥(これもうわかんねえな・b37275)
赫蒼・ハズレ(覇戒せし愚者王・b37325)
中茶屋・花子(クィーン矗フラワーチャイルド・b37343)
ポルテ・トルテ(フェンリルクォーツ・b37411)
犬塚・沙雪(通りすがりの正義の味方・b38003)
高杉・有理(すばらしきこのせかい・b38278)
対馬・藤十郎(今弁天・b38735)
カーリン・ブレンドレル(氷でできた銀色の月・b38752)
日向・修一郎(戦うは最愛なる家族のために・b39150)
真神・綾瀬(蒼風の舞姫・b39277)
碓井・風音(真土蜘蛛・b39519)
芥川・行人(うつつの夢紡ぎ・b39577)
柳瀬・和奈(てるてるむすめ・b39816)
紅・零(想いを力に思考を行動へ・b39910)
ディアナ・ブラフォード(疾風迅雷・b40039)
御桜・八重(花手毬・b40444)
永倉・エイゼン(朱雀は煉獄の空へ・b41066)
真神・智尋(此花咲耶姫・b41226)
高橋・燐(澄んだ氷に響く声・b41350)
レイラ・シルフィード(炎帝・b41648)
八雲・紫織(彷徨うマリス・b41675)
明空・萩吾(空の破片・b41799)
館・美咲(青騎士・b42024)
連翹・アルティナ(黄昏の蛍火・b42055)
紅・朱里(麗光炎牙・b42158)
神楽坂・燈子(夢から覚めて・b42251)
酒井森・興和(朱纏・b42295)
暗都・魎夜(全てを壊し全てを繋ぐ・b42300)
森屋・虎狐(こねこねこ・b42451)
神薙・汀(嵐龍拳士・b42520)
岩崎・弥太郎(志せしは覇道の主・b42534)
藤森・青葉(光紡ぐアステリズム・b42571)
瀬名・琉美(真蒼ノ協奏曲・b42713)
水上・晶(鷹龍・b42759)
雷銅・歩(トーテンタンツ・b42918)
イグニス・ランフォード(近接武術師・b42985)
式銀・冬華(紅剣抱く絆の巫女・b43308)
露木・水無月(月牙天翔・b43410)
東方・亮一(白銀の轟狼・b43432)
江田島・龍次(探索者・b43569)
千早・アキ(武装機械・b43606)
桂木・京(ブラックウィドゥ・b43682)
柏野・一樹(アクセルエッジ・b43711)
天宮・羽衣(全ての目覚めの白星歌・b43783)
天津原・鈴(星華の巫女・b43812)
レアーナ・ローズベルグ(心にいたみを刻む者・b44015)
渡良瀬・燐太郎(男という名の物語・b44141)
達川・薫(全てを射抜く漆黒の瞳・b44475)
須賀・義衛郎(天を取る者・b44515)
バイス・ガルフィード(嘲笑する虐殺者・b44573)
真和・茂理(一閃華烈な蹴撃乙女・b44612)
天宮・宗(怠惰にして眠る蒼龍・b44652)
鳴神・裁(ごにゃ〜ぽ・b45171)
釜崎・アイリーン(現役ホームレス中学生・b45268)
日生・結希(晴れときどき雪女・b45294)
真神・瑞貴(氷の貴公子・b45562)
秋扇・紫苑(月の雫・b45670)
月村・斎(閑人・b45672)
静島・茅(紡ぎ手・b45688)
白銀・柳(紫電砲火・b45723)
水澤・芽李(はお嬢様に憧れる・b45823)
草壁・那由他(闇と光の魔弾術士・b46072)
細氷・六華(幻燈庭園・b46165)
風嶺・涼介(高校生ヤドリギ使い・b46356)
黒星・蛍燐(狭蝿ナス蟲ノ禍霊・b46408)
鬼灯・遙(彩雲のサーブルダンサー・b46409)
水嶋・絽貴(風上を翔る翼・b46634)
葉月・リオ(全身凶器のツンギレ娘・b46737)
佐々・ささら(双月周期の比翼流星・b46783)
ディーン・ランバート(紅炎銀月・b46794)
水走・ハンナ(しがないアーケーダー吸血鬼・b46874)
リーナ・ファルメール(氷河に咲く雪花・b46977)
リヒャルダ・エンデ(高校生真貴種ヴァンパイア・b47011)
セオドア・エフェメローズ(鮮血の貴公子・b47033)
碓氷・宗一郎(愛欲極まりて天に弓曳く・b47117)
シュベルト・オセ(アイゼルンゲシェプフ・b47155)
稲田・琴音(蟲人・b47252)
南城・霧冶(中立の除霊建築士・b47330)
木之花・さくら(混血種・b47400)
真月・マサト(中学生月のエアライダー・b47415)
北条・糸吉(グスコーネリの伝記・b47495)
ノエル・ローレンス(月夜のヴァンパイア・b47497)
白露・狭霧(幻想を宿す白き霧・b47505)
霊門・稀(白日城城主・b47674)
中寮・琴乃(風花の舞う静謐の乙女・b47782)
草影・茜(茜色のストリートシンガー・b47797)
南雲・レイジ(烈火の剣侠児・b47935)
プリス・ベルグランデ(吸血幼女・b47961)
榊・那岐(斬妖士・b48026)
レイラ・ミツルギ(魔剣士・b48060)
外狩・氷介(裂空零度・b48061)
包・彩琳(蒼き狼の血を引く少女・b48116)
スペルヴィア・スパーダ(月咎哮狼・b48362)
蔦夜・漣(冴霄・b48475)
三崎・優児(活劇少年・b48478)
羅門・大海(銀の炎狼・b48479)
黒依・しろ(あなただけのアイドル・b49029)
七瀬・鏡華(古流武術継承候補者・b49180)
日下部・真昼(織り手・b49306)
待雪・雪花(全てに等しく優しき月の光・b49413)
琴吹・紗枝(青空駆ける春一番・b49528)
リリー・スノウドロップ(中学生雪女・b49555)
天峯・叢(霧の騎士・b49920)
小暮・蔵人(魔弾の狙撃手・b49923)
松虫・九郎(黒キ蟲ハ光らない・b50055)
衛藤・浩也(小さなお医者さん・b50505)
ミルス・ペック(虹をかけるもの・b50642)
安心院・ヒナタ(金曜日に降る雨・b51011)
御崎・清音(夜を翔る蒼き月の翼・b51187)
泉・星流(戦争で僕は伯爵に誤射をする・b51191)
大生守・令二(黒狼剣士・b51237)
氷室・まどか(中学生真雪女・b51391)
美堂・白髏(白花大輪・b51491)
椎名・健一(六番目の夢からの招待・b51618)
賈・芳花(砂薔薇は雨に歌う・b51630)
紗白・波那(光巡る花・b51717)
出雲・団十郎(出雲財団代表・b51798)
御津乃廉・灯(白風纏う吸血児・b51863)
八重咲・凛々花(月夜に咲く桜花・b51904)
佐和姫・六花(冷花涼乱・b51940)
リラローズ・マグスレード(紅き月下に舞う薔薇小姫・b52012)
草薙・神威(魔を討つ守護の盾・b52378)
宮代・さつき(空色の風詠い・b52693)
天宮・凛(刹那に揺蕩う銀星華・b52753)
天宮・漣(永久を夢見る金星華・b52754)
東梅・白紅(白く赤く・b52812)
香月・風音(月光に踊る蒼・b52865)
時守・癒太(夢幻世界投影者・b52874)
緋薙・悠(緋月・b52942)
アルノー・ケンプフェルト(明星擁きし蒼穹・b53216)
西条・霧華(真従属種ヴァンパイア・b53433)
神崎・青藍(インコグニション・b53552)
緋坂・燐(氷想華・b53619)
鳥海・櫻子(私の廻りを世界が廻る・b53774)
栢沼・さとる(流星の馭者・b53827)
志水・みゆ(天空光の歌・b53832)
妹尾・縁(笑顔に憧れる子猫・b54041)
千早・紫月(リベルテビブリオテック・b54074)
ヘイゼル・ローレンベルグ(静寂なる風の流れ・b54104)
弥栄・迅(ガンズオブリベレーション・b54111)
草薙・憐(ダメ人間から白マテリアへ・b54120)
結城・結衣菜(ブレイドディザスター・b54577)
メイベル・ウェルズ(銀月卿・b54806)
浅神・鈴(秘水練武・b54869)
日照・戮屠(は修一郎を永遠に愛しますっ・b55057)
氷神・睦月(白銀のロップイヤー・b55639)
久留宮・沙希(紅の詠を紡ぐ者・b55661)
シンシア・ノルン(運命の分岐点・b55866)
リリア・フェイル(雪国の猟師・b55890)
平賀・万葉(過去から伸びた夢糸・b55907)
乃々木・栗花落(木花咲耶の戦神子・b56122)
奥月・十景(塚護人・b56623)
アリョーシャ・ソロヴィーヌフ(水の星に育まれた月姫・b56698)
氷桜・ひさめ(蒼銀珠・b56811)
ラーニョ・セリアン(ほんわかいこう・b56853)
エステル・フリージア(ウサミミの姫君・b57020)
穂村・煉司(紅蓮旋刃・b57176)
輪廻・殺機(闇纏い生命輝く魔剣・b57185)
神桐・零牙(頭の悪い小娘を喰らう狼・b57241)
榛菜・織姫(勝利を照らす織女星・b57270)
宮古島・うるみ(猛襲破砕型必殺撲殺赤貧少女・b57318)
角田・堅一郎(真ゾンビハンター・b57323)
敷島九十九式・秀都(エクストラエンフォースメント・b57363)
津上・晶(天秤を背負いし鬼蜘蛛・b57574)
瀬高・ゆう(龍添いし貴石・b57660)
舞城・弓矢(煉情・b57728)
アリス・ワイズマン(龍の忍者見習い・b57734)
イアハム・ヴォレンティーナ(漢ヴァンパイア・b57824)
沖浦・小夜子(読書少女・b57879)
鮮花・リシュリーティンク(魔弾術士・b58058)
イレーナ・ファングバード(青いハートのストレンジャー・b58075)
久能・由晴(蒼藍の焔・b58136)
天川・竜馬(雪中飛鳶・b58153)
不利動・覚(マフィアと極道のダブル・b58239)
碓氷・茜(青空に寄り添う白星・b58271)
シーナ・アルファッド(まだ遠い光・b58350)
王仁丸・六説(エメラルドタブレット・b58592)
一咲・さな(アクセラレータセンセイション・b58822)
弥栄・空(白虹の灯火・b58854)
ティス・リュート(白猫のタンゴ・b59062)
四季・紗紅(白虎拳士・b59276)
無堂・理央(龍虎舞闘・b59341)
ベン・カプハ(蒼い放浪者・b59473)
倉澤・青葉(直線少女・b59474)
ブライト・アカツキ(朔の彷徨者・b59563)
リチェンツィオーソ・ヴェルジネ(偽り刻む怨讐の舞燈姫・b59634)
朱桜・結華(白雪を知らぬ桜の精霊・b59637)
オーガスタ・エイプルトン(銀月の華・b59789)
ヴァン・ジェルヴェール(高校生真クルースニク・b59925)
烏頭森・万葉(億千万の棘茨荊・b60331)
シンディ・ワイズマン(真夏の雪女・b60411)
海月・水母(悲しみのジェリーフィッシュ・b60460)
神谷・圭介(刃の継承者・b60649)
栗原・嘉狼(獅子と狼の殴斬劇・b60760)
三井寺・雅之(風炎の光彩・b60830)
四季光・春葵(それなり・b61102)
小机・水城(月墜す鴉・b61103)
フィーナ・レッドスプライト(最古のまじゅちゅし・b61192)
大神・末(王港おかん狼・b61273)
成上・瑞羽(唄運ぶ藍風・b61342)
山科・月子(ディープブラッド・b61466)
稲葉・孝政(姫を守護する兎・b61549)
雪吹・玲螺(うちゅうもーらっとひろいん・b61805)
緒方・光希(マジックユーザー・b61839)
北欧・月凪(赤より紅き月光蝶・b61966)
シェリルーナ・フェンリール(聖なる光の守護者・b61984)
キリオ・ガイゼルニーク(風来少女・b61996)
魁羅・生命(普通の大学生・b62014)
リリエル・ガブリエラ(絢華爛咲・b62071)
黒菱・涅雅(覇鬼・b62200)
鈴鹿・小春(万彩の剣・b62229)
雪道・碎花(雪女の子・b62371)
柊・咲夜(安らぎと共に舞う粉雪・b62379)
神薙・焔(ガトリングガンスリンガー・b62427)
沢北・夜水(沢北家の魔女・b62531)
川嶋・菜々香(後方の青色・b62613)
蠣崎・綺沙(雪華繚乱・b62626)
ムハメド・ラグカーデ(砂塵の勇士・b63033)
深水・百花(百花繚乱の萌芽・b63059)
渡月・トワヤ(光纏い薫る碧風・b63279)
小野寺・さくら(乱れ咲く夜桜・b63287)
神山・太一(穏やかなる若草・b63290)
御神・深月(破天の月煌・b63397)
辻村・崇(蒼き牙を持つ幼き騎士・b63628)
彼杵・天羽(太陽の紡ぎ手・b63707)
アシュレイ・シーケンス(エバーホワイト・b63857)
水原・風戯(禍福の風・b64135)
鈴木・風子(高校生真月のエアライダー・b64185)
時浦・零冶(黒鏡嵐霧・b64243)
永代・七緒(真燃えろコミックマスター・b64279)
黒須・烈人(にゃんこはかぶりものです・b64496)
久津岐・朔梛(緋緋色金之神和娘・b64638)
時渡・つかさ(六とひとつの花時計・b64658)
シャムテイル・イルミナス(カシミールブルー・b64908)
小此木・平治(探求の風・b65333)
嘉凪・綾乃(緋楼蘭・b65487)
クロエ・ノーティス(狼の花嫁・b65526)
功刀・伊知郎(深紅の錬士・b65782)
斎藤・斎(虹の彼方へ・b66610)
羅門・ラーケ(ララバイシンガー・b66697)
メアリー・マクウェイン(青塔の牙・b66702)
殿村・ゆの(高校生真シルフィード・b66761)
ミタヨーナ・デマゴーゴス(天災美少女詐欺師・b66773)
ココ・スメンクカラー(恋人はラクダさん・b66981)
茜谷・透(カルペディエム・b67091)
シーナ・ドルチェ(ネミの白魔女・b67352)
月守・紅羽(焔翼・b67441)
天守・矜星(全てを振り切る灼熱の最高速・b67547)
亜麻月・聖(天ノ憑キ人・b67588)
霧道・樹(霧の中の灯・b67674)
薪元・ルイ(昇る月・b67814)
結城・薫(陽の下に立つ者・b67932)
稲葉・和音(黒獣凶華の断頸刃・b68065)
折原・みかん(高校生みかん委員長・b68570)
来見・かえで(高校生除霊建築士・b68911)
レンフィート・ディアレスト(ノブリスエゴイズム・b69074)
セレエル・ベディナン(忘却されし深森の血族・b69497)
田神・鞠花(舞風花・b69828)
浅間・龍太(火産霊神覇道流伝承者・b70080)
アンリェイナ・ファラフ(夢の花・b70094)
臼井・飛尾(オリジナルナイン・b70327)
エリーゼ・アルファード(陽光のフリッカーハート・b70367)
妹出・織泉羅(傾国の陽麗姫・b70426)
風音・空也(真理に抗う者・b70449)
イクス・イシュバーン(神聖なる白煌・b70510)
八雲・椎名(蒼風の守護者・b70646)
三浦・螢斗(双月阻む信義の母禮・b70853)
伏管・煉(時計仕掛け・b71013)
砂宮・佳乃都(朝焼けのねがい・b71138)
嵐月・凪(パラダイムストーム・b71242)
天川・そら(ダンスウィズミルキーウェイ・b71485)
守御・斬人(護天の龍華・b71491)
彩水音・流我(暗夜幽迷・b71535)
深護・刹那(花誘う蝶・b71545)
不知火・レイ(星の欠片・b71576)
ノーファ・アステローペ(黒曜連月・b71807)
弥久保・冬霞(紫紺の紙吹雪・b72126)
霧島・静流(破邪顕正・b72181)
紗白・想真(クロスデザイアー・b72319)
アルフレッド・ウッドストック(白狼の遠吠え・b72349)
異邦刃・トキハ(黒い月の残滓・b72503)
リーゼロッテ・ヴューラー(ティターニア・b72505)
天江・悠(疾走天駆・b72969)
伊吹・詩歌(白夜連月・b72989)
舞浜・美月(ウィリーブレード・b73028)
朱雀・翼(氷の鬼・b73150)
白木・祢琥魅(ひなたぼっこ道免許皆伝・b73244)
望月・祐理(高校生真魔剣士・b73386)
犬神・リューシャ(ヴォールクアヂノーチカ・b73419)
マオ・イェンフー(その漢トゥーハンド・b73520)
森部・柚子(土蜘蛛のお嫁さん・b73521)
九頭龍・蓮汰(風の十二方位・b73547)
榊・紫(ナイトメア適合者・b73712)
夜刀・神也(谷津乃守也・b73718)
都幾川・沙月(梓巫女・b73813)
九原・終(ナインライヴス・b73832)
エリュシオネス・アンフィスバエナ(白にして暁光・b74146)
寺見・嘉月(星詠みの金月・b74452)
四紀・更紗(番犬命の真狐・b74691)
久遠寺・タキ(凍花相・b75212)
蒼井・加奈(目指せ素敵なおねーさん・b75538)
相原・誠司(魔剣士・b75597)
シエル・エクレール(電流大好きっ娘・b75661)
桂・雪(ノットロンリー・b75753)
セシリア・ストールヴァリ(ユピテルの系譜・b76262)
遠野・玉藻(金色の天井送り・b76358)
御劔・隼(高校生真魔剣士・b76376)
アルシア・セヴァリー(優しき氷・b76416)
碓氷・胡蝶(此糸のゆかり・b76679)
山背・天佑(愛こそはすべて・b76899)
垣添・貞剛(真従属種ヴァンパイア・b76916)
甲坂・八雲(黒禍の使者・b77001)
セレスティア・アーレン(高校生巡礼士・b77131)
犬神・伏姫(死人機士団・b77239)
犬神・リディヤ(ラビリンスドール〜白夜迷宮録・b77255)
メモリア・フォルゴーレ(追想の蒼雷・b77665)
瀬河・苺子(絆に導かれて・b77693)
遠野・晴明(月下咆哮・b77890)
松永・小草(高校生真鋏角衆・b77892)
神宮時・蒼(移動大図書館・b78116)
霧島・露判(叡智を紡ぐ紅玉の司書・b78249)
クリスティーナ・ロッテンベルク(白夜の・b78417)
フレンディア・ヴォルスケン(黎明の姫君・b78521)
平賀・満葉(未来へ繋ぐ絆糸・b78833)
榊・くるみ(がんばる女の子・b79108)
夕凪・琥珀(ナンセンスコドン・b79282)
春風・旋風(小さなつむじ風・b79424)
ジュリー・キングスレー(紺碧・b79531)
津上・沙由理(鬼蜘蛛を照らす夜天の銀月・b79589)
内田・ゆりな(ブルースターオーシャン・b79935)
ヒルデガルド・ケッセルリング(オルキヌスオルカ・b80010)
八幡・鋼鉄(心地よい住環境を貴方に・b80128)
柏村・健幹(ウォーキングビート・b80328)
風芽丘・真(高校生真従属種ヴァンパイア・b80689)
門守・燐(ここにいる理由を問う・b80816)
鋼・正義(豪華絢爛フルメタルカイザー・b80883)
龍餓崎・杏(剣術小娘オーバードライブ・b80943)
坂上・神薙(槍衾夜叉・b81165)
成田・樹彦(真妖狐・b81217)
戸来・聖司(雷神を継ぐもの・b81253)
鈴森・奏(は走り出したら止まれない・b81438)
龍・月華(月華公主・b81443)
鈍・脇差(ある雨の日の暗殺者・b81451)
敷島九十九式・新都(ロングショットオーディナンス・b81466)
舞坂・瑠奈(中学生月のエアライダー・b81496)
蕪菜・鈴菜(三尺聖域・b81577)
犬川・荘司(義一文字・b81609)
啄身・鶫(言ノ葉夜狐・b81642)
霧島・悠希(薫風を紡ぎし巫女・b81764)
船見・窓日(空書使い・b81840)
深堀・ルドルフ(七冠皇帝・b81865)
天枷・新菜(青にして芽吹き・b82400)
フォーレ・リュミエール(琥珀色ルナティック・b82417)
焔月・燈夜(誰そ彼の月狐・b82459)
淳・空(月に願いを・b82500)
帷・香月(月の雪嵐・b82550)
暁星・琉海那(有明月の約束・b82553)
宇佐美・雲母(高校生ルナエンプレス・b82600)
十六夜・華倶楽(銀月ノ舞姫・b82619)
アリス・フィオーレ(恋月華姫・b82632)
朱・コウガ(陰陽姫・b82664)
アリス・セレスタイト(不思議の月のアリス・b82668)
永代・志緒美(不敗の月戦姫と呼ばれた少女・b82703)
常雅・影見(ヘラクレイア・b82834)
想魔・百合(高校生真ルナエンプレス・b82928)
滝音・治輝(新たな未来を築きし者・b82964)
ルティアーナ・フォルトリア(煌月嵐姫・b82977)
氷丈槍・漸白(真ホワイトアウト・b82992)
鈴代・加奈(あどけなき月の影姫・b83068)
風薙・葉月(神なる蟲の巫女姫・b83330)
日暮・旭(サンシャイン・b83360)
大穂・鶴(空蝉・b83410)
木花・葬汰(孤高の羅刹・b83651)
小島・透流(生命の代価・b83713)
高橋・伍実(アナザーイビルコンセクエンス・b83761)
音無・舞子(ムーンライトダンサー・b83874)
泉・火華流(小学生ナイトメア適合者・b83900)
緋坂・涼(緋氷刃・b83915)
悠桐・翔真(高校生フリッカーダイヤ・b83954)
オネット・ラッキーストライク(弾丸は退かない・b84205)
東雲・玲(嵐撃の守護者・b84264)
瑞羽・湊(暴風恋歌ロックソング・b84526)
朱鷺鍍・直虎(傷みし紅の響虎・b84566)
佐波希・滝(高校生真水練忍者・b84581)
明博・梓(高校生ストームブリンガー・b84618)
静島・深夜(虹の手のひら・b84654)
辺津妖・澄華(はーどぼいるど真妖狐・b84700)
水原・芹菜(高校生真雪女・b84703)
リグ・マルヴァス(眠り獅子・b84719)
船勝宮・静(ルーイナスシールド・b84959)
穂村・耶子(橙色の金平糖・b84998)
華渓院・花子(ハッピーカレイドスコープ・b85349)
楸原・暁雲(高校生真妖狐・b85350)
ティリオ・ウィスペランサ(黄泉路へ誘う者・b85353)
マキナ・エクセレスティ(マリオネットガール・b85415)
青睛・葵(高校生真クルースニク・b85437)
栗田・鈴霞(日次の木花・b85530)
スピカ・パープルムーン(高校生真フリッカーダイヤ・b85780)
空存・永禄(天冲・b86171)



<リプレイ>

●きみのためのエンドロール
 『二つの三日月』との戦いから十年。銀誓館学園の黄金時代を駆け抜けた能力者達は、それぞれの道へと進んで行った。
 自らを鍛える者、若き能力者を育てる者、未知の分野に挑む者、夢の実現に挑む者、自らの過去に決着をつける者、故郷へと帰る者、日常へと帰る者……皆自分らしく生きていた。

 そうして迎えた、2025年。
 世界結界崩壊期の幕開け。
 それまで目に見えぬほどの微細さでゆっくりゆっくりと罅入っていた世界結界が、まるで耐えかねたように一斉に崩壊。欧州、日本、中国、インド、南米、アラスカやシベリアなど世界各地に無数の『非常識の穴』を生み出した。
 抑圧され地下深くに眠っていた巨大ゴーストや、無数の怨念によって集合したゴースト大隊が出現。
 本来ならば多くの人命が失われ、文明滅亡レベルの被害が起こっていたかもしれない……。だがしかし、銀誓館黄金時代の卒業生たちは十年の歳月をかけて発生位置を特定。政治支配を成功させた地域に関しては都市機能ごと避難させるなどの大胆な対策をとり、多くの被害を未然に防ぐことに成功した。
 こうして勃発したゴースト軍と人類軍による大戦争には多くの戦力が投入されることとなる。
 それは館美咲や各務風姫らの優秀な訓練教官によって育て上げられた十万をゆうに超える能力者大隊が各地で巨大ゴースト相手に善戦。ゴーストによって占拠された都市の多くを奪還する。

 【銀誓館能力者訓練機関】
 ◆館・美咲(青騎士・b42024)。能力者養成機関にて教官を務める。屈指の硬さを見せつけ生徒たちにドン引きされることもあったが、彼らはその経験を活かし動乱期を駆け抜けることとなる。自らの硬さのみを鍛えつづけた彼女が最終的に行きついたのは、強固な能力者組織という形だった。彼女の盾は、今や世界を守っている。
 ◆相澤・頼人(闇纏う希望の双剣士・b01073)。能力者の訓練部隊の教官として活動。紛争地帯では一個小隊を率いて戦った。後にも宇宙ゴーストに対応するための研究に従事し、宇宙開発に貢献。世界的にも対宇宙ゴーストの経験は貴重だったため、頼人の意見は開発チームに少なからぬ影響を与えた。
 ◆獅子谷・銀子(ライオンハート・b08195)魔弾術死を専門に訓練教官として活躍。自信を無くした生徒には自分の経験を聞かせ、肉体的に弱い生徒にはプロレス式の特訓を伝授した。彼女の生徒たちまるで第二のライオンハートとして各地で活躍したという。
 ◆戒・蒼魔(戒刀乱魔・b02671)。生命賛歌に頼らない大規模能力者戦闘の戦術を構築し、各紛争地帯に介入。後にゲームの自作さ就職活動もしたが上手くいかず、自然消滅的に歴史から姿を消した。ある大きなゴースト事件では『始まりの剣』を携えた彼の子孫が現れたと言うが、その真相は定かではない。
 ◆嵐堂・一矢(破魔矢・b09232)。ゴースト退治を続けていたが、その功績が認められて訓練教官へ勧誘される。慣れない指導に苦労しながらも彼なりに新人を育てて行った。後に日常へと帰り、家庭をもった。彼の『今を守る』戦いは生涯続いたという。
「どれだけの時がめぐり、世の理が流転しようとも、俺のやる事は変わらんよ。ただ、今を守るのみ」
 ◆日向・るり(蒼空に揺れる向日葵・b06322)。黙示録方式による能力者育成を行い、学園の非常勤講師として戦闘訓練に協力。しかし大戦時代のパーソナリティは依然健在であったらしく、生徒たちに当時を語らせると決まって『おなかすいた』『お肉どこですか』『ころころしてやるですよ』の文句が聞ける。後に焼き肉店を経営することになるのはもはや必然であった。
 ◆各務・風姫(謡い巡る西風・b11362)。訓練教官として「逃げるすべ」を教え犠牲を抑えた戦いをさせる。この精神は泰平の時代に活かされ、永く世界の平和に貢献した。尚、彼女は山ひとつを巨大訓練場とし、『御山の妖怪バアア』と畏怖と敬意をもって呼ばれるに至る。その戦闘力は生涯現役であった。
 ◆立湧・治秋(寡黙な剣士・b14010)。大学卒業後は海上自衛隊に勤務。在学中からの交際相手とも結婚し、十数年後退官、訓練組織の教官として着任。第一線で戦うよりももっぱら後継者の指導の方に従事する。
 ◆宮代・月音(岩砕き・b18821)。訓練組織の教官として次世代能力者を育て、世界結界崩壊後は歴代の教え子たちと共に紛争地帯を駆けた。戦場とは言え教え子との再会に思わず涙がこみ上げたという。引退後は茶道・華道・礼法の道に親しみ、穏やかな時を過ごす。
 ◆桐嶋・宗司(深黒晦冥・b25663)。大学卒業からすぐに世界各地で起こる危険な戦いに加わり、その経験を手に銀誓館情報司令部設立に加わる。それからは訓練教官として後進の教育にあたり、多くの能力者を育て上げた。彼が常に投げかけていた言葉は、生徒たちの胸に深く残ったという。
「お前達に守りたいモノはあるか? 守りたいと思う心は、人間をどこまでも強くする」
 ◆氷神・睦月(白銀のロップイヤー・b55639)。本人の夢とは裏腹に世界結界崩壊時には戦闘部隊の指揮官を務める。この後今期に恵まれたかどうかは不明である。
「確かに部下たちに司令、司令と慕われるのは嬉しいのですよ〜。なんだかどんどん結婚から遠ざかっているっている気がしますよ〜。もう、とっくに30超えちゃってますしね〜。あ〜、ほんとに。どこで道を間違えたのでしょうね〜……」
 ◆アリョーシャ・ソロヴィーヌフ(水の星に育まれた月姫・b56698)。夫殺機と共に訓練施設教官を務める。紛争地域では得意の分身術で『リアル・ミラージュ』と呼ばれた。長い戦いの末子宝に恵まれ、孫まで生まれるに至る。余談だが、アリョーシャの友人リカの奇行から生まれた『もみあげの木』は軽く伝統となった模様。
 ◆輪廻・殺機(闇纏い生命輝く魔剣・b57185)。アリョーシャと共に訓練教官を務め多くの戦いに参加。数多の武器に精通した結果新たなジョブ『バトルマスター』に目覚める。戦場では『オールウェポン』と呼ばれ妻と共に猛威を振るった。
「リカさんがいなくなっても、このあと、私達がこの世を去っても、私たちの足跡を継いで、たくさんの子供達が歩いて行くんだねぇ……こんな素敵なことは、ないねえ」
「素敵なことですね……けれど、それはまだ先のお話。私達はまだまだ、共に歩みましょう」
 ◆シェリルーナ・フェンリール(聖なる光の守護者・b61984)。イギリスに戻り教育を学ぶ。20歳でフェンリール家当主となり、各地のゴースト事件に対応した。大学卒業後はイギリスを拠点に能力者育成にはげみ、銀誓館司令部の支部としても活動した。結婚や出産を経て崩壊期に突入、それまでの教え子たちと共に巨大ゴーストに挑んだ。晩年は孫娘に自分と銀誓館の歴史を語り聞かせて暮らしたという。
「聞いて下さいますか、わたくし達銀誓館学園が歩んだ歴史を」
 ◆エリーゼ・アルファード(陽光のフリッカーハート・b70367)。特徴的な間延び口調を直しつつ訓練教官を務めた。後に最終試験と称して紛争地域へと乗り込み、多くのゴーストを消滅させる。彼女は多くの教え子たちに愛され、佳き教官としてその任務を全うしたという。尚、人生の半分を超えても婚期は訪れなかった模様。
「そう言えば、わたしが教官になりたての頃に教えた子の中に特にわたしに懐いていて、同じ様に教官になりたいって子がいたわね。早ければ教員免許が取れると思うんだけど……わたしの所に来ないかなぁ?」
 ◆坂上・神薙(槍衾夜叉・b81165)。銀誓館体育教師。別名『槍マニ先生』。後輩育成のためにと戦いではフォローに徹し、崩壊期では皆の手本となって巨大ゴーストと戦った。三人の子供には古武術を継承し、晩年は曾孫に見守られての大往生であった。
「辛くても立ち上がって最期まで強がり言えるなら、けして不幸な人生ではないんよ」

 ――無論、世界の為に戦ったのは銀誓館学園生徒だけではない。『百花隊』や『白鳳会』といった卒業生が独自に立ち上げた能力者組織の多くが紛争地域に参戦。かつての仲間たちと協力し合い猛威を振るった。
 その中には和解した知的ゴーストを味方に付けた『千鬼夜行』や人狼騎士団から編成した『人狼騎士団第三特務艦隊』の姿もあり、闘いはゴーストVS人類の枠を飛び越えた。

 【独自能力者組織の結成】
 ◆須賀・義衛郎(天を取る者・b44515)。ケルン大聖堂にて挙式。大学で心理学を学び能力者のメンタルケアを行った。後に『百花隊』を創設し崩壊時の戦いに多く参加した。名前の由来は当然妻である。その戦いは老後まで続き、例の決め文句も生涯使い続けたという。
「ただのゴースト駆除装置です」
 ◆琴月・ほのり(鳳翼の詠媛・b12735)。『モーラット秘密特殊部隊』として活動を続け、孫の代になってもその形式は変わらなかった。活動そのものは苦難の連続だったが、全世界のモーラットファンから熱い支持を受け、後の世にも受け継がれている。
「ぱおにーちゃん、今日もおイタするゴーストさんを『めっ』ってするのですぅ!」
 ◆エルム・レーレリーニエ(小さき金色・b37197)。日本の大学からドイツへ留学し、欧州の小組織設立に尽力。卒業後は欧州に渡り戦闘や要人警護を行う組織「ハルト・ラート」を創立する。紛争地域の戦いでは彼らを率いて参戦した。大学入学から50年後、そこには『おどおどのエルム』はいなかった。温和で穏やかなお爺さんへと成長した彼は、後に生まれた孫息子の中にかつての自分を見た。きっと彼もまた、幾多の経験を経て大人になってゆくのだろう。エリミニーレン・レーレリーニエ。彼の生涯は理想と共に在った。
 ◆儀水・芽亜(夢何有郷・b36191)。保育園で保育士を務めていたが世界結界崩壊後は能力者養成組織『白鳳会』を設立。地域活動を開始。設立から十年程度で組織運営を主軸に置く。この頃から運命予報の研究を始めるようになる。龍脈研究者にも声をかけ、龍脈に関わるゴーストの発現を地震予測に近い形で割り出す研究を進める。後に富士山麓に拠点を移動し、実験施設等を備えた施設を建設。『富士山の魔女』として名を馳せるが、その姿は公に晒されていない。保育士であった当人を知る者からすれば、それは驚くべき50年だったと言えた。
 ◆小森・るい(中学生ナイトメア適合者・b35467)義勇軍「双翼の瞳」を結成。何を間違えたのかサディスティックな口調とラバースーツで完全武装した。結婚や出産はまだ先だと考えていたらしく、夫らしき人物もいたようだが内縁に留まっていた。60を過ぎた頃には家庭を持ち、義勇軍も息子に任せた。
 ◆葉月・十造(半端な世捨人・b00384)。指南した能力者を纏め殺伐&マンチを信条にしたゴースト討伐集団「新生パンダの里」を結成。後に戦後処理のために解散し、全国を行脚した。泰平の世が訪れても彼の歩みは止まらず、死ぬまで前向きに生きていた。余談だがパンダの里メンバーは彼の遺志を継ぎ世界各国で活動している。
「合言葉は……殺伐&マンチ!!」
 ◆吉国・高斗(赤マフブレイド・b05216)訓練組織『新生赤マフ団』で鍛えた能力者たちと共に勇ましく紛争地帯へと突入していった。後に全国に根を張り、ゴーストまで仲間に加えて規模を拡大していく。泰平時代には考古学に従事し、失われた歴史の解明に貢献した。老後も現役を退かず、赤マフ爺さんとして尊敬された。余談だが、チームメンバーですら本名をよく知らないらしい。
「愛と平和の使者、赤マフラー参上!!」
 ◆桐生・カタナ(修羅龍眼・b04195)世界各国の能力者とゴーストを混在させた新機軸結社『千鬼夜行』結成。泰平時代には組織を人に任せ、どこへやらと消えた。彼の行方はようとして知れない。
「これからは次世代を担うヤツらが主役の時代だ。だが、まだやり残した事がある。それは後に続く者達の目標であり続ける事。そして……見届ける事だ」
 ◆犬神・リューシャ(ヴォールクアヂノーチカ・b73419)。人狼騎士団へ戻りロシア分隊を編成。多くのゴースト事件の解決に寄与する。仲間の外交官の力を借り政府との交渉をし、空母数隻を受領。『人狼騎士団第三特務艦隊』を組織しした。崩壊期では艦隊を率いて苛烈な戦いに身を置いた。いつしか『北の兇将』と呼ばれるようになり恐れられた。ただし家では二人の子供をかわいがり、子煩悩であったと言われる。
 ◆犬神・リディヤ(ラビリンスドール〜白夜迷宮録・b77255)。卒業後人狼騎士団へ帰還。十騎士の座を目指して実績を重ねた。後に騎士養成校開き幼い人狼騎士たちの教育に努めた。崩壊期に入った頃『白狼騎兵隊』を率い巨大ゴーストとの激戦を繰り広げる。こうして多くの功績をたて、ついに十騎士に就任。尚、銀誓館出身の十騎士であるマリスとポルテが相当な自由人であったため、リディヤには多大な負担がかかったとされている。

 ――しかしこれは世界を守る戦いである。壊す者がいれば守る者もいる。『GDMAT』を初めとする多くの後衛部隊が、戦いに巻き込まれた人々の救出や戦う意思のないゴーストの保護などに奔走し、その被害を抑えていった。
 かつてない程の過酷さをみせたこの戦いを能力者達が以降無事に生き残れたのも、彼らの活躍があったからこそだと言っていい。

 【後衛部隊の活躍】
 ◆御桜・八重(花手毬・b40444)。『GDMAT(ゴースト災害医療派遣チーム)』を立ち上げ世界結界崩壊後には多くの人命を救った。責任感の強さからトップ自ら前線に出ていくことも多かったという。真希と結婚してはいたが多忙過ぎたため新婚時代をスルー。家族を失った子供達を連れて来ては世話を任せていた。こうして生涯多くの命を救った彼女は、その没年沢山の人々に見送られたという。
「絢爛と陽の下に咲く八重桜。いつまでも。いつまでも」
 ◆戸来・聖司(雷神を継ぐもの・b81253)。国際レスキューチームに参加。東燃に結婚し、四年後には訓練組織の教官を兼任する。崩壊時には『GDMAT』と合流し、多くの人間と非戦ゴーストを救った。その姿は無堂理央やミルスペックなどのジャーナリストによって紹介され、英雄視されるようになる。後にレスキュー隊や訓練教官からも引退し、食堂兼下宿の経営に移った。息子も彼に似て行動的で、『月面緑化計画』等に積極的に参加したという。
「オレはいつか死ぬだろう。人の生命は限られた時間しか続かない。だけど次の世代が想いを継いでくれる。未来への可能性を繋ぐこと、それがオレの行き着いた生命としての答えなのかもしれない」
 ◆秋枝・昇一郎(コーチ・b00796)弱者的能力者の保護を目的とした慈善団体を設立。能力者の教育に勤しんだ。対巨大ゴースト戦では彼らを率いて参戦し、その功績を踏み台にして組織を拡大していった。戦後は特定勢力の争いには参加せず、あえて救助や保護のために動き続けた。ここまでハードに生きてきたが生涯愛妻家であったという。
「さしずめ、コーチとでも呼んでくれ」
 ◆大塚・万里(型破りがモットーの真霊媒士・b17247)。夫の涼太と結婚後も巨大ゴーストとの戦いに奔走。能力者団体保護のために介入したつもりだったがずるずると引き込まれることに。

 ――銀誓館能力者大隊や多くの協力組織が戦うなか、白羽命や月島眞子といった世界各地でのゴースト退治の旅から戻ってきた面々も紛争地域へ駆けつけ、十年かけて磨き上げた戦闘力で一騎当千の活躍を見せることもあった。
 中にはチェスター・ドルトムントや鈴鹿小春のように自らの夢や日常を差し置いて仲間や世界の為に武器を取った者達もいた。それはさながら日常の守護者のようであったという。

 ◆白羽・命(白の妖精・b23300)。親友への宣言通り悪い能力者を倒して回っている……と思いきや資産家を乗っ取り、いくつかの事件に関わった後ゴースト紛争地帯へ参戦。十年以上の月日が経っているにも関わらず服装を含め中学生の頃のままだったらしく、『白の妖精(笑)』と呼ばれた。無論本人にとってはまことに遺憾である。老化を感じ始めた頃、封神台に入り神将登録をした。『白の妖精』が本当に『白の妖精』になってしまった瞬間であった。その後も学園のちからとなるべく尽力した。
「私たちの戦いの結果、今がある。でも、それは長い歴史の中では、ひと時のこと。さて、これからの歴史はどうなっていくのかな」
 ◆聖馬・アキラ(緋狐・b00129)。稲荷神社の神主をしつつ銀誓館をささえる。世界結界崩壊時にはボロボロになったガトリングガンをかついで参戦した。当時のガトリングガンは歴史資料館に飾られている。尚、アキラが一番学園の後輩に教えたかったのは戦争後の温泉というお約束だったとか。
「戦いますよー憧れの『ヒーロー』として!」
 ◆蓮見・永治(死なない青年・b01537)。探偵事務所を立ち上げ細々と活動。世界結界崩壊時には巨大ゴーストとの戦闘中に因白うさぎにドサマギでプロポーズしたが『人生の節目を苦境に頼るその精神に容赦ならぬ』として手ひどくフラれた。これから十数年後、膝を突き合わせて述べればいいだけだということに気が付く。実践した結果は、もはや語るべくもない。
「うさぎ、聞こえるか!帰ったら……結婚しようぜ!」『お断りします。通信終了』「えっ……!?」
 ◆佐原・利也(魔剣士・b02831)。世界結界崩壊後まで戦いづつけ、余計な争いが起きないようにと尽力した。その影にはかつてであったナンバードとのエピソードが関係しているという。後に泰平の世が訪れ戦う意味を失くしてからは、ディアボロスランサーの新宇宙を探る研究に加わることになる。
「悩みながら、もがきながら、全てを手に入れんとする。それが生命賛歌」
 ◆月島・眞子(トゥルームーン・b11471)。愛剣の「月白風清」と共に浄化作戦に従事。後の巨大ゴーストせん滅作戦にも参加した。その時現場で知り合った女性隊員に技と剣を託し、晩年は小島で余生を送った。
「強敵だって? フン、私に敵なんていないね。こいつさえありゃ、どこだって行くよ」
 ◆浅上・空(黒蛇王・b18206)。中東紛争地帯にて因縁の『三首の竜』との決着。見事勝利を収める。彼から因縁の相手に送られたことばは「ありがとう」だった。
「カッコイイ名乗りとかいいから。僕は僕。浅上空さ!」
 ◆青井・海(爆裂看護師・b11667)。暫くは国内の病院に勤務。真面目な勤務態度だった模様。それまでの経験を買われ『GDMAD』に編成、紛争地域を巡って看護師をつとめる。ついでに青汁も広めた。実年齢より10歳は若く見えたと言われ、本人はそれを青汁効果だと主張していた。後に青汁がちょっぴり流行ったという。
 ◆立見・鑑三郎(宝積・b21872)。能力者保護の活動を続け、世界結界崩壊時には紛争地域へ志願。最前線に立って現場主義を貫いた。戦いを終えても様々な地域で現場活動に励み、60を過ぎてもその精神は健在であったという。そんな彼を支えてくれたのはかつての仲間たちとの絆だった。
「俺の側には共に戦ってくれる仲間がいる。そして、このTEAM【BU】バンダナさえあれば。そう、俺は独りではないいつでも友と共にある 」
 ◆水原・流惟(晴れた空の笑顔・b22551)。学生時代と変わらず最前線でゴーストと戦う日々を送っていたが、ある時仲間を庇って左腕を失い一線を退く。その後は訓練組織の鬼教官として多くの能力者を育てた。老後は、訪れた泰平の世を巡るべく、放浪の旅に出たという。彼の見た平和な風景が、少なからず自分の蒔いた種によって芽生えたものであることを、ここは語っておくべきだろう。
 ◆紅月・秋桜(夕宵華・b31719)。ティアボロスランサーを見送ってからも様々な形で戦いに参加し続け、しかし軍や司令部に入ることは無くそれまで通りの能力者活動を続けていた。そんな彼の生活は泰平の世でゆるやかに収束を始めた。戦いだらけの人生の中で、彼は漸く穏やかな日常を享受した。この時期に新たに発見された忍者系能力者の教育にも励んだが、どうにも忍者らしくないと言われていた様子。
 ◆緋羽音・榎楠(宵紅翔・b31720)。ある時期から次世代能力者達の力になろうと思い立ち銀誓館職員へ転向。独特な話し方らは相変わらずだったが、過去に鍛えた戦闘スキルは生徒たちの命のみならず世界の人々の命も救う術として昇華された。自らも「ゴースト完殺は必ず成し遂げる」を口癖にして紛争地域へ参戦。かつての生徒たちと共に戦った。引退後も一族の指導者として活動するも、はやり話し方は直らなかった。もはや開き直れる域である。
 ◆東郷・悠紀(雲耀の大太刀・b33078)。東郷教導隊解散後、訓練組織には入らず最前線へと志願した。紛争地域では「雲耀の大太刀」の名にそぐわぬ獅子奮迅の活躍を見せたという。こうして迎えた泰平の世では、政治には関わらず趣味の銀細工を楽しんでいた。妻と子孫に囲まれ悠々自適な老後だったという。
 ◆天峯・叢(霧の騎士・b49920)。ゴーストとの共存を目指し、沢山のゴーストと対話を試みた。その度に多くの失敗をし、命の危うい状態に立たされることも多かったという。しかし彼は何度となく立ち上がり、ゴーストとの対話を続けた。それがただの正義ごっこではないと見とめられ、いくつかの凶暴なゴーストとの対話に成功した。彼にとってそれは、復讐とは違う、自分への決着だったのかもしれない。
 ◆泉・火華流(小学生ナイトメア適合者・b83900)。世界結界崩壊時に逸早く現地に参戦。兄や学生時代の友人たちをよびよせた。紛争地域での戦いで広く名を残し、後世にも少なからず影響を及ぼしている。
「ちょっとした同窓会よね」
 ◆渡良瀬・燐太郎(男という名の物語・b44141)。卒業後、山に篭って剣術修行に明け暮れた。崩壊時、巨大ゴーストとの戦いが佳境を迎えた頃に山を下り必殺の『羅漢仁王閃』をいかんなく振るったとされる。老後は弟子をとり田舎で生涯を終える。
 ◆榊・那岐(斬妖士・b48026)。犯罪対策課の特別顧問に就任。後に銀誓館ゴースト情報司令部と連携し各地のゴースト事件にあたった。常に前線に立ち続け生涯剣士であったという。
「君も怖さを知りそれでも戦う勇気を持ち続ければ、いずれここにたどり着くでしょう。もっとも君達にはさらに先に行ってもらわないと困るんですが」
 ◆チェスター・ドルトムント(斬り拓く者・b32351)。卒業後は実家の農家を継いで畑仕事に従事。乱がなければいつものチェスターであった。崩壊後の巨大ゴースト戦では子孫たちのため、健やかなる未来のため、苦楽を共にした仲間たちと手を取り合ってこれに挑んだ。
「ここまでお膳立てが揃っていれば、負けようが無いじゃないか。そうだろう? みんな、これが最後だ! 行くぞ!! イグニッション!!」
 ◆一咲・さな(アクセラレータセンセイション・b58822)。世界結界崩壊時、巨大ハム妖獣との戦いに奮闘。かつてないもふり合いであったと記録されている。動乱期に入ってからは巨大下着泥棒組織と熾烈な戦闘に突入。かつてない羞恥であったと記録されている。泰平期に入ったことで漸く戦いから解放されサッカー界に進出。もはや50年前のサッカーは風化していたという。
「人生、何が起きるかわからない。失敗してしまったり負ける事もあるだろう。でも俺達は立ち上がれる、生命や銀誓館は何度でも立ち向かう勇気があるんだ!!」
 ◆鈴鹿・小春(万彩の剣・b62229)。検察官となり、駆け抜けるように出世街道を登る。その陰には能力者による神秘汚職事件も少なくなかったという。数年後に結婚。才能のあった子供達に彼女の呪剣『物主、窮奇、火車』を継承。残った二本の剣と共に小春自身も戦場を駆けたという。
「最後まで立ってたらそれで勝ち! 魂が折れなければだいじょーぶ!」
 ◆亜麻月・聖(天ノ憑キ人・b67588)。崩壊期でも前線に立ち続け巨大ゴーストに立ち向かう。同時に政治的立場についた仲間たちの警護や、能力開発への協力など広い分野で自らの実力を発揮し、後の世に少なからず影響を及ぼした。後に肉体の衰えを感じ前線から引くが、剣道場での指導員として生涯自らの身を社会に捧げたという。
 ◆岩崎・弥太郎(志せしは覇道の主・b42534)。地縛霊ダンジョンマイスターとの熾烈な戦いを繰り広げる。その後の彼がどうなったかは本気で分からない。
「ダンジョンか……うむ、それもまた冒険のロマンだな!」
 ◆松永・小草(高校生真鋏角衆・b77892)。世界結界崩壊時、銀誓館からの派遣員として現地の傭兵たちを纏め、巨大ゴーストと戦った。本人は戦いを好まない性格だったが、充実はしていたという。

 ――世界を守ること。日常を守ること。それは同時に愛する人や家族を守ることでもある。
 日向修一郎一家などの自らの手で育て上げた子供達との家族共同戦線を張る者や、神崎翔・瀬名琉美夫婦など夫婦で凄まじいコンビネーションを発揮する者の姿もあった。その中には『庭井よさみと愉快な仲間達』のようにバラバラになったメンバーが戦いの中で再結集したケースもあったという。

 ◆大生守・令二(黒狼剣士・b51237)。封印破棄されていた妖獣兵器『黒龍』との熾烈な戦いに勝利。
 ◆浅間・龍太(火産霊神覇道流伝承者・b70080)。令二たちと共に黒龍との戦いに奮闘した。忘却期に外来し日本にひっそりと息づいていた『夜叉』や『八咫烏』の発見にも寄与したとされる。
 ◆エステル・フリージア(ウサミミの姫君・b57020)。令二たちと共に紛争地域での激闘を経験。メディック活動に勤しんだ。
「いいか、ここで奴を倒さないと相当な被害が出る。俺たちの守りたいものの為、全力で相手してやろうではないか!」
「久々に母国に帰ってきたらこの有様、悪い方だけ当たる勘も考えものかな」
 ◆赤目・虚太刀(神攻鬼怖・b03674)。互いの夢を尊重し合いながら紛争地域へ参戦。虚太刀はその後も多くの戦いに参加し、やがては穏やかな日々の中で武器を置く。
 ◆天喰・鶫(フューネラル・b09663)。一方で鶫は科学の力で宇宙へと進出。宇宙開発にも貢献した。
「私は―私の愛する者たちの居場所を守り続けるよ。心配がなくなったら、きっと安心して何かを探せると思う」
「そういいながらずーっと戦ってそうだよな、姉ちゃんは。ちゃんと考えろよ?」
 ◆河崎・統治(フレイムソルジャー・b02414)。警備会社にて対ゴースト業務を担当。家宝の刀「水月」を手に各地を回った。後に紛争地域での対巨大ゴースト作戦へと組み込まれ、中核メンバーとして活動した。「水月」は後に生まれた長男へと託される。50代になる頃には対ゴースト業務から引退し、教官や講師として活動。生涯多くの人々を率い、手本として生きた。後に彼が教科書に乗る際、古い戦友の思い出を語り草にしたという。
 ◆島津・有紗(真土蜘蛛の巫女・b02484)。見えざる狂気に犯された老人介護施設でゴーストを撃退しつつ介護職に従事。夫、統治との間に二男一女を授かり、彼らが成長した頃に介護職へと戻り、リーダー的立場を務めるようになる。余談だが、後の歴史資料には統治とセットで語られている。
「まさか、自分が歴史上の存在として扱われる側になるとはなぁ」
「光栄なことですわ」
 ◆神崎・翔(闇を背負いし青き瞳・b04754)。琉美との間に二人兄妹を授かり、剣術と心の教育を施した。紛争地域では子供達を本拠地に残し、最前線で戦った。その後、琉美と共に神将に会いに行ったという。
 ◆瀬名・琉美(真蒼ノ協奏曲・b42713)。翔と共に子供達に剣術を教える。自らの武器を子供達に託し、紛争地域へ。このことで大怪我を負うが、彼女の明るさは消えなかった。子供達に受け継がれた技と心は後の世に少なからず光をさした。
「力を持つことの責任って言うのは、誰でも持ってるから軽いって訳じゃない。その力をどう使うのかが大切なんだよ」
「いい? 武器って言うのはね、使う人を選ばないの。むやみに振り回したら自分が好きなモノを誤って傷つけちゃう事だってあるからね」
 ◆葛西・涼太(高校生真ゾンビハンター・b20773)。プロポーズの日はゴースト討伐でキャンセル。結婚式はメガリス争奪戦でキャンセル。結婚記念日は悪の組織との戦いでキャンセル。しかし二人の絆が傷つくことはなく、末永く共に在った。
「まあ私達らしいですが」
「俺達らしいで済ませるかお前は。毎度同じ戦いに居合わせるのが不思議な程ではあるな」
 ◆庭井・よさみ(天を飛翔する大依羅の真龍帝・b03832)。『庭井よさみと愉快な仲間達』として紛争地域で活躍。プロマイドが無駄に売れたという。72歳の頃にはメンバーの力も劣り、チームを解散した。
 ◆高天崎・若菜(永遠と須臾の玄人・b19366)。三児の母となっても戦場を退かず、ある意味でインパクトの強いメンバーとして活躍。多臓器不全により69歳で死去。
 ◆中茶屋・花子(クィーン矗フラワーチャイルド・b37343)。人狼騎士として鍛えた能力でメンバーをサポートした。老後は大企業グループの会長として奮闘した。余談……本人は人狼十騎士を名乗っていたが、本当かどうかは定かではない。相応の実力はあるようだが。0
 ◆釜崎・アイリーン(現役ホームレス中学生・b45268)。元ホームレス小学生としてのタレント活動の傍ら特戦隊としても活動。プロマイドが売れた原因の7割くらいを担っていた。特戦隊解散後は芸能界の重鎮という立場から路上生活者の支援活動をした。
 ◆水走・ハンナ(しがないアーケーダー吸血鬼・b46874)。暫し銀誓館から離れていたが世界結界崩壊時に帰還。懐かしのポーズで特戦隊活動を再開した。この時には結婚もしていたという。特戦隊解散後は消息不明となる……が、高位の吸血鬼となり流れのギタリスト活動をし、若菜の葬儀にはその姿を見せたという。
「あなた、私もそちらへ向う準備が出来ました。優しく迎えて下さいね」
「色々ありましたけど、特戦隊で活動してる時も結構充実してましたね」
「老兵は消え去るのみ……とはよく言ったものですわ」
「きっと彼女は、突如姿を消した私を恨んでいない。だったら私も快く送り出さなきゃ」
「魂は死なず、次なる命へ受け継がれていく。心配いらん、いずれは私らも辿る道や。私らがそっちへ行くまで、ゆっくり休んでてや!」
 ◆朱残・誄火(灰紅葉・b18864)。2022年に妻と入籍。その数年後である世界結界崩壊時には妻と子を守るべく参陣。高い戦果をあげた。その後は、能力に不慣れな者の手助けができればと彼なりに活動を続けていたという
 ◆緋坂・燐(氷想華・b53619)。大学卒業後に結婚。確執のあった祖父は在学中に死去し、その時は彼女なりの決着をつけたという。その後一族とは付き合いは無く、安らかに自分の家族を支えて行った。
 ◆日向・修一郎(戦うは最愛なる家族のために・b39150)。紛争地域では一家総出で巨大ゴーストと戦った。流石に一家と言うだけあってその連携は美しいものだったという。ちなみに戦果は巨大ゴースト5体。
 ◆日照・戮屠(は修一郎を永遠に愛しますっ・b55057)。東京武蔵野で食堂を開き、多くのの子供達と数々の戦いを生き抜く。
「腕の一本二本折れたところで、母は止まらないんだぞっ」
「素っ首、叩き斬ります!」
「みんなの傷は私が癒す……っ」
「……ものすごく大きくて、ものすごく怖いっ!」
「雪路、泣き言はダメ」
「咲耶お姉ちゃん、頑張っちゃおうねっ!」
「全員合わせろ! いくぜ!」
 ◆黒菱・涅雅(覇鬼・b62200)。それまでの彼と同様戦いの中に身を置く。崩壊後の紛争地帯で巨大ゴースト『オルトロス』を単騎で打倒し高い功績をあげた。後につかさと結婚するが戦闘への意欲は失われず時には子供達と共に戦場へと繰り出した。老年期に入ってからも衰えた肉体を感じさせぬ勢いで戦いの中へと駆けて行ったという。彼は生涯、戦士であった。
「燃え尽きるにはまだ早いぜ!」
 ◆時渡・つかさ(六とひとつの花時計・b64658)。時渡家当主として学校法人を運営。能力者育成の場とする。周辺地域でのゴースト事件にも多く対応し万全を期したが、夫の荒くれぶりにだけは心配が絶えなかったという。この後夫と共に世界をめぐる旅に出かけ、アイルランドはクラウソラス城にて要請女王ブリジットの号名を受ける。数十年の時を使命の中で過ごし、後に娘へと代を移して引退した。現役は引退したが、実力は相当なものであったという。
「引退したよ。だからここにいるんじゃないか」


 ――平和とは命懸けで手に入れるものだ。
 非常識の穴は連鎖的に広がり、大戦争勃発からほどなくして世界結界は完全に消滅。忘却期以前から眠っていたゴーストや、長い歴史の中で蓄積されていた残留思念たちは今こそ我が世とばかりに活動し、その被害によってゴーストも増力。オロチ大乱を上回る程の勢いで敵は増え続け、崩壊期の戦いは数年に渡って続くこととなる。
 だがそんな戦いも、多くの人々の活躍によって次第に鎮圧されていき、忘却期以前のゴーストを倒し終える頃には、各紛争地域を奪還。新たに発生する暴力的なゴーストの駆除作業へとシフトしていく。
 そう、人類は長い間後回しにして来たゴーストとの大戦争に勝利したのだ。
 だが犠牲が無かったわけではない。銀誓館の支配が追いつかずに避難が遅れ、甚大な被害を受けた都市も少なくはない。そしてそんな被害者たちを庇って命を落とした能力者たちもまた……。
 彼等は英雄として死に、歴史の中にその名を残すこととなる。

 ◆悠是・鋼志朗(堅牢強固なる護り手・b05075)。巨大ゴーストとの戦いで若者を庇って死亡。仁王立ちの死に様は、最後まで『護る者』であった。遺品であるウォーハンマーは実家に送られ、後に歴史博物館へと寄贈される。
「想いと生き様、それを継いでくれる者がいてくれる。それが欲しかった未来だ、それで十分だよ」
 ◆出葉・柊(インヘルト・b34609)。己の辛い経験から、人々を守るためにと最前線に立ち続けた。46歳のある日、数十年前に見捨ててしまった『助けて』の声に応えることができた。それは彼自身の決着でもあり、彼が長年言わなければならない言葉だった。それから長くない月日が経ち、戦火の中で死ぬ。しかし彼が叫んだあの言葉と心は、彼が助けた多くの人々の中に残っていた。そしてきっと、彼亡き今も誰かが言うだろう。
「今、助ける。俺が守るから――!!」
 ◆ヒルデガルド・ケッセルリング(オルキヌスオルカ・b80010)。崩壊時、トランシルヴァニアの巨大ゴースト戦の初期作戦に参加。しかし作戦は失敗して一都市をゴーストに明け渡す時代に発展する。ヒルデガルドは当時唯一の一般人生存者となった四歳の女児をつれ都市を離脱。左目と左手の機能を失った。女児はイングリットを名づけ養子にとる。イングリットは彼女の不器用な育児を受けてすくすくと成長。母のように懐く。後にアラスカでのゴースト討伐戦に参加した際、増援到着までの時間稼ぎのためヒルデガルドは自爆に近い一時封印を決行。肉体は回収されるも意識不明。数十年の間目を覚まさなかったという。そのまま死んだとも、無事目を覚ましたとも言われるが詳細不明。
 ◆柊・刀(抹茶アイス湯煙殺人事件・b17654)。トレードマークの抹茶アイス片手に激戦区へ。いつでも余裕を見せていた刀の明るさは部下達の苦難を和らげた。最後は部下を庇い、激戦の中で命を落とす。彼女の精神は生徒たちに受け継がれ、後の世界をほんの僅かながら苦しみから救った。
「まあ、ここは私に任せて逃げなさいって。心配無用、踏んで来た場数が違うのでござる。教官なめないでよ?」

 ――ゴーストの凶暴性が人間の感情から生まれいずるものである以上、真に恐れるべきは人間自身なのかもしれない。
 ゴーストとの大戦争を終え、一時空白化した紛争跡地を巡る争奪戦や戦後の混乱に乗じた暴動が起き始める。
 余裕を取り戻した人々による思想の多様化は良きことばかりではなく、反政治思想や過激派思想の発生を産むことにもなった。
 人類を護った銀誓館学園は、その人類から刃を突きつけられることになったのだ。
 動乱期への突入である。

 だが彼らは人の業に絶望することなく、歩み寄りと政治の安定に取り組んだ。
 天鳥てふてふの取り組んだ能力者社会のための法律『銀誓館法』をはじめとし、多くの政治活動によって能力者の治安は表側から修復されていく。
 中には危害を加えないゴーストや使役ゴーストを都合の良い迫害対象として非難する集団も現れるが、『絆ゴースト運動』等によって徐々にゴーストに人権意識が生まれるようになった。
 南雲レイジやメイベル・ウェルズのように国の代表者となった者もおり、大陸妖狐の代表である金毛九尾やゴースト勢力の代表悪路王などを招き『銀誓館サミット』が開かれ、世界は融和を目指し歩み寄っていくこととなる。

 【政治安定への奮闘】
 ◆南雲・レイジ(烈火の剣侠児・b47935)。外務官となり国の政治に貢献。後に総理大臣に任命。金毛九尾との会談に挑む。銀誓館サミットでは多くの仲間と共に国の将来を語り合ったという。政治を固め、泰平の世を迎える頃に国連事務総長となった。
「今隣にいる友達を大切にして下さい。私も、多くの朋友も、一人ではなかったのです。仲間と共に未来に向かって下さい」
 ◆敷島九十九式・秀都(エクストラエンフォースメント・b57363)。三味線を片手に世界を回り、歌の力で正義を示す活動を開始。やがて個人の限界を感じ政治の道へ。多くの仲間の協力を得て知識や技術を学び『芸術平和党』を立ち上げる。世界共通の芸術を共有し平和な世界を築くというスタイルで多くの票を集め、晩年にはまさかの南雲レイジの後任として総理大臣に任命された。若かりし頃の決まり文句は、流石に言えなかったとか。
「和は乱すが正義は守るっ! それが俺の生き様だぜっ」
 ◆天鳥・てふてふ(真電脳魔女っ娘・b00248)。人類の変化に伴い能力者社会に適応した法律(通称銀誓館法)が制定されるに当たり、各主要組織との粘り強い交渉を行い、後の世の安寧に貢献した。後に国際能力者裁判所裁判官を下り、銀誓館にて大学院教授となった。その功績を称え、彼女は名誉教授として迎えられている。
「私が積み重ねてきたことの先に若者が安心して学ぶことのできるこの場があるのだと思えば、苦労なんてなかったとも感じるんだけれどね」
 ◆北欧・月凪(赤より紅き月光蝶・b61966)。俳優として幾つかのドラマや映画に出演。ある程度歳を重ねてから政界へ入り精力的に働いた。中国をはじめとする多勢力との外交を結ぶ。プライベートは平和なもので、彼なりによい家庭作りができていたようだ。老後には孫に囲まれ幸せな日々を送った。
「この先も、学園の皆全員に幸せな道が続きますように。其れが、俺にとっての一番の幸せ。だから、俺はとっても幸せな人生を送れたと思うよ」
 ◆テオドール・フォルクナー(白ム廃園・b16818)。欧州から中東にかけ凶ゴースト狩りをしていたが、スプリーナ氏の退陣を期に処刑人を纏める活動を開始。マヨイガのような場所を他にも作れないかという研究に従事するようになる。
 ◆ディアナ・ブラフォード(疾風迅雷・b40039)。卒業後ヨーロッパへ帰国。崩壊時にも巨大ゴーストとの戦いを繰り広げた。後に『現代のヴァルキュリア』とよばれ騎士団のバックアップもあってか政界に参入。最終的には母国の閣僚となり国家中枢を握る。責任ある立場故にストレスは多かったと言うが、戦闘力は衰えていなかったとも言われる。
 ◆瀬崎間・亮(覚醒こいくまんごー・b21102)。未知の存在との共存を目指し、異なる種族同士での婚姻、戸籍登録を可能にするよう尽力した。初めの二十年ほどは社会的な目や長らく守られてきた人類の法規によって阻まれていたが、幾度となく裁判を起こし複数の多種族間結婚を成功させたことで、スムーズにとはいかないまでも未来への希望を生み出した。彼の尽力によって結婚を許さた多くのカップルが居たことは、述べておかねばなるまい。
 ◆不破・赤音(真ゾンビハンター・b22569)。損得と現実主義による政治交渉を図り、学園の理想実現を助けた。赤音の能力が特に発揮されたのは『銀誓館サミット』の場であり、交流や友好に励む同胞たちを差し置いてまず人権問題から斬り込んだと言われている。辛辣な態度も多かったために民衆からもあまり支持を得なかったが、後に訪れる泰平の世のため、赤音が獲得したカードは少なくない。
 ◆包・彩琳(蒼き狼の血を引く少女・b48116)。日本国籍を取得し政界へ進出。能力者奨学金制度や表現規制の緩和に励んだ。夫絽貴との間には三人の子供が生まれ、健やかに育った。老後は世界を巡る旅に出た。
 ◆水嶋・絽貴(風上を翔る翼・b46634)。政治家となった妻の代わりに主夫となり、多くの家族と幸せに暮らした。出版した『主夫のための生き方』がよく売れたという。後にアニメ化したとも。
 ◆メイベル・ウェルズ(銀月卿・b54806)。イギリス議会議員として政治活動を続け、ウェールズにはヴァンパイア特区を設立。後に英国首相となり政治経済をリード。婚期には恵まれなかったがどうやらそれは親友が立ちはだかっていた結果だという。
 ◆ハルフェリス・グレイク(動かない刻の忘れ者・b22118)。彼に関する記録は全くと言っていいほど残っていない。世界十四ヶ国を相手に暗躍を繰り返し、知略制圧を図った。30年かけた制圧作戦が成功したのか否か、それは余人の計り知れるものではない。そんな彼も理想の高さゆえか子供達には跡を継がせず、グレイク姓も彼で途絶えることとなった。ある調査報告によれば、彼は老後を縁側で過ごしたとされている。
 ◆平賀・万葉(過去から伸びた夢糸・b55907)。世界にはあまり干渉せず、自由を愛した。しかしハルフェリスの要望には応え、幾度も手を貸していたとされている。
「苦労もかけたが…愛しているよ。万葉」
「おや、ついぞ愛だの恋だの言わなかった男がそんなことを言うとはね。耄碌したかい?それとも、やっとわしの魅力に参ったかな」

 ◆灰田・ちえ(スィーパー・b33655)。法改正の流れに捻じ込むようにして、使役ゴーストを絆ゴーストと呼称する『絆ゴースト運動』を開始。もとより啓蒙活動の一環で『使役は友達』という日本語としておかしい文句をうたっていたので、彼の活動は世に(特に一般層に)広く認められた。これと並行して絵画教室 『心色』を開き、子供とゴーストのふれあいの場とした。尚、彼の活動が銀誓館現役世代が子供達から『使役ゴーストって呼び方古っ……』と言われるジェネレーションギャップの火種となったのは、言うまでもない。
 ◆辻村・崇(蒼き牙を持つ幼き騎士・b63628)。能力者、ゴースト、来訪者が平和に暮らせる礎を作りたいという気持ちからマヨイガとの交渉に尽力する。今後様々な活動の中でマヨイガが利用されることになるが、それらがスムーズに進んだのは彼の努力の成果だと言っていいだろう。後に彼には平和賞が送られることになる。
 ◆蒼井・加奈(目指せ素敵なおねーさん・b75538)。夫崇との間に子をもうけ、夫の活動を応援した。歴史の表舞台に出ることはあまりなかったが、その分生涯をかけて夫を支えていた。
「これは、加奈と協力者の皆様に贈られた賞です」
「私は何もしてません、これはよくよりありたいと思った皆の力です」

 ◆氷采・陸(瑠璃色ニュートラル・b28712)。大学卒業後、欧州で通訳を担当。フランスとイギリスを中心に活動し、会議の場では重宝された。生涯多くの友に恵まれ、求婚されることもあったが独身を貫いた。それは少女だった頃に生まれた大事な大事な恋心のためだったという。現役引退後、フランス南東部プロヴァンスの古城にて翻訳や本の執筆を行う。
「紅茶を淹れましょう。心を落ち着かせて今一度囁くために、微笑むために――幸せですよ」
 ◆妹尾・縁(笑顔に憧れる子猫・b54041)。大阪婦人自警部隊を組織した後に外交や政治秘書を経験。官僚となる。
「最初は学園の敵だったんですが…どうしてこんなことになったんでしょうか?」
 ◆斎藤・斎(虹の彼方へ・b66610)。幾つかの言語を習得しドイツの大学を卒業。ゲームの翻訳業を営みつつ、傍らで銀誓館の通訳交渉を手伝った。その際には諸勢力を対等以上の存在として敬意と警戒をもって当たるようにしていた。本業柄、学園にはボードゲームを寄与し当時のTRPG同好会とも交流があった模様。
「まだ胸を張って返せる答えは見つけられませんけど、ここにいてもいいんだ、て思えるのは、それが幸せっていう事、なのかな?」

 ◆氷霄・かぐら(真魔剣士・b07636)。IMS運用組織のいち責任者に就任。日夜反対派との死闘を繰り広げ、最終的には勝利を収めた。娘の能力開花はかなり後のことだったが、それまで一緒にカードを作りに行くのが楽しみであったとか。
「ま、楽しいからいいけど」
 ◆久世・洋介(白燐蟲使い・b08285)。学園の司書官という立場から、諜報戦による学園防衛に努めた。単純な武力では解決できない様々な危機から学園を救い、仲間たちと共に守り続けた。当時の噂によれば、巨門をしつこく遊びに誘っては交流を深めたとされているが、彼が大陸妖狐にどの程度発言力があったかは微妙な所であるとされ、歴史家たちはこれを純粋な友情ゆえの交流であったと解釈している。

 ――余裕は探求心を生み、探求は未来を変える。
 ゴースト被害がごく一般的なものに落ち着き、探求の世界へと戻って行った者達がいる。
 そうしてまず明らかになったのが『真の歴史』であった。
 世界結界によって改竄された歴史の多くは、春峰斗輝や神無月神子らの考古学者によって解明され、世界中の歴史教科書が一新された。
 中には時司瀧人や大神末のように歴史の解明よりも冒険の浪漫に生きた考古学者もおり、そんな彼らは後に映画のモデルにされることもあったという。

 【考古学分野】
 ◆神無月・神子(銀月光・b00269)。界と共に各国の遺跡調査を行い、失われた歴史や未発見の遺物などを多く発見した。尚、界との男女関係が進展したとの報告は無い。
 ◆月代・界(紫紺の闇・b01411)。神子の遺跡調査団に参加。神子の研究成果の多くは界の尽力によるものだった。後に田舎へ隠居して回顧録などの執筆にあたるが、やはり男女関係の進展についての記述は無い。
「ねぇ、界。これだけ長い事男女で旅してて何も無いってのも正直どうなの?」
「えっ、今何か言いましたか? 砂嵐で上手く聞こえませんでした」
「……なんでも」
 ◆刑部・紀乃(魔弾術士・b05875)。考古学の道に入り歴史の真実を編纂する仕事を開始。次世代へ多くの歴史書を残したが、最終的には本人までもが歴史の一ページを飾ることとなる。
「まあ拾い物の人生と思って楽しみましょう」
 ◆春峰・斗輝(リベネギネギネギネギネギネギ・b11833)。卒業後は次世代型ネットワークの開発に尽力し、世界結界崩壊後には持ち前の行動力を活かして世界の遺跡へと直接乗り込んで行った。その旅は危険なものではあったが、家族を故郷に残すことをせず、常に傍に置いていたという。その活動は50歳を過ぎても衰えず、世界中の博物館を賑わせた。最終的には学園教員の立場へ引っ込み、ネギ畑へ帰ってきたという。
「隠される歴史がなくなるなら。隠されていた歴史が表に出る日が来るのなら。それに触れずにはいられない」
 ◆江田島・龍次(探索者・b43569)。未知の世界を求めて世界を飛び回り、その後に銀誓館考古学研究所を設立。超古代文明の遺跡探索を進め、未解明だった来訪者のいくつかを明らかにする。この時分かったことだが、かつて妖狐勢力が大量に保持していた化物じみた神将の多くは未知の来訪者だった模様。遺跡を狙う犯罪組織との衝突も多く、『戦う考古学者』として映画や小説のモデルにもなった。老後も変わらず冒険に出かけたという。
「だって自分の称号は『探索者』なんですから」
 ◆時司・瀧人(揺風流水・b05708)。彼に関する直接的な記録は残されていない。如何なる書類を見てもその所在がはっきりとせず、とても諦め良い字で『奴は放浪していた』と記されている。秘密結社との争いや非人道的研究組織との戦い、古代遺跡を巡る騒動などに関わっていたとされているが、その真相は定かではない。しかし今現在いくつかの博物館に貴重な遺跡が収められているのが彼の功績であるとする声は、歴史家の中で有力だ。
「人を使う事も使われる事も願い下げだと、一人歩き続けた足跡は風に揺れ水に流れ、痕跡を辿る事さえ難しく、それでも生きていたのだと言えるだろう。己の望む侭に生き切った人生だ。後悔など無い。事切れる、その瞬間も」
 ◆大神・末(王港おかん狼・b61273)。2013年以降、本格的な冒険へと出かけ、多くの遺跡探検や悪の組織との戦いを経験。時司瀧人や江田島龍次といった探検家と合流することもあったという。余談となるが、後に彼等の冒険は三崎優児らに映画化され、三大冒険活劇と呼ばれるようになる。彼の生涯は冒険と浪漫に満ちていたが、その最後は妻夭に見送られ、そしてアデライードに迎えられたと、記録されている。

 ――人はものを創る生物だ。
 研究者たちの中には詠唱兵器やIMSの研究により深く潜って行った者達がいた。
 それは真月マサトの『神秘物理学』を始め、星海業や天守矜星らの回転動力炉を解明した『詠唱工学』へと発展し、科学万能の時代を根本から覆すものとなる。

 【工学、物理学の発展】
 ◆真月・マサト(中学生月のエアライダー・b47415)。科学者となり『神秘物理学』の分野を開拓する。エアライダーが安全着地できる限界値やアビリティが起こす物理現象の波などを解明。後の詠唱工学や龍脈工学に多大な貢献をする。
 ◆御堂・遥(銀の剣閃・b02015)。軍に就職した後、ゴーストに対抗するための戦闘機開発に着手。詠唱兵器の研究開発に高く貢献した。将来的には異相次元戦闘機を開発したいと述べていたが、ある実験を境に消息を絶つ。
「人間は能力のほかに科学の力も使えるのですからこれを伸ばさない手はありません」
 ◆柏野・一樹(アクセルエッジ・b43711)。己のロマンに準じるため、アメリカ能力者組織を母体に『改造科学人間』という新たなジョブの開発に成功。彼らを率いて銀誓館NY分校実行部隊に協力した。彼の技術は広く利用され、定期的に表れるメガリスロボとの戦いや人型機械と融合した人型詠唱兵器の開発に繋がる。無論、初期パイロットは彼が勤めた。
 ◆川嶋・菜々香(後方の青色・b62613)。IMS研究の傍ら紛争地域で戦い、多くの人々を救う。後にIMSの技術を狙う多くの組織との熾烈な戦いに身を投じることとなる。敵対する組織の大半を壊滅させた頃、IMSの世代間伝達者として社会に貢献していく。後世では彼女は研究者として名を遺した。
「今まで頑張ってきて良かったですわ、これからも、平和で幸せでありますように♪」
 ◆星海・業(魂風に舞う翼・b22539)。国内バイクメーカーに就職。回転動力炉バイクの開発や、この時点では一般化していないホログラムスクリーン式のナビシステムの採用に勤しんだ。30歳を過ぎた頃、ひょんな事件で出会った身寄りのない子供を引き取り、結婚こそしなかったものの自分なりの家族をもつに至った。後のこのことはフィオンにバラされ、口を縫った。彼の開発したバイクが後世の男達にどれだけ強い浪漫を与えたかは、もはや語るべくもない。
「何れ変わっていく『今』を大事にしながら今出来る事を精一杯やって生きて行く。最後に笑って逝く為に」
 ◆天守・矜星(全てを振り切る灼熱の最高速・b67547)。崩壊期は訓練教官の一人として巨大ゴーストに挑み、右腕を失う。その後は敵対能力者組織やゴースト集団に物理的交渉を仕掛け、彼の性質をよく知る司令部からさりげに有効利用されていた。老年期に入り、それまで技術開発を行っていた柏野一樹や星海業らと共に詠唱工学の発展に寄与した。地球を巨大な回転動力炉として利用する理論や機械義手を発展させた詠唱義手などで注目を浴びる。
 ◆犬神・伏姫(死人機士団・b77239)。学園傘下組織『犬神機関』を設立。次世代回転動力炉の開発を進めた。星海業らのエンジニアと共に詠唱バイクを開発し銀誓館学園やその連携組織へと配備する。天守矜星の提唱する地球回転動力炉にも着手するが、これは実装には至らなかった。同時期に犬神リューシャの『人狼騎士第三艦隊』に回転動力エンジンを搭載する。詠唱戦艦の誕生ともてはやされたが、詠唱兵器の効果範囲20mという壁をついに超えぬまま、動力源としての利用にとどまったという。また使役ゴースト研究チームにも投資し電子情報から生まれたゴーストであるケルベロスの研究を開始。御堂遥の詠唱戦闘機と並行して開発を進めていった。
 ◆風芽丘・真(高校生真従属種ヴァンパイア・b80689)。世がIMS開発に沸く中、イグニッションカードの研究に没頭。とりあえずICチップを付ける所からはじめたと言う。当時多くの論文を発表した真月マサトらと協力し、多くの発見をするが、実用的なものは少なかった様子である。木之花さくらと結婚し非常に奇妙な家庭を築く。彼は先に寿命で死去するが、愛は永遠にあったという。
「何があろうと、どうなろうと、今生が終わっても、それでも、君を、愛している」
 ◆霧道・樹(霧の中の灯・b67674)。大学で鉱物学を専攻、卒業と同時に博士号を取得する。月の石の研究に着手し、月面緑地化計画に少なくない影響を及ぼした。余談だが、月面に只管植林し続ける際に地球上のさまざまな植物が役に立たず、彼の研究がなければ全種類の植物を百年かけて植え続けるハメになっていた……かもしれない。

 ――工学の発展は人々の暮らしをそこまで大胆に変えたわけではない。
 しかし新しい乗り物の誕生が新しい大地への進出を意味するように、彼等の目は宇宙へと向けられた。
 それまで科学技術の限界とされていた月面着陸を詠唱工学によって実現し、宇宙空間でも活動が可能な能力者たちの手によって革新的な宇宙開発が始まった。
 これは後の『月面緑地化計画』にも影響し、次の宇宙を目指して研究する者達や、これより先の未来で起こるであろう太陽系外への進出にも影響を及ぼした。
 いつしか彼らによって新天地が生まれ、まだ見ぬ来訪者との遭遇を果たすこともあるかもしれない。浪漫を追う者達の挑戦によって。

 【宇宙開発分野での発展】
 ◆角田・堅一郎(真ゾンビハンター・b57323)。宇宙の果てを夢見て宇宙開発に協力。宇宙飛行士となる。宇宙空間でも上半身裸の状態で人々をビビらせたと言われる。老後もその屈強な肉体は変わらず、かつての仲間たちに会いに行ったとか。
 ◆小森・つばさ(ミスオールディハロウィン・b06575)。宇宙に存在するまだ見ぬ来訪者を求めて宇宙開発を続ける。彼女の思想は、これからもうしばらく先の未来に実現するであろう惑星間旅行に強い影響を与えた。
「私は、彼らと私達の繁栄のための架け橋になるんだ」
 ◆鳴神・裁(ごにゃ〜ぽ・b45171)。鬼の手でも全宇宙はムリと知るや宇宙開発に着手。同志と共に宇宙飛行士となった。泰平期には太陽系を外れ遠い銀河を目指したとされている。その時も蒼汁(アジュール)片手に『ごにゃ〜ぽ☆』は健在だったとか。
 ◆楡崎・洋子(梅咲洋子・b16444)。義手技術を発展させ、大乱時代に義体化技術を軍事利用させてしまうが、各国組織に利用される前にバックドアを用いて軍利不能とした。この協力に夫のダンディ梅咲(愛称)の影があった。後に宇宙活動用サイバネティック技術を手掛け、月の緑地化計画に協力した。
「医療は誰でも受けれるべきよ。でも、軍事利用はもうだめ」
 ◆神原・勝義(真ムーンサルトリ・b28635)。研究者の道へ進み、宇宙飛行士を目指して多くのことを学ぶ。後に科学の力で宇宙へ出る。当時撮影された『能力者に宇宙服は要らない』という写真が後の科学史で代表的な一枚となる。
 ◆神薙・焔(ガトリングガンスリンガー・b62427)。生涯をかけて宇宙開発に尽力。50年近い歳月をかけ、急速に発展した詠唱工学や龍脈技術や神秘建築技術の粋を集め軌道エレベーターの開発計画に至った。月面緑地化計画が安定を見た頃、更なる挑戦のため恒星間航行宇宙船の建造にあたる。当時『零システム』からはじき出された未知の地球外生命体の探索へと、多くの仲間たちと共に乗り出すのだった。その実現は、一世紀以上先のこととになると思われる。
「全機関出力正常、オールシステムズ・グリーン―さて、面白くなってきたわ!」
 ◆山背・天佑(愛こそはすべて・b76899)。卒業後医大へ進み、国家試験合格後には実家の外科医として活動。一族経営の病院の時期後継者として期待されるも突然の辞職。まさかの宇宙飛行士となり月へ飛んだ。暫くしてから実家に戻り病院を継ぐに至る。五十代に入った頃に会長を辞任し、宇宙探査船に乗り込んだ。
「待ってろよ、異星人の美人さんたち!」
 ◆常雅・影見(ヘラクレイア・b82834)。泰平期、月の都にてさまざまな管理を行った後宇宙開発チームと共に恒星間航行を開始。その際あえてレトロなSF映画に出てくるような宇宙服を着込んだという。尚、その際地球に残された彼女の知識はいくつかの分野で役立てられている。
 ◆栗田・鈴霞(日次の木花・b85530)。リグと結婚。研究者となり、宇宙開発に着手する。多くが詠唱工学に注視するなか、彼女は浪漫のために電気工学に集中した。後に恒星間航行船の開発が行われる際、彼女の研究が役立ったとされる。

 ――ゴーストが日常的に発生する世界。そこは従来の電波方式の通用しない世界である。
 これによって多くの通信業界が滅亡の憂い目を見ることとなったが、入れ替わるようにして『妖狐ネットワーク』が普及。
 ゴーストの闊歩する世界でも安定して利用できる無線通信方法が確立した。
 中には氷室冷羅のように『人工龍脈ケーブル』を開発しネットワークを確実なものとする事業もあり、何だかんだ言って通信業界もタフに生き残ったという。
 また、運命予報を失った銀誓館学園がかつての『悲劇を事前に回避する』技術の開発も進んで行った。
 要耕治の『零システム』やそれを支える『情報編纂室』は運命予報に代わる技術として着目され、世界の治安回復へ大幅に貢献することとなる。

 【ネットワーク開発の発展】
 ◆氷室・冷羅(アイシクル半霊・b22689)。詠唱兵器によるデバイス開発に携わり、公共電波に代わる霊的通信産業を狙って日夜努力を重ねた。その成果は人工龍脈ケーブルや詠唱通信ボックスなどの公共通信機器として発展し大きな功績となる。尚、電波に代わる情報網は妖狐ネットワーク技術が先に立ち、無線通信による通信産業の分野では敗北してしまった。校長世代はこれをさして『ベルとエジソン……いや、PHSと携帯か』と述べた。だが冷羅が残した研究結果が後世にとって貴重な財産になったことは間違いない。数十年後の詠唱通話機時代の到来……つまりスマホ的立場である。
「うふふ、私は能力者人類史上に革命を起こす……!」
 ◆イクス・イシュバーン(神聖なる白煌・b70510)。自らの所属する組織を束ね、その上でマヨイガネットワークの構築に尽力した。この功績によって救われた人物は多い。
「あの時から、思えば随分時間が経っていたんだな。でも、それも……」
「イクスさんと一緒なら…なんでも出来る気がする。だから、これからもよろしくね」
「もちろん、この先もずっと、樹と一緒に」

 ◆要・耕治(気骨稜稜の徒・b00625)。2024年頃から駄菓子屋『コージー処』をオープンするし、品数の割にろくに開いてない店として評判を得る。その裏で数々の情報を自作のスパコン『零』へと銀誓館司令部と連動した情報蓄積を開始。暫くして探偵騎士となりゴースト事件に情報面からサポート。最終的には膨大な情報量を蓄積した2050年型『零』をもとに未来予知に近いレベルの探偵スキルを行使。オンリーコア制からフリーコア制へ転換した『零システム』が稼働し、未来に起きる様々な事件を未然に解決する希望となった。
「人の知識は老いと共に衰え、消えていく。そうならない為に今から準備しないと」
 ◆来見・かえで(高校生除霊建築士・b68911)。崩壊期前は除霊建築技術を広め防衛拠点を指揮。後にシステムエンジニアとなり自律情報蓄積システムの開発に勤しんだ。後に彼女の部署は『情報編纂室』と呼ばれ、『零システム』などの発展に大きく影響することとなる。
「ですが超膨大な情報量を素晴らしい計算力が取り扱えば、それは予知ともいえる予測が出来るのです。という事で定義上、人の手による完成はないでしょうが常に進化を続けていかないといけないのです」

 ――能力者が日の目を見ることで、最も身近に発展したのは建築業界だろう。
 『世界除霊建築連』を初めとする多くの除霊建築士はゴースト被害を免れるための除霊建築様式都市の開発、発信に取り組んだ。
 それは防災建築のハイエンドとして世界各地で取り入れられ、後の建築技術の基礎を生むこととなる。
 特にメディアからの注目を集めたのが『瀬戸の守人』などによる人魔共存型都市の誕生である。
 従来ゴーストを阻むものであった除霊建築技術を複雑に発達させ、過去の高度建築技術と組み合わせることで無害なゴーストが人と共棲する建物が創られたのである。
 それは悪路王ですら想像しなかった、新たな人魔共存の形であったという。

 【建築、都市開発分野の発展】
 ◆八幡・鋼鉄(心地よい住環境を貴方に・b80128)。世界の集落を巡り除霊建築を施して回る。後に除霊建築都市計画の同志を集め『世界除霊建築連』を設立。南城霧冶や北条糸吉といった優秀な建築士と共に広い技術共有を図る。その第一歩として中国に除霊建築様式によるモデルタウンを建造。その後四十年近い年月をかけ世界に技術を広めていった。そんな中で彼の指揮した計画は14都市にのぼるとされ、それらは後世で重要文化財として保護されている。
『私の夢は世界中の人々が朝に夜に安穏に暮らせる都市を造る事。世界は広く私の代では叶わなかった。私の夢を若き力に託したい。建物と君達の力で誰かに笑顔を与えて欲しいと願う』
 ◆鈴森・奏(は走り出したら止まれない・b81438)。鋼鉄と共に世界を回り除霊建築の旅をした。二十代で彼と結婚し、子供を連れて飛び回る生活であったという。『世界除霊建築連』ではデザインとユーザビリティを主に担当し、除霊建築士としては珍しい人魔共存型ユニバーサルデザインを発信した。夫には先立たれたが、記録によれば少しも寂しい思いはしなかったとある。理由は、推して知るべし。
 ◆日生・結希(晴れときどき雪女・b45294)。来訪者も暮らせる街を目指して糸吉と共に活動。
 ◆北条・糸吉(グスコーネリの伝記・b47495)。妻と二人三脚で来訪者向け住宅の研究に勤しんだ。
「糸吉さん、眠りから目覚めて何もなかったわたしに、生きる意味をくれた人。嬉しさも、楽しさも、哀しさも、いつも大事なことを教えてくれた人」
「見えているかい、みんな。この世界を。完璧でもない。最強でもない。けれど、得がたい日常を。銀の雨は降り止んだ。けれど、それが育んだ銀の誓いはきっと、世界中で芽を吹いている……」
 ◆南城・霧冶(中立の除霊建築士・b47330)。除霊建築学を深く学び、多くの知識と技術を得る。大学卒業後は日本に戻り除霊建築都市計画に参加。
「どんな形であれ最後には人の領域に再び関わり合えれば良いなって思っている」
 ◆犀遠寺・限(黄泉津の楔・b26238)。「瀬戸の守人」のメンバーとして開発計画に加担。ゴースト保護に尽力した。同時期に行われていたゴーストタウン浄化計画にも多少の接点があり、地域の浄化にも一役買っていたという。
 ◆桃野・香(夜焔鬼・b28980)。「瀬戸の守人」のメンバーとして活動するも、表立った活動は少なかった様子。専業主婦をしつつ開発事業を行い、海洋研究にも携わっていた模様。もはやそれは専業主婦ではない。
 ◆白山・小菊(懸崖菊花・b26103)。今治を拠点にゴースト保護団体をリード。「瀬戸の守人」と呼ばれ、多くの知性あるゴーストを救った。公的文書に登らぬ話ではあるが、メンバーの中にはかつての敵達の面影をみることもあったという。遠い親戚か、はたまた他人の空似か、もしくはゴースト化した『彼等』なのかは定かではない。しかしそこには仇敵ですら手を取り合える未来が描かれているかのようだったと言われている。

 ――技術が如何に変容しようとも娯楽は無くならない。
 これまでにない人々の交流が進む中、商業分野で大成功した者も多く、彼らは彼らなりの方法で世界に働きかけていった。
 人も来訪者もゴーストも、楽しむという気持ちは同じだったのかもしれない。
 それは同時に医療ネットワークの拡大や、医療技術の変化にも発展。
 多少の生態系変化から能力者だって花粉症になる時代である。彼等の回復アビリティに収まらない治療技術は人々の幸せに多く貢献した。

 ◆真和・茂理(一閃華烈な蹴撃乙女・b44612)。メガ盛りカフェを開店。カルトでマニアックでエキセントリックなこの店はメディアで取り上げられ有名になる。しかし店から得た私財は能力者の起業支援に回し能力者のメディア浸透を助けていた。崩壊時を挟んで動乱期。人種どころか生死の垣根を越えたカオススポットとなった秋葉原でますますの充実を見せる。この状態を促したのはほかならぬ茂理たちである。老後はゆっくり過ごしたのかと言えばそうではなく、アニメウォッチを欠かさずネトゲ廃人になり声優ライブで乱舞するオタクであったという。余談だが、60歳の誕生日にはブログの閲覧数が百億を超えた。
 ◆宮古島・うるみ(猛襲破砕型必殺撲殺赤貧少女・b57318)。ある意味お世話になったデパートに就職。自分で食べる試食係として名物化する。尚、毎度給料から引かれた模様。この後にゴーストタウン浄化計画に賛同。デパートのGT『千鵠百貨店』を浄化し跡地にデパートの支店を建設。支店長に。屋上には彼女の『打ち壊し1号』が飾られている。曰く、『福の神になった貧乏神の槌』。
 ◆魁羅・生命(普通の大学生・b62014)。赤口夏之丞氏とのコネクションを利用しつつ能力者の大口派遣に尽力。資産を投げ打って立ち上げたゲーム会社にて銀誓館をモチーフとしたシミュレーションゲームを制作。後も多くの名作を生みだし大企業へと成長させた。このかたわらで長年かけて制作したネットワークルーチンを銀誓館学園に提供。『零システム』や『情報編纂室』の効率化に貢献した。かくして魁羅コーポレーションの次期総裁候補となるが、自ら蹴って隠居生活へと入って行った。その後の行方は杳として知れていない。
「ワイは普通の人に戻るだけですわ」

 ◆滝川・雅樹(赤黒き白・b16164)。能力者による医療組織をネットワーク化し、新時代型の医療に貢献する。その間も前線に顔を出しては「ディフェンスに定評のある滝川さん」の異名を守っていた様子。老後は田舎に引っ込み町医者として活動する。
 ◆衛藤・浩也(小さなお医者さん・b50505)。アビリティでも治せない怪我や病気から人々を救うために医者となる。能力と医術を駆使して数多の戦場へ参加。60を過ぎた頃に『銀誓館付属病院』を開業。仲間たちと共に医療ネットワークを広げ人々の助けとなった。そんな立場から、彼は後世に多くのことを伝えていった。平和の犠牲になった人々も含めて。
「私は弱くて、戦うのは得意じゃあなかったけれど。銀誓館学園には、強くて優しくてかっこいい人たちが、沢山沢山居たんだよ」

 ――表の世界があれば裏の世界がある。
 政治分野からでは手の届かない裏世界の住人達は世界からはじき出されて暴徒と化した……などということは起きなかった。
 なぜならば、社会を裏側から支えた者たちがいたからである。
 それは闇組織『ダークネスシルバー』や極道組織『吼龍会』や『蝮一座』などの日の当たらぬ者達であり、彼等は正義とは反対側の善行者となり、動乱する世界を支えていった。

 ◆栂野・在人(ラディカルショウタイム・b01361)。実家のスタンスを受け継ぎ、荒くれ能力者による武装組織を結成。浪漫溢れる任侠ヤクザとして裏社会の手綱を締めた。無論三十路を過ぎても拳で語るスタイルは止めなかった。死後、人生そのものが映画化し、実在する浪漫として永く愛される存在となる。
「いやさぁ、30過ぎたオジサンだってのに楽させてくれないよねぇ。そりゃ退屈しないのはいいことだけどさ」
 ◆風月・陽炎(テトカポリトカ・b01404)。『風月百鬼』と名乗って全国を行脚。世界中の猛者と拳で語り合い、秩序からあぶれた能力者やゴーストたちににらみを利かせた。組織を起動に乗せた後は古書店を営む隠居生活を始めるが、広まった異名は一人歩きし都市伝説と化した。これが秋田なまはげ祭りの如く地域行事化するのはもう半世紀先の話である。
 ◆関・銀麗(天華青龍・b08780)。裏社会から裏社会の腐敗と戦う闇組織『ダークネスシルバー』を結成。数々のマフィアや死の商人たちと渡り合い、裏の歴史を塗り替えて行った。生涯世界の表側に出ることはなかったが、裏社会の住人たちからは伝説として扱われている。
「人間誰でも光はあるし、友人になれる。それこそが人間以外とも手を携えた銀誓館の心情なのだから」
 ◆迷惑・健(悪戯けものミミ忍者・b16630)。『けものミミ大隊』として冷ややかな目でみられつつも大戦時にはゴースト相手に活躍。その後もテロ集団たちを相手に「国営放送突撃取材班」の名前で活動し続ける。迷惑極まりなくふざけた連中だが、彼らの実績に感謝する者も少なくない。後に狗狼と結婚し小遣いをカットされ続ける日々へ。
 ◆狗狼・紗那(クルースニク・b17710)。SASの女性隊員となり交流人事で活動後、健と共に対ゴースト活動に従事。組織の重し役となる。激しい活動から「ビーストマスター」の通り名がつき、最終的には健の保護者となった。
「けものミミ聯隊! 装備品の最終確認を行う! 武器弾薬無線けものミミ尻尾OK? おやつは300円まで! じゃあ悪戯に行こうか!」
「けものミミ聯隊! オープンステージ!」
 ◆ラーニョ・セリアン(ほんわかいこう・b56853)。シルヴィーナと共にイタリアへ。その五年後に結婚する。後にセリアンファミリーの能力者として裏社会の秩序を守った。尚、ボスのシルヴォーナには全く頭が上がらなかった模様。
「ま、婿養子は辛いものでね」
 ◆稲葉・和音(黒獣凶華の断頸刃・b68065)。卒業後故郷に戻り、極道の叔父貴に頭を下げた。町の一角に屋敷をたて、孤児や軽犯罪で居場所を失くした若者たちを集め『蝮一座』を立ち上げる。彼らを養成、更正させていくうちに地元自警団へと成長。崩壊期から動乱期までの長い戦いを生き抜く。だがそんな和音も、毎年の2月8日には友の墓標にコーラを供えたという。それは数十年経っても変わらぬ友情の形であった。
「……なァ、見てるか? あたしとお前だけだった『蝮一座』、こんなにデッかくなったんだぜ?」
 ◆ニーニアルーフ・メーベルナッハ(誰彼の澱・b02883)。マヨイガ結社を本格的なカフェ兼バーとして運営。己の経験を活かしすすきのに独自のネットワークを構築した。基本閉鎖的であった裏社会での啓蒙活動に寄与し、能力者の育成にも尽力した。後に全国を放浪し、いくつかの子をもうけるが、彼女の血は色濃く残ったという。老後はある意味故郷であるすすきのへと帰り、『伝説のママ』として街を支えた。孫のニーニルメルツが新たなる伝説を作るのはこのさらに30年後となる。
 ◆龍餓崎・杏(剣術小娘オーバードライブ・b80943)。学業の傍らゴースト退治に勤しむ。その過程で不良やヤクザに好かれる。趣味の恋愛小説は当時も書き続けていた模様。後に非公認ファンクラブ『吼龍会』が立ち上がり、『有限会社吼龍会』へと纏める。大規模な極道組織に成長し、当時関東で勢力を伸ばしていた不利動覚と均衡を保ちつつ関東での影響力を拡大して行った。尚、恋愛小説はやっぱり書き続けていた模様。

 ――銀誓館卒業生が全て善人だったのか……その答えは残念ながらNOだ。
 人が五人集まれば悪意が生まれると言われるように、膨大な人数から成った銀誓館黄金時代の卒業生たちの一部は、自らの古巣であった銀誓館に牙をむくこともあった。
 それは強さを追い求めた末の堕落であったり、勝ち過ぎたがための道楽であったり、弱者を守るための正義ある悪であったりした。その多くは銀誓館の統治体制のもとに粛清、排除されていったが、彼等もまた銀誓館学園の一側面であったことは否めないだろう。

 ◆舞坂・瑠奈(中学生月のエアライダー・b81496)。反政治団体との熾烈な戦いに身を置き銀誓館学園をサポートしていたが、その裏で反政治団体に作戦指示と物資を送る影の支配者という顔を持っていた。それは刺激を求めての恐ろしき『いたずら』であった。その行為はやがて銀誓館司令部の知るところとなるが、身柄を拘束される寸前で自殺。しかし死体は見つからなかったという。それは勝ち続けた者が最後に選んだ、作為的な敗北だった。
「銀誓館の皆さんとは、二度と会う事は無いでしょう。それでは皆さんお元気で、さようなら!」
 ◆烏頭森・万葉(億千万の棘茨荊・b60331)。欧州の森を中心に活動。主に裏の仕事が多く、無慈悲なスタイルから『茨の魔女』と呼ばれるようになる。そのサイクルは徐々にエスカレートし、十年の月日が流れた頃には銀誓館から離別。銀誓館黄金時代からさらに磨かれた戦闘力にものを言わせ、破壊活動を開始する。後にテログループ『ミスティルティン』を率いた銀誓館破壊作戦を決行し回避不能の被害を与えかけるが、かつて肩を並べたこともある黄金時代のメンバーによって倒される。それはそれは壮絶な最後であった。
 ◆成田・樹彦(真妖狐・b81217)。世界結界崩壊時には様々な戦地に赴き、徐々に過酷な戦場へと送り込まれるようになる。しかしそれらの戦いを生き抜き、腕を買われて治安部隊の隊長へと就任。それまでと同じように多くの戦場で強敵と戦った。彼の性格は徐々にエスカレートし、反政治団体を皆殺しにするなどの過激な行動が目立つようになる。記録上、この部隊は途中で任務に失敗し解散したとあるが、彼にとっての『最後の任務』は何者かによる謀殺であったと言われている。尚、彼の死体は依然として見つかっていない。
 ◆高橋・燐(澄んだ氷に響く声・b41350)。戦いの為に平和を目指した高橋燐。彼は学園を離れ戦うためだけの旅へ。長い旅路の果て、親友の墓の前で原初の吸血鬼と銀誓館を最後の敵と見つけた。彼は伯爵が軟禁されているとされる施設を襲撃。妖狐勢力と当時彼と同じくらいに研鑽を積んだ銀誓館黄金期のメンバーと戦い、そして破れた。かつての相棒だったケルベロスも墓に近づいた物を攻撃しようとし、その理由も知らぬまま倒される。彼らの亡骸は残らなかったが、彼らが唯一世界に残したかったものは、もしかしたらちゃんと残せていたのかもしれない。
 ◆浅神・鈴(秘水練武・b54869)。家督を継ぎ小規模能力者集団の頭領になる。後に起こる『妖獣麻薬事件』にて友の沙希と誠司の衝突を止めるべく組織を率いた。
 ◆久留宮・沙希(紅の詠を紡ぐ者・b55661)。イギリスに大きな学園を設立し犯罪者組織の撲滅に当たった。後の『妖獣麻薬事件』で従兄相原誠司との宿命の対決を迎えることになる。
 ◆相原・誠司(魔剣士・b75597)。法にふれざるをえない社会弱者を護るうちに犯罪能力者の首領となる。『妖獣麻薬事件』では規模を拡大する犯罪組織を護るため身内である久留宮沙希と剣を交える運命を迎えた。そして事件は彼の死によって幕を閉じることとなる。
「やっぱりあなただったのね。身内として言うわ。素直に降伏して下さい」
「降伏はありえないな。これだけ俺の身内を殺してるんだから。力づくで止めてみな!」
「血の絆は尊ぶべきもの。友との絆は血よりも重い。悪いけど、ここは預からせてもらうよ」

 ――動乱の世の中で多くの反政治組織や過激派団体を鎮圧してきた銀誓館学園。
 世界の主要勢力は中国を中心とした大陸妖狐勢力、悪路王を中心とした知的ゴースト勢力、そして世界の過半数を占める銀誓館勢力にくっきりと分かれる形になった。
 世界征服は世界の半分を支配することだという言葉がある通り、世界は銀誓館を主とした巨大な能力者社会となり、銀誓館黄金時代の卒業生達が創った人魔の垣根をもたない平和な世界を目指すのだった。
 人々が手を取り合い、平和へと歩む世界。
 泰平の世が、訪れた。

 そんな中で最も注目されるようになったのはメディアで活躍する芸能人たちである。
 芸能界は特に2012年の芸能界進出作戦の影響を受け、銀誓館卒業生たちがトップチームを走るようになる。
 草間静音や山桜麻里たちのようなアクション性を兼ね備えた女優が特撮映画で活躍し、三崎優児などの映画監督が己の感性を武器に人々を楽しませた。
 それはまさしく、平和の象徴であったという。

 【アイドルや映像分野での活躍】
 ◆灯神・漣弥(巧速の探索者・b03209)。大学を卒業後、能力者向けの障害物レースを企画。メディアを通じて全国へ広め、自身もその花形選手として活躍した。晩年はゴーストの人権問題の解決に寄与し、様々な可能性を提案した。余談だが、ファンの女性と結婚し子どもは順調にスポーツ選手として成長しているという。
「死んだんだから消えろと言われない世界。それを目指しての有名人作戦&ゴーストとの対話を続けます」
 ◆草間・静音(ナイトダンサー・b02758)。美貌と踊り、そして過激な発言でアイドル業界でブレイク。後に女優やコメンテイターへ転向し、アイドル事務所も立ち上げた。『戦うアイドル』というジャンルをうちだし世に輩出し能力者の名誉向上に大きく寄与。しかし本当は自分が『戦うアイドル』になりたかったと自叙伝に記している。
「昔なら冗談かギャグ漫画だったけど、本当に身の危険が迫るマンガみたいな世界には必要なのよ。マンガみたいに助けてくれるヒーローが、ね」
 ◆風魔・姫耶呂羅院(誘凪・b26286)。卒業後単身アメリカに渡り体当たりで芸能活動を開始。バーの歌手やエキストラから始め、現代のクノイチとしてノースタントアクション女優として大成する。彼女自身のエキセントリックさから、シタール演奏や奇抜なコスチュームで全米を魅了した。世界結界崩壊後は友の為にと紛争地帯を飛び回り、その後も女優業には戻らず後進育成に励んだ。特殊な環境下で育った子供達だったからか、「風雲忍者」という新たなジョブの発見にもなったという。尚、この忍者たちは銀誓館の忍者教師に丸投げされた。
 ◆水菜・渡里(フワモコがお友達・b27348)。アクション女優として銀幕や特撮で活躍。仕事柄啓蒙活動は非常にスムーズだったという。32を過ぎた頃、廉貞へ告白。そこまで言うならと廉貞は彼女を受け入れた。驚くべきことに、その際一言も発しなかったという。その後は気持ちを切り替え能力者テロリストとの戦いに参加することとなる。命がけで帰ってきた彼女は再び廉貞のもとへ。老後は子供達と共に安らかに過ごしたという。
 ◆山桜・麻里(花守くのいち・b35101)。くのいちアイドルとして芸能活動を行っていたが、紛争地域での戦闘がメディアに露出し話題を呼ぶ。三十代では大人の色気を存分に発揮し女優業をまっとう。彼女の戦い方が海外メディアに派手に取り上げられる頃、『山桜流くのいち』というジャンルが確立。後に、娘悠里安は母の跡を継いで芸能界へと羽ばたいた。
 ◆対馬・藤十郎(今弁天・b38735)。大学卒業後舞台役者に。父の養子に入り家の後ろ盾を得た。この時政略結婚を断ったため業界での立場を危うくし、その精神披露や親子間問題からの解放感から奇妙な演技をするようになる。その様相が気に入られ、かえって定評を得たという。世界結界崩壊後は演劇界の若手を纏め始め、時代の流れにそった舞台演出に尽力するようになる。動乱期には各地で慰安公演を行い、その陰で勧善懲悪に励んでいたという。後に演劇界の重鎮となり、銀誓館の芸能科を後援する。
「問われて名乗るもおこがましいが、知らずば言って聞かせようってなもんだ。――ここに御座いますは対馬藤十郎。木戸銭は六文銭にまけとくぜ!」
 ◆高崎・優一(真モーラットの花嫁・b24417)。子供向け番組のマスコットとしてモーラットのカント君と芸能活動を開始。広い層が楽しめる番組作りを目指した。世界結界崩壊後は芸能活動の傍ら子供達に能力やゴーストについての知識を与えた。しかし彼が最も人々に伝えたのは、人とゴーストの垣根なく手を取り合うという精神だった。
「カント君ありがとう。これからもずっと一緒だよ。死がふたりを分かつまで……ううん、死ですら分かつことはできないよ。カント君、大好き」
 ◆草影・茜(茜色のストリートシンガー・b47797)。元アイドル。ダンボール野宿で世界をめぐる番組を長年続け、老年期に入ってもダンボール片手に各国を巡り続けた。後に彼女のあとに続く旅人が現れバックパッカーならぬダンボーラーというジャンルが生まれる。
「ここに言おう! まだ世界はまだまだ希望があると!」
 ◆三崎・優児(活劇少年・b48478)。長年映画に関わり続け、芸能プロダクションを経営する。殺陣師も兼ねており、アクション映画界では有名となる。後に横浜の小さな映画館を買い取り、様々な上映機材を揃える。映画文化を後世に残した。
「これが上映会のフィルム? ウチの機械で多分大丈夫だけど、だいぶ傷んでるね〜デジタルに落とす職人なら紹介できるけど?」
 ◆黒依・しろ(あなただけのアイドル・b49029)。アイドルと言う名のコンビ芸人としてデビュー。モーラットのもっさんと共に不本意ながら売れる。初となるシングル「モーラットながめてれば世界はなんとなく大丈夫」は当時を代表する曲のひとつとなった。やはり不本意ながら後の『ゴースト芸人』分野を開拓するに至った。
「自分のやりたい事と世界の行く末、重なり合えたら、素敵じゃない?」
 ◆小野寺・さくら(乱れ咲く夜桜・b63287)。大学卒業後は女優となり芸能界で活動。そのうち能力者と非能力者の間に生まれた意識断絶に着目。ゴーストや能力者を題材にした作品に多く出演し、意見交換のパイプラインを作るようになる。60歳ごろに女優業は引退するが、それまでの活動は継続した。彼女が携わってきた多くの作品によって人々の意識が変わって行ったという。
 ◆黒須・烈人(にゃんこはかぶりものです・b64496)。中学生の内に俳優業へ進出。技巧派として評価を高めたが、子供・ファミリー向け番組には特に多く出演していた。だがゲームに関してはマジだったという。その職業柄紅羽との姉弟共演なども話題を呼び、ハリウッドでも活躍した。還暦を過ぎても彼はヒーローおじいちゃんと呼ばれ、多くの人々に希望を与えたという。
 ◆月守・紅羽(焔翼・b67441)。ノースタントアクション女優として多くの映画やドラマに出演。その演技は躍動感を通り越して飛翔感を与えるとして世界的にも親しまれた。彼女の翼は生涯現役であったという。

 ――平和の象徴といえばこんなことがあった。
 動乱の世を抜け、平和な世界を喜ぼうと『音楽祭』が開かれたのだ。
 音楽を初めとする芸術分野が能力者業界の中で比較的高い評価を受けていたこともあり、銀誓館学園のみならず世界中のミュージシャンたちが結集したという。
 彼等の歌は全てが全て平和の歌と言うわけではない。しかしそれは人間の歌であり、魂の叫びであり、この世界に生きることを喜ぶ歌だった。
 もしかしたら、これが生命賛歌の真の形だったのかもしれない。

 【音楽業界での活躍】
 ◆水田・えり子(スターライトティアラ・b02066)。皆の幸せの為に歌手活動に奔走。音楽祭ではその成果を存分に発揮した。銀誓館歌手業界の代表的存在のひとりとして後のアイドル名鑑に記録されている。
「世界の皆さん、今この時、平和を実現出来た事、とても嬉しく思います。これからもこの平和が末永く、願わくば永久に続けられますように、私が作った歌…是非、皆で歌いましょう。『Never Peace the World』」
 ◆内田・ゆりな(ブルースターオーシャン・b79935)。えり子のバックダンサーやバックバンドとして活動していたが、30代に入ってからソロ活動を停止。えり子を支えるため全力を注ぐ。『内山オフィス』の経営に会わせて結城結衣菜、榊くるみ、といったアイドルの若年期をマネージメントし、芸能界での活動を支えた。泰平期に入ってからは『この平和を記念して、世界的な音楽祭を催したい』というえり子の提案を受け、当時活動していた椎名健一や立湧深冬らのベテランミュージシャンを集め音楽祭の準備に勤しんだ。多くの同志の協力によりイベントは無事開催。平和を象徴する一団イベントとなった。
 ◆真神・綾瀬(蒼風の舞姫・b39277)。プロダンサーの劇団を立ち上げ、同時に能力者の教育も行う。真神三兄弟はその前後に結婚。すぐに子供が生まれ賑やかな家庭となる。音楽祭には劇団をあげて協力した。
「真神のきょうだいは仲良しです。だって、『死と隣合わせの青春』を力あわせて乗り越えてきた強い絆があるのですから」
 ◆真神・瑞貴(氷の貴公子・b45562)。養子として真神家の一員となった彼だったが、それもあって劇団の盛り立てには努力した。音楽祭を実現させるため方々へ走り回り盛大なものとした。
「元々ボクは来訪者で、真神に養子として迎えられてここまで来た。劇団が世界にはばたけるように、精一杯頑張るよ」
 ◆真神・智尋(此花咲耶姫・b41226)。姉が立ち上げた劇団に所属。安城翔をパートナーとして劇団経営に励む。音楽祭ではプロデュースや宣伝を手掛けた。能力者としては生涯現役を守り、姉たちと共に各地を駆け回ったとされている。
「私達は手を取り合って生きていく事でしょう。激動の青春を、絆の力を持って越えてきたのですから。絆は切れません、永遠に」
 ◆榊・くるみ(がんばる女の子・b79108)。アイドルを卒業後も芸能活動を続け、タレント事務所を設立。真神が劇団を立ち上げる際に志を同じくして合流した。
「この祭典がわたしたちのしてきたことの答えなのでしょう…旅立っていった仲間達の耳に…いいえ、魂に届くくらいに精一杯歌いましょう」
 ◆立湧・深冬(嵐を呼ぶかも知れない前向き娘・b07602)。シンガーソングライターとしてデビューしヒット曲を幾つも生む。その功績から作曲家としての活動をメインに据えるようになり、銀誓館出身の歌手たちの助けとなる。彼女の特徴的なドラムペースは『立湧サウンド』として有名になる。
「大輪の花は咲かせなくても、聞く人の心に何か種を残さなざるを得ない。そんな楽曲を作って行くんだ」
 ◆永代・志緒美(不敗の月戦姫と呼ばれた少女・b82703)。銀誓館の兵士として能力者活動に従事した後、立湧プロデュースによるアイドル活動なども行う。最終的には月へと戻り、都の復興に尽力したという。
 ◆音無・舞子(ムーンライトダンサー・b83874)。ゆりなのマネージャー兼秘書として活動。音楽祭の準備にも奔走した。
「今、こんな日を迎えられた事に、えり子さんに、ゆりなちゃんに。たくさんの支えてくれた皆に感謝を……♪」
 ◆結城・結衣菜(ブレイドディザスター・b54577)。えり子に憧れアイドルの道へ。培ったコネクションを駆使して音楽祭の開催に協力した。
「これからも、手を繋いで、今を重ねて行きましょう。この世界は、その未来は、今を生きる者たちが繋いでいくのですから! そして子へと孫へと受け継がれていくのですから!」
 ◆イレーナ・ファングバード(青いハートのストレンジャー・b58075)。ケットシーのアーサーと共に音楽業界で活動。歌手のアーサーとマネージャーのイレーナという組み合わせだった。音楽祭開催時、アーサーを連れて来日する。
「僕の才能が歌や音楽にあったのは、きっとイレーナやエリコとすごせたからだよ」
 ◆水野・亀吉(ネガポジムジカ・b19642)。ミュージシャン「negapoji musica」のK吉として国内活動を送っていたが、後に世界へ進出した。『全ての音楽を世界中に届ける為に』をキャッチフレーズに様々な音楽にも挑戦していった。老後は作詞作曲を請け負うプロデューサー業につくが、恋人の話は無い。鶴吉とは2025年頃に墓参りに行った。
 ◆退紅・涼(燦めきの旋律・b22876)。フランスを拠点にピアニストとして活動。戦いに疲れ、世界の移ろいには見守る姿勢をとっていたが、結界完全崩壊時には紛争地域へ駆けつけたという。老後は拠点であるフランスで音楽を子供達に教える立場についた。ケットシーのラヴェルは彼女の右腕として最後まで付き添ったという。
「昔々、銀の雨が……出だしからつまんない? まぁまぁ、聞いてよ。おばあちゃんのこのお話は、どんなお話よりも不思議でワクワクするんだから」
 ◆椎名・健一(六番目の夢からの招待・b51618)。音楽スタジオ『end roll』を開いた。スタジオ名を結社と同じにしたのは仲間たちに自分自身を知らせるためでもあったという。夢を叶えて音楽業界でプロ活動をするが、商売や人気の軋轢に悩むこともあったとか。それでも愛しのマイカスタムギター「FACES」は手放さず、彼は人生をかけて歌い続けた。
「お仕事の時間だ、歌うぜ」

 ――世界の真実をより分かりやすくをモットーに始められた出版業界への進出。それは泰平の世にきて方向転換を図ることとなった。
 多少プロパガンダ的側面を持って漫画や小説、絵本などを書いていた作家たちは解き放たれたように自分自身の気持ちを本に乗せていった。ブックメイカーやコミックマスターの活躍があってか時代の勿れの中で『本』という媒体が文字文化の中心から離れる事はなく、銀誓館学園の卒業生達も多くの本を出版し、業界を賑わすこととなった。
 しかし不思議なもので、彼等が描きたいものを描いて生まれた本の多くは、銀誓館学園の長い歴史を克明に現したものや、生命の温かさや尊さを伝えるものだった。
 それは後の世に残され、繰り返し読まれ、消えてしまうことは無い。
 なぜならば。
 本は夢の結晶だからだ。

 【出版業界での活躍】
 ◆エルレイ・シルバーストーン(銀石の操霊士・b00312)。久しく戦争から離れていたが世界結界崩壊後の紛争地域で家族と共に参戦。その後は絵本・童話作家として多くの作品を世に放ち有名になる。幻想的でありながらも現実的な彼女の童話は何世代にも渡って伝えられることとなる。
 ◆八雲・椎名(蒼風の守護者・b70646)。「魔法が使えてもできないことはたくさんあって、それが夢見られる素敵な事ならファンタジーは成る」として旅をしながらファンタジー小説を書き続けた。尚、小説家と呼ばれることを嫌い『ファンタジー作家』と名乗るようにしていたという。そのうち知的ゴーストや人間たちが加わるようになり、どこか不思議なメンバーのまま、彼女の旅は長く続いたという。
 ◆沢北・夜水(沢北家の魔女・b62531)。『自分の身に起きたことはちゃんと受け入れること』を信条に、絵を通じて人々に自分の想いを伝えていった。そのためあまり多くの武力を持つことはなかったが、彼女の絵によってどこかの誰かが一つの犯罪をやめ、どこかの誰かの命が救われ、そして多くの伝播を経て反能力者団体の蜂起が取りやめられたと言われている。晩年は孫たちと暮らし、生涯最後の本を執筆した。
 ◆足利・灯萌(奪ってもいいのよというか奪え・b32352)。漫画家としてデビューし、エロかったりエロくなかったりする多数の能力者漫画を手掛ける。遺作となった『時代を創った君達へ』は映画化され、漫画史において時代を代表する作品となった。尚、コミックマスターの大増殖により規模が大変な事になった同人誌業界から『男の娘』と呼ばれる新しいジョブが発見され灯萌の手で全国に晒しあげられた。海外からの『可愛い日本人が女の子の筈がない』は当時海外掲示板で流行ったスラングである。ある種激闘の数十年は、10歳から続く病に終止符を打った。武曲の里の復興を確認してからの、まるですべてやり切ったかのような死に顔であったという。その後マヨイガに超新星の如くゴースト漫画家が誕生するが、彼女(?)と関係があるのかは不明である。っていうかできれば知りたくない。
 ◆塩原・朱理(赤烏・b00975)。紛争地域へ参加しながらも漫画活動を続け一躍有名になる。その後は編集担当の眼鏡っこを連れて大陸妖狐との会談へ臨み、まさかの『九尾をモデルに漫画を描きたい』発言でファンたちの『それでこそアッカリーン!』という声援を浴びた。彼を語る際に用いられる「そんなことより漫画描こうぜ」はネットスラングとして長年愛されることとなった。老いてからは銀誓館に戻り、なぜか懲罰係として活動したという。
「名乗るのを忘れていたな少年、私の名は塩原朱理。これからは老師と呼んで敬うように」
 ◆紗白・波那(光巡る花・b51717)。世界結界崩壊前に仲間のプラトン立体発見に協力。ボルドーの結社にて巡礼士たちと絆を深めた。生涯をかけて銀誓館学園を題材とした漫画を描くが、その膨大な量に流石の本人も目を回したという。後に波那の子供が世界めぐりの旅へ。自らの力を封じたメダリオンで助けたとされる。
「何よりも、あの子には助けてくれる人がいっぱいいる。友達の子供とかも一緒だから。あーあ、今頃どこで戦ってるのかな。昔を思い出すよ」
 ◆八重咲・凛々花(月夜に咲く桜花・b51904)。学園モノのラノベでデビュー。大学を卒業後はドイツ製のアナログゲーム翻訳をおこなうようになる。コミカライズ担当した漫画家と結婚し、娘を出産。娘が能力者となった頃に放浪の旅を始めた。ドイツの元原初側吸血鬼とも交流があった模様。
 ◆沖浦・小夜子(読書少女・b57879)。文筆家となり多くの書を出版した後、郷土研究科として銀誓館の歴史を所に残した。晩年まで本棚に囲まれ自らの手で記録を続けた。小夜子は銀誓館の全てを書に残すに至らなかったが、彼女の活動に感化された後輩たちによって後の世で完成を見ることになる。それは伝説ではなく、ひとりの少女が見た素晴らしき人々の生き様だったという。
「しかし、これを読んでいる銀誓館のあなたが作るものは、私が書いたものがくだらなくなってしまうほど、新しい物語が紡がれているかもしれません」
 ◆永代・七緒(真燃えろコミックマスター・b64279)。同人活動と出版社への持ち込みを繰り返しついに漫画家デビュー。アニメ化の際は『立湧サウンド』のオープニングが話題を呼んだ。
「たとえ大きな花を咲かせなくても、読む人の心に何らかの種を残したい。そんな漫画を描き続けるぜ!」

 ――本が夢の結晶ならば、スポーツは希望の結晶だ。
 能力者がまだ珍しかった2012年、人間の限界をゆうに超えた能力者たちを見て人々は超人の誕生だと希望をもったものだが、それから数十年経ち能力者が当たり前の世界になってくると、今度は『能力者はどこまで行けるのか』が人々の希望になった。
 草剪ひかりや御陵敬介はそんな彼らの希望となり、超人的な自らの肉体を超々人的肉体へと進化させたという。

 【スポーツ分野での活躍】
 ◆嵐月・凪(パラダイムストーム・b71242)。プロインラインスケーターをめざし単身アメリカへ。さまざまな大会で優秀な成績を収め世界的なスケーターとなる。やがて業界の代表格となった凪はインラインスケートの人気復興のため普及活動に勤しんだ。その間も先祖『嵐帝』の遺志もあり、平和な社会を作る為戦いの中にも身を置いていた。晩年は風の様に各地を転々とし、彼女らしく生きたとされている。
 ◆御陵・敬介(大輪の向日葵・b06020)。短距離走のトップアスリートとして世界的に名を轟かせる。一方で政治には関与しなかったが、能力者育成には力を注いでいた。余談ではあるが、かつて絆を結んだとある修行集落を見に行った際、ちょっとした少林寺になっていたという。歴史の表舞台には出ないが、彼らの遺した功績の一つだろう。
「今までを築いてきたのは俺達だ。けれど、本番はここからだ。良い世界になるも悪い世界になるも、未来の能力者たち次第だから。必ず、争いのない良い世の中になりますように。それを願ってるぜ」
 ◆草剪・ひかり(七色の虹を描く少女・b00540)。プロレス界初代唯一王者。25歳で現役を引退し、結婚者出産を経て指導者として復帰。40歳で世界プロレス団体のコミッショナーに就任した。そんなパワフルな生涯だったが、大病を患い死去。これまで多くの教え子を世に放ち、プロレス界を照らした人物であるとして数々の功績が称えられた。墓石には「宇宙一の頑張り屋、ここで一休み中」と刻まれている。
 ◆稲垣・晴香(発展途上の仔猫レスラー・b10327)。二代目唯一王者。伝説的な試合の果てに従姉である草剪ひかりから王者の座を奪ったが、『全盛期の彼女には追いつけなかった』という思いは強かったという。広く多彩な能力者アスリート活動で世界に能力者の存在を広めたが、体力の限界を感じ35歳で引退。初代王者の後を継ぎ二代目コミッショナーに就任。それから数年後の初代王者の死去に人目をはばからず号泣したという。後のプロレス界において『ヒカリハルカ』は伝説の二人であり、その魂は長くこの世界に受け継がれてゆく。
 ◆榛菜・織姫(勝利を照らす織女星・b57270)。競馬騎手としてデビューし、結社で育てたクロスナイトメア号で初勝利を飾る。激闘の末に安田記念GIを初勝利の夢を叶える。後に孫のシルバーナイトメア号でダービーを制覇する。引退後はテレビ解説などでのんびりとした余生を過ごした。

 ――能力者の限界を計るのに最も適切なのは戦闘である。
 崩壊期、動乱期と能力者達が戦いの中で生きていたことからも分かる通り、彼らの力の基準はやはり戦闘力ということになる。
 銀誓館学園で毎週のように己の実力を競い合っていたのも当然と言えよう。
 そんな彼等の戦闘能力は、多くの歴史がそうであるように、泰平の世ではスポーツへと変化した。
 オネット・ラッキーストライクが復活させた『アルティメット黙示録』はおおくの実力者たちを結集させ、四年に一度の能力者の祭典として永く愛されることとなる。
 これもまた、平和の形のひとつだ。

 【アルティメット黙示録の開催】
 ◆オネット・ラッキーストライク(弾丸は退かない・b84205)。戦士として戦う能力者が腕を磨き合う武術大会として『アルティメット黙示録』を公式競技化する。2032年に開催され、かつて2012年に行われた同名の大会に敬意を表し、『第二回アルティメット黙示録』と呼ばれた。後に妖狐の谷やビャウォヴィエジャの森で行われ、四年に一度の『能力者の祭典』として定着化した。
「いずれ泰平の世はやって来ると思うわ。だけど、その時に今まで戦った戦士の誇りを無かったことにしたくない。だからその力を存分に振るえる場所は必要よね。何よりも、どの能力者が一番強いのか、気になる人は多いでしょ?」
 ◆ガイ・ブリアード(裸足のマッスルナイツ・b00913)。常に筋肉と最強を求め、総合格闘技の頂点を目指して活動。表裏問わず数々の試合で活躍し、その裏では能力者としての活動もこなしていた。アルティメット黙示録には資金面及び人脈面で協力し、世の高い評価を受けた。後に彼は歴史の体現者となるべく封神台へ入った。当時のファンからは『永久不滅の筋肉』と呼ばれている。
「常に筋肉と最強を求めつつ最前線で戦うぜ!」
 ◆比良木・征司(ユニコーンギャロップ・b00148)。武道家として全国の格闘試合に参加していたが結婚を境に引退。審判員としての活動を始める。その際アルティメット黙示録の審判員を務め、競技の国際競技認定に一役買ったと言われている。後に業界で高い信頼を得るに至り、審判員の指導役を担う立場へと変わって行った。だが格闘家時代を知るファンからは復帰を期待する声も多かったという。
「これ以上の攻撃は認められない、大会規定にも反している。全ての組織を敵に回す覚悟がおありかね?」
 ◆森野・えり(ヨモギ猫娘・b08410)。征司と結婚。銀誓館卒業後は温かな家庭を築き、息子や孫に恵まれる。アルティメット黙示録開催に夫と共に協力し、当日には夫の応援に駆け付けた。
「昔は私も、征司さんと一緒に戦ったりしてたのよ。命がけでね」
 ◆刈谷・紫郎(見通す者・b05699)。学園黙示録をスポーツ化する運動を地道に行い、能力訓練の基盤として取り入れた。メディアへの影響力からアルティメット黙示録と合流する形となったが、彼の功績は後の世にも少なからず影響し、能力者育成の糧となっている。ちなみに、アルティメット黙示録でエキシビジョンマッチに参戦した際、根強いファンたちが興奮のあまりリベレイションしたという逸話をもつ。
「黙示録は死ぬまで止められない、病気みたいなものさ」
 ◆西条・霧華(真従属種ヴァンパイア・b53433)。夫と共に託児所『鈴蘭の園』を解説。戦場に赴いた親たちにもしものことがあった時のための保険として子供達を預かる託児所となった。歴史に名を遺すことよりも夫とともにいることが幸せだったという。
 ◆セレエル・ベディナン(忘却されし深森の血族・b69497)。託児所『鈴蘭の園』を作り崩壊時に残された子供達を預かる。泰平の時代には慎ましくも幸せに暮らせたという。妻からの贈り物は死ぬまで彼の手にあった。
「皆が幸せであれば良いと……そう思いませんか?」
「銀誓館に来られて、そして霧華さんと出会えて、幸せだった」

 ――銀誓館の歴史は愛の歴史である、といって過言ではない。
 土蜘蛛戦闘からラストバトルまでの黄金時代ですら、確認されているだけで一万人以上のカップルが存在し、その多くは卒業後に結婚したと言われている。
 ここで紹介する約二百人の恋人たちもまた、互いを愛し合い幸せな日常を送った。彼等の美しく素敵なエピソードを全て紹介できないことが実に実に悔やまれるが、その全ては愛と幸福に満ちたものだったと断言できよう。
 彼等の殆どは元気な子を授かり、その愛情は孫の代にも受け継がれたという。
 生まれた子孫たちは銀誓館学園へと通うようになる。
 そしてまた、学園には愛が溢れることだろう。

 ◆如月・清和(魔導特捜ザンガイガー真・b00587)。ゴーストとの共闘を目的としたテストケースチームに所属。その数十年後電撃的に引退を発表した。彼が最後に残した演説は教科書に載り、後世へ伝えられたという……が、彼が人生最も緊張した瞬間が息子に嫁を紹介された時だというエピソードはセットで伝えられたという。
 ◆穂村・陽子(猛き焔の妖狐・b10384)。夫の清和と結婚後、専業主婦となり二人の子を育てる。兄の洋介と妹の愛莉依(らぶりい)。後に名前が原因で娘がキレたことは言うまでもない。尚、家庭のヒエラルキートップは常に彼女が握っていた。
「本日付で、私は総監を退任する。公務員である私がいうのはおかしいが、命令だけではなく、心で考えて、守るために戦ってほしいと思う。私は、多くの種族と分かり合えるこの時代が好きだ、同時に君たちが紡ぐ未来をも私は楽しみにしています」
「文句があるなら母を倒しなさ〜い。如月家の大魔王と呼びなさい!」
 ◆都筑・騰蛇(穢れ無き鋼のプライド・b08282)。IMS後進指導と並行し、『救うための刀』として多くのゴースト・能力者事件を解決。孫にも恵まれ、彼自身は一人静かに生涯の幕を下したが、一説には亡き妻との再会を果たしたとも言われている。
 ◆黒桐・さなえ(甘党で乙女な符術使い・b20828)。32歳という若さで夫の騰蛇を残して死去。しかし一説によれば彼女は夫の生涯を晩年まで見守っていたと言われている。
「あなたにはとても辛くて悲しい思いと、大変な苦労を押し付けてしまったけれど、信頼していた通りにちゃんと子供達の事を立派な大人に育ててくれたわ。あなたが夜、一人で私の遺影の前で泣いている姿を見るのは辛かったけれど、今でも私を愛していてくれている事をとても嬉しく思いました」
「苦労ばかりかけてしまったキミに、沢山謝らなくてはいけないけれど。こうしてもう一度キミを抱きしめたかった。キミを失ってから、ただ手探りで必死に毎日を過ごしたけれど。私は精一杯頑張れただろうか」
「うん。へびちゃん、今までおつかれさま」
 ◆緋勇・龍麻(龍の伝承者・b04047)。自然保護官に就任後、ゴースト退治や能力者保護、新人育成など幅広く手掛ける。友梨と結婚し二児をもうけた後、紛争地帯での殲滅戦を挟んで孤児院を設立。後の生涯をかけてゴースト被害による孤児たちを救った。後に保護官を辞職し、貧しい人々のための民間能力者組織を設立。ひとつことに留まらず多くのこと為し、後に出版された歴史本はそれはそれは厚いものとなったという。
 ◆月宮・友梨(スペードの巫医・b00504)。龍麻との結婚から数年、閉鎖していたクラブを再開。後に通販アイテムショップ「緑の森」を手掛け、多くの資産を得る。この財産が龍麻の夢に大きく貢献したのは言うまでもない。かつては戦場楽団と呼ばれたこともあったが、経営者として有名になるにつれその異名は埋もれて行ったとされている。
 ◆此花・樹(朝朱の天・b01365)。32歳で美容室を経営。夜守の仕事を手伝いながら子育てに励む。子供達は立派に成長した。後に世界旅行へと旅立つ。
 ◆神門・夜守(真魔弾術士・b17149)。世界中を飛び回っていた樹の両親に無事挨拶して結婚。苦労しながらも家事を覚え、『あたりまえの幸せ』を教授した。しかし当人の本質は変わらなかったようで、テンションが高いまま老後へ突入した模様。
「船が出るぞ! ふむ、とりあえずはアレだ。船首に赴き、あの映画の真似事をせねばな!」
「それじゃあ二人で遊びに行こうか、奥さん。この先、いけるところまで一緒に居ようか」
 ◆緋之坂・央璃(タラントラディベルダストロ・b00444)。世界結界崩壊前は教師として、崩壊後は戦士として若い能力者を支えた。後に「能力に驕るな。人間性を磨け。理性無き力は無用なり」をモットーに教師生活を送る。定年には引退し、子供っぽいおばあさんとしてそこそこご近所に慕われた。……と言う所を覗けば大体、夫の朔太郎とラブラブし過ぎて人に砂糖を吐かれ続ける人生だった。遺影をハート型のツーショットにしても許されたのは後にも先にも彼女くらいなものである。
「うるせーよそもそも能力の強弱が正義っつーならあたしに従え。なんでイグニッションカードがあるのか考えろボケナスどもが。おら、反省文書きに行くぞ」
 ◆氷山・悠治(自由人・b00951)。金環日食を再び見る約束をしてから18年、次の約束と称して彼女の一生の伴侶となった。それから十数年後、『18年後の約束』という恋愛映画のモデルとなる。驚くべきことにフランス映画だった。
 ◆水沢・環奈(春雪に守られし桜の子・b18954)。『18年越しの金環日食をもう一度』という約束を果たして連れ添った二人。これが彼ら二人にとってとても大事な歴史であったことは間違いない。そして恐らくこの先も、彼女達の約束は続いたのだろうと思う。
「約束を果たして下さって、ありがとうございます」
「今度の約束は何にしようか?」
 ◆遙・菜子(青藍の薔薇・b00997)。瑛二と結婚した後、子供服のデザイナーとなる。後にふたりの子供をもち、紛争地域での作戦には必ず夫の傍にいたという。
 ◆時任・瑛二(バーミリオンクラッカー・b01400)。警察官になり、町の小さな能力者犯罪などを相手に奮闘。街のお巡りさんとして親しまれる。後に語られたことだが二人の切欠は、温泉で裸らを見られ「お嫁に行けない!」と言ったからだという。誰が聞いてもおかしな話である。
「まさかほんとに結婚するとはな」
「それでも変わらず、私はしあわせです」
 ◆鬼柳・詩織(狼なんか怖くないっっ・b01366)。零牙と結婚してから数十年。孫も育ち生活に落ち着きを得た頃、零牙の故郷を訪れた。『探してた場所』を見つけ、『最後の場所』へと向かうべく手を取り合ったという。
 ◆神桐・零牙(頭の悪い小娘を喰らう狼・b57241)。妻と日本各地を巡り故郷を探す旅へ出る。長い旅路の果てについに故郷を見つけたが、それは彼らの旅の終わりにはならなかった。彼等の終わりが何処にあったのか。それを知るのは彼ら二人だけである。
「どうか、『そこ』へ還るときまで。零牙くん、あなたのそばで」
「俺は、君と歩もう。最後まで」
 ◆篠田・春一(夕焼けの春空・b01474)。大事な家族と共に世界を巡り、多くの事件を解決。数十年経った後でも笑い合える家庭を築いた。それは心から求めた幸せの形だった。
 ◆瀬崎・直人(朝焼けの冬空・b03547)。家族の力を借り、いくつかの原初のゲームや陰陽計画を撲滅。余生を幸せに過ごす。悲しみの過去を経て、彼は笑顔を手に入れた。
 ◆ヒュー・メイスフィールド(百万回生きたくも・b36152)。IMS研究を重ね、母の治療にも成功。余生を家族と共に過ごす。『ごく当たり前の家族』のように、クリスマスケーキを囲む家族を持つことができた。
「やはりクリスマスと言ったらケーキとフライドチキンなのだよー」
「瀬崎チャン!一口貰いやがりますわよーォ?」
「何しやがるこの馬鹿爺犬!今のはノーカンだ、てめぇにゃ負けねぇッ」
「オッサンもいい加減、ガキ扱いすんじゃねぇッつの!」
「ついつい子供扱いしてしまうのだよ、うんうん」
「そうだっつぅの! つかオッサンの方が若く見えやがンじゃ無ェのーォ!」
「昔はあんま笑えなかったけど、今なら思いッきり笑えるぜ。これからも皆、ずっとずっと一緒だ」
「へへ、幸せ、だな?」
「ああ、本当に幸せだねえ、うんうん」
 ◆街田・良(常葉香・b02167)。妻の小織と卒業を待たずに結婚。子供達が能力者として覚醒したあとも幸せに生きられるよう教育を施した。老後はオープンカフェを経営。静かな余生を過ごした。
「剣を抜く事があるのは、世界を変えるためでなく、得た大事なものを、それらが紡ぐ先を守るために」
 ◆馮河・鼎(シロボシムシ・b02389)。世界結界崩壊後も夫のマオと共に世界中の人々を守るために活動。中年期はウェイトレスとしてマオの店を回し、晩年には共に横浜で余生を過ごした。
 ◆マオ・イェンフー(その漢トゥーハンド・b73520)。銀誓館にて戦闘部隊の教官として活動。中年期はコネクションを伝って一族の経営する中華料理店を拡大。大きな資産を残し、横浜で余生を過ごす。
「いや、幻じゃないな。鼎、俺と生きれて良かったのか?」
「ふふ……マオはん、その答えはもうわかっとるやろう? 今までマオはんと過ごしてきた長い長い時間、それが答えどす」
 ◆蒼間・夜刀(禍つ蛇・b02968)。世界結界崩壊後、彼のジンクスに沿って大した怪我もなく帰還。自分の子供達に剣を教える。それを切欠に剣道場を持つようになる。彼が彼の力のみのために磨いていた剣術が人々の希望に変わり始めていた。年老いて腰は曲がったが、それでも妻は彼のそばにあったという。
 ◆志水・みゆ(天空光の歌・b53832)。世界結界崩壊後は夜刀を前線に送り、影ながら街をゴーストから守る。後に彼等は伝説上の人物となり、武芸を嗜む人間たちの間で語られる存在となる。
「幸も不幸沢山あった。もう少し生きて、もう少し幸を掴んでいたい、そう思う」
「激動の時代を貴方と一緒に乗り越えて、この平穏な時代を手に入れた。でも、これで終わりではないですよね。まだまだ、若い人たちに伝えるべき事がある」
 ◆白雪・咲夜(根腐れの雪・b10190)。蟲が人によらず生きていける研究に従事する。後に一般能力者間の迫害を解消する運動を並行。年老いた頃には彼の研究によって多くの発見がなされ、彼の論文は後の社会に少なからず影響を及ぼした。
 ◆川原・世寿(皇帝の花嫁・b20582)。蟲の研究に身を費やす夫を陰ながら支え、娘を大事に育てる。晩年は夫と共に世界一周の船旅へ出た。白雪咲夜を学者ではなく人間として語る際、彼女と娘たちは欠かせない存在であったという。
「また、来れました、ね」
「そしてまた来よう、いつでも。私達はこれからもずっと一緒なんだから、さ」
 ◆御鵺・つづら(鳳仙睡羊弾蜂御寮・b10421)。世界結界崩以前。後継を育て、世界へと旅立つ。しかし未来の夫はいつまでも迎えに来ず、延々旅を続けていたが、いつしか彼女は彼の真意に気が付き、千里の距離を飛び越えて彼の胸へ飛び込んだと言われる。後に恋愛小説のモデルとなるが、その未来を彼女は知らない。
「お待たせいたしました。お覚悟くださいませ。もう、離しませんことよ」
 ◆芦夜・恋月(縛鎖の中で足掻く狗・b10866)。曾孫に暁(アキ)と名付け、能力者としての育成を図る。後に曾孫の名前の由来を明らかにする。それによって曾孫が新宇宙へ興味を示すことは、もはや必然といえた。
「私の唯一の下僕。従属種の名前よ。馬鹿でエッチで身勝手だったけど、でも、……嫌いになれなかったわ。好きだったって言えばそうだけども。貴方のお母さんはその冒険譚を寝物語に聞いていたから、だから、貴方の名前は彼の名前を付けるって、そう決めてたみたい」
 ◆銀・観風(闇に沈む刃・b02963)。暗殺業から手をひき何でも屋に転身。粘り強い一夫多妻制化の主張が通り、見事トライアングル挙式を実現させた。この裏には絆ゴースト婚や多種族間結婚といった複雑な事情に配慮する方針があり、かなりのトサマギであったとも言われているが、彼等の結婚式は後の『恋愛自由化運動』の象徴的ケースとして扱われるようになる。
 ◆八神・沙奈(マジックナイト・b22636)。観風との結婚後、異国の村でのんびりとした生活を送る。三人夫婦ではあったが、末永く仲睦まじい人生を送ったという。
 ◆柊・咲夜(安らぎと共に舞う粉雪・b62379)。トライアングル結婚式についての余談。彼女達は『国や社会が認めないならば自主的にやるしかない』と手作りドレスや簡易教会での挙式を考えていたが、同時期に動いていた『恋愛自由化運動』のシンボルケースとして取り上げられ比較的派手に挙式が執り行われ、メディアへの露出も少なくなかったという。
「これからもずっと3人で幸せなのですよぉ♪ よろしくね♪ 観風、沙奈ちゃん♪」
 ◆水無瀬・葵(黒刃の屍狩者・b03253)。大きな戦いを終えてからは教師活動に専念。持ち前の『男らしさ』のせいで女生徒に人気があり、不良生徒ともソリが合ったという。後に綜多との怠慢勝負に敗北。それを切欠にプロポーズを受け、なだれ込むように籍を入れた。彼女の生涯は別れや失恋の多いものだったが、生涯の最後は愛する夫と共に安らかに過ごしたという。
「子供がある程度大きくなるまでは母親である私が付いていてやらんとな。幼少時代の私のように寂しい思いはさせん」
 ◆暁葉原・燵吉(炎塵・b04308)。妻水咲と結婚後、人々が隔たりなく過ごせる場所にと喫茶店を経営。世界結界崩壊直後は結社『Chaser』の一員として子供達の訓練指導、そして戦闘にと奮闘。72歳のある日に曾孫が生まれた。激闘の生涯であった。
 ◆陰条路・朔之助(雲海・b21798)。永い歴史を経てフリーカメラマンとして活動。資産はそれなりにあった筈だが、学生時代に過ごしたアパートに戻りひっそりと暮らしているという。72歳になり、友の燵吉と再会。昔の写真を片手に肩を叩き合ったという。時を経ても変わらぬ友情がそこにはあった。
「俺な、お前の写真、本当に好きだな」
「サンキュ!」
 ◆掛葉木・いちる(翔月六花・b17349)。2016年のクリスマスに告白。バイト代を貯めた指輪で見事彼女を射止める。後に生まれる双子は銀誓館へ入学した。
 ◆ユエ・レイン(白の翼と銀の尾と・b27417)。(ある意味で)激闘のプロポーズを経て、双子を出産。二人が銀誓館の小学校へ入学するに当たり、懐かしさと嬉しさ、そして深い感謝が溢れたという。
「瞬く間に過ぎた7年。そして此処から更に6年も、きっと瞬く間に翔けて行く。幾重の戦いの合間の、失くせぬ幸いの形」
「世界がどんなに変わってもずっと変わらない暖かさをくれる貴方の頬にも感謝のキスを」
 ◆霧島・双一(黒狼ノ夜想曲・b17639)。霧島家当主を継ぎ、世界結界崩壊前に真理と結婚。後に日本へ戻り訓練組織に所属した。
 ◆新城・真理(は黒狼の隣でメモをとる・b34173)。夫と共に各地を転々としながらメモにとったゴースト事件をまとめた。その情報は学園へとフィードバックされ、少なからず影響を及ぼした。世界結界崩壊後は徐々に家事へとシフトしていき、宝くじを当てたり町の有名人になったりした。
「昔々、在る所で……メモを持った白い兎と帽子を被った黒い狼が出会いましたさ」
「私たちはね、決して同じような身の上じゃなかったの。それでもね、一緒に生きていけるし、協力することだってできるわ」
「どんなときでも、一緒にいる人を信じて、そして自分も信頼にこたえていけるようにその場その場でやれることをしていけば、きっと道は開いていくものなのよ」
 ◆五十鈴・尚人(神誓継承者・b17668)。教え子たちの高校進学を見届けてからIMS構築に従事。機械工学、電子工学、東西魔術の知識を活かし科学と神秘の融合に貢献。後に椛、神楽と結婚。さりげにトライアングル婚だった。
 ◆白岸・衛(白騎士・b02556)消防庁に入庁後、政府との情報調整に尽力。ゴーストや能力に起因する新たな災害とそれに対する能力者による防災などの仕事に従事した。その功績を評価され、世界結界崩壊後は対巨大ゴースト防衛組織に組み込まれることとなる。後に三女が彼氏を連れてくるエピソードがあるが、彼はその時ばかりは酷く緊張したという。
 ◆蜜月・杏奈(あんみつ姫・b00657)。結婚、出産後も幼稚園教諭の仕事は続け、次世代能力者の育成に取り組んだ。時は流れ銀婚式。三女が彼氏を連れて来るのだが、彼女はそれを温かく迎えたとか。
 ◆草薙・藤次郎(真水練忍者・b01852)。実家に戻り火狩と『全ては楽しくアレ』をモットーに生活。一気に増加する能力者への情報収集とネットワーク構築に協力した。流羽から『隠れ鬼』を挑まれるのはそれからもう少し後のこととなる。
 ◆鳳・流羽(門吏の符呪士・b03012)。世界結界が崩壊していく中、陰陽師の当主を下りるとともに社会から消失。公的には死亡したことし、第二の人生を歩み始めた。藤次郎に『隠れ鬼』を挑み、それが切欠で結婚。彼女にとって最初の、そして大事な『隠された歴史』となった。
「長さは知らねど、先を目指し、今日も進んでいきましょう」
「うん、第2の人生、退屈しなさそう♪」
 ◆汐見・棧穣(汀の黒龍・b02692)。結婚後、剣道場の主として後世に剣道の心を伝えていく。妻との間に三人の子を授かり、世界結界崩壊後は紛争地域へ家族総出で駆けつけた。それから数十年が経ち、妻と共に世界観光の旅へ出た。ひょんなことからケットシーの一団を救出し、懐かれたりしたとか。
 ◆束原・キリヱ(クルエラ・b07703)。結婚後、絞り染め職人として活動しつつ夫の剣道場を手伝う。紛争地域での戦いでは第一期卒業生の意地を見せ、驚くべき戦火を上げる。後に夫と共に泰平の世をめぐる世界旅行へ。
「さて、次は何処へ行くつもりだ? まぁ、一緒なら何処だって構わないがな」
「絶景よりも、共に歩いている時が幸せかもね。何かを口実にするのは、昔っから変わらないな」
 ◆舞志野・美咲(傀儡操師・b04977)。多くのことを終えてから、ドールショップ『人形館』のへと落ち着いた。
 ◆堂真・久狼(混沌の羽・b12981)。妻と共にドールショップを経営。能力者育成組織の支部拠点としても解放した。この場合に彼の立場は相談役。世界の中心的存在である銀誓館学園の生き残りとして、夫婦共に永く人々から頼られることとなる。
「もし仮に生まれ変わりがあるのなら、生まれ変わってまた来訪者となったとしても、次は別の選択ができる世界を用意することができたでしょうか?」
「そんな先の事まで責任とるつもりですか? 先の事は先の方に、ね」
 ◆焔堂・さやか(和心大家・b15942)。夫、恵太と入籍後事務所を立ち上げ、情報面実戦面で幅広く活動しつつも元気な子供を授かる。最終的には曾孫まで生まれ、多くの家族と共に健やかな毎日を送った。夫共々、かつての結社仲間とは度々顔を合わせていたとか。
 ◆武内・恵太(真処刑人・b02430)。妻と共に事務所を運営。マヨイガ結社『R-18』を拠点に国際規模でのゴースト狩りに参加する。世界が平和を取り戻した後は調査依頼を細々と受けつつ、孫の代まで平和に暮らしたという。
「ひ孫たちと遊ぶけーたを見ながら私はどれだけけーたが好きなのかを思い出して行く。あぁそうか。私はきっと最後までこの人に恋をして行くのだろう」
「さあ、遊びに来た孫にながいながい昔話を始めようか。本当にあった、おじいちゃんとおばあちゃんの話を」
 ◆秋風・なつき(銀誓館学園の図書館の司書さん・b03469)。世界結界崩壊後の混乱が落ち着いた頃より、銀誓館の司書として、銀誓館の記録を語る仕事をするようになる。余談として、親友の夏美の願いを叶えるべく様々な活動を図るが、その夢が叶うのははるか数十年後のことである。
 ◆滝音・治輝(新たな未来を築きし者・b82964)。法令上の立場から能力者社会の問題の解決に尽力。重要な立場を任され激務に追われたが、『激動の時代に平穏を望むものを決して見捨てるべからず』を信念に職務を全うした。老後、世界各地の状態を確かめる為、妻と共に各地を巡る旅に出た。
「我侭だけれど。私たち二人の絆が永遠でありますように! 」
「僕らの間に透明な運命の糸が見えた気がした。改めて感じる。二人の絆は永遠の物なのだと」
 ◆津軽野・海(荒波こえて山越えて・b19077)。圭介と学園内で挙式をあげ。ファンガスが安心して暮らせる世界を作るため世界各地を巡る。キノコグルメ料理の研究科となり最終的にはイタリアに定住し、かつて絆を結んだベネチア組織の協力を得て『ファンガスの楽園』を設立。巨大茸ネットワークの構築を目指した。
 ◆神谷・圭介(刃の継承者・b60649)。クリスマスイブに学園内で挙式をあげてから数年、世界の真実の語り部となり、その過程から能力者育成組織を立ち上げる。いちゃつくカップルが、どれだけ見苦しく、嫌がられるのかを当人たちへ嫌がらせした挙句に、組織のカップルがいちゃつく事で気づかせようという、反面教師を目指した組織『ネオジェラシー』を結成。凄まじいバッシングを浴びた。後にイタリアに定住し、三人の子供を育てる。
「圭介くん、幸せになろうにゃ♪」
「決していちゃつきたい訳じゃない。君たちに、君たちがどれだけ周りを不快にさせているか知ってほしいだけなんだ!」
 ◆守森・姫菊(橙黄の延齢客・b20196)。銀誓館を発った後は世界情勢に関わることなく、子孫と共に安らかに生きた。能力者として覚醒した娘と息子に稽古をつけ、ひとりの母として接したが、夫と二人だけの時は恋人の気持ちに戻ったという。
 ◆時浦・零冶(黒鏡嵐霧・b64243)。妻姫菊と共に細々と、しかし安らかな日々を送る。老後は世界を巡って数十年の変化を楽しんだという。
「零冶君」
「姫菊、いつまでも一緒だからな」
 ◆佐川・鴻之介(湾曲男子・b20654)。世界結界崩壊前後は銀誓館学園の校長を目指して勉強。田中雄大の次代校長となる。この時点より銀誓館学園の校長が任期交代制となる。動乱する世界の中、激務に追われるが、にぎやかな家族に恵まれ幸せに暮らした。後、妻を残しこの世を去った。
「中には若い内に死んだ教え子もおる。『卒業できない子達も、いました』と昔、田中先生が寂しそうに言ったのを今も忘れられん。『全員が笑って卒業できる未来』に一歩でも近づけたじゃろうか」
 ◆倉澤・青葉(直線少女・b59474)。多喜、芽希、獅之介、葉菜の母として鴻之介に永久就職する。その後も婦人会に入り能力者を子にもった親の相談相手になるなど、彼女の出来る範囲で社会の為に貢献した。夫の定年後は慎ましくも健やかに生きた。
「あら、何を悟りきっちゃったような顔をして。人生まだまだこれからですよ?」
 ◆土方・伊織(にゃんこ先生のお弟子さん・b22693)。灯弥と共に浄化作戦に参加。この間に彼との交際がスタートした模様。カップルは在学中からというケースが多い銀誓館ではややレアな、卒業後のカップルである。
 ◆日守・灯弥(剣狐・b23316)。伊織灯弥ペアの余談。知人の宝石職人が手掛けたピンキーリングを武器にシャンゼリゼ通りの夜景を見せながら挑んだと言われる。
「俺の彼女になって下さい。出来れば、その先も見据えて付き合って欲しい」
「でも、でも、僕ですよ?僕なんかで良いのです?相手間違ってないのです?にゃーえっと、そのー……はいですぅ。にゃうー」
 ◆灰兎・ユキ(ハートを描く砂糖菓子の魔女・b27859)。卒業祝いに萩吾をゲット(誇張ではない)し、高校卒業後に結婚。始めてデートをした湖の教会で式を挙げた。二人の子供を授かり、立派な母親へと成長する。この後は銀誓館へ帰り、美術教師として活動した。
 ◆明空・萩吾(空の破片・b41799)。ユキとの結婚後、風景写真家として独立。ゴーストを写真媒体に残す研究を始める。ゴースト自体は写真に写せるものの、消滅と同時に写真からも消えてしまう部分が解決されず、画像保存媒体としての実現には至っていない。この後、『良い写真撮るんだけど本人が非常に残念』といった印象で運命になる。
「シューゴさんと出会って光を心の中に貰ったんだよ。幸せな光に溢れた宝石の様な……どんなに挫けそうな時でもその光があれば大丈夫。その光を大切に抱き一緒に生きて行くね。僕にとって触れれば暖かい希望の光はシューゴさんだから」
「絆を、愛を、幸福な日々を得た俺に何一つ思い残す事はない。ユキ、ありがとう」
 ◆ルシア・バークリー(リトルウィッシュ・b28515)。2020年ごろにアイドルユニット「天上双日」を引退。喫茶店『希望館』を出店。四国地方での能力者拠点の一つとする。後に子供を出産。子育てに専念するようになる。子供が小学校に入ることになると能力者活動を少しずつ始めるが、そのうちに老いが来て戦いから退く。『白い翼』で臨時講師をする姿などがみられた。
 ◆イグニス・ランフォード(近接武術師・b42985)。ルシアと結婚し、共に喫茶店を開店。四国での大きな作戦に参加し、重傷を負う。これを機に前線を退き、近所の子供達に能力の使い方を教え始める。後に子供が銀誓館に通うようになる。
「今でも思い出すことができる、あの死と隣り合わせの青春。今の俺があるのは、あの学園とそこで出会った仲間達のおかげだ。だから、ありがとう銀誓館学園。そして皆に感謝を」
 ◆獅子守・大地(風纏い煌く陽光・b30011)。ミュージシャンとして活動し世界ツアーに進出。この経験をプラスして「歌って踊ってゴースト退治できる隊長」として崩壊後の世界で戦った。それから数十年、現役引退後はトワヤの店に行きつけになり、じっくりと世界の平和を守った。
 ◆渡月・トワヤ(光纏い薫る碧風・b63279)。見晴らしの良いオープンカフェを開業。戦いからは退き、『彼』にコーヒーを淹れるのが彼女の特別な時間だったという。
「銀の雨みたいだ」
「あの雨が私たちを出逢わせてくれたんだよね」
 ◆アルステーデ・クロイツァー(葬闇のシュヴァルツェナハト・b35311)。双子を出産してドイツに定住。夫は家を空けることが多く寂しい思いもしたという。それだけに茜夫婦の来訪は嬉しかったと後に語る。それから十年の時が過ぎ、子供達が自分たちなりの活動をはじめるようになる。後に、娘を伝って茜への友情がバレることになるが、それは当人の与り知らぬ話である。
 ◆碓氷・茜(青空に寄り添う白星・b58271)。夫アルノーと結婚後兄妹を出産。ドイツに移住して花屋を営む。この頃アルステーデとの交流が盛んになり、親子ぐるみの付き合いも多くなったという。モルルは娘へと移り、ベテランモーラットとしてドイツの平和を守ったとされている。
 ◆アルノー・ケンプフェルト(明星擁きし蒼穹・b53216)。茜と結婚後ハンバーガーショップを経営。互いの夢の為にドイツへ移住し、花屋とカフェを手伝う。子供達の成長を見届け、愛用のナイフを託そうとするがこれを断れる。理由は不明である。老後は絵本作家をしつつ後輩への指導を行った。
 ◆八手・鉋(華鬼・b36570)。柳の行くところ何処へでもとばかりにゴースト退治を手伝い、紛争地域への参戦も二つ返事だったという。柳からのプロポーズに泣くほど喜んだのは言うまでもない。柳が研究顧問となったことで定住先も決まり、子供を溺愛して過ごした。また夫婦になったことでタガが外れたのか、スキンシップは過剰なほどであったという。いわゆる、幸せな家族の姿である。
 ◆白銀・柳(紫電砲火・b45723)。二十代は鉋を連れてゴースト退治に勤しむ。ゴーストデータの収集を主とし、時には司令部からの依頼を受けることもあった。世界結界崩壊時には鉋を連れて紛争地域へ。勢いに任せプロポーズまでし、戦いのあとに無事結婚した。それからは司令部で研究顧問として立ち会い、歴史の裏方として生きた。子供にも恵まれ、過去の反動か夫婦仲はとてもよかったと言われている。
 ◆ポルテ・トルテ(フェンリルクォーツ・b37411)。2023年、天星剣ポルテとして人狼十騎士に昇格。拉致ってきたルティアーナを副官とし、人狼十騎士の伝統なのか何なのかやはりフリーダムにやんちゃをしていた模様。アリスの胃がハチの巣になったのは当然のことと言えよう。世界結界崩壊後のライン川紛争地域ではフェンリルを率い大きな戦果をあげ、魔狼の欠片フェンリルクォーツの名前がついた。その後は人狼と月の友好化に尽力。月の復興を見届けてからは月の都に屋敷を構えて悠々と暮らした。十騎士の称号は投げた。アリスは胃が死んだ。
 ◆ルティアーナ・フォルトリア(煌月嵐姫・b82977)。ポルテに拉致られ副官を務めさせられ、紛争地域ではフェンリルの世話をさせられ、月の復興が済んだと思いきやポルテの世話係にされるという、激動の50年を送った。途中で縁を切って帰ってこなかったのは、ひとえに愛情ゆえだと思うのは、穿った考えだろうか。
 ◆花岬・雅弥(これもうわかんねえな・b37275)。専門学校を卒業後音楽療法士活動のかたわらいくつかのゴースト事件と戦った。尚、この展望を述べた時婚約者の白紅は自衛隊への入隊を決めていた。ややすれ違いながらも互いの心は離れることは無く、孫が生まれる頃には二人仲良く暮らしていたという。
 ◆東梅・白紅(白く赤く・b52812)。プロポーズされたのはクリスマスデート。その後は互いにそわそわとしながら自衛隊へ入り、世界結界崩壊後の動乱の中で数々の任務をこなした。老後は孫相手にマジになれるいい大人に育っていたという。
 ◆高杉・有理(すばらしきこのせかい・b38278)。冬華と結婚後すぐに全国ゴースト退治の旅へ出発。マヨイガネットワークのお陰で仲間と疎遠になることも無く、多くのトラブルを解決して回った。その際は冬華の緩衝役となることも多かった模様。時代の流れは急速だったが、彼らは相変わらず各地のいざこざに首を突っ込んでは人々の助けになっていた。
 ◆式銀・冬華(紅剣抱く絆の巫女・b43308)。新婚旅行と称して全国ゴースト退治ツアーに出発。運命予報が鈍った銀誓館に代わって様々な問題に首を突っ込んで回る。そんな活動が認められ、多くの知性あるゴーストが賛同。いつしか二人だけの新婚旅行は妖怪行列となっていた。これを冬華は「たぬ王軍団」と称し、人とゴーストを救ったりかき回したりしたという。
「世界がどう変わろうと、時間が流れようと、自分らしく。隣には常に冬華がいるし、新しく手を繋げる人もきっと増えていくだろう。そんな世界でならきっと笑っていられる」
「世界がどう動こうが構わずマイペースに。隣には常に有理がいる。だから安心して戦い続けられる。例え志半ばで尽きても、継ぐ者がいるから」
 ◆カーリン・ブレンドレル(氷でできた銀色の月・b38752)。私立探偵としてゴースト退治は調査を行う。「言って判らないゴーストは滅ぼすしかないな」のキメ文句で金持ちから高額報酬を引き出すかたわら、貧しい者からは金をとらなかったとも言われる。流行り言葉ゆえかツンデレ能力者と呼ばれるが、それはたぶんツンデレじゃない。
 ◆朱雀・翼(氷の鬼・b73150)。シュベルトが世界を飛び回る間家を切り盛りし、子育てにも勤しんだ。シュベルトとカーリン、そして翼はお互い『理解の無い』公然の三角関係を維持しており。まるでお互いの関係を確認するかのようにシュベルトをつるし上げた。
 ◆シュベルト・オセ(アイゼルンゲシェプフ・b47155)。ゴースト事件を駆逐する実行部隊として活躍。後に妻と愛人につるし上げをくらい、歴史に残るハングマンとして無駄に名が売れた。60歳を超える頃になると余裕が出てきたのか、記念すべき600回目にはそのまま客を迎え入れる暴挙に出た。
「愛人とは縁を切ると言いながら、相も変わらずに関係を続けて、しかもソレを隠しもしない。いつの間にか、こうやって吊るすのも恒例行事に成っているのね」
「ふむ、こうしてシュベルトが吊されるのも600回目か。懲りない奴だよな」
「おお、いつの間にか、そんなに吊るし上げられたのか……感慨深いものだ。時に、お前たち。私が昔、どんな事をやっていたのか聞きたいって言ってたね」
 ◆柳瀬・和奈(てるてるむすめ・b39816)。『ボク達の、二人のアトリエが出来たら。軌跡を辿る絵を描こう』という約束の果てにコルシカ島へ。各地を巡り二人で軌跡を辿った。その過程で助けた多くの孤児を養うため、アトリエ『雨護りの箱庭』に孤児院を併設。子供達は泰平の時代に羽ばたいていった。
 ◆宮代・さつき(空色の風詠い・b52693)。『雨護りの箱庭』とは、冷たい雨から護ってあげられるようにとの意味があり、これまで拾ってきた子供達がまた誰かに手を差し伸べられるようにという意味が深く込められている。
「この新しい時代、子供たちもボクたちも笑顔を護っていければ幸せかな」
「ずっとずっと、最後の時まで。学園で出会ったキミと過ごす事が出来る幸せを、永久に、有り難う」
 ◆永倉・エイゼン(朱雀は煉獄の空へ・b41066)。卒業後は寺を継いで住職に。30代で寺を任されるようになり、燈子とも結婚。寺の仕事を真面目にこなしていたが、やはり夏祭りにははしゃいだという。また、村の平和維持にも貢献し、村のゴースト退治や能力者育成にも深く貢献した。老後、境内で遊ぶ子供と見ながらポテトチップスをつまむ姿が目撃されている。まだまだ生きていくらしい。
 ◆神楽坂・燈子(夢から覚めて・b42251)。エイゼンを追って関西の大学へ通い理学療法士となる。住職であったために自由は効かなかったが彼が独立してから結婚。子供が出来てからは辞職し寺守として夫を支えた。エイゼンは相変わらず子供のようだったが、そんな彼を支えたのはほかならぬ燈子だった。
「爺さんとおばちゃんになっちまったけど、やっぱさ、心は変わってない気がするんだぜ。必死で戦ってたあの頃はこんな未来想像してなかったけど、いいもんだよな」
「貴方と一緒に生きていられて本当に良かった。怖がりだった私を見つけ出してくれて、泣き虫だった私のそばにずっと居てくれてありがとう」
 ◆待雪・雪花(全てに等しく優しき月の光・b49413)。一夫多妻制の如き彼もついに虎狐と結納。だがしかし恋人たちはハーレム化。本当の一夫多妻制状態となる。後に『恋愛自由化運動』の標的とされ、激しい裁判に巻き込まれるが、最後はハーレム全員と結婚するに至った。銀誓館教員のかたわら孤児院を経営し、ふわもこを増やして行った。
 ◆森屋・虎狐(こねこねこ・b42451)。結界崩壊後に孤児院へときたま戻ってはもこもこが増えているの目撃するという。
 ◆リリー・スノウドロップ(中学生雪女・b49555)。雪花の孤児院を運営。身寄りのない子供に限らずゴーストにも手を差し伸べた。
「綺麗な髪の毛の色と一緒な感じで仲良くなれそうね?」
「彼女の洋服とお揃いかな? あ、でも柔らかいけどちょっと重いかも? …このやり取りは昔もやったかな?」
 ◆小暮・蔵人(魔弾の狙撃手・b49923)。世界結界崩壊時、双子の子供達と共に紛争地域での作戦に参加。その後はゴースト被害への対策をとるべく組織の構築に尽力。社会からはみ出た能力者や来訪者にも接触し、調停に励む。後に北海道支部を任されるに至った。老後はベテラン能力者としてバーのマスターと探偵を並行したという。
 ◆リリエル・ガブリエラ(絢華爛咲・b62071)。蔵人と結婚後子供達と共に紛争地域の作戦に参加。蔵人が北海道支部を任されるに当たり『若衆』の面倒を見ることに。老後も十代の頃のコンビそのままに活動した。
「織姫さんの牧場でお茶会の予定でしょ? 遅れたら怒られるわよ?」
「俺達二人でとっとと片付けよう。ダチとの約束にゃ、間に合わせねぇとな」
 ◆泉・星流(戦争で僕は伯爵に誤射をする・b51191)。まどかと結婚後小説家デビュー。世界結界崩壊時には暫し紛争地域での戦いを挟み小説家として復帰。ちゃっかりと巨大ゴースト戦や対テロ組織戦の経験を小説にしてブレイクさせた。
 ◆氷室・まどか(中学生真雪女・b51391)。一度は星流の男の尊厳を奪おうとしたものの結局結婚。それまで活動していたモデル業を引退し二児の男女を授かる。世界結界崩壊時の大戦では子供達も共に戦ったという。

 ◆レイラ・シルフィード(炎帝・b41648)。覚と結婚。大組織の妻として永く覚を支えた。苦労はあったが、彼は言葉通りにレイラを護ってくれたという。
 ◆不利動・覚(マフィアと極道のダブル・b58239)。50年の間に自らの組を拡大。関東に散らばる多くの組を傘下に収めた。そんな中で新しい極道のジョブを発見。時代の流れの中で自然に生まれたものであったらしい。
「レイラには長い間、苦労を掛けたね。こんなうちに嫁いで本当に大変だっただろうけど、ボクは君と一緒になれてとても幸せだったし。君と子供や孫に恵まれて、これからもずっと幸せだよ」
「私はシャルルの傍で、貴方の力に少しでもなれたなら幸せ。それに皆さん貴方に似て紳士ですから。子供も孫も立派な貴方の意思を受け継いで…私の宝物です。一番の宝物は……シャルル、あなたです」
 ◆神薙・汀(嵐龍拳士・b42520)。世界結界崩壊後の通信状態復旧に協力。雲母と結婚後は妖狐や悪路王勢力との交流を図った。特にベステトとの交流には熱心だったと言われている。
 ◆宇佐美・雲母(高校生ルナエンプレス・b82600)。料亭「宇佐美亭」を経営し、世界結界崩壊前後に汀と結婚。殺し文句は「料亭を開いて落ち着いて来たし、子供も欲しいから私と結婚しなさい」だったとという。友人のリオにはのろけた自慢をよくしたが、心のどこかでは憧れを持っていたと後に語ることがあった。
 ◆葉月・リオ(全身凶器のツンギレ娘・b46737)。山奥に土地を購入して同情を解説。若手能力者を弟子にとった。その生活は数十年続いたが、友である汀と雲母とは付き合いは続いていた様子。
「よし、それじゃ決まりだ。顔見せと弟子入り祝い、宇佐美亭へ行くぞ、野郎ども!」
 ◆藤森・青葉(光紡ぐアステリズム・b42571)。喫茶店『ストレイドッグ』をオープン。その後世界各地で傭兵をして資産を蓄える。嫁と娘二人に囲まれ幸せな生涯を送り、ゆっくりとその人生を終えた。
 ◆琴吹・紗枝(青空駆ける春一番・b49528)。陸上部のエースとして活躍した後体育大学へ進学。陸上を中心に己を鍛えた。その間唐突に青葉からの結婚を申し込まれ、妻として体育教師としてそして母として過ごした。
「紗枝、散歩にでも行こうか。いつものように並木通りを通ってお茶にして。紗枝、愛してるよ。今も昔も、これからも」
「うん、いいよ。いつものように、のんびり歩こうか。これからも…ずっと一緒、だよ」
 ◆水上・晶(鷹龍・b42759)。保育士をめざし大学進学。夫ゆうにプロポーズされ結婚。保育士として多くの子供と関わり、能力者の自覚や力の使い方を教えた。そんな平穏を守るため親戚の説得に奔走することとなる。最終的には家の宗主で落ち着いた。
 ◆瀬高・ゆう(龍添いし貴石・b57660)。高校卒業と同時にプロポーズするも、婿入りか嫁入りかで激しくもめる。後に医学を学び、ゴースト専門の獣医となる。
「あっ、おやつですか? ちゃぁんと用意してありますよ。はい、あーん♪ 初デートの思い出の味ですよ♪」
 ◆天宮・羽衣(全ての目覚めの白星歌・b43783)。世界結界崩壊時からの記録は残っていない。凛への想いを自覚し、なかなかにいちゃいちゃした生活を送れた模様。
 ◆天宮・凛(刹那に揺蕩う銀星華・b52753)。羽衣と同じく世界結界があった時期までの記録しかないが、自分の位置を見極め羽衣との生活を整えていったとされる。余談だが、両親は世界結界崩壊時に見つかった。
「なぁ。こいつが生まれてからも様付けで通す気か?」
「呼び方については……きっと、なるようになりますよ♪」
「まぁ、色んな意味でやわらかくなったよな、うん」
「ふふ……凛様も、少しは息を抜くことを覚えて方がいいですよ」
 ◆天宮・漣(永久を夢見る金星華・b52754)。羽衣と凛とは仲良く過ごしたが、本人曰く『胸焼けしそう』とのこと。彼等について崩壊時以降のことは分からないが、少なくとも幸福であったことは間違いなさそうである。
 ◆月村・斎(閑人・b45672)。世界結界崩壊を前後するように紫苑にプロポーズ。巨大ゴーストとの熾烈な戦いに身を投じる。
 ◆秋扇・紫苑(月の雫・b45670)。つねに斎のそばにあり、彼を精一杯支えた。後に二人の子をもち、平和に暮らしたという。
「ジジイになっても暇無しだな。ボケなくて丁度良いか」
「私は斎の横にいます。片時も離れませんよ。今までも。そしてこれからも」
「さあ、祭りを続けるか!」
 ◆静島・茅(紡ぎ手・b45688)。人類と土蜘蛛の共存をめざして活動。それとは関係ないが、モーラット小戦争や古代モーラット文明の発見に寄与した。
 ◆日下部・真昼(織り手・b49306)。夫共に様々な活動に貢献。後に発見した『ブラックモーラット』や『キングモーラット』は全国のモーラットファンに受け入れられた。
「この先、色々な事が起きそうだが、こんなもふもふ事件も起きるのだろう」
「でもラブラブは、ここで秘めておいて下さいね」
 ◆美堂・白髏(白花大輪・b51491)。妻風音との結婚後世界を巡ってゴースト退治の旅を続ける。二人の子供を授かり、子育てに励んだ。後に人生で最も大きな戦いだったと語る。子供が手を離れた段階で再び世界の旅へ。非営利団体『頂きの花』を設立し自然保護や遺跡発掘に協力した。
 ◆香月・風音(月光に踊る蒼・b52865)。夫と結婚後に世界を巡り、孤島や秘境に飛び込んで行った。古代遺跡での戦いは後の記録に残った。苦労の多い人生だったが、白髏との愛が絶えることは無かったという。
 ◆賈・芳花(砂薔薇は雨に歌う・b51630)。父の会社で働きながら子育てに励んだ。予想外に親馬鹿に成長したという。子供達に様々な事を教え、教育した。
「母くらいさっさと超えてみせろ!」
 ◆シーナ・アルファッド(まだ遠い光・b58350)。芳花と共に子育てに励む。娘は将来の有望株だといわれている。
「息子の方はまださっぱりだが、昔のオレに似て飛び込む勇気はありそうだ。いつか譲れないものを見つけた時、急成長すんだろな」
 ◆佐和姫・六花(冷花涼乱・b51940)。青藍と結婚し子をもうける。後に青藍の起業を手伝うべく立ち上がった。
 ◆神崎・青藍(インコグニション・b53552)。六花と娘、家族三人で末永く幸せに暮らした。後にアナログゲームをメインにした会社を起業。根強いファンから熱烈な支持を受けて運営は軌道に乗ったという。
「こんな風に、家族で揃って桜舞い散る中を歩くのが夢だった……そんな気がする」
「二人で桜舞い散る中、手を取り合って歩く、そんな……」
 ◆時守・癒太(夢幻世界投影者・b52874)。訓練組織の教官を務める。穂村家との交流は続いた模様。息子の悠一は穂村家の恋と結婚した。
 ◆穂村・煉司(紅蓮旋刃・b57176)。娘の結婚時には父として立ち塞がったという。
 ◆舞浜・美月(ウィリーブレード・b73028)。癒太と結婚後、ラブラブな夫婦になり子に恵まれる。
「あなた、恋ちゃんは思ったよりしっかりしてますよ」
「美月、僕達もそうだったけれど、子どもの成長は著しいものだね……煉司、これからもよろしく♪」
「ああ。愛するものを守るため今後ともよろしく相棒」
 ◆栢沼・さとる(流星の馭者・b53827)。サラリーマン感覚でゴースト退治に従事。泰平の時代には戦闘から身を引きブックメイカーとなる。全ての生きとし生けるものの声を等しく聞き、それらを己が身に集約し、一人でも多くの後進に伝えることに努めた。尚、家事は草楼が担った模様。
「人の涙どれだけ体で、感じられるかどうかだけでいい」
 ◆鳥海・櫻子(私の廻りを世界が廻る・b53774)。事故で大きなけがをし、車いす生活を余儀なくされる。執事だったウサギはそのことを深く悔やんだが、彼女自身は楽しんでいたともいわれる。
 ◆稲葉・孝政(姫を守護する兎・b61549)。櫻子が車いす生活を始めるにあたり、彼女の足となり人生を注いだ。いつしか二人は夫婦となり、呼称もウサギから孝政へと変わる。しかし彼らの関係はいつまでもお嬢様と執事であったという。
「これからもよろしくね、旦那さま」
「これからもお傍でお仕えしますよ。櫻子」
 ◆風嶺・涼介(高校生ヤドリギ使い・b46356)。ヤドリギ村へと移り、妻と子供との生活を開始。園芸を趣味とする。
 ◆七瀬・鏡華(古流武術継承候補者・b49180)。夫涼介とヤドリギの村へ。銀誓館の非常勤教員も務める。家族やその友達で行われた模擬選は壮絶なものになったと言われる。
「やー若者相手に力押しは無理無理。老人は技量で勝負ですよ」
「そんな格好でクレファン使わないで!」
「銀誓館じゃもっと恥かしい格好してる人もいるでしょ」
 ◆黒星・蛍燐(狭蝿ナス蟲ノ禍霊・b46408)。法の網を抜けた能力者を処罰する活動を続け伍実と生活。後の『イキガミ事件』を解決する。
 ◆高橋・伍実(アナザーイビルコンセクエンス・b83761)。『イキガミ事件』にて一時信仰対象とされる。後の世で事件の内容が明るみに出るが、大きな騒ぎにはならなかった模様。
「大切なひとが隣にいれば、どんな世界だろうがそれだけで幸せなものなんですよ」
「ね、ケイリン、ご飯今日何? 甘いのは、クリームたあっぷりの、甘い奴か栗入りのういろうがいいな」
 ◆リーナ・ファルメール(氷河に咲く雪花・b46977)。民宿で住み込みをしながら看護学校へ通う。竜馬に押し倒されたことを切欠に(弱みに)婚姻届に判をつかせた。後に激甘な夫婦生活を送るに至る。
 ◆天川・竜馬(雪中飛鳶・b58153)。任侠の世界を離脱し、壮絶な逃走劇の後にリーナと結婚。幸せに暮らしたという。
「夢のように幸せな日々です。これまでもこれからも、幾久しくです」
「色々ありましたけど、リーナさん。ずっと側にいてください」
 ◆碓氷・宗一郎(愛欲極まりて天に弓曳く・b47117)。回復アビリティの研究に勤しみ、多くの論文を残す。それまでの医療の常識を覆すものであったため古い学者との争いも多かったが、妻の助けもあり論争に勝利する。尚、60歳を過ぎても男として現役であった様子。
 ◆碓氷・胡蝶(此糸のゆかり・b76679)。宗一郎の妻として心身ともに支えた。支えるついでに浮気の防止にも手を尽くし、愛用の包丁はその際によく活躍してくれたという。
 ◆坂田・あずき(白玉ぜんざい・b20610)。学生時代の想い出から喫茶店をもつ夢を叶えた。喫茶『星の下』ではアサリと共に平穏な時を過ごした。
 ◆茜谷・透(カルペディエム・b67091)。獣医職につき、鞠花と結婚し家庭をもつ。気儘なマイペースさは当時から変わら無かった様子。
 ◆田神・鞠花(舞風花・b69828)。若くして夕人と結婚。子供に恵まれ幸せな家庭を築く。成長した彼女達は『星の下』で再会し、その友好を確かめ合ったという。
「鞠ちゃん旦那とか連れてくる時は俺にも教えてよねー」
「鞠ちゃんもお母さんかぁ。旦那さんってやっぱり……今度は一緒においで。俺もアサリも細々だけど楽しくやってるよ」
「次に来る時は旦那さんも一緒に、四人でお邪魔しますね。どうかお元気で……」
 ◆乃々木・栗花落(木花咲耶の戦神子・b56122)。フィーナと共に大学へ進学。卒業後は彼女の会社を手伝う。フィーナが財閥から離れる時期になって、後を追うように姿を消した。後に白髪ツインテールの少女を育てるが、その後の行方は知られていない。
 ◆フィーナ・レッドスプライト(最古のまじゅちゅし・b61192)。人助けのために多くの知識を蓄え、お悩み相談所を会社化。『カリスマ財閥』を育て上げ、多くの人々を救う。数十年の時を駆け『かりちゅままじゅつし』は『カリスマ魔術師』に成長した。後に財閥を銀誓館に預けて世の闇へと消える。
「あたちもりっぱなかりちゅまになりますわっ!」
 ◆津上・晶(天秤を背負いし鬼蜘蛛・b57574)。喫茶店『イージス』を経営。20年の時を経て受け継がれた新生結社『AIGIS SECURITY −G・L・S−』の集会場としても使われた。晶は客にかつての戦いや、出会い、別れを語り、時には相談に乗り、時には叱咤激励し、ある時はただ静かに慰めたと言われる。
「まずは、自分を守れる強さを手に入れなさい。全てはそこからです」
 ◆津上・沙由理(鬼蜘蛛を照らす夜天の銀月・b79589)。夫の晶と共にイージスで働き、近所の子供たちに能力者やゴーストの事実を伝えていった。後に息子の巧を授かり、平和に暮らしたという。それは血故に許されぬ恋ではあったが、恋する乙女に止まることなどできなかったのだ。
 ◆舞城・弓矢(煉情・b57728)。彼が25歳を迎えるころ、一族の自害と言う形で因縁に決着がつく。後に後輩の苺子と結婚。保育士の仕事を続けながら子育てに励み、定年で退職した。
「皆もそうだが――君に会えて、よかった」
 ◆瀬河・苺子(絆に導かれて・b77693)。ゴーストレーダーの研究や隠された歴史の編纂を行う。後に弓矢と結婚し、家庭に入った。
「まさか、この歳まで生きていられるとは、学園に入学したばかりの俺が知ったら、吃驚するだろうね。なぁ、苺子ちゃん。皆もそうだが――君に会えて、よかった。本当に、ありがとう」
「わたしも学園の存在を知って間もない頃は必死でした。今、こうなるなんて想像もしてません。だけど、弓矢さん。あなたと一緒に生きられて幸せです」
 ◆ティス・リュート(白猫のタンゴ・b59062)。結婚後夫ヴァンとの間に四人の子供を授かり、開業した夫の手伝いをしつつ子育てに励む。その間もぬいぐるみ創作にも精を出した。子育てがひと段落してからは骨董雑貨店『AntiqueWhite』へ復帰しカフェ『MistyRose』を仕切る。晩年は子供達に見せや病院を任せ、田舎の洋館で隠遁とした生活を送ったという。
 ◆ヴァン・ジェルヴェール(高校生真クルースニク・b59925)。ティスとの間にウィリアム、エリオット、オリフィア、オヴィリアの四人の子供を授かり、命と人生の重みをかみしめた。30代から獣医として独立開業し、精一杯働いた。晩年は孫たちを可愛がりつつ後進の指導に励み、歴史の語り部となった。尚、ティスとは常にラブラブだった模様。
 ◆海月・水母(悲しみのジェリーフィッシュ・b60460)。夫と結婚、出産後も平穏に暮らし孫にも恵まれた。はじめはつらい十年余りを過ごしたが、残りの数十年は幸せなものだったと後に語る。それは皆で勝ち取った幸せであり、本当の笑顔だったという。
 ◆緒方・光希(マジックユーザー・b61839)。海外を転々としつつ自らを磨く。二十代に入って暫くすると恋人からのプロポーズがあり、結婚、妊娠ときて現役を引退した。家事と子育てに励み、子供にはしっかりと能力者の在り方を教えた。子供達が手を離れてからはゴースト退治に精を出し、なんだかんだで60歳まで活動し続けたという。
 ◆アシュレイ・シーケンス(エバーホワイト・b63857)。大学卒業と同時に光希へプロポーズ。実力をつけて父の会社へ入り対ゴースト部門を設立した。後に要職へつき多忙を極めるが、家に帰る時はマイホームパパだったという。40代で父の会社を継ぎ、発展のために努力した。妻が引退した跡も現役を続け、生涯力を振るい続けた。
 ◆雪道・碎花(雪女の子・b62371)。平治の実家での厳しい花嫁修業を戦いぬく。同時にドイツでリーゼロッテのパン屋を手伝い、崩壊期へ突入。久しかった平治との再会からすぐに結婚し、冒険生活を開始した。子は学園に残し、夫婦のコンビは紛争地帯で活躍したという。
 ◆小此木・平治(探求の風・b65333)。実家の古武術道場を継ぎ、世界のネットワーク構築に携わる。ひと通り世界を回った後に碎花と再会、結婚。40代後半、謎の呪いで鱗や角が生えるが、割と問題なく妻と暮らしたとされる。
 ◆シーナ・ドルチェ(ネミの白魔女・b67352)。想真と共にSS団を結成、もとい結婚。崩壊期にはコンビ技を多く繰り出した。後に友好的なゴーストの保護や組織間の交渉を手伝い、平和に貢献した。生まれた孫は銀誓館に通いSS団の名を継いだ。
 ◆紗白・想真(クロスデザイアー・b72319)。シーナと結婚し、呼び名を変えたりチーム名を変えたり大人になったりで色々と変化は起きたが二人の仲睦まじい関係は変わることなく崩壊期を駆け抜ける。後に教師をしながら訓練施設に協力した。
「しーママ、僕らのチーム名取られたね」
「ふふ、チーム名受け継いでくれるなんて、嬉しいじゃないですか」
「でも、まだまだ私達も元気な所、見せませんとね♪」
「それじゃ行こうか。初代SS団、出動っと」
 ◆薪元・ルイ(昇る月・b67814)。同窓会で再開した刹那とデートを重ねるうちに想いが通い、大学卒業時にはプロポーズをする。その後は研究員として働いた。数十年を共に歩み、愛と家庭、そして子を育み、いつしか孫をもつようになる。
 ◆深護・刹那(花誘う蝶・b71545)。同窓会を切欠にルイと結婚。実家の日舞を継ぐべく練習を重ね、十代の頃と変わらぬ刹那であったが、ルイの前では猫の様に甘えたという。後に二人の間に子が生まれ、そして孫が生まれ、幸せな毎日を送った。
「俺もお前と共に歩めて、此以上何を望むというのか」
「ルイさん、あなたと一緒にいられて、わたし幸せよ」
 ◆臼井・飛尾(オリジナルナイン・b70327)。アメリカに渡った際に翔真と出合い、恋人同士に。崩壊時の戦いで多くの仲間を得てリーダー格にのぼるが、その反面翔真とはすれ違いが広がりいつしか彼は出奔。それまで率いていた組織もワンマン運営に跳ね返ったメンバーによって幽閉状態に陥る。しかし……。
 ◆悠桐・翔真(高校生フリッカーダイヤ・b83954)。トランペットの腕を磨き世界をめぐる。その途中ブルックリンで飛尾と出合う。彼女の演奏に飛び込み、セッションをしたことを切欠に恋人同士となった。崩壊期に彼女と共に戦場へ赴くが、社交的な彼女の性質に弾かれるように仲違いをおこし出奔。後に幽閉状態となった飛尾を救うべく共闘。セッションに始まり、セッションで幕を引くラブストーリーであった。
「……遅くなってごめん。やっぱり、側にいてくれよ」
「本当、遅すぎです。ばかぁ」
 ◆ノーファ・アステローペ(黒曜連月・b71807)。影の城で吸血鬼受け入れ態勢を整えつつ、銀誓館との条約を作っていく。後の崩壊期、紛争地帯に吸血鬼勢力として参戦。戦争孤児リーゼロッテを養子に迎え、穏やかな家庭をもった。
 ◆伊吹・詩歌(白夜連月・b72989)。ノーファと共に吸血鬼受け入れ態勢を整える。後にノーファと同じく吸血鬼として紛争地域に参戦。孤児を引き取り、安らかな生活を送る。
「私、幸せだよ……ロッテと、のんちゃんと一緒に居るから」
「ん、わたしも幸せ」
「だから、その……ずっと傍に置いて、ね?」
「もちろん。ずーっと、三人一緒。ねー?」
 ◆シエル・エクレール(電流大好きっ娘・b75661)。アイドルとして活動。隼と結婚しスキャンダルになるもあまり気にせず、開放的な性格を活かして人気を得た。その後は反能力者団体かのバッシングをものともせずに女優業へ転身。長く芸能界で活躍した。
 ◆御劔・隼(高校生真魔剣士・b76376)。大学卒業後は騎士道に没頭し崩壊時の戦いにも参加。後にシエルと結婚し、戦線から離脱すると共に主夫生活を開始した。ご近所付き合いはなかなか大変なものだったという。後に近所の子供達に剣術を教え、師範となる。
 ◆九原・終(ナインライヴス・b73832)。梅之介と末永く愛し合い、幸せな家族となった。それはありふれた日常ではあったが、彼女がもしかしたら送れなかったかもしれない、『人並な幸福』であった。尚、梅之介が彼女をファーストネームで呼ぶまでに50年をかけたという。
「なあ、私はお前と出逢えて幸せだぞ」
「俺も、幸せですよ……終」
 ◆啄身・鶫(言ノ葉夜狐・b81642)。人間らしく結婚をし、人間らしく子育てをした。だが家族を持つことに不安と恐怖を覚え逃げ出してしまったこともあったという。泰平期には互いを深く認め合い、絵本作家として、妻窓日と共に平穏に暮らした。彼の人生は漸くにして、『つり合い』がとれたのだった。
 ◆船見・窓日(空書使い・b81840)。大きな戦いを終えてからは表具装丁の仕事をした。ややあって鶫と結婚したが、子供を置いて戦争へ行くのだと言って喧嘩をしたことや、共通の親友を失くしたこともあったという。泰平期、夫鶫の描く絵本を装丁して暮らしている。
「やっと、失ったものに釣り合いが取れた生涯を送れたって思える…それは、窓日のお陰だ。愛してる……若い頃から、今でもずっと。もう少し、これからも宜しく頼むな」
「鶫さまが失くされたものを戴いて始まった人生でした。何よりそれ以上に、鶫さまと一緒に過ごして幸いな人生でした。家族も希望も生きる意味も戴きました……最後までお付き合いさせて下さいませね。約束通り、もう少しだけ」
 ◆淳・空(月に願いを・b82500)。女優業を続け芸能界のチップチームを走り続ける。二十代後半、葬汰からの告白を受けて電撃結婚。子供を授かる。崩壊時の戦いにも積極的に協力し、後輩の育成に力を入れた。老後は拠点を月に起き、葬汰とゆっくり暮らしたという。
「悲しみも喜びも、全ては私の幸福」
 ◆木花・葬汰(孤高の羅刹・b83651)。一般文芸へと進出し、土蜘蛛を題材とした『木花』を執筆。その途中に空と結婚し、千年の腐れ縁に終止符を打った。執筆中のストレス解消にはよくゴースト狩りをしていたという。
「復讐から始まったが、幸福だと言える人生……そう思う」
 ◆アリス・フィオーレ(恋月華姫・b82632)。崩壊期の巨大ゴースト戦に参加。負傷者の救助に尽力した。後に、子供達に本の読み聞かせやお悩み相談をし、子供達の助けになった。
 ◆東雲・玲(嵐撃の守護者・b84264)。崩壊期は海外出張のついでに紛争地域に参加。戦闘のつもりはなかったが巨大ゴーストの戦いに巻き込まれていった模様。その後はアリスの手伝いをして暮らし、子供達の遊び相手になっていた。総じて、平和な暮らしであったという。
 ◆ティリオ・ウィスペランサ(黄泉路へ誘う者・b85353)。崩壊期、マキナと共に紛争地域へと参戦。その後は世界を巡りテロの鎮圧を行う。特定の組織には所属せず、フリーランスであったという。晩年は大学の研究室に入り、『来訪者と世界の伝承』を出版。妻マキナと共に安らかな老後を過ごした。
 ◆マキナ・エクセレスティ(マリオネットガール・b85415)。崩壊期はティリオと共に紛争地域へ参戦。公私ともに彼のパートナーをつとめ、その後もテロ鎮圧に尽力。晩年まで彼の傍に付き添った。

 ――銀誓館学園の力が生命賛歌だったのは、人が人として生きていくことを学園そのものが望んでいたからかもしれない。
 学園の卒業生の多くは自らの夢や目標、もしくは野望や欲望の為に努力を重ね、その多くが叶った。
 成功者と呼ぶには小規模かもしれない。革命家と呼ぶには安らかだったかもしれない。
 しかし彼らは一人の人間として、自分らしく生きた。
 ここに紹介する多くの人々もまた夢の実現者たちである。その全てを克明に紹介できないことが、やはりとても悔やまれるが。みな己の魂を輝かせ、この世界を駆け抜けた。
 そう。これは魂の輝きの物語なのだ。

 ◆美原・月(闇に放つ月輝・b15609)。欧州にてビストロ【Fog drip-rainbow】を営業。人種どころか来訪者の垣根を越えた食文化を見出す。その生涯は『変わらない』毎日であったという。
「ほほぅ、やっぱ料理も世界結界で歪められてたんだねぇ」
 ◆鴉颯・霧歌(風霧の舞姫・b16079)。いつの間にか結婚し、いつのまにか子をもち、長年続けた学生寮も人に任せ引退。老後もコスプレへの情熱は失っておらず、コスプレ会場に行こうとして孫に泣かれるという。
「さあて、それじゃあ今日もおばあちゃんがお話をしてあげようねぇ」
 ◆主神・砂夜(黄昏の騎士に恋する者・b17967)。専門学校卒業後はオタ活動を抑え主神家当主となる。クリストフと結婚し子を授かるのを切欠に家庭に入った。その間も家の力を使って銀誓館の援助を続けていたという。一方でクリストフは医療分野へ進み多くの患者を救い、ついでに『歳下から狙われる立場』へ移ったという。
 ◆睦月・双樹(深淵の月・b07857)。卒業後は「第三の月」を継続維持し、世界結界崩壊時には当時のメンバーと共に戦った。そんな彼も元団長の神子には甘えていたという。
 ◆言乃葉・伝(元気印なたくあん娘・b02161)。新たな能力者に使役ゴーストの使い方や絆について教える。紛争地帯で活動した後は隠居生活を開始。『たくあんの人』として地元で愛される。本質的には少女時代そのままに生きていたという。
「怖がらないで。キミが信じてくれるなら、彼らはきっとキミの一番の友達になってくれるから」
 ◆乾・玄蕃(魔法使い・b11329)。永い戦いを生き残り、孫たちに戦いの記憶を語り聞かせる。生来の『軽さ』から孫たちはあまり信じていないが、彼自身にとっては戦争が風化することこそが嬉しかった模様。影ながら、『世界を救った魔法使い』として後世の日常を守っていった。
「めでたしめでたし。そう。物語の最後はいつもめでたしで終わる」
 ◆青井・葵(空と海との境界線・b11746)。八百屋を経営。ご近所のゴースト退治や訓練をし、世界結界崩壊後は近所の子供達を相手に能力者訓練を行っていたよう。やがては子供達が銀誓館生徒となり、卒業後八百屋を継がせる。彼女の達成した偉業は世界に誇るべきものだったが、『ご近所で有名な八百屋さん』の枠に収まったのは彼女の望むことだったのかもしれない。
 ◆不破・零夜(漆黒の剣聖・b02805)。若き日を戦いの中で過ごしてきた零夜は卒業後、見守る者としての立場に移り、最愛の人と長い月日を静かに過ごしていくこととなる。そんな彼だが、身近な誰かを守るためには自身の剣をとることもあったという。
「変わらず、自分の力を身近な人たちを守る為に剣を密かに振るい続け、歳をとっていくだろう。剣が振るえなくなるその日まで」
 ◆咲坂・桃内(ファイティングブル・b03849)。彼に関する詳細はあまり語られていない。学生時代からの想い人にアプローチを続けていたとされているが、その結果は彼等のみが知ることである。
「ありがとう。楽しいばかりの人生ではなかっただろうけれども、それでも一緒に歩むことができて嬉しかった。だから、ありがとう」
 ◆境・鷹男(帰ってきた真の努力家・b06261)。彼に関する歴史資料はさほど多く残されてはいない。しかし結社「雑談休憩部」での思い出は大切なものだったと後に語っていた。
「残りの人生、何が待っているかわからない。正直、不安だらけだと思う。でも俺はしっかり生きていく。悔いの無い人生を送る為に」
 ◆伊達・正和(真クルースニク・b00969)。トレジャーハンター部をたちあげ多くの冒険や戦いにて活躍。後にトレジャーハンター組織「ヘルメス」の首領として活動。最終的には「ヘルメス財団」総帥となりその規模は宇宙へと進出したという。彼の精神は子孫へと受け継がれていった。
「二人の妻と子供達、そして学園の仲間達が俺の得た宝だ。だが俺の冒険は終わらない。次は宇宙だ、君も俺達と冒険に行かないか♪」
 ◆九曜・沙夜(神韻・b01823)。大学卒業後はクラブ歌手を目指して準備を重ねるが、その途中で関わった邪神教との戦いで話題を呼ぶ。数年後に帰国し、自らの店を構えた。ジャズを中心にステージに立ち続け、その道で有名になった。そうしてゆっくりと生涯を終えるかと思いきや、60過ぎに再び世界を回り始める。
「神韻の伝説のまま、その歌声と歩みは止まる事なく。今なお、何処かで永遠と響く」
 ◆柏木・美桜(燈の魔猫・b12927)。税理士事務所にて起業ノウハウを獲得。後に夫の協力を得て、迫害を受けてきた祖父との決着をつけた。最後には世界へゴースト狩りの旅に出た。
「あの爺様の後始末に行ってくるね。お母さん、お父さんのほうの親族の方にも呼ばれているし、日本経済立て直した功績で手伝ってほしいって」
 ◆平良・虎信(荒野走駆・b15409)。『我が生涯は鍛錬の生涯』と述べ、若い能力者世代を育てる為に財産を投資。やがて孫をもち、家族も増えたが勢いは変わらず、多くのことを若者たちに教えて行った。
「この平良虎信が生涯において最も使った言葉をくれてやろう! 何事も鍛錬だッ!」
 ◆ジョフロア・モンストルレ(シュネルベフェールスハーバー・b15471)。故郷ロタンギアへと帰り、妹に家督相続権を譲る。その後に妻と結婚。新婚旅行は懐かしの戦場巡りであった。余談だが、この妻というのがチーム『風』隊長ミリアム・モンストルレである。
「喜びがあった。悲しみがあった。出会いがあった。別れがあった。楽しみがあった。憎しみがあった。そして――いつだって、輝いていた」
 ◆椎名・悠(深緑のねぼすけ娘・b20132)。国家レベルではなく個人レベルとして、町内の平和維持活動に尽力した。世界結界崩壊後は人々の前に立ち巨大なゴーストとも戦った。老後、商店街に彼女の若かりし頃の像が飾られるが、すやすやと眠った像だった。彼女の功績を称えつつも、労おうとする気持ちがあったのではないかと思われる。
「問題はまだまだそこらじゅうに転がっているけれど、解決できる人もそこらじゅうにいるんだから、きっと大丈夫」
 ◆駿河・諌早(朱色の兎・b20590)。長かった髪を切り、交番勤務の警察官に。世界情勢には関与せず、町の平和に尽くした。ある意味平凡ではあったが、彼女なりの生き方であった。世界結界崩壊後の記録は残っていないが、当時までの記録には『勤務態度はまじめだがうるさい』と書かれていた。
 ◆大木・夏美(ファンシーショップなつみ店長・b20748)。ファンシーショップを経営し、常連客と結婚。そして出産。ごく平凡な生活を送り、老後にはファンシーショップを若者に任せ、また別の店を開いた。この間50年に渡り銀誓館学園へ通いつめた結果、ついに『メリスちゃん』との再会を果たした。メガリスの中でも特殊かつ重要な性質をもつティンカーベルは夢の橋を媒介にすることで如何なる保管状態にあっても他者に奪取される可能性があるとして長らく封印状態にあったが、50年かけたゴリ押しで一回だけの面会が許されたのだった。一世紀に二度しか出会わなかった二人だが、絆は深くつながっていたという。
 ◆敦賀・凛(光と歩む風・b22341)。銀誓館を発った後に日向と婚約するも、多忙故に顔を合わせることは少なかったとされる。親友のシリルも世界を回っており、そう毎日のように会うことも無かった。長い人生を神社の管理で過ごし、時には屋根を欲する子供達に軒先を貸すこともあったという。
 ◆浅草・紫郎(浅草探偵事務所所長・b22753)。学園卒業から探偵業の脇で資金を集め、自らの屋敷を管理した。多くの場所をめぐるうちに孤児を拾うようになり、娘たちの手伝いをうけながら数十年。彼は老人になったが、まだ探偵を続けていたという。
「あれから50年。俺は、立派に父親をやれているのかね……」
 ◆氷上・靜(浮薄・b25686)。氷上靜を語る上で必要なものは、妻の存在とラブレターの如き遺書である。彼は妻よりも先に天寿を全うしたが、それまで多くの笑顔を交わしてきた。遺言書には愛と感謝の言葉を書き連ね、そして寿命の最後の一欠けらと使うその時ですら、彼は冗談を言ったという。妻がその時どんな顔をしていたのか、知るのは天国へ行った彼のみである。
 ◆バン・アルテノール(闇を纏いし孤高の忍・b26720)。世界結界崩壊後の紛争地帯にて香澄という少女を保護。姉の協力を借り、少女を忍びとして育成した。その後は隠密活動で銀誓館に貢献し、戦いがあるたびに現地へ飛んだという。彼の生涯は孤独と戦いに塗れていたが、老いた頃にしてようやく、守りたい人を守ることが生甲斐となっていたことを知る。もしかしたら、あの日の紛争地帯で救われたのは彼の方だったのかもしれない。
 ◆神谷・小夜(真土蜘蛛の巫女・b27152)。メイド喫茶、コスプレ喫茶、レストラン、喫茶店、OLと職を切り替えてきたが、老後にしてようやく飲食店に狙いを定め、喫茶店を切り盛りするようになった。その長い人生の中でも、八握をお嬢様と呼んで慕い続けていたという。50年たってもである。
 ◆八握・彩陽(空紡ぎの織・b32869)。小夜と長らくともに暮らし、比較的平和な生活を送った。老後は小夜の喫茶店を手伝う形になったが、60を過ぎた美しい老婆が『お嬢様』と呼ばれる事態に、客たちは逆に感心したという。本人は認めないものの。
 ◆黒鯨・珠子(原初の混沌・b28851)。彼女に関する記録は一切残っていない。調査に当たった探偵騎士がゴーストのような不定形が蠢くものを見たと述べているが、それが彼女であったかは不明だ。もしそうであったのなら、彼女は人間以外の何かになったのかもしれない。もしくは、元から人間ではなかったのかもしれない。全てはオカルトの領域であり、証明できるものは何もない。
 ◆御鏡・幸四郎(菓子職人修行中・b30026)。菓子工房『梟と小夜啼鳥の止まり木』を開業。鎌倉の名店として知られるようになる。彼の姉である七ノ香はマヨイガへ転居し、穏やかなスケルトン家庭を築いている模様。それでも霊媒士で在り続けたことには、彼なりの強い気持ちがあったものと思われる。ゴースト事件を解決しながらお菓子作りを続け、彼の一生は閉じていった。その間には、イセスをの足取りを探る彼の姿もあったという。
 ◆紫苑・涙(乙女ハート燐華の底力・b30086)。これを彼女自身の記録として述べるべきかは判断の別れることだが、紫苑涙はある時を境に人が変わったようになり、それからというもの長い長い年月を好色そうな紫髪の女として過ごすことになった。それがいつまで続いていたのか、そして本来の紫苑涙はどうなってしまったのか、その真相を探るすべは、もはやない。
 ◆瀬名・雪乃(ありがとうの花束を・b30841)。英国魔術師に招かれ魔術諸研究のためロンドンへ留学。世界結界崩壊後の世界において幾つかの遺失魔術の復活を実現する。
「寂しくない事はないんだけど、皆からもらった温かい気持ちちゃんと「私」の中にあるから。別れの挨拶の代わりにこう言うね……行ってきまーす、またねー♪」
 ◆マリス・アンダー(わんわんののろい・b31212)。卒業と同時にビャウォヴィエジャの森へ。『空剣のマリス』を名乗り、その類稀なる戦闘力から十騎士に昇格する。しかしクルースニクの宿命なのか自由すぎる性格は変わらない。トレードマークの黒スーツ、サングラス、オールバックは一生変わらなかったという。
「世界は広いねぇ、何歳になっても新しい景色ばっかり見えてくる」
 ◆花屋敷・幽兵(退かぬ媚びぬ省みぬ・b32720)。持ち前の調子の良さで全国をふらふらと彷徨いながらゴーストを倒したり女の子に声をかけたり叩かれたりの生活を送る。ぼっち生活のまま40代に突入したことを嘆きアヤナシアラタメの偽名でリア充撲滅運動をするが、同名の男に叩き潰される。老後、調査員が現在何をしているのかと尋ねた所裸にガウンを着た彼がワイングラスを揺らす映像が送られてきたという。即日で彼に刺客が放たれたのは言うまでもない。
 ◆文月・裕也(太陽と月の着ぐるみ探偵・b33412)。文月探偵事務所初代着ぐるみ探偵。妻に支えられ着ぐるみ探偵は少なくとも三代先まで続いた。犯罪来訪者によるゴースト事件を解決するうち二代目とくっついたとされているが、それは公にするべき情報ではないだろう。
「山も谷も乗り越えて続いてゆく家族の絆。この幸せを共に紡いてくれて、ありがとう」
 ◆緋薙・悠(緋月・b52942)。裕也との間には両親そっくりの子供が生まれ、子育てのかたわら絵本や童話を執筆。『アル君の大冒険』は後に無事出版され、啓蒙活動に少なからず貢献した。
「裕也さん、あなたと出会えたことは本当に奇跡ですね。いつまでも、そしてこれからもありがとう!」
 ◆イブキ・アルテノール(弟想いの心優しき姉・b34032)。高校教師を元気に勤め、生徒からも好かれる人気の教師になった。そんな彼女でも起こると怖いと評判だったという。30を超える頃になって双子を出産。それでも彼女は立派に教職を務め切ったという。
 ◆ガレル・ヴァルゴ(色褪せたマリアベール・b34126)。銀誓館の喫茶結社に顔をだし始末人として活動。銀誓館と敵対する連中からは有名だった様子。ある程度資金を貯めてからドイツへ帰り普通の人間として暮らす。しかしいつ死ぬか分からないからと、彼は生涯大切なものをもたないように生きつづけたという。
 ◆今市・直人(イマイチな男・b36897)。飲食店を経営し、数十年をイマイチに過ごした。彼が後に、皆に守られて頑張って戦っていたのだと語る。
「お客さん、見たとこ若い感じがするね。この先、辛いことがあったら思い出してくださいね。皆が守ったこの星で、貴方は生きてるんだから。貴方もまた、一人じゃないんだから」
 ◆赫蒼・ハズレ(覇戒せし愚者王・b37325)。彼の伝説を語るにあたり、これだけは述べておかねばならない。ハズレは多くの事件や騒動に首を突っ込んでは悲鳴をあげたりはしゃいだりを繰り返していたが、その何れでも彼女は歓迎された存在だった。人々に愛された赫蒼ハズレだと言っていいだろう。というか他に語ることが無い。本当に申し訳ないと思っている。
 ◆ジュリー・キングスレー(紺碧・b79531)。銀誓館能力者でありながら普通の高校生らしく生活した。大学入学後は弓道でそこそこの成績をあげ、そのまま弓道を続けるべく教室をひらく。さりげに少なかった能力者向けの弓道教室には多くの若手能力者が通い、肉体的技術的な面もさることながら精神面も鍛えていった。銀誓館を中心とした世界の急激な動乱には否定的な立場をもちながらも、本人なりにその時代を生き抜いた。
 ◆アウローラ・テレシネス(クイーンオブアイス・b23244)。勇気を出して故郷のへと帰国。しきたりを捨てた村の人々と出会い自らの過去に決着をつける。以降は村長となって村を守り、村の安定に努めた。その後は観光をして日本へと帰ってきた。戦争地で若者の支援や、誇示への復興募金を呼びかけるなど、数十年前の『氷の女王』はまた新たな『氷の女王』として生きた。
 ◆橘・恭介(仮面ライダー恭子・b23336)。50年の月日をかけ、時代の流れから彼のケルベロス・モンタは新たな進化形態を獲得。ソルブレイクと名付けられる。
「そう、まだまだ、この世界は続いていくんだ」
 ◆御神・蓮華(龍の女・b25008)。世界結界崩壊前後、運命予報能力を失った崔を励まし、共に家庭を築いていった。崔の予報士としての役目は世界結界完全崩壊時からおよそ六か月前に終わったと言われている。個人差はあったが、彼女は比較的早いほうだったとも。
「それは多分、もう、悪い事は起きないっていう最後の予報だよ。これからは2人で、一緒に乗り越えていこう?」
 ◆風越・雪祢(灰音の旋律・b25414)。フルート奏者として働く傍ら能力者活動にも精を出し、結婚や出産を経て、自らの子に力の本当の使い方を丁寧に教えていった。それは派手ではないが、決して無駄ではない、とてもかけがえのない『ひとりの人間の人生』であった。
「私と出会った全ての人に、この学園の存在に感謝を……私は、とても幸せです」
 ◆護塔・洸太(曉芒刃・b25401)。卒業後すぐに地元和歌山の防衛を開始。後にみかん山を継ぎ、子供も二人育て、農産屋へと卸すようになる。世界結界完全崩壊時は自らの故郷を守り、故郷の人々に深く感謝される。自分が彼等を見返したかったのだと気付いたのはそれから暫くの頃だったという。そして39。青年としては早すぎる若さで人生に幕を閉じた。
「我が家が終の場て嬉しいけど、嫁さん遺すんと子らの成人式見れんの残念やなー。長くは無いけどエエ人生やったよ。おおきにな」
 ◆松虫・九郎(黒キ蟲ハ光らない・b50055)。崩壊前後の戦いを経て動乱期、泰平期を生き抜き、悪の能力者たちとの戦いに明け暮れた。老後にはそうした技術を集結させ、宇宙開発にも貢献したとされる。余談だが、彼の構想にあった宇宙戦艦はかなり早い段階で実装された。能力者が宇宙空間で不自由せず、大抵の重力圧迫に堪えられるということでかなり乱暴に出来上がった所がある。次の宇宙の前に、まず宇宙の果てを目指すこととなった。
 ◆八雲・紫織(彷徨うマリス・b41675)。隔絶された森に引きこもり、反政府活動家や犯罪者をひっそりと排除する活動を続ける。真実を知らぬものから「彷徨う悪霊の魔女」と恐れられるが、森を荒らす者がなくなったことを切欠に噂は消滅。魔女は消えた。その後の彼女の足取りは杳として知れていない。
 ◆ミルス・ペック(虹をかけるもの・b50642)。養父の影響でカメラ趣味に目覚め、ジャーナリストを目指してゴーストの真実を世に放った。カメラへの興味が先立ったからかニコンF3といった当時相当な骨董品であった一眼レフを好んで使用したとも言われ、やがてアメリカのメジャー誌を飾るようになる。後に銀誓館NY分校で撮影を教える立場になった。彼の活躍は動乱期にこそあり、各地の戦場に飛び込んではカメラを向けたという。
「ジャーナリストは中立です。でも今回の場合は正当防衛ですよ! 彼らには、お気の毒ですけど」
 ◆東方・亮一(白銀の轟狼・b43432)。卒業後、正義のヒーロー『レッドホットライダー亮』となり正義活動を開始。その四年後にはヒーローの称号を少年に託し実家の「東方モータース」を継ぐ。それでも『フルーストームライダー』となってやや小規模な正義活動に勤しんだ様子。後に多くの友人から「干からびろ」との祝福を浴びつつ結婚。子供達に未来を託し引退した。
「人生ってのはな、楽しんでこそ人生なんだ。俺ァ今も楽しんでる。お前らも精一杯楽しめよ!!」
 ◆萩坂・暈人(剱持つ考古学者志望・b00168)。暫くは大学の講師として新たな歴史に立ち会った。その後世の混乱が落ち着いてからフリッカー村での音楽祭に参加。半世紀程前に知り合ったというギタリスト・ジョニーとの再会を果たす。一夫多妻制を自主導入したという彼らは野球チーム並の子供抱えていたという。晩年は近所の子供達に剣や歴史を教えて暮らしていた。余談だが、当時使い捨てにされていた龍脈装置は解明が済み、妖狐ネットワークに組み込まれている。
「かつての日々は遠い過去になってしまったが誰かが望む明日はある。きっと、それでいいのだろう」
 ◆天津原・鈴(星華の巫女・b43812)。神社を管理しつつ、結婚し、子を持ち、平穏な暮らしを送る。ゴーストや能力者たちと仲良く暮らしたとされる。
「皆さんは……どうしてるでしょうか。きっと、幸せになってますよ……ね」
 ◆達川・薫(全てを射抜く漆黒の瞳・b44475)。二十代後半、大恋愛の果てに結婚。自分によく似た孫をもち、平和に暮らした。
「銀誓館にいるなら聞いたと思うが、改めて言っておくよ――君に、死と隣り合わせの青春を」
 ◆バイス・ガルフィード(嘲笑する虐殺者・b44573)。闘争から始まり、闘争に終る生涯であった。後の世では悪人として知られるようになるが、それが何故のものであったかは知られていない。
「Auf Wiedersehen」
 ◆草薙・神威(魔を討つ守護の盾・b52378)。人付き合いは苦手だったものの、後輩たちに自分の経験を伝えていく努力を重ねた。
「その後輩達が、またその後輩達にと想いが重ね合わせていけたら、世界は少しずつでも優しくなれるのではないかと期待しています」
 ◆リラローズ・マグスレード(紅き月下に舞う薔薇小姫・b52012)。60年の月日をかけ美しい老婦人へと成長し、変遷を書物に記した。
「私達が求めた平和は…護りたかったものは、世界に広がっていると感じます。失ったものも多かったけれど、ただ懸命に生きた。私達の成し得なかった事や、これからの未来は…既に頼もしい輩(ともがら)へと引き継がれていると確信するから……今はとても幸せよ」
 ◆草壁・那由他(闇と光の魔弾術士・b46072)。魔弾術士の技を磨きあげ威容と風格を身に着ける。一軒家をもち、魔道書に囲まれた部屋で暮らす。後輩の魔術師たちに多くのものを授けた。
「せっかくのお茶が冷めてしまうわ。特に、あなた達が真の魔弾術士を名乗るなら、ね」
 ◆プリス・ベルグランデ(吸血幼女・b47961)。世界に飛び出しいくつかの(幼女の年齢ではないが)幼女最強伝説を作る。後世で五世紀に渡って語り継がれた。泰平の世、不老となった彼女は南雲団十郎の友として彼の最後を見守ったとされている。
「なら、お前の残したもの、お前の生きた証……見守るくらいはしてやらァ。『友人』としてな」
 ◆細氷・六華(幻燈庭園・b46165)。高校教師を務め、生徒たちに有名になる。『最高峰のチート雪女』『全自動製氷機』『趣味:人間かき氷』『現役時代数多のゴーストをかき氷にして食べた傑物』『強すぎて未婚』『りっかさんじゅうななさい』。お分かり頂けるだろうか?
「六華たちの作った今を、貴方達に楽しく過ごしてほしい」
 ◆ノエル・ローレンス(月夜のヴァンパイア・b47497)。イギリスに移り住み二児を育てる。思い通りに行かない日々もあったがそれはそれで楽しい日々だったという。後にケーキやで働きながら細々と暮らした。孫が生まれ彼らが大きく鳴った頃、世界を飛び回る旅へと出る。
 ◆暗都・魎夜(全てを壊し全てを繋ぐ・b42300)。妻と共に世界を回り、いくつかの戦いに参戦。傷つくものの為に戦った。2062年、伯爵と面会を許される。安全のため3km程離れた場所からの通信ではあったが、妻琴乃が書いた本を手土産とした。この時はっきりしたことだが、伯爵は妖狐が管理するゴースト兵器『永遠の災い』のもつ『周囲3kmの生物を永遠に止める能力』によって凍結されていた。ゆえに、彼にとって50年ぶりの再稼働だったようだ。
「暇を持て余したら、世界征服に来いよ。俺が生きているかは分からねぇ。けど、俺のガキなんかが相手してくれるぜ。その時こそ、決着付けてやるぜ」
 ◆中寮・琴乃(風花の舞う静謐の乙女・b47782)。魎夜との結婚後世界をめぐる。彼女の相棒であった宿儺はこの出産と同時に消失。その理由は定かではないが、もし彼女の執筆した『燎焔と雪華の旅路』を読んだことのある者ならばこう思ったことだろう。もう彼女に『宿儺(悪を払うもの)』は必要なくなったのだ、と。
 ◆草薙・憐(ダメ人間から白マテリアへ・b54120)。世界結界崩壊前後の足取りは不明。これまで多くのものと戦ってきた彼を知る者から、きっと魔剣の一族としての自分に向き合えただろうと語られている。

 ◆リリア・フェイル(雪国の猟師・b55890)。北海道の雪山に戻り猟師として生活。現地の雪女種族と交流した。子宝には多く恵まれ、彼等を銀誓館学園へと送る。長らく雪山から降りることは無く、孫たちに戦いの歴史を語って聞かせていた。
 ◆氷桜・ひさめ(蒼銀珠・b56811)。卒業後全ての戦いから身を退き、家族と共に生きることを選ぶ。後に多くの子を持ち、家族に恵まれた。『ひとりきりの雪女』は多くの幸せを得て、その生涯を終えたという。彼女の墓は銀誓館の奥、小さな教会の森に眠っている。
 ◆弥栄・空(白虹の灯火・b58854)。大学に通い教員免許を取得。後に小学校教師となり様々な教えを授けた。世界の戦いにはさほど積極的に参加せず、世界をめぐることも無く、政治に関わることも無く、しかし彼なりに精一杯、少年少女たちの未来を照らした。
 ◆四季・紗紅(白虎拳士・b59276)。世界結界崩壊後は畑仕事を中断し、辺境地域でのテロリストと戦った。妖狐勢力や吸血鬼勢力ともそれなりに交流を持っていた様子。後に銀誓館学園に使役ゴースト(当時はもう絆ゴーストと呼ばれていたが)の競技が取り入れられることになるが、それは紗紅の提案によるものだとも言われている。
 ◆無堂・理央(龍虎舞闘・b59341)。卒業後フリージャーナリストとして隠された歴史や人々の想いを取材していく。途中多くの悲劇に立ち会うことになったが、理央の記事はつねに愉快な出来事で飾られていた。影響力こそ少なかったものの、多くの人々に愛される。身体の衰えを感じてからは歴史資料の編纂に集中した。彼女の手記は膨大なものとなり、多くの本が出版された。
 ◆ベン・カプハ(蒼い放浪者・b59473)。ある女性の墓の守り人として生涯のほとんどを過ごした。元銀誓館の肩書きを利用され吸血鬼組織に使われることも多々あったが、65歳を過ぎる頃にはお呼びもかからなくなり完全な墓守となる。
「昔、亡き人と共にいるために眠った人がいました。俺はその人に死ぬのは土産話を作ってからでいいと言いました。俺は、作ってから行きますよ」
 ◆ブライト・アカツキ(朔の彷徨者・b59563)。訓練組織の教官を務めていたある日、育てていた蜘蛛童が土蜘蛛へと進化。不器用ながらもシングルファザー(?)として子アルケニーを育てた。教官引退後は神社で余生を過ごした。
「僕が父親になる日が来るなんて、思っていませんでした。結婚もしていないのに……」
 ◆リチェンツィオーソ・ヴェルジネ(偽り刻む怨讐の舞燈姫・b59634)。専門学校課程終了後、保育園の保母を務める。能力者としての力を持った子供達に力の使い方を諭した。第二の自分を作らぬためにと奮闘した。銀誓館黄金時代のOGとして戦いに出ることもあったが、その際は対話を必ず試みたという。
 ◆朱桜・結華(白雪を知らぬ桜の精霊・b59637)。飯店『櫻』を営み、小さいながらも人種生死分け隔てなく料理を振る舞い繁盛させた。辛すぎる激辛メニューが密かに話題を呼ぶ。崩壊期の戦いに駆り出されることもあり店は一時的に閉めていたが、ややあって再開。求婚されることもあったが最後まで伴侶は持たなかったという。起業から40年ほど経ってから店を完全に閉め故郷の森へと帰ったとされるが、その後を知る者はいない。
 ◆シンディ・ワイズマン(真夏の雪女・b60411)。暫く封神台の研究をした後、自らも神将に登録する。人類史がいたずらに改竄されぬよう生き証人となった。
「命の槍の起源も知らない書庫が何と言おうと、命は何度でも生れ変るわ…私の妹も生れ変って、そしたらまた血反吐吐きながら正義のHERO目指すに決まってる。何度でもあの子を探し出して、強くなるまで守ってやりたいの。ううん、妹だけじゃない。他にも、いい子達を沢山ね」
 ◆山科・月子(ディープブラッド・b61466)。世界結界崩壊後に原初化。闘争と享楽に溺れて過ごす。長い年月の中で最終的に晴明と同棲。それは安穏であり、廃退とも言えるものだった。後に、エリシュオネス領へと赴くことになるが、それは50年という月日を飛び越えたかのような再開だったとされている。
 ◆遠野・晴明(月下咆哮・b77890)。卒業後も戦いに身を投じ、崩壊期、動乱期とその力を振るった。エリシュオネス領へ赴き彼女の子孫に稽古をつけつつ、水城の組織の隠れ里へ隠遁とした生活を送った。
 ◆小机・水城(月墜す鴉・b61103)。古巣の能力者組織『常世の篝火』に戻り活動。異能者の保護と教育につとめる。その間も各地で様々な戦闘に参加。自らもいつか誰かに殺されて終るべきだとし、身を削り続けた。彼の最後が如何なるものであったかは定かではない。
 ◆成上・瑞羽(唄運ぶ藍風・b61342)。大学で言語と歴史を学び卒業後にはツムギと結婚。子育てと家事にいそしむ。その片手間に語学力を武器に小規模ながら外交の手伝いをしていた模様。欧州組織とも頻繁に連絡を取り合い、親しい間柄であった。完全な余談だが、アリスは最後までフルネームを明かさなかったという。アリス自体が『少女』を表す名前であることを考えると、そもそも名前が無かった可能性もあるが、詳細は定かではない。
 ◆雪吹・玲螺(うちゅうもーらっとひろいん・b61805)。フランスで経済学を勉強しつつパティシエ修行に励む。後に帰国しカフェ『もきゅようび』を開店。使役ゴーストを雇って繁盛させる。そんな中でゴーストとの思い出を残せればと、ゴーストを写真に残す研究を始める。写真撮影自体は正常に行えたが、ゴースト消滅と同時に写真からも消えるため、最大のネックとなっていた模様。また、モーラットのしらたまさんは長年の努力の末にもーらっと学校をつくった。何を教えているのか、不明である。
 ◆シャムテイル・イルミナス(カシミールブルー・b64908)。モデル業の傍ら『ゾンビアイドル事件』などの芸能分野でのゴースト事件を解決。人気はそこまで高くなかったという。崩壊期に入ってからはシルヴィアを追って旅立つが、再開まで数十年を要することとなった。出合った瞬間に全力で殴ったという。
「それでもこの道を選んだことは後悔してないけれども、ね。シル、ありがとう」
 ◆蠣崎・綺沙(雪華繚乱・b62626)。二十歳に至るまでの彼女の歴史を振り返るならば、それは多くの危機や苦難、そしていくつかの不幸の連続だった。しかし彼女はその長い年月を生き抜き、人並に結婚をし、当たり前に出産をし、ごく普通の家庭をもち、元気な孫の顔を見ることができた。彼女の人生はそこで終わってしまったが、彼女と言う人間は一族の中で確かに息づいていたという。孫は彼女によく似たというが、後世に残された平和な日常はきっと多くの平穏や幸福を齎すだろう。
 ◆神山・太一(穏やかなる若草・b63290)。卒業後、後輩能力者の指導にあたる。後に朝陽と出会い結婚。間に生まれた息子もすくすくと育ち孫の顔をみることもできたという。老年期には指導者を引退し、次なる宇宙への研究に着手した。
「もしここで成し遂げられなくても、私達の想いは未来へと受け継がれていくことでしょう」
 ◆彼杵・天羽(太陽の紡ぎ手・b63707)。戦いの中で命を落とした友アデライード。彼女の守った世界を天羽は自分なりに守って行った。
「素敵な思い出ばかりだったから。もう二度と逢えない悲しみも強いけれど生きていた頃の鮮やかな思い出も沢山あるから、何時までも悲しみに沈まずに生きていける」
 ◆水原・風戯(禍福の風・b64135)。各地を巡る冒険の日々を送り、小さな事件を数多く解決。変わりゆく世界の中で多くの理不尽から人々を救った。その反面貧しさには困っていたようで、資金の調達には少しうるさかったとか。
「確かに大局的に見ればそれは正しいと思いますよ。でも、俺が銀誓館学園で学んだのは大の虫を生かす為に小の虫を殺す、では無く、二択なら両方を取る第三の選択肢を作り出す事ですから……それじゃ、失礼」
 ◆風音・空也(真理に抗う者・b70449)。プラトン立体の発見から数十年。風戯たちと共に世界の謎と追う旅を続けた。特にプラトン立体に関する調査には目の色を変えたという。
 ◆水原・芹菜(高校生真雪女・b84703)。世界を股にかけて戦うヒーローとなるべく、風戯たちと共に旅を続けた。それは彼女一人ではくじけてしまうような多くの困難が伴うものだったが、仲間同士助け合い、長い長い旅路を歩いていったという。
「空也、芹菜……。俺に付きあっても良い事なんて一つも無いぞ? 成功の見込みは殆ど無いし、仮に成功したとしても報酬も名誉も手に入らないと思うけど?」
「関係無いわね。別に私は報酬や名誉を求めて戦った事なんて一度だってないわ。何処かの誰かが傷付けられようとしている、私が戦う理由ならそれだけで充分よ」
「ま、気にすんなってことだ。ここで風戯と一緒に行かないと一生後悔するような気がしただけだからさ」
 ◆ミタヨーナ・デマゴーゴス(天災美少女詐欺師・b66773)。2062年に銀誓館学園合同結婚披露宴を開催。崩壊期や動乱期の波に流されて挙式を上げられなかった夫婦を祝福する場とした。
「なお、この告知はフィクションであり……」
 ◆レンフィート・ディアレスト(ノブリスエゴイズム・b69074)。イギリスで探偵騎士の活動を始める。貴族ディアレスト家の復興を目指し粉骨砕身した。復興を成し得た後は自伝の執筆に当たり、自らの経験を多くの本に残して逝くこととなる。
 ◆アンリェイナ・ファラフ(夢の花・b70094)。卒業後インドの家に戻り家を継ぐ。貿易業の経営は家の者達に任せ、自分は日本との取引増加や人狼騎士団への渡りづけを行った。その上でフランケンシュタインの研究を重ねた。かつて失われたファラフ家のフランケンシュタインを取り戻したいという思いからだったが、それは絆ゴースト運動の助けもあって多くのフランケンシュタイン誕生を促す者となった。
 ◆砂宮・佳乃都(朝焼けのねがい・b71138)。可愛い女教授を目指して土壌研究を開始。妖獣の跋扈する山などを勇ましく堂々と調査した。多くの功績を残し、後に名誉教授となる。
「もっと頑張りたいです。農家の人役立つ研究できて、美味しいもの食べれるんですから。あ、これどうぞ。地元素材でできたドーナツです。こういう物の為なら、まだ頑張れますっ」
 ◆天川・そら(ダンスウィズミルキーウェイ・b71485)。泰平期、学生寮で管理人一家として暮らす。過程を持ち、穏やかで素敵な日々を送ったとされている。ブルーアイズの面々とは時折顔を合わせ、互いの充実した生活を語り合ったりした。
「銀の雨は止み、霧は払われ、そらいっぱいの、虹のもとで」
 ◆彩水音・流我(暗夜幽迷・b71535)。弱者を護るべく世界を巡り多くのゴースト事件を解決。愛刀『暗夜幽明』を手に多くの敵と戦った。結社『流水夢幻』の跡地とも言うべき日本屋敷で猫と共に暮らした。
「……んー、いい陽気です。一緒に昼寝をしましょうか」
 ◆不知火・レイ(星の欠片・b71576)。卒業後、天文学者の道へ進む。しかし敦賀市攻略戦の充実感を忘れられず再び戦場へ。強敵の噂を聞きつけては挑みかかり、レイの人生は完全に戦士のそれとなっていた。数十年を戦いの中で過ごし、身体は限界に近づくが、それでも戦場から退くことは無かった。人生の終るその時まで血にまみれてはいたが、死に顔は安らかなものだったという。
「ありがとう、十三。おまえのおかげで楽しい人生だったぞ。今からそっちに行く。待っててくれているか? そっちに着いたらまた…あの日みたいに喧嘩しよう」
 ◆霧島・静流(破邪顕正・b72181)。世界結界崩壊を前後する形で里へと帰り、長の座を継いだ。その後若者たちの指導に専念し、『誰かを護るための剣』を伝えていったとされている。
「おささま〜、また『ぎんせいかん』のおはなしきかけて!」
「ん、そうだな、では今日は……」
 ◆異邦刃・トキハ(黒い月の残滓・b72503)。自らの欲望に抗えず、伯爵との接触を望んだ。後に彼は伯爵の内に取り込まれ、永い時を過ごすこととなる。伯爵に魅せられた彼は、その一生を彼に捧げたのだった。
「銀誓館の一員として世界を護るために安定させるために戦い続けてきた。でも満たされない、癒されないものがある。結局、自らの業……いや欲望には逆らえない、か」
 ◆リーゼロッテ・ヴューラー(ティターニア・b72505)。卒業後ドイツへ帰国。雪道碎花の助けを借りて『妖精のパン屋』を開いた。後に結婚、出産し、温かい家庭を築いた。
「平穏で、特別でない、でもかけがえのない毎日。これを続けていくことが私が選んだ平和な未来への道。運命の糸が結ばれた先にできた子たちが今度は多くの糸を結んでいくことでしょう。そしていつの日かステキな未来が織られるといいな」
 ◆天江・悠(疾走天駆・b72969)。何でも屋『天江』を営みながら子育てに励む。その間もゴーストの鎮圧や犯罪能力者の撲滅に精を出した。晩年は孫たちを相手に自らの経験を語って聞かせたという。
「婆ちゃんが戦ったこのナイトメア王ってのがまた面白い男でね〜」
 ◆九頭龍・蓮汰(風の十二方位・b73547)。卒業を待たず大陸へ渡り、武者修行の旅を続けた。その際、天宮宗を初めとする多くの者と戦い研鑽を積んだ。帰国後も敵味方問わず戦いの中で腕を磨いた。大陸での修行中に道教を学び仙人を目指したとされ、彼の肉体は若さを保ったという。やがて『闘神』などと呼ばれるようになり第一線から引退。孫たちに八極拳を伝えた。
「少しは強くなれたかな?あの人達のように」
 ◆天宮・宗(怠惰にして眠る蒼龍・b44652)。全国を回り拳士の腕を磨く。朱雀玄武黄龍の拳士の技も取り入れ、崩壊時にはその腕を存分に発揮したとされている。後に道場を開き、彼の拳法は後世へと伝えられていった。
 ◆夜刀・神也(谷津乃守也・b73718)。各地で起こる戦いに身を投じ、力を振るい続ける事二十年。三十路を越えはしたが童心をいつまでも忘れず、大きな戦いがあれば颯爽と駆けつけては若者を叱咤激励した。
「俺か? 俺はピッカピカの銀の誓いで育った、ただのオッサンだ」
 ◆白木・祢琥魅(ひなたぼっこ道免許皆伝・b73244)。給食のお姉さんとして銀誓館で働く。その間もゴースト事件の解決に乗り出したり、結婚したり子供を作ったり、若かりし頃の祢琥魅そのままにネコネコにゃにゃーして暮らした。老後の過ごし方は勿論ひなたぼっこだったそうな。
「世界が変わってもボクがやることは変わらないのにゃ! みんなと沢山遊んでみんなと一緒に世界を守るのにゃ!」
 ◆遠野・玉藻(金色の天井送り・b76358)。学校を卒業後、日常へと帰るべく進学、就職、結婚とあえて平凡な人生を歩んだ。姉とは異なり、彼女の力は常に日常を守るためにのみあったと言われる。尚、そう言っている割には『玉藻様伝説』は依然として健在であり、かつての仲間たちがノリで作った神社は日に日に増えていき、老年期に入った頃にはおとぎ話の人物となっていたという。
「玉藻様って呼ぶの禁止!」
 ◆垣添・貞剛(真従属種ヴァンパイア・b76916)。不思議なメガリス『でいら坊の褌』を発見。それを切欠に『巨大な褌漢』として生涯戦い続けることを決める。数十年の間身体を鍛えつづけ、様々な人にドン引きされながらも戦いを続けた。水面に移る彼の顔は、かつての吸血鬼によく似ていたという。
「人生を変えられた時は恨んだ事もあった。だか結果として今まで知り合った奴らと出会う事も出来た……ありがとよ」
 ◆クリスティーナ・ロッテンベルク(白夜の・b78417)。彼女についての記録はあまり多く残っていない。彼女の死後、孫娘の話を聞く限りでは『子を為せど、一人で育てよ』を訓示にして一人娘を産み、自分ひとりで育てたという。それは娘にも継承され、孫娘もまた、同じように生まれ育った。クリスティーナはこうして教会とロザリオ、そして遺志を継承たとされている。
 ◆霧島・露判(叡智を紡ぐ紅玉の司書・b78249)。学園卒業後はパティシエ修行のために海外へ。お菓子を通じて人々の心にメッセージを伝えようと多くの調理技術を習得。伝説のパティシエと呼ばれメディアで取り上げられた。その後は調理学校で自らの技術や感性を伝え、後世のパティシエたちの手本となった。数十年後、彼は洋菓子店を開き、地元の子供達に安くておいしいケーキを振る舞った。子供達の笑顔が彼にとって一番の報酬だったという。
「やあいらっしゃい。キミは初めて見る子だね?では来店記念にこれをどうぞ」
 ◆柏村・健幹(ウォーキングビート・b80328)。己の居場所を探すための旅へ。各地を転々とし、様々な事件に遭遇。その度に彼なりに手を差し伸べ、多くの失敗と成功を経験した。彼の旅が何処で終わったのか、それは如何なる書にも記されていない。だが彼と接してきた多くの人々はこう述べるだろう。彼の居場所は『この星』であったのだと。
 ◆門守・燐(ここにいる理由を問う・b80816)。大学を卒業後新聞記者となり、『大阪婦人自警部隊』を始め多くの事件や団体を取材した。後に引退し、大阪で作家業をしながらゆっくりと暮らした。
「たこ焼き、お好み焼き食べながら、面白く過去のことでもかいておきましょう」
 ◆鋼・正義(豪華絢爛フルメタルカイザー・b80883)。自己鍛錬と詠唱兵器の改造を重ね、念願のモードチェンジ制を導入。豪華絢爛ゴージャスモード、絶対正義ジャスティスモード、疾風怒濤セイヴァーモード、完全武装アルティメットモード、疾風怒濤タキシードモードの四種を使い分け、正義活動に勤しんだ。
「豪華絢爛フルメタルカイザー、ここにあり」
 ◆蕪菜・鈴菜(三尺聖域・b81577)。農大を卒業後、職を渡りながら様々な経験をした。後に、自らの記憶や真の歴史を残すべく、本の執筆にあたった。
「この本を取ってくれた貴方へ。貴方に語りたい事、伝えたい事がたくさんあります。もしもその話に――銀誓館学園と言う能力者達が歩んだ道を紐解くことに付き合ってくれるのなら。私は貴方のために、それを語りたいと思います」
 ◆犬川・荘司(義一文字・b81609)。卒業後、高校教師となり日本史を担当する。後にフォーレと再会し、毛利煌の死を知らせた。
 ◆フォーレ・リュミエール(琥珀色ルナティック・b82417)。芸能活動に勤しみ、ドラマの主役やキャスターなどで活躍。後に荘司と再会し、友の死を知った。
「ねえフォーレ。あの子がもう笑う事は無い。泣く事も無い、怒る事も無い。それが幸せなのかは判らないけど」
「だから、お互いに、彼女を生かし続けましょう。俺達が居る限り。死ぬと言う事は……誰の記憶にも残れなくなる、そういう事だと思うから」
 ◆深堀・ルドルフ(七冠皇帝・b81865)。在学中にバンド『Seven Crown』を結成し、卒業と同時にプロデビューを果たす。それから八年、業界のトップチームの一員となった。崩壊期の後は拠点をバンド崑崙へ移し人間と妖狐の懸け橋を目指す。金毛九尾の楽士となり長い時を過ごす。息を引き取る際、ゴーストとなった時尾に加えて欲しいと願った。
「お慕い申し上げておりますよ、金毛九尾」
 ◆十六夜・華倶楽(銀月ノ舞姫・b82619)。多くの真実を後世に残すため、語り部を残す計画を進める。それは、いつか銀誓館の知識が失われた時、正しい知識を伝承させるための計画であった。その役目にはルナエンプレスが、そして自分が相応しいとし、泰平期に至るまでの様々な情報を自らで記憶し、そして永い永い眠りについたのだった。遠い未来であろうとも、きっと彼女は正しい歴史を伝えてくれることだろう。
「真実とは優しくもあり、残酷なものでもあるが、お主はそれでも聞きたいのかの? では――御伽噺を始めよう」
 ◆想魔・百合(高校生真ルナエンプレス・b82928)。魔術体を制御する研究に着手。様々な分野の技術を結集し熱心に研究を続けた。その成果は50年の歳月をかけても出ることは無かったが、彼女はその後も絶えず研究を続けたという。いつかの未来、彼女の願いがかなう日が来るやもしれない。
「取り返しのつかない失敗や過ちの上でこそ。人は乗り越え変えていける。今より先へ、ここより遠くへ。人はどんなものでも超えていけると信じられる」
 ◆氷丈槍・漸白(真ホワイトアウト・b82992)。卒業後は要職にはつかず普通に生活。それでも世界結界崩壊後には紛争地域へと馳せ参じ、腕を振るったという。後に一人息子の克白を出産。父親は不明。訊ねられるたびに実力で立ち塞がったという。それから十数年。克白の婚約を聞き、漸白は今は亡き故郷の森跡を紹介する。その時、森を復活させていた『父親』との数十年ぶりの再会を果たすこととなる。父親の正体は……察して頂きたい。
 ◆鈴代・加奈(あどけなき月の影姫・b83068)。卒業後は日本をめぐる旅に出た。その好奇心たるや凄まじく、日本全土を徒歩で(文字通り)踏破したという。後に好奇心の矛先は世界へと向けられ、流石にオール徒歩とはいかないまでも世界を歩き回った。その後は日本で小さな旅行会社を設立。穴場ツアーなどを企画して有名になる。いつかは月も歩いてみたいと語る彼女だが、その夢は数十年後にかなうこととなった。泰平期には会社の社長職を辞し、夫や子供達と幸せに過ごしたという。
 ◆日暮・旭(サンシャイン・b83360)。高校卒業後、サキュバスのヒカリと共に世界をめぐる旅に出た。その道中、彼女のぬいぐるみを参列者として結婚式を挙げた。それから永い間、彼らは旅人として各地を巡り続けた。やがて彼の寿命が尽きる時が来るが、寂しさは無かったという。二人の絆が生死を越えたものであったが故に。
「しかし、世界は大きく変われども、いつの世も太陽の眩しさは変わらないな、ヒカリ」
 ◆大穂・鶴(空蝉・b83410)。世界結界崩壊前後、彼女の複雑な事情を理解できるようになった両親に対し、真実を打ち明ける。その後は舞台女優としてデビューし、舞台演劇の世界でそれなりの知名度をもつようになる。そんな29歳のある日、彼女はゴーストに襲われた子供を庇って死亡。財産はオーガスタの孤児院へ寄付される。彼女の最後の姿は、『人間』のそれであったという。
「私はおそらくもう助かりません。死ぬのが怖くない、といえば嘘になりますが、少なからぬ人を助けて死ねるのであれば、それも悪くないかな、と」
 ◆瑞羽・湊(暴風恋歌ロックソング・b84526)。ソフィー・フィリーベリの名を取戻しロックシンガーとして活動。日本ツアーを終えイギリスへ帰国中、湊の病が発覚。余命三年と宣告される。後に薬や当時のIMS技術の助けを借りて体力こそ戻せたものの、完全とは言えなかった。だがそんな彼女も予想を上回り五年目を迎え、出産にも成功。その命は枯れ木のように尽きた。しかし彼女の名前と魂は受け継がれ、約二十年後。ミナト・フィリーベリの青春が幕を開ける。
 ◆朱鷺鍍・直虎(傷みし紅の響虎・b84566)。マリーシと共に路上ライブの日々を送る。彼の活動は地味ではあったが現地で受け入れられ、少しずつではある人とゴーストの絆が浸透した。彼等の曲『黄昏の陽炎』は、一部の音楽家たちによって後世にひっそりと伝えられたという。
「オレの名前は忘れ去られても、音色と舞踊が遺っていけば……それがオレの在った証になるから、さ」
 ◆佐波希・滝(高校生真水練忍者・b84581)。卒業後スポーツインストラクターの勉強に励む。崩壊期のゴースト事件にはそれなりに対応しつつ、どちらかと言えばゴースト退治以上の熱心さで、漸く念願の必要資格を取得した。その後は沖縄の道場を継ぎ、指導者として、そして選手として、そして『御天党』筆頭として活動する。急がし日々ではあったが、幼馴染の墓参りは忘れなかったという。
「水穂、あたしちゃんとやってるからそっちで見ててね」
 ◆静島・深夜(虹の手のひら・b84654)。彼の経歴を語るにあたり、ゴースト根絶主義者との熾烈な戦いよりも、その際に出会った少女について語っておくべきだろう。ゴースト根絶主義の能力者アデレードとの対話に当たった際、とりあえずハンマーでぶん殴られたことをきっかけに恋愛的アプローチを開始。無論ボコボコにされるが、長きに渡る物理的交渉の末、説得に成功。妻とした。
 ◆リグ・マルヴァス(眠り獅子・b84719)。鈴霞と結婚後、二人の子供を授かる。その間音楽家として世界を巡り、見えざる狂気の治療法を模索。普段は半日眠る彼だが、練習前の大詰となれば貫徹も平気だったという。その後はティーソムリエや探偵騎士、ブックメイカーの力も借りながら治療法の模索を続けた。
 ◆スピカ・パープルムーン(高校生真フリッカーダイヤ・b85780)。双牙にはんば無理矢理置いて行かれた彼女だったが、彼が自分にしてくれたように誰かを救える人になれたらと、彼女なりに様々な活動にあたった。
 ◆船勝宮・静(ルーイナスシールド・b84959)。マヨイガにモーラットの学校を作るべく活動を開始。モーラットの烈光を校長せんせいにしてもきゅもきゅしていた。銀誓館プールでも開かれた雪吹玲螺としらたまさんのモーラット学校とかち合い熾烈な勢力(もふり)争いの末大体二等分したらいんじゃね的解決をみたが端から見るとプールのマヨイガゲート越しに戯れているようにしか見えなかったという。静自身は裂光に丸投げし、普通の生活を満喫したとか。
 ◆穂村・耶子(橙色の金平糖・b84998)。家族と再会し小さな食堂を開く。暫し穂村家総出で紛争地域での戦いにあたるが、その間も『稲荷屋』の看板を背負ってお弁当売りに勤しんだ。紛争終了後は食堂のかたわら同情を開き次世代能力者の育成にはげむ。泰平の世が訪れた頃には色々と引退し、ひなたぼっこをして暮らしたという。
 ◆華渓院・花子(ハッピーカレイドスコープ・b85349)。本家で霊媒師修行を重ね、名門天宮本家次期筆頭となる。同時期に分家である華渓院が事業を再興。花子は華渓院へ戻り、事業の手伝いと霊媒師事業を並行させてゆくことに。尚、テンションは黄金期のまま維持されていったという。
「おーっほっほっほ! 皆さんご機嫌よう。天宮家特級霊媒師にして次期筆頭候補、そして華渓院家家長代理 華渓院・花子がやって参りましたわー。もう一つおまけに、おーっほっほっほ!」
 ◆霧島・悠希(薫風を紡ぎし巫女・b81764)。絵本作家となり、人の心へと訴えかけた。悠希の書いた世界で一冊だけの手作り絵本は、さほど多くの人に読まれることは無かったが、込められた強い想いが後の世に少なからず影響を及ぼした。
「嬉しかった事、楽しかった事、辛かった事、苦しかった事。そしてゴーストの皆さん達や今まで相反してきた人達が、本当に訴えたかった言葉とか……んな事をみんな、特に未来を紡ぐ子供たちに知って欲しいな」
 ◆空存・永禄(天冲・b86171)。各地を巡り除霊建築学を用いた街づくりに協力。後に『全国除霊建築連』と合流しアフリカに除霊建築様式を広める。また並行して土蜘蛛族復興の準備に加わり、『出雲財団』の悲願達成に少なからず力を貸した。これらにとどまらず、生涯を通して知の探求を続けた。尚、この感彼は常に廉貞語で語っていたという。
 ◆シンシア・ノルン(運命の分岐点・b55866)。北ヨーロッパの居城へ帰還し、『ノルン総合公社』を設立。貿易経済へ魔術科学を応用する研究を行い利益を得る。後に銀誓館ゴースト情報司令部の支援機関として帰還。それ以降歴史の表舞台には暫く現れなかった。数十年経ってから著書『終わりと始まりの物語』を出版。これまで見続けてきた多くの『物語の分岐点』を綴ったもの。尚、容姿はかつてのそれと変わらなかった模様。原因は不明である。
 ◆西野・御子(中学生真処刑人・b16555)。能力者を引退後、パティシエの勉強をしケーキ屋を経営。自慢は何年も研究してきたアップルパイ。
「銀誓館の子が沢山買いに来てくれて学園の出来事とか聞いてて懐かしくなったりして楽しいよー♪
 ◆四季光・春葵(それなり・b61102)。2033年、エベレスト登頂。剣を刺して帰る。後にこれがちょっとしたミームとなった。
「次の宇宙に行った、姉さんの声が聞こえた気がしたんだ。それなりに楽しくやってるだろうね、あの人は。ふふ、るらるららー」

 ――多くの者がそうであるように、銀誓館の卒業生たちは自分に何ができるのかを深く考えていた。
 葛城浪漫たちのように孤児院を設立した者や、黒鋼輝刃のように動物たちの保護に生涯をかけた者、ルーベット・アキモトのように失われゆく伝統工芸を守り伝えた者もいる。
 子供の未来。自然界。工芸の世界……それは小規模ながら、ひとつの世界を救う活動だった。
 勿論、世界を救ったのは彼等だけではない。
 ここに紹介する多くの人々が、世界のために活動した。
 その足跡はきっと受け継がれ、長い歴史を刻んで行くだろう。

 ◆黒鋼・輝刃(牙鳴り散らす・b09479)。世界中の動物や妖獣の保護を目的とした野生動物保護官として活動。マヨイガ内に保護して安全に暮らせる環境つくりに勤しんだ。晩年にはその夢が叶い、多くの妖獣・動物たちに幸せが訪れた。
「普通の動物たちも大切だけど、妖獣だって保護が必要な奴がいるんだぞ。世界中のあちこち行くの大変だけど、なせばなる、だぞ!」
 ◆オーガスタ・エイプルトン(銀月の華・b59789)。仲間の助けを得て孤児院を設立。ゴースト事件や悪の能力者事件によって生まれた孤児を引き取って育てた。運営資金は真和茂理などの起業支援家を頼っていたが、多少は自分でも稼ぎに出ていたという。
「皆さんが大きくなった頃には、人も来訪者も、或いはそうでない者も、戦うことなく過ごせるようになるといいですね」
 ◆葛城・浪漫(真赤い亀裂・b17113)。自分の境遇から、家族を失った能力者たちの孤児院を設立。老後のイキザマは不明だが、養護施設にはいつまでも彼の『ファンキーな浪漫ジジイ』の写真は飾られ続けている。そんな施設には笑顔が絶えないという。
 ◆蔦夜・漣(冴霄・b48475)。長い旅路の中で沢山の戦いと再会を重ねる。崩壊期には身寄りを失くした孤児を引き取り孤児院を設立。孤児院には彼の遺した多くの写真が飾られているという。
「学園へと入学し巣立って行くその姿を見守るのは誇らしい。年老いた自分の代わりに彼等に託し、彼等を通して見る世界……これからも、多くの出会いを願っています」
 ◆楸原・暁雲(高校生真妖狐・b85350)。卒業後にIMS関連の仕事を手伝い、その中で銀誓館の存在を再認識。防衛軍諜報部へ志願し、本格的な戦いをするかたわら、孤児院の受け入れ準備を進めた。後に大規模なゴースト戦に巻き込まれ消息を絶つ。孤児院は親友が引き継いだという。
「これから能力を持つ子供が沢山生まれるけど、その子達の居場所を作ってあげたい。健気で強かで欲張りで奇想天外で…暖かくて楽しい、銀誓館学園みたいな所……そうやって生きていけば…きっと後悔なんてしないんだ」
 ◆青睛・葵(高校生真クルースニク・b85437)。暁雲が遺した孤児院を辰黄より引き継ぎ、能力者訓練や絵画教室を併設。保護施設は拡大し、児童への援助金を募る『青い鳥基金機関』を運営するに至る。
「多分二人共野垂れ死にだな……俺も、そろそろ潮時のようだ」
 ◆羅門・ラーケ(ララバイシンガー・b66697)。音楽教師になるべく勉強を続け、念願の音楽教師となる。しかし崩壊期には職を辞してかつて自分が世話になっていた児童養護施設を手伝う。その現場では時代によって生まれた多くの問題に直面することとなった。
「ここにいるのは、まだ完全には覚醒していない、能力者にはなってない子達ばかりだから、先に覚醒した子が覚醒してない子を殴ったりすることは無いようにしてる。死人が出かねないから。逆に覚醒してない子たちが覚醒した子を仲間ハズレにしたりするのも気をつけてる。いずれ、みんな能力者になるんだし……」
 ◆天宮・奈月(天翔茜歌・b01996)。「ゴースト事件によるあらゆる被害者を守る避難所」を設立するも近隣が紛争地帯に。傷ついた人々の治療に奔走する。後にこの避難所は歴史資料館として観光名所となる。
 ◆芥川・行人(うつつの夢紡ぎ・b39577)。妻が立ち上げた避難所だが、当初は資金難に陥り実家のマフィア組織から資金を引っ張り込んでた。次第に奈月の名前が売れ出してきた頃を境にクリーンな方向へシフト。後に避難所は歴史資料館となるが、実家のことはナイショ。
「僕等には、あそこにある歴史なんて家族の思い出しかないよ」
「でも、駆け抜けてきた証が残るのは、うれしいよ」
 ◆ジングル・ヤドリギ(吟星クリスマスロイド・b06651)。チハヤ、星屋と共に存在種族に隔たりなく、敵ですら救いの手を差し伸べた。その活動は戦争孤児への支援や保護を呼びかけるものへとシフトし、老後はマヨイガネットワークを使いリアルなサンタクロースとして毎年のクリスマスを賑わした。後の世では『大人にサンタクロースを信じさせた人』として、毎年のように逸話を語られるようになる。彼に勇気づけられて奮起したフィンランド組織が新たなジョブに目覚めるのは彼の死後30年後のことである。
 ◆栗原・嘉狼(獅子と狼の殴斬劇・b60760)。数学と体育を教える中学教師にしてゴースト退治の学校責任者として活動。獅子のペンダントと狼のペンダントは(オフの時に限るが)必ずつけていた。25歳以降は顎髭のおやじと化し、ペンダントも常に着用するようになる。恋人に弱いチョイ悪教師として名物になった。
 ◆鈴桜・雪風(空に抱かれた憂いの焔・b19613)。卒業後探偵騎士となり能力者活動を続行。社会に出てからは絵を描き続け、女流油絵画家として知られた。生涯を通じて人の意志の苛烈さや生命のエネルギーを表現してきたが、その傍らで死の静謐も表現し続けてきた。かつて見た生命の無い世界の存在を知らしめるべく、描いたのだとされ、後世で高い価値がつくことになる。尚、65歳からは絵本作家になり、優しさや勇気を表現していくようになった。多くのコレクターはこの時期を『鈴桜雪風が赦された時期』と称している。
 ◆合瀬・瑠羽(往きし黒に不敗の名を捧げ・b01219)。長い年月を破壊の中だけで過ごしてきた瑠羽だが、やがては守るための力へとシフトし、最後は日常の中へと溶けて行った。歴史資料において彼に関する内容はあまり多くないが、彼が未来に残した影響は決して少なくなかった。
 ◆白瀬・友紀(蒼の浄巫女・b03507)。自らの体験をふまえ、カウンセラーとして活動。ゴースト事件で深い傷を負った人々をケアし、多くの悲しみを拭ったとされる。また、『龍宮の玉手箱』のメガリスアクティブ事件の影響で人魔共存を訴えた。
「登喜子さんに道綱さん、平家の方々といつかまた笑顔で再会する為に……もしかしたら、そう遠くない未来で共に戦う日が来るかもしれませんが」
 ◆天見・日花(ソルカノン・b00210)。世界の歴史には関わっていないが、ブックメイカーたちを手伝って世界の歴史に幾つもの挿絵を描いてきた。そのうちいくつかは教科書にも載っている。生涯をかけて描いてきた彼女の挿絵には、さしもの小学生たちも落書きできなかったと言われている。余談だが、生涯カースブレイドとのペアは解消せず、細々とではあるが捕食生活は続いていた模様。
 ◆武藤・旅人(幻惑の微笑年調伏士・b11445)。能力者支援組織を立ち上げ、彼なりに多くのアドバイスを残した。永い戦いと苦労の果てに沢山の家族を得る。その最後は大往生だったとされる。諜報部員章のコインは生涯手放さなかった。
「おいらも72歳っすか。ならばもうゴールしてもいいっすよね」
 ◆芝本・五六八(ワーロック・b01225)。新泰平時代、『刃が抜かれない日、銃声が響かない時』を目指して学校作りや農業指導などをしながら世界を巡った。各地で多くの絆を結ぶが、そんな彼の最後は誰も知らないという。正しく風のような、風に踊る蜻蛉のような男であった。
「さよならだけが人生だ。思えば、空から白燐蟲が降ってきたあの日から、敵も味方も出会っちゃ別れてきたものだよ」
 ◆柏木・隼人(黒の想火・b03076)。蘭黒と共に生きていくため、封神台へと入る。先の世を見守ることとした。このことに対して蘭黒はしっかりと受け入れてくれたという。
「俺は蘭黒と共に、封神台のある限りずっとずっとこの世界を見守っていこう。数多の人との出会いと別れを繰り返しながら……そう、俺達の物語は終わらない。世界が続く限りきっといつまでも」
「貴方が決めたことなら、私は何も言いません……けど……ありがとう」
 ◆新城・紫織(黒紫の祓い手・b05154)。実家の神社を妹夫婦に任せ、世界を股にかけての退魔の旅を続けた。単独の旅ではあったが、銀誓館との関係は切れていなかった様子。時が経ち体力の衰退を理由に引退。実家には戻らず、静かな町で回顧録を認めた。
「人類の歴史において、かくも多数の人々が、かくも少数の人々によって、これほど多くの恩恵を受けたことはかつてない」
 ◆四神・巽(バスタード・b10193)。新泰平時代、彼の何でも屋『万屋』は世界へと活動範囲を広げた。危機にさらされている人々を助け、いくつかの組織と交流を図った。多くの友人をもち、幸運にも恵まれたが、彼が一番大切に思ったのは家族だったという。
「後継者、探そかな。この想いを、『万屋』の看板と共に引き継いでもらわんとね。楽しい人生の為に、楽しい世界にしたい。そんな心意気を引き継いでくれる奴が、きっとおるはずやから」
 ◆エクセル・カーリム(蒼月・b01754)。世界結界崩壊後は巨大ゴーストや反銀誓館組織との戦いに勤しむ。自らの技を数十年に渡って研鑽し続けた結果、人間の域を大幅に超えたという。何十年経っても若さを保ち、そのふるまいから妖怪の如く扱われてもいたというが、その真相は定かではない。
 ◆久賀・零亜(雪華の祈り巫女・b18403)。大学で経済学を学び卒業後は企業運営。人工授精で三人の子供を授かる。以降は子育てと仕事を両立し、彼女なりに幸せな日々を送った。大戦期に比べれば安らかな生活であったが、彼女の魂はいつも最愛の人透、そして次の宇宙へ行った夏月と共に在った。
「私が死んだら、二つの指輪と一緒に透さんと同じお墓に入れてくださいね」
 ◆水上・智也(霞追う星鴉・b18501)。大学卒業後は世界を巡っていたがその合間に時折帰国し、故郷を更地に戻す計画を進めていた。ルーベットとは腐れ縁で、様々な場所でよく会っていたという。老後は故郷に道場をたて、子供達に様々な知識や技術を伝えたが、その合間には銀誓館のことをよく語ったという。
「いやあ、バラバラで好き放題、自分の事や目の前の事に精一杯だったぞ。けど、そんな奴らの魂の根っこが、突然ひとつになるんだ。楽勝な時なんざなかった。いつだって、未来に噛り付いたもんだよ」
 ◆ルーベット・アキモト(職人見習い・b22039)。急激な時代変化の中で失われるであろう伝統工芸や職人技術を自らの手で残すべく各地を回る。腐れ縁だった智也とはやはり何度も会っていた。老後は主に後継者探しに勤しみ、様々な技術を未来へ伝えた。ルーベットによって衰滅を回避できた技術は少なくないという。
 ◆水野・鶴吉(ストライドライフ・b19693)。壱帆と結婚したが平穏は訪れず、世界結界崩壊後の世界で補修建築や植林事業を監督した。老後は会社役員としてバリバリ働いていた様子。亀吉とは2025年頃に墓参りに行った。
「無論最愛の嫁さん第一に考えて行動してるがね!」
 ◆久遠寺・タキ(凍花相・b75212)。徳島の動物園で獣医師として勤務。かつての経験から孤児たちを一人でも多く救いたいと考え、ウィーン近郊に『家』を設立。当時多くの分校を設立していた銀誓館グループと連携し、軌道に乗せる。事件に巻き込まれ二年ほど行方を眩ませたものの、徳島へ戻り「佐川動物病院」を開業。
「其処には我が子も等しい子供達。これからも温もりと絆を生み続ける。きっと」
 ◆二条・葵(紫の黄昏・b25989)。大学卒業後大手ディベロッパーに就職。ゴーストタウン化した土地の再開発を行った。後にこれは公共事業となり、会社が莫大な利益を得るに至るのだが、彼女が最も悪と戦わねばならなくなったのはここからだったという。尚、仕事に精を出し続けた彼女が家庭を得ることができたかどうかは、定かではない。
「ゴーストは今でも強敵ですが、恐るべき敵という訳ではありません。いつも通りの仕事ができれば、大丈夫です♪」
 ◆三井寺・雅之(風炎の光彩・b60830)。ゴーストタウンの浄化運動に尽力。世界結界崩壊後にGT堕ちした区域のいくつかを解放した。後にこれは公共事業の一環となり、雅之が後世に伝えたノウハウは後の世に影響を及ぼした。後進の成長を見届けてからはご当地便利屋として細々と活動した。
「君らは知らないだろうが、この時代を創り上げたのは俺たちなんだ。だが、それでいい」
 ◆川原・透(中学生雪だるま・b34179)。医学部に進学し、救急ボランティア活動を通してゴースト事件のフォローを行った。暫くして医者として独立し『もふもふ診療所』を開業。その名の通りモーラットが舐めて癒す病院である。能力者社会では現代医療が役に立たず、ゴーストや来訪者にも適用できるからとこのスタイルは多くの医療現場で採用された。本人は診療所の無暗な拡大を嫌がって権利を主張しなかったことも、その背景にはある。
 ◆ユゼン・クロイラ(水月と君と鋼の心知る花・b35092)。貧困に苦しんだ経験をもつ彼女は何者も見捨てないという誓いを立て、多くの人々に手を差し伸べた。中には彼女と同じような境遇にあった子供もいたという。やがて年老いて行き、可愛いおばあちゃんになりたいという夢を叶える。その時彼女は漸くにして、おしまいの言葉を口にした。
「――めでたし、めでたし」
 ◆犬塚・沙雪(通りすがりの正義の味方・b38003)。世界結界崩壊後は探偵事務所を開設。後進の能力者を育成しつつ細々と街を守る活動を続ける。生まれた子供も20年もすれば結婚してしまうもので、沙雪は初孫の顔を見た。この頃には町の顔役となっており、沙雪を頼って来る者も後を絶たないという。
 ◆夕凪・琥珀(ナンセンスコドン・b79282)。2027年に結婚し、数年後には男女の双子を授かる。大学では文字の力を研究し、博士号を取得。後に実家の神社を継ぐ。しかし研究は続き、ゴーストの診療所として運営。ゴーストのもつ腐敗や衝動的激痛や能力者殺しの欲求などを緩和する研究を続け、末は大学に戻り教授となる。
 ◆春風・旋風(小さなつむじ風・b79424)。欧州のいくつかの村を渡り歩き天然の橋渡し役となる。修行集落では長年進展が無かったジェイクとシャロンをくっつけ、筋肉村ではダイエット指南をし、若かりし頃の冒険で培った絆を末永く繋いでいたという。
 ◆橘・鞠絵(楽園に咲く黒百合・b23279)。故郷の街で学習塾を解説。若い能力者に正しい知識を広める。後に子供や新生ゴーストもあつまるようになり、にぎやかな学習塾へと発展。そんな中でも『蝶のおまじない』のエピソードは彼女を語る上で有名な話となったという。
「想いも力も、受け継がれていくんです。ずっと……」
 ◆雷銅・歩(トーテンタンツ・b42918)。崩壊までの間に自らを鍛え幾つかの言語を習得。弱者のために戦い、牙の無い者たちを守った。崩壊時には救助活動に専念し、その後も欧州等で起こった侵略行為の阻止に尽力した。一兵士でありながら、彼は常に『弱きもの』のためにあったとされている。
「強者同士で潰し合うのはご自由に。戦いを望まぬ人々を苦しめ続ける事を防ぎ、それの正当性を問う事、それが私の仕事ですから」
 ◆千早・アキ(武装機械・b43606)。両親の経営する会社を手伝い、多国籍企業のネットワークで若者を支援した。事業を拡大しつつ行方不明になったりならなかったり。後に千早グループは世界的な一流企業となり、アキ自身は小規模組織の小競り合いを解決する側に回る。「紅鴉」と呼ばれ色々な反応を受けたが、子供達からは慕われていた様子。
 ◆外狩・氷介(裂空零度・b48061)。闇の武道大会で世話になった人達を巡る旅へ出る。それはいつしか世直しの旅となり、弟子の子供を連れるようになる。旅路の中で多くの孤児を見つけ、その度に彼の技を伝授して行った。数十年経ち、孤児院となった屋敷で静かに息を引き取ったとされている。彼の遺した旅の足跡は、成長した子供達の技として後世に伝えられる。
 ◆スペルヴィア・スパーダ(月咎哮狼・b48362)。伴侶のマネージャーの傍ら欧州人狼騎士団を補佐し『通勤騎士』と呼ばれる。後に諜報活動にて支援するようになる。彼女の死期は定かではないが、イタリアの森には愛槍『Licantropia Zannata』が刺さり、そこには沢山の墓標があったという。
 ◆鬼灯・遙(彩雲のサーブルダンサー・b46409)。捺希と共に世界各国をめぐる。サクラコの資金提供や銀誓館ドイツ分校の人手を借りながら活動した。この頃に結婚し男女の双子を授かる。世界結界崩壊時には活動を縮小しドイツ校勢力として戦いに参加する。それから約二十年後に引退。能力者人生を終えた。
「ありがとう私は……幸せでした」
 ◆ヘイゼル・ローレンベルグ(静寂なる風の流れ・b54104)。卒業後イギリスへ留学。博士課程を取得した後は植物研究を続けた。結婚はせず、生涯一人の学者として過ごす。
「最後に、今まで僕に関わってくれた全ての方々に最大限の感謝を」
 ◆弥栄・迅(ガンズオブリベレーション・b54111)。米陸軍特殊精鋭部隊へ入り多くの弱者を守る。作戦中のけがを負い車いす生活を余儀なくされるが、指揮官として活動。五十歳で退官する。生涯独身のまま日本に帰り、細々と過ごした。
 ◆ウィル・アルファード(お日さまフリッカー・b12971)。40を過ぎた頃は主にイギリスで活動。妻のマヒロと幸せな家庭を築いたが、日本の政治状態を鑑みて帰還。反政府団体との交渉に当たったと記録されているが、その結末は定かにされていない。
 ◆アリス・ワイズマン(龍の忍者見習い・b57734)。HERO見習いとして多くの事件に参加。失敗をするたびに学び、這い上がり、時に過ちを犯しながらも振り向くことなく突き進んだ。彼女には後ろ盾も高い能力も無かったが、ただ一人の勇気のみをもっていつしか本物のHEROとなった。彼女は生涯、自分が今その時に出来る事のみを成し、家族に見守られながら安らかに人生の幕を閉じた。彼女の行いが如何なるものであったのかは、その最後が物語ったと言えるだろう。
 ◆キリオ・ガイゼルニーク(風来少女・b61996)。大学院で政治を学び、ゴーストとの対話を図る非営利団体へ参加。人類との抗争に割入り、いくつかの戦いを調停した。本の出版や同団体の男性と恋仲になるが、その恋人をテロによって失い後の生涯を独身で過ごす。結婚をすることは無かったが、孤児を引き取り我が子のように溺愛したという。幸も不幸もあったが、彼女によって失われなかった命は少なくない。人生をかけ、彼女の見知らぬ『誰かたち』の人生を救ったのだった。
「あの人との子供が居たら、これくらい大きくなっていたのでしょうか……」
 ◆深水・百花(百花繚乱の萌芽・b63059)。ふらふらとしながら多くの資格を取得する。そんな中で百花は日常の『変わらなさ』に着目した。ならばと大学卒業後はブライダルプランナーとなり多くのカップルの門出に関わるようになる。『恋愛自由化運動』の流れもあり他種族間、ゴースト間などの挙式も多かったと言われる。暫くしてから彼女も結婚。彼女は彼女なりに、人々の幸せを手助けしていった。
「他の能力者もよりずっと些細だけれど……私も幸せを作れたよね」
 ◆嘉凪・綾乃(緋楼蘭・b65487)。夫伊知郎と結婚後一人娘の優奈を出産。崩壊期には能力者孤児や非戦派のゴーストを保護。娘の為に対一線からは退いたものの、多くの弱者を救う。老年期には能力者のサポートや調停に出かけ、精力的に働いたという。
 ◆功刀・伊知郎(深紅の錬士・b65782)。妻綾乃との結婚後実家の離れに住居を構える。彼自身は大学教授となり世界結界崩壊までの調査研究を進めた。崩壊期には自らの戦闘力を行使し、ゴーストたちと戦ったという。老年期には妻と共に社会のために活動し、多くの知識と技術を後世に伝えていった。
「こうして2人で神社の桜を眺めるのも何度目なんだろう。手を握りあって微笑むのも何度目なんだろう。平和を噛みしめられる今まで、ずっと守ってくれてありがとう」
「名を残すような偉業をした訳ではないのだが、隣に居る妻の手を握り、思う。この手を護ってきたと言う事が俺の最大にして最高の事なのだろう。願わくば、最期まで君と」
 ◆殿村・ゆの(高校生真シルフィード・b66761)。崩壊期は物資交渉や輸送ルートの考案などを行い、戦いを陰から支える。動乱期には資産に目を付けた悪の能力者団体に娘を浚われるなど様々な苦難を経験するが、最後には娘も資産も護り切ったという。泰平期に入った頃には平和な生活を送っており、夫やサキュバスの神田と共に働いた。
「こんなに平和だからこそ、この平和を維持していかないと」
 ◆結城・薫(陽の下に立つ者・b67932)。セラピストを営む親戚のもとで修行。日常面ではヒーラー、戦闘面ではアタッカーとなり人々を心身共に守った。そんな経歴をいかし若い能力者のメンタルケアを開始。特にファイアフォックスに関しては自信があった模様。後に男性と結婚。戦いは夫や子供達に任せメンタルケアに集中した。彼女のガトリングガン『ホムラ』は子へと受け継がれ、それはいつしか孫のものとなった。
「昔からあたし達はどうにかしてきた。これからもそうだろうね。なぁに、なんとかなるよ」
 ◆望月・祐理(高校生真魔剣士・b73386)。卒業と共に家督を継ぎ、、政治に関わる仲間たちのたすけとなるべく奔走した。反政治団体の鎮圧や能力開発の援助など、幅広く銀誓館を助けたとされる。彼自身の歴史はほんの一世紀足らずのものだったかもしれないが、それは流星の輝きの如く燦然とした、力強いものだったという。
 ◆都幾川・沙月(梓巫女・b73813)。フリージャーナリストとなり活動。その内容は若干銀誓館に批判的であり、『茨の魔女事件』など時として同胞が隠蔽しようとした事実を明るみにすることもあったという。しかし沙月のスタンスはあくまで世界の側にあり、悲しみを呼ぶだけだと考えた事実はそのまま闇へ葬ったという。
「直接的に世界を動かすなんて柄じゃないです、私みたいなひねくれものは。それよりも、今は多少なりとも摩擦があったとしても、最終的に世の中に受け入れられる銀誓館にするのが私のけじめってモノなんですよ」
 ◆アルシア・セヴァリー(優しき氷・b76416)。大学卒業後に警察官となり、ゴースト関連の事件などを取り締まる。社会の変化に合わせ、警察機構は依然として必要になると主張した。彼女の主張の正しさは、これから数十年後に証明されることとなる。
「どれだけ世界が変わっても、生きてる人はそう簡単には変われないですからね。今まで通りの生活ができるようサポートするお仕事は常に必要だと思うの。そう、あと何十年、あるいは百何十年かして、世の中がすっかり慣れてしまうまでは、ずっと」
 ◆セシリア・ストールヴァリ(ユピテルの系譜・b76262)。卒業までに多くのゴースト事件を解決。資金とコネクションを固める。卒業後は故郷に帰り軍へ入隊した。後に次世代ゴースト戦闘部隊の必要性を提唱。更に今後頻発するであろう犯罪能力者収容所の建築などにも力を入れた。マオに訓練を頼むなどして組織を強化し、対ゴースト戦闘部隊初代隊長に就任。後に靴職人の男性と結婚し五人の子をもつが、軍からは離れなかったという。
 ◆フレンディア・ヴォルスケン(黎明の姫君・b78521)。彼女は自らを高め研鑽をつみ、より高みへと登り続けた。欧州で生まれた命を代償としないゲームを経て原初種へ至り、その力を多くの戦場で発揮した。彼女の力は平穏を乱すものにこそ振るわれ、『鮮血の女王』を初めとするいくつかの二つ名で呼ばれるようになる。その生涯を終えるまで歴史の表舞台には立たなかったが、彼女によって救われた『日常』は数知れない。
 ◆風薙・葉月(神なる蟲の巫女姫・b83330)。能力者活動、特に弱者的ゴーストの保護に力を注いだ。そんな中、かつてより感じていた業の弱い妖獣を探し、保護を進めていく。『龍宮の里』や『瀬戸の守人』の協力を得て比較的無害なゴーストが安全に暮らせる街を確保した
 ◆小島・透流(生命の代価・b83713)。ゴーストの業を減らす研究を始める。ゴースト間での絆の構築や、ゴーストの集合性を利用した意思統一などを題材に熱心に研究を続けた。しかし2022年、病により早すぎる死を迎える。生涯の内にかなうことは無かったが、彼と志を同じくする者たちによって研究はその後も続けられたという。
「ランドルフさん……僕は、あなたに、胸を張って会いにいけるような生き方ができましたか?」
 ◆久能・由晴(蒼藍の焔・b58136)。術士の指導者をめざしたゆまぬ訓練を重ね、心身ともに成長する。後に大成し、自分の道場を持つに至った。
「今までの日常が変わろうとして、……いや、違いますね。運命予報が消えようとも、運命の糸は変わらずあるように、表面的に変わったとしても、変わらぬ日常はそこにあります。それを守るために、そこに帰るために」

 ――中には、己の能力やコネクションを活かして地域の平和を守っていた人々もいる
 『蜃気楼の塔』や『エリュシオネス吸血都市』や『龍宮の里』など……彼等によって守られた民は数多に渡る。
 勿論、折原みかんやココ・スメンクカラーのように個人の力で地元を守った者達のことも忘れてはならない。
 そして彼らの行いは、人々の中で語り継がれていく筈だ。

 ◆吹春・志華(観測者・b11998)。能力者支援団体を設立し、啓蒙活動によって参入した一般枠を多く雇用。側近に美男子が多かったのは彼女の趣味とされている。図らずもそれはかつての銀誓館に存在していた支援団体と同じような働きをし、被災地域の自然保護にも力を注いでいた。長い人生を趣味と夢に費やした彼女だが、ついに結婚をすることは無く、最後まで歴史の裏方として活動し続けた。死後、彼女を題材にした本は多く出版され、多くの女性たちの手本となった。
 ◆レイラ・ミツルギ(魔剣士・b48060)。銀誓館ボランティア部の顧問となりゴースト事件に対応。恋人京の土蜘蛛族復興の夢を手伝う中結婚。『黄金の件』と呼ばれ、多くの種族の懸け橋となった。後にゴーストの業を抑える研究を開始。悪路王との交流は長年続いていた様子。
 ◆アーミーナ・ブレア(深紅の剣侠・b23842)。母国イギリスへ帰国。父母の墓前で一族再興を告白。電撃的な速さで他人の手に渡った邸を取戻し、散らばった家族やかつての使用人を招きブレア家復興を宣言した。その後は一家の安泰を願い政治方面へ。イギリス国内で発生するゴースト事件の解決に取り組み、多くの将来有望な知己を得た。しかし世界結界崩壊後の反動で頻発するゴースト事件に対応すべく政治家らは身を引き、長い活動の中で得た仲間たちと共に結社『蜃気楼の塔』を結成。世界中の事件解決へと乗り出す。その後の足取りは記録に残っていないが、これまで多くの困難と彼女が、幸福な最後を遂げぬ筈はないと、彼女を知る者はそう信じている。
 ◆緋坂・涼(緋氷刃・b83915)。一族復興の為に勉学を積み、在学中に学んだ経済の知識を活用し緋坂の名を世間に知らしめた。後に由緒ある家柄の娘と婚姻を結び、冷たくなりきれない彼の性格のせいか妻は深く愛されたという。彼らは裕福で幸せな家庭を築き、父の死後彼の悲願であった一族の長を継いだ。少なくない犠牲があったが、彼は生涯を『誰かのために』過ごしたのだった。
「俺だって、自分の血に誇りは持っている。だが、それだけに囚われるのは愚かだとも思っている。そのせいで傷付き、それでも涙を見せなかった人を知っているから」
 ◆露木・水無月(月牙天翔・b43410)。露木家当主を継続したが高校卒業を期にえげつなさに目覚める。一族を能力者の戦闘ノウハウを蒐集、編纂する組織へと作り変えたが、元来の『女の子っぽさ』は健在であったという。陰陽師と月の技術を融合し魔術符士のジョブを開発。能力者業界の一部シェアを獲得しつつ崩壊時の紛争地域を駆けまわった。若年期に無理をし過ぎた反動か村を買い取り猫村に改造するなどのへんてこな偉業を達成する。老後はその村で暮らしたという。
 ◆エリュシオネス・アンフィスバエナ(白にして暁光・b74146)。崩壊期の名声を土台に父より譲り受けた領土を拡大。強固な吸血鬼都市ネットワークを築いた。多くの妻をもち家系図を広げ、実年齢60を超える頃に旅へ出た。深月とも交流を持ち、優秀な人員を借りることもあった。
 ◆天枷・新菜(青にして芽吹き・b82400)。エリシュシュオネスの夫となり、領内で経済の管理を行った。動乱期には妻と共に暴れ回った。
「ニーナ・アンフィスバエナのお通りだっ、さぁ、騒々しき軍靴を響かせようか!」
 ◆御神・深月(破天の月煌・b63397)御の一族を束ね新参の能力者の訓練や勧誘に力を注ぎ自らの能力と陣営を鍛えていく。同時に欧州に独自の情報網を確立。着々と力をつけた。エリシュオネスを良き隣人として迎え、斬人をはじめとする優秀な人材を貸し出した。世の変化に関わらず常に戦場にたち続けたという。
「栄華も平穏も求めぬ。生ある限り戦いの運命を生き抜くのみ」
 ◆守御・斬人(護天の龍華・b71491)。宗主深月の指示に従いリシュリーティンクを連れエリュシオネス領地周辺でのゴースト退治を行う。巨大ゴースト戦を終えた後でもその任務は続き彼は自己研鑽に励んだ。全ての戦いを終える頃、これまで一心について来てくれたリシュリーティンクにプロポーズしたという。
 ◆鮮花・リシュリーティンク(魔弾術士・b58058)。斬人と共に自らを研鑽。動乱期には人狼勢力や吸血鬼勢力と渡をつけた。戦闘面での活躍もさることながら花嫁修業で身に着けた生活力と彼女自身の行動力で身体面のサポートも行ったという。こうして斬人と共に多くの戦場を駆け抜け、最後は熱烈な挙式を上げたとされている。
 ◆王仁丸・六説(エメラルドタブレット・b58592)。エジプトに拠点を置き、長年にわたって知的ゴースト勢力との融和に尽力した。世界結界崩壊前に歴代ファラオの殆どを失い人類と敵対状態にあった彼等をあえて武力支配することなく、約40年の月日を経て融和が結ばれたという。
 ◆鈍・脇差(ある雨の日の暗殺者・b81451)。『魔は魔を、人が人を制す。それが人魔共存の道』という平家登喜子の理念を胸に、ゴーストの隠れ里を整備。人魔共存型建築様式を謳っていた『瀬戸の守人』などの協力を得て、共生派ゴーストたちの集まる『龍宮の里』を作った。崩壊期には共生派ゴーストたちと共に巨大ゴーストへと挑んだという。尚、副官はマグロの人だったという。運命の糸を呪う脇差であった。後に隠れ里のまとめ役として日々多くのゴーストたちとの対話に当たり、子や孫にも恵まれた。
「未来はこの先もずっと続く。平和な世の中になったとはいえ突然の嵐に立ち往生する事もあるかもしれない。だがまぁその時はその時だ、何とかなるさ。降り続く雨もいつかは止むものだ。運命の糸の繋がった、あの日の雨の様に」
 ◆ムハメド・ラグカーデ(砂塵の勇士・b63033)。大学卒業後に帰国、一族の長となり中東の安全に尽力した。政界にて地域経済の発展に取り組み、一族の力や財力を惜しげもなく使ったとされている。時に日本経済とぶつかることもあったが成上瑞羽などの外交官たちを通して友好的な関係を維持し、政権の暴走も防いだ。
「例え、戦う事が無かろうとも俺は戦士として銀誓館で戦い続けた。その意志は生涯持ち続けようぞ」
 ◆久津岐・朔梛(緋緋色金之神和娘・b64638)。実家の神社を継ぎ神職へ。赤字続きの神社を支え苦労するが、笑顔は忘れなかったという。返済計画にめどをつけてから九州の術者たちと連合を組織し始める。後の銀誓館九州分校襲撃事件ではそのネットワークを活用して多くの子供達を助けたとされている。しかし彼女自身は連合を銀誓館に預け、泰平期にはその姿を消していたという。
「……私は、私の成すべき事を成し終えたから、ね。次の時代は、次代の若者達に任せていきましょうか〜 」
 ◆ココ・スメンクカラー(恋人はラクダさん・b66981)。エジプト資料館の警備をして貯金を増やし、崩壊期直線に故郷の集落に持ち帰った。五年ほど集落の面倒をみてから旅立ち、シャーマンズゴーストファラオのおうさまと二人で世界を巡った。多くの土地を旅したが、最後には日本へと戻ってきたようだ。余談だが、彼らの集落では指導者として称えられ壁画が飾られたという。
 ◆折原・みかん(高校生みかん委員長・b68570)。2010年ミスミカン。ミカンキャンペーンガールとして故郷を活気づける。引退後は物流問題や農地確保に取り組んだ。後に地元の有名人、町の顔役となり、利害調整に奔走することとなる。尚、死ぬまでみかんはミカンだった模様。
「みんな、大変なのは判るけどここが頑張りどころだよ! 私達は選んでこの世界を勝ち取ったの。だからこの世界がより良くなるように知恵を絞って行かなきゃ!」
 ◆甲坂・八雲(黒禍の使者・b77001)。卒業後故郷に帰り、世に残る『忌み子』の習慣によって捨てられた子供を引き取り始める。その後は多くの蟲使いたちと共に山を荒らす人間を排除し、逆に山を愛する近隣の村人も助けた。そして数十年の時を経て、彼らは山の護り神となったとされている。
「我等は『八雲』。祖の意志を受け継ぎ、山を護る者」
 ◆神宮時・蒼(移動大図書館・b78116)。ランドルフを目標として巡礼士の修行を重ねる。再編された巡礼士本部の幹部として組織のために尽力した。地道な活動を重ね五十歳になる頃には巡礼士本部を束ね総帥の地位へつく。
「ランドルフさん、この世界どうでしょう?」
 ◆羅門・大海(銀の炎狼・b48479)。RIOS羅門インターナショナルオーバーシーセキュリティーズを継ぎ実戦部隊を仕切る。海軍系PMCとしても名を売り、当時急増した海賊被害の撲滅に貢献した。
「あ〜海賊諸君! 諸君のとれる道は既に2つしかない! 武器を捨て静かに楽に消滅するか? 戦って蜂の巣みたいになって苦しみながら消し飛ぶか? 好きな方を選べ、3秒待つ………オーヴァー! 総員、撃ち方始め!!!」

 ――地域や一族の復興……とは少し異なるが、滅亡に瀕した種族の復興に生涯をかけた者達がいる。
 『出雲財団』の土蜘蛛復興運動や、リヒャルダ・エンデやイアハム・ヴォレンティーナたちによる吸血鬼復興運動がそのよい例だろう。
 この運動により、この世界に土蜘蛛の女王が再誕し、狂気に犯された古き吸血鬼たちも回復の兆しを見せ始めたのだ。
 そして忘れてはいけないのが佐々ささら達による『月面緑地化計画』だ。永きに渡り灰色だった月にかつての都を復活させるという試みはついに成功し、緑の月を取り戻した。
 これらは決して、個人がただ希望しただけの結果ではない。
 多くの人々が望み、挑戦し、多くの失敗や挫折、そして少なくない犠牲の上に成り立った悲願の達成である。
 世界には、こんな人々がいるのだ。故にこう断言することができるだろう。
 彼らの一族は不滅だ、と。

 ◆桂木・京(ブラックウィドゥ・b43682)。土蜘蛛組織復興を目指して多くの組織に渡りをつける。特に崩壊時の戦いで多くのコネクションを獲得し、葛城山を拠点に独立。『葛城の宮』を結成した。その様相は忘却器の土蜘蛛族そのものだったが、はぐれ妖狐や人間を多く受け入れ、土蜘蛛族の新時代を感じさせたという。50年という歳月をかけ、この世界に女王を取り戻すに至る。
 ◆出雲・団十郎(出雲財団代表・b51798)。京たちと共に『出雲財団』を行使し、土蜘蛛の社会的な認知を目指す。紛争地域での活動を踏み台に更に財団を拡大し、後に葛城山を手におさめる。仲間たちと共に土蜘蛛族をおこした。余談になるが、女王は『なるもの』ではなく『認められるもの』であり、強い意志と自覚、そして部下からの真の信頼と忠誠、更に長い年月と実績、そして何より多くの絆によって実現した。ゆえにそれを物理的に証明する必要は無かったとされる。
「しかし、老いというのも良い物さ……この皺の1つ1つが私という命の刻んだ証なのだから」
 ◆稲田・琴音(蟲人・b47252)。封印された土蜘蛛の聖域を発見。絶滅したと思われた女王を保護する。幼い女王が単体で封印されており、滅亡を危惧した一派が遠い未来に託したものと推察された。
 ◆平賀・満葉(未来へ繋ぐ絆糸・b78833)。土蜘蛛族復興のため活動を続ける。後に発見された土蜘蛛族は南雲財団協力のもと葛城山へと移され保護されることとなる。尚、発見された女王は一人きりの生き残りであったとされる。
「私は、女王を再び見出す事が銀誓館への裏切りだとは思いません。女王を敬い誇る、それは土蜘蛛の憚る事なき文化です。誇りが他者への傲慢に堕さぬ限り」
「女王がなくとも土蜘蛛は土蜘蛛であれると思います。ですが『女王を敬い誇ること』も土蜘蛛が選べるはずの選択肢なのです。その選択肢を私は子孫たちに与えたい。どうかお力添えを……」
 ◆森部・柚子(土蜘蛛のお嫁さん・b73521)。神職資格取得をめざし修学。後に葛城山に神社『銀命社』を建設し、養成所とした。同様の活動をしていた妹出織泉羅とは密接に協力し合ったとされている。なおこの後に『銀命社』を含む葛城山一帯を出雲財団が土蜘蛛復興拠点として抑えるが、その助けにもなったと言われている。
 ◆妹出・織泉羅(傾国の陽麗姫・b70426)。世界結界崩壊後、織泉羅を封印していた社とその一帯を買い取り『陽紬神社』と名付けて運営。ブライトのアルケニー辺りを借りるが、既に土蜘蛛化していたという。知らぬうちにおばあちゃんとなった妹出織泉羅であった。『陽紬神社』土蜘蛛の歴史やなりたち、そのメカニズムを後世へ伝える施設として永く愛される。

 ◆御崎・清音(夜を翔る蒼き月の翼・b51187)。イアハムと拳によるお見合いを経て婚約。永くイアハムと共に多くのものと戦った。余談だが、結婚が決まった時は相当冷やかされたという。
 ◆イアハム・ヴォレンティーナ(漢ヴァンパイア・b57824)。清音との婚約後、欧州を納める父の吸血鬼一族と対決。欧州吸血鬼組織の首領となる。この影響として、一部の欧州吸血鬼連における『ゲーム』の意味が『拳でイアハムに解ってもらう』に変更された。従来の原初種の常識からやや外れたものであり、それと区別するため『漢ヴァンパイア』と呼ばれている。
 ◆御津乃廉・灯(白風纏う吸血児・b51863)。茶葉専門店『LEAVES』を経営する昼の顔と、吸血鬼スィラン・アルベンスタールとしての夜の顔を使い分ける。旧欧州吸血鬼の遺したメガリスの発見やジョブの発達に貢献した。
 ◆木之花・さくら(混血種・b47400)。世界結界崩壊後に自身の領地を確保。小国として独立する。欧州吸血鬼連を改革したイアハムを参考に人命を用いない『ゲーム』を導入。更に御津乃廉灯の上位吸血鬼への発達を助ける。後に原初のヴァンパイアとなり小国を納めた。後に風芽丘真と結婚。
 ◆リヒャルダ・エンデ(高校生真貴種ヴァンパイア・b47011)。大学にてIMS研究に力を注ぐ。研究にめどがついた段階で欧州に腰を据え同胞たちを起こす活動に尽力。後に欧州活動で一緒になることが多かったセオドアと結婚する。
 ◆セオドア・エフェメローズ(鮮血の貴公子・b47033)。ヴァンパイアのマイナスイメージを払しょくすべく芸術活動に専念。後に欧州へ渡りリヒャルダと活動を同じくする。
「誰かのお嫁さん……だなんて小躍りしながらフィールドワークしていた頃には思いもしなかったですねー♪」
「僕も、こんな風に平和に過ごせるなんて……」
 ◆メモリア・フォルゴーレ(追想の蒼雷・b77665)。卒業後イタリアへ一時帰国。欧州吸血鬼の残党勢力に現世界との融和を提言する。無論相当な激戦となったが、同じく欧州の改革に挑んでいたさくらやイアハムらの協力を得て幾つかの組織と物理的に和解した。尚、夫は日本の電気店を営んでおり、メモリアは頻繁に夫の元へ帰ったという。後に日本へ拠点を移し、子育てに励んだ。

 ◆佐々・ささら(双月周期の比翼流星・b46783)。月がマヨイガの影響範囲限界を超えていたために出遅れていた月の緑化計画を発動。多くの協力を得て月の都復興を目指す。さりげに頼りにしていたディアボロスランサーの生命賛歌効果や銀の雨の性能もさほど役に立たず、最終的には人力がものを言った模様。詠唱工学や人工龍脈などの技術力をフルに使い、最終的には月は緑色になった。余談だが、後世の子供が2000年の月の写真を見たときに『モノクロ写真?』と述べたという。
 ◆帷・香月(月の雪嵐・b82550)。ささらの『月面緑地化計画』に参加。多くのルナエンプレスを雇い地道な人力開拓を行った。月への移住を考える者も多かった中、資金面にはあまり困らなかったという。緑地化に成功してからは拠点を月へ置き、安らかに暮らしたという。
「長き眠りについていた頃は月と地球の未来など考えもしませんでしたが、まさかこのような形で月に戻ることになるとは。人生、何が起きるかわからないものです」
 ◆暁星・琉海那(有明月の約束・b82553)。卒業後、経営コンサルティングに努め、多くの人々と触れあい人間的に成長。『月面緑地化計画』が始まる頃には退職。経営の経験を活かし月の復興を手伝った。後に月へ拠点を移し、人々の笑顔を取り戻した。
「ああ、歳を取ると涙脆くなってしまいますね。いけません。泣いているよりも、今はこの光景をしっかり焼き付けましょう!」
 ◆焔月・燈夜(誰そ彼の月狐・b82459)。卒業後は月を目指して宇宙開発チームに参加。しかし自らのプライドもあって『月面緑地化計画』には参加しなかった模様。後に緑を取り戻した月へと帰り、自分なりの復興にあたった。後に燈夜は月の伝説として語られることとなった。
「自分の生に……悔いなんて欠片もないぞ!」

 ――『次なる宇宙』。
 約千人の能力者達がディアボロスランサーと共に次の宇宙へ渡ったが、そんな彼等と再会しようという運動が一部の能力者で起こった。
 無論、次なる宇宙となれば世界の外側である。この世界のあらゆるものが通用しない壁で阻まれ、決して到達することのない場所だとされていたが……しかし人は探求する生物。これまで積み重ねてきた多くの技術と、旅立った仲間達との運命の糸を信じて永い永い旅を始めたのだった。
 彼等が友と再会できる日が来るか否かは……分からない。

 【外宇宙を目指して】
 ◆鈴木・風子(高校生真月のエアライダー・b64185)。次の宇宙を目指すため人生の殆どを費やした。ルナエンプレスの結晶柱の利用やその交渉に力を注いだ。彼女の生涯すべてを費やしてもそれは実現しなかったが、未来で遺志を継いだ者達が研究を続けている。そしていつか辿り着くのかもしれない。数百年の時と時空を超えて。
「アリスもそうだが、そんな人たちの運命の糸一つは細いかもしれねーが、そういう運命の糸が束になって必ず繋がる事信じてる!」
 ◆龍・月華(月華公主・b81443)。那智との再会を目指して次の宇宙へのチャレンジを続けた。それは彼女の欲望のためにあり、ひとりよがりなものだったのかもしれない。だがこの世の多くの歴史では、恋する乙女はあらゆる障害を乗り越えてきた。希望は確かにあったのだ。
「妾の運命は妾が決める!ディアボロスランサーの都合など知ったことか!妾がこの学園で学んだ力、絆の力をたかが宇宙の壁如きが阻めると思うたか!待っておれぇぇぇぇ!」
 ◆アリス・セレスタイト(不思議の月のアリス・b82668)。次の宇宙へ行った明との再会を信じ、後に発見されたメガリス『運命の羅針盤』によって運命の糸を辿るアプローチを開始。『月面緑化計画』が安定し恒星間航行を可能にした頃、同志たちと共に次なる宇宙への船旅を始めたのだった。
「想いは届くと信じています。だから……だから出会えたその時には、ぎゅっと抱きしめて下さいね?」
 ◆辺津妖・澄華(はーどぼいるど真妖狐・b84700)。卒業後は世界中を巡りゴースト事件に対応。特にキリオのピンチには逸早く駆けつけたという。次なる宇宙へのメガリス面からのアプローチも図ったが、メガリスの有効圏がどうあっても宇宙内にしか働かなかったことで断念。様々な戦地で戦いを続け、老後は娘に後を頼んでひとりになった。
「皆は、幸せに生きられたかな? 自分のこと放ったらかしだったけれど、まぁ悪くなかったかな」

 ――運命の糸。それは絆の糸と言うこともできる。
 どんなに遠く離れてもいつかは再会し、かつてのように握手を交わせる。そんな糸だ。
 『朧衆』や『歯車機構』など、彼らは数十年の時を経てもその絆を絶やすことは無かったという。

 【朧衆】
 ◆碓井・風音(真土蜘蛛・b39519)。世界結界崩壊後、凪の配下として世界の紛争地域を転戦。『朧衆』を率いて第一線で戦い続けた。凪との間に双子を授かるが姓を変えることは無く、家臣としてのケジメだと本人は語った。60を期に子らに家督を譲り再び戦場へ。しかし体の衰えには勝てず幕僚顧問として活動するに至った。最後までイクサバの民であり、一振りの刃として天寿を全うした。
 ◆蘇芳・沙那(鎮めの花・b31261)。凪の巫女として土地神を祀る。崩壊時には朧衆として参加した。後に娘が一族の男と結婚し、孫娘が次代の巫女となる。
 ◆山田・八重(小鳥の花遊び・b18967)。凪一族に加わり様々な組織や機関を繋ぐ。老後は愛車のハーレーを乗り回し好き勝手に生きた。その間も仲間や親戚とは連絡を取り合っていた模様。
 ◆芹澤・天(一陣・b16926)。故郷の里を凪一族に加え、里野相談役として長年活動。後に毛玉と犬に理解のある女性と結婚した。
「忘れ去られるならそれでいい。そうしてようやく、自分達は穏やかに眠れる気がするんです」
 ◆青柳・暁人(真水練忍者・b02849)。理事長に突貫した生徒を回収する係兼生物教師となる。後に他国の忍者系能力者を回収しつつ教育。夏希に幾度となく返り討ちにあったが100回目のプロポーズで見事勝利。大体二人と似たような子供が生まれるに至るが、『誰かの悲鳴が聞こえる』と言って世界へ飛び出して行った夏希は十年に一度しか家に戻らず、必然的に彼の主夫力が育っていったという。
 ◆雨乃森・珪(太陽小町・b02687)。実家の水産業に従事していたが、ある程度軌道に乗ってからは凪一族の傘下へ参入して事業を拡大。後に子供達へ会社を譲った。
 ◆煌月・朔(呪言士・b11702)。法律側から銀誓館の行政支配に協力し、世界の安定に努めた。後に銀誓館学園八岐校理事長に就任。子供に恵まれ、賑やかな生涯を過ごした。
 ◆奥月・十景(塚護人・b56623)。長い年月を風来坊のまま過ごすが、朧衆の招集があれば何処からともなく駆けつけたという。秘境から街まで、ぶらぶらと彷徨き、遭遇した事件の数はあまた。助けるべきは助け、倒すべきは倒し、逃げるときは逃げた。
 ◆凪・龍一朗(写の位・b03508)。霊山の奥から持ち出した歴史書に彼なりの加筆をした『凪家文書』が崩壊後の世代を対象にベストセラーとなる。それは紛争地帯での獅子奮迅の活躍が影響したのは言うまでもなく、その資産もあって島根にゴースト建築様式都市「八岐」を建造。凪一族の力を強めていく。強くなり過ぎたために『化けて出た』と言われているが、その真相は定かではない。出た瞬間一族総出で殴られたとも言われているが、真相は定かではない。
「すまん。まだまだこの世に未練たらたらのようでな……これよりは先々代当主でなく、凪家守護ゴーストとして宜しく頼む」
「いや、流石にそれは拙かろう」
「私の涙を返せ! 利子をつけて!」
「さて、ここに南米で最近発見されたばかりの詠唱兵器があるわけだが」
「龍鬼の中で蘇ってこそ凪一族の証。ご先代様に頂いた左腕と対になるよう…右腕を頂きましょうか」
「あれ、倒してもいいですか」
「ああ、叩いて殴って吹っ飛ばせ」
「うん、やっぱり一発でなく何発かいれておこう」
「火葬やりなおさないとな」
「さっきまでしんみりとしていた空気が色々とカオスな事になっているんだが……まあいいか」

 【町外れの古屋敷】
 ◆風見・玲樹(の弱点は虫・b00256)。父の会社を継ぎ、30代で大企業の令嬢萌香と結婚。後に従業員を育てる『カザミ・アカデミー』を設立した。
「息子ももうすぐ1歳。僕が仕事ばかりで妻の萌香には子育て任せきりだから、今日は妻の休日(でれでれ)」
 ◆風見・莱花(高雅なる姫君・b00523)。銀誓館教師として若き能力者の教育に励む。アキシロと結婚しても教育からは退かず、子育てと両立した。
「子供達に恵まれて幸せですわ。教師として親として、子供を戦場に出すには辛いけど、私達がそばにいて一緒に戦いましょう」
 ◆アキシロ・スチュワート(碧眼の教師・b01500)。ブックメイカーたちの力を借りつつ失われた歴史の解明に勤しむ。
「銀誓館の矜持を未来に伝えるには、まだまだ現役を退く訳には参りません」
 ◆逆上・夜刀(紫黒を繰る虚白の夜叉・b04904)。数十年経っても悪路王との交流は続いた模様。銀誓館だけでなく悪路王からの依頼を受けることも多く、闇社会に決して少なくない血を流した。彼の仮面と剣は生涯現役であり、それらを着けた時には若かりし彼がよみがえったと言われている。
「なあ、猫をつれた白い剣士の噂知ってるか?」
 ◆硬鎖禍・鴉皇(原始の闇を纏う存在・b15375)。遠野を活動拠点とし、交流を深めた。後に普及することになる除霊建築様式はこのころに研鑽された。記録によれば銀誓館の非常勤国語教師と訓練教官も兼ねていたというが、それが可能であったかどうかが、後の歴史家の間で時折論争の的となった。
 ◆酒井森・興和(朱纏・b42295)。保護した蜘蛛童は土蜘蛛へと成長。皆の幸せを願いつつ、自らは山に籠った。頻繁にゴーストと遭遇していたようだが、自給自足生活に不満はなかったという。あるとすれば、土地開発によって庵を移すことが多々あったことだろうか。後に成長した土蜘蛛の佐依と子をもうけ、その子もまた立派な土蜘蛛へと成長した。そんな彼だが、寄り添う家族を残して死去。どこまでも彼のペースの生き様だった。
 ◆水澤・芽李(はお嬢様に憧れる・b45823)。漫画同人活動をする傍らでレストラン社員となる。古屋敷メンバーの元団長として後輩たちを育てる。後に『愛・コミマスチーム』が編成され、世に羽ばたく。
「ところで、いよいよゴーストとの戦いも本格的な戦いになってきたし、コミマスのお友達と一緒に、コミマス専用ゴースト対策チームを作るなの。あ、勿論、普段は同人誌活動やっているなの!」

 【花護】
 ◆凶月・陸井(我護る故に我在り・b12455)。時人と共に過去多くの戦闘に参加。しかし無意味な殲滅はしていなかった模様。後に若い能力者を育て始め、仲間と共に戦う意味を広く伝えて行った。後世に残った写真を見る限り、背中の『護』の字はきえなかったようだ。
 ◆葛城・時人(光望青風・b30572)。陸井同様多くの戦場で活躍した。灰田ちえの『絆ゴースト運動』にも陸井と共に多くの協力を寄せた。
「何年たとうと俺のやることは変わらない。親友であり、かけがえの無い相棒と共に。仲間や、生まれてくる子供や、未来の可能性と共に戦い続ける」
「誰の事も忘れない。遠い過去で傷つけた人たちの事も、決して。それは俺を生涯縛る戒め。けど俺は自ら息を止める事はしない。それだけは肯定しない」
 ◆シリルーン・アーンスランド(未来向く護り風・b32979)。『花護』のメンバーとは長い付き合いであったようで、事あるごとに手を組んでゴースト退治を行っていた。子供を出産してからは有人の寺の手伝いなどをして過ごしていた様子。『絆ゴースト運動』には積極的に参加し、使役組の啓もう活動に貢献した。
 ◆連翹・アルティナ(黄昏の蛍火・b42055)。『絆ゴースト運動』に積極的に賛同。世代交代の中でこの思想は浸透し、一般化することとなる。彼女自身は長い年月をあえてひっそりと過ごし、屋敷で野菜を育てる生活を送った。
「もう、道をタスク連れで歩いても咎められることはありません」
 ◆紅・朱里(麗光炎牙・b42158)。『花護』に所属し、孤児の保護に力を注ぐ。アルティナと共に畑仕事をして暮らした。『絆ゴースト運動』にも積極的に協力したともいわれる。
「今日もまた、一人で寂しがってる子達を助ける為に……精一杯、できる範囲で、俺の護るを貫き通していくからな!」

 【歯車機構】
 ◆クロエ・ノーティス(狼の花嫁・b65526)。卒業時期にアルフレッドと結婚。出産を機に第一線を離れた。崩壊期まで、家族と共に幸せに暮らしたという。
「例えこれからどんな世界が訪れようとも、お母さんが守ってあげますよ! 何故ならば、貴方のお母さんはとっても強いのです!」
 ◆アルフレッド・ウッドストック(白狼の遠吠え・b72349)。教師として若い能力者達を育てる。クロエとの時間は特に大事にしていた模様。結社『歯車機構』の同窓会には例年参加した。
「さて、んじゃ今年も行くとするかね。家族みんなで、な」
 ◆三浦・螢斗(双月阻む信義の母禮・b70853)。卒業後は悪路王の軍に身を寄せ、人々との交渉を重ねる。比較的攻撃的で、とりあえずとりあえず石化から入ったと言われている。崩壊期に入ってから瀕死の重傷を負い、完全に交渉畑で活動するようになる。後に『遠野鬼譚』と呼ばれる書物を執筆。更正へと残した。その間も結社『歯車機構』の同窓会には例年参加した模様。
「王に、皆に看取られて逝くなど……臣として、女として私は幸せでした。王に刃を捧げて幾十年、此の生に悔いは在りませんよ」
 ◆伏管・煉(時計仕掛け・b71013)。数学者を目指すかたわら残留思念の浄化運動に勤しむ。冬霞と同棲し、彼等の右手の薬指には指輪があったという。
 ◆弥久保・冬霞(紫紺の紙吹雪・b72126)。煉と同棲し、世界の為に努力する彼を支え続けた。家に変えればいつも彼女がいたという。
「先輩が怪我をするのは…何時までたっても慣れませんし慣れたくありません…でも、先輩が怪我しても、どんな怪我でも治してあげれるようにこれからも頑張りますね」
「おかげで僕は安心して戦える。なんとしてでも帰って来よう。って頑張れるんだ」

 ◆ディーン・ランバート(紅炎銀月・b46794)。音楽業界で『ZERO2nd』として活動。美貌を活かしてメディアで人気を得る。代表曲は朱里との特撮番組に提供した『Shout! Moon Rider』。数十年後、矢代朱里のもとへ集合する。
 ◆榊・紫(ナイトメア適合者・b73712)。卒業後、かつての村へと戻り神社の管理を始める。神社は知的ゴーストたちの憩いの場として解放され、漢書なりの人魔共存を目指した。後に矢代朱里のもとへ集合する。
「年でしょうか、時折山のほうから吹く風に、なんだか懐かしさを感じるのです。旅立ったあの人は風使いでしたね…。きっと、むこうでうまくやってるのでしょう」
 ◆千早・紫月(リベルテビブリオテック・b54074)。喫茶店兼探偵事務所「Library cafe JACARANDA」を設立。多くの書を記録、解放し『自由図書館』と呼ばれた。不本意だが情報屋として扱われていたようだ。後にパートナーだった男性と結婚し出産。引退後も彼女の噂は長く世界に留まった。後に矢代朱里のもとへ集合する。
 ◆矢代・朱里(朱の明星・b34612)。子供向け番組を中心に芸能活動に奮闘。ゴーストにも選挙権があるべきだという主張をし、賛否両論別れたが、それとは全く関係なく故郷でまつり上げられたりした。暫くしてから神社を野良ゴーストの養護施設として開放し、沢山のゴーストに囲まれぬくぬくしと暮らした。ディーンや紫、紫月たちとの絆は数十年の間でも切れなかった模様。
「君たちのおじいさんは昔からかわいかったな」
「可愛いとは何だ」
「よし、じゃあかわいいイケメンだった。で手を打とう」

 【黒猫座談会】
 ◆寺見・嘉月(星詠みの金月・b74452)。崩壊期を経てからは一線を退き、子供の養育に励んだ。二人の子供に能力者としての力と心の在り方を教え、彼が長年かけて編み出した技を伝授したという。後に『黒猫座談会』の面々と再会した時には、昔話に花を咲かせたとか。
 ◆樹・咲桜(蒼の御雷・b23115)。慧託と結婚し、双子の女の子陽菜と真愛を授かる。動乱期を考古学の助手として過ごし未発見のメガリスや遺跡の探索に燃えた。後に双子の娘たちは美しく成長し、無事に嫁にもらわれていった。
 ◆十衛・慧託(中学生真妖狐・b25642)。結婚後は暫し神職をしていたが、世界結界崩壊時に無茶な戦いをして行方不明となる。その間火事場に乗じて暴れる暴漢などから人々を助ける活動をしていたとされているが、言い訳になるからかその理由を語ることはなかった。そのせいか子供に嫌われるが、嫁に行くまでに和解できたかどうかは、彼等にしか分からないことだ。
「昔はいろいろありましたが…今となってはいい青春時代でしたね」
「そういえば十衛君のところ、お子さんやお孫さんは元気です?」

 【椿庭】
 ◆四紀・更紗(番犬命の真狐・b74691)。人とゴーストの共存をめざして尽力。特に動乱期で問題に上がったマヨイガへの隔離や一部地域への棲み分けは解決策として充分ではないとし、真の共存を訴えていく。『月刊 人魔☆共存』の創刊や知的ゴーストとの共同生活に向けての研究を重ねていく。
 ◆桂・雪(ノットロンリー・b75753)。ネットワーク構築を外側からバックアップするかたわら、更紗の雑誌活動を手伝った。後に能力者を引退。銀誓館一般卒業生たちと共に別グループを立ち上げ、一般人の立場から社会をケアしていった。
「銀誓館含めたこの椿庭があたしの里だからもう復興してる、なんていうのはダメかしらん?」
「なら、精々更に盛りたてて行きますかね」
 ◆明博・梓(高校生ストームブリンガー・b84618)。更紗たちの助けになるよう、その生涯をかけて手助けした。しかし持ち前の怯え症は直らず、友好的になったゴーストたちにも怯えたり反射的に誤ったりすることも多かったという。
 ◆朱・コウガ(陰陽姫・b82664)。月面緑地化計画に並行するように地球の緑地化を訴え、紛争地域の環境問題解決に取り組んだ。また、月の民への演説内容が歴史書のひとつに記録され、後の世に伝えられている。
「私はコウガ。私は望もう。その未来を、我が名を、声を、信じる者あらば──我が手をとるために目覚めるが良い」

 ――世界は大きく変わった。
 様々な活動によって、人々の価値観や暮らし、そして世界の在り様が変わって行く。
 それは時代の流れと言うにはあまりに激しく、大きなものだった。
 多くの人々が唱え、そして実践して見せた人魔共存は多くの実績を生み、絆ゴースト運動や恋愛自由化運動の影響もあって多くの使役ゴースト化(この頃は絆化と呼ばれた)が起こり、ぽつぽつと増え始めた人魔共存型建築都市には種族を越えた共存が実現するようになった。
 勿論知性の無いゴーストや、業から逃れられぬゴーストたちによる事件も多く起こったが、研究者たちによってそれは少しずつではあるが改善を見せている。それは悪路王や平家登喜子ですら唱えることの叶わなかった、新たな人魔共存のかたちであった。
 大陸妖狐とも互いを尊重する関係を保ち、戦争が起こる様子はない。
 能力者社会も銀誓法を初めとする多くの法的管理と裏社会の守護者たちによって保たれ、社会そのものが破壊されてしまうような事件も起きることは無かった。
 発展した詠唱工学やネットワーク技術は人々の暮らしを豊かにし、急激に変化する社会を乗り切っている。
 勿論、全体的に長寿化した人々による人口問題や新たに発生した多種族間の人権問題。発展しすぎた情報社会に取り残された人々の救済や、リハビリ状態からまだ抜けない多くの『見えざる狂気』の老人たちなど……問題は山積みだ。
 だが彼等なら、きっと生き抜いて見せるだろう。
 銀誓館学園から受け継がれた、不屈の能力者たちならば。

 【銀誓館学園分校と系列校】
 ◆朝沼・狭霧(真フリッカースペード・b02993)。第14代銀誓館学園校長。彼女の生涯は、没後に残された日誌から知ることができる。多くの出会いや別れを経験した彼女は銀誓館学園の教師となり、戦いにはあまり関わらないまでも、かけがえのない沢山の想い出を創っていった。
「最後にこの学校の仲間達に、あえてこの言葉を贈りたいと思う。『死と隣り合わせの青春を』」
 ◆レアーナ・ローズベルグ(心にいたみを刻む者・b44015)。銀誓館ドイツ分校を設立。新たな能力者の育成に勤しむ。崩壊時も親友と共に戦い、ドイツ校を率いて世界を守ったとされる。後に孫を持ち、平和に暮らしたが、その中で亡き夫と再会できたと言われている。
 ◆安心院・ヒナタ(金曜日に降る雨・b51011)。九州、四国、北海道の銀誓館分校設立に尽力。九州分校襲撃事件では矢面に立ち、子供達を守った。命懸けで子供達を守った彼女の功績は長く称えられ、九州分校には彼女の像が残っている。一説にはその解決に遠野のゴースト組の助けがあったとされていた。
 ◆霊門・稀(白日城城主・b47674)。欧州ピレネー山脈の村にて城を築く。『銀誓館学園欧州南仏分校』とし、欧州の銀誓館活動拠点として機能させた。実際の名前は『白日城』。宿屋としても運用し、スキー客で賑わったという。後輩たちには学校を通じて多くのことを教えた。
「脅威は去ったと思う。しかし、脅威が存在したことは間違いないし、小さなゴタゴタは続くし、また新たなる、想像もつかない脅威が生まれるかも。備えるに越したことはない。それに、なによりヴァンパイアは戦うための存在だ」
 ◆メアリー・マクウェイン(青塔の牙・b66702)。稀の執事として様々な管理を行う。崩壊期での巨大ゴースト戦に際し土地買収と絡んで派手に活動した。『白日城』建設前の出来事である。
 ◆敷島九十九式・新都(ロングショットオーディナンス・b81466)。教員資格をとるため大学へ。資格取得後まさかの中退。敷島九十九式家の家督を継ぐが、その際に能力者育成を家の方針とした。後に行方不明だった兄と再会。まさかの同じ学園生徒だったことを知って驚愕する。尚、更なる驚愕が数十年後に起こることになる。能力者育成のための学校『新誓館学園』を開校。銀誓館分校と同じく教育機関ネットワークの構築を図り、教育システムを強化して行った。
 ◆紅・零(想いを力に思考を行動へ・b39910)。銀誓館の姉妹校を開校。理事長として能力者の養成に励む。世界結界崩壊時には全校生徒を引き攣れて紛争地域へと参陣した。後に不老不死の研究を行い、自らもその実験台としていた。本人の外見年齢が長年変わらなかったが、それ自体は能力者によくあることである。内部的に老いているかが問題なのだが、確かめた人間は今のところいない。銀誓館系列理事長の伝統なのか、何かに興味を示したが最後管理を任せて飛び出していくことも多かったとか。

 【銀誓館学園教師陣】
 ◆セレスティア・アーレン(高校生巡礼士・b77131)。卒業後は教師となるが、相変わらず背がのびずに『小さい先生』『セレちゃん先生』と呼ばれ親しまれる。崩壊期に入ってからは教え子たちと共に戦旗を振り回したという。その後も訓練教官は続け、使役ゴーストとの付き合い方や接し方を教える。
「使役ゴーストは言葉こそ交わせませんが、心は通わせることができます。みなさんが彼らのことを想えば必ず答えてくれます」
 ◆東・理緒(罪深き終末論・b00999)。研究者だった彼は銀誓館学園の教師に転向。生徒と交際、結婚に至った。老後にエッセイ『蒼に還る』を出版し、結婚相手のことにも触れている。評論家の弁を借りるなら「彼は数十年の時を経て自らを赦したのだ」。
 ◆金田・祐一郎(ソウルブラザー・b03703)。大学卒業後しばらくして結婚。銀誓館学園歴史教師に就任した。本人曰く『きがついたらなっていた』。教鞭を振るうなかで人魔共存の未来を説き、後の世に少なからず影響を及ぼす。
「そういえば、もうすぐ70歳の定年なんだよな。長い間お世話になった銀誓館を離れるのももう少しか……。久しぶりに同窓会を開きたいものだが、連絡、とれるだろうか……」
 ◆真島・明日香(恋する乙女・b32736)。大学卒業後に世界結界崩壊後における通信基盤の研究チームへ参加。二人の子(寛、茜)を授かり、彼等も無事に成長を遂げた。会社は息子に任せ、老後も情報分野での研究を続けて行った。
「でも、イグニッションカードは一生封印しませんからね。生涯現役のつもりです。もっとも、前線は若い人に任せますけどね」
 ◆美咲・牡丹(緋牡丹・b05183)。1012年末に結婚して赤城牡丹に。銀誓館で生物教師を務める。専業主夫をもち、人として女として母としての幸せを享受する。しかし老けには人一倍敏感であったという。
「そろそろ、霞ちゃんにもシロちゃんの力の使い方を教えるべきかかしら?」
 ◆三笠・輪音(夕映比翼・b10867)。学園の教師として精神面でのフォローを中心に活動。自らの経験をもとにカウンセリングを行い、若き迷える能力者たちを導いた。プライベートでは俳優の夫をもち、長男長女と末永く幸せに暮らしたという。
「ずっとずっと、幸せです」
 ◆小金井・馨(は最大の幸せ者です・b06722)。大学卒業後に銀誓館教師となり、多くの子供達の成長を見守る。やがて家庭を持ち、子供にも恵まれた。自称、『普通の人生』である。
「ありがとう、銀誓館学園。ありがとう、最愛の妻」
 ◆御堂・巽(災厄ノ暴嵐麾シ禍キ蒼翠ノ女王・b01048)。銀誓館学園の教師として倫理を教える。若かりし頃の装備は本人の黒歴史となっている模様。妖狐や悪路王とは個人的に交流を図っていたらしく、娘は種族間結婚となった。
「私達はその時その時、良い未来へと繋がる最善だと思うことを選んで全力を尽くしました。次代の子達も良い未来への為にそうしてくれればと思います。勿論、その為の助力は惜しみませんよ」
 ◆和宮・優姫(初代名誉最終兵器純情風紀魔王・b14444)。学校を卒業後すぐに結婚。教師として教壇に立つが、世界結界崩壊後は暫し戦いに身を投じることとなる。後に能力者の訓練教官となり、鬼の様に新人たちを育てて行った。
「戦争の厳しさと能力者の危うさを知っているからこそ、教え子達には命の大事さを知ってもらうと同時に、正道を進んで欲しいから」
 ◆霜月・秋野(時の迷子・b21044)。卒業後、銀誓館学園の教師になる。本人は柄じゃないと考えていたが、皆を待ち続けるため美術教師として銀誓館に勤務した。古い馴染みからティンカーベルによく顔を見せに行っては、若いころを思い出していたという。
「出会えた皆に、ありがとう」
 ◆白咲・朝乃(キャストリンカー・b33560)。銀誓館学園芸能化に勤務。彼女のモーラットぷいぷいがアイドル活動をしていた。後に娘が彼氏と称してモーラットを連れてくるなど、何かにつけてモーラットに縁のある人生であったようだ。
「今度イギリスに巨大ゴースト退治に行くっていってたけど。ローザちゃんにも連絡しておこうかなぁ。親バカって言われるかな」
 ◆白露・狭霧(幻想を宿す白き霧・b47505)。銀誓館分校にて来訪者の指導を行う。大切な家族や生徒たちのため、彼なりに精一杯生きた。その下地には彼の辛い経験や報われた日々があったという。
「いくら下地を作っていたとは言え今まで一般人だった人からすれば突然降って湧いたようなこの能力、戸惑わない訳がない。だからこそ僕は伝えたい。これは自分の手の届く人を護る事ができる能力なんだと」

●銀の雨の降る時代
 通りを回転動力炉を積んだ多様なデザインの車が行き交い、ゴーストと手をつないだ子供が横断歩道を渡って行く。
 テレビではモーラットがもきゅもきゅと歌い、空には緑色の月が浮かんでいる。
 それは五十年前からはかけ離れた光景であり、同時に五十年前に誰かが夢見た光景だった。

 人類の新たな歴史への分水嶺となった、2006年から2012年。
 それは、全ての生命の未来を切り拓いた『銀誓館学園』の能力者達が駆け抜けた、死と隣合わせの青春時代だった。
 若者達が笑い、涙し、戦い、愛し、出会い、別れ、そして複雑に交差する、青春の時代。
 人々は、それを忘れることはないだろう。
 崩れゆく常識と世界結界の中を戦い抜いた『彼らの時代』は、後にこう呼ばれることとなる。

 銀の雨が降る時代──シルバーレイン。


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知的 ハートフル ロマンティック せつない えっち
いまいち
参加者:644人
作成日:2012/12/24
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冒険結果:成功!
重傷者:なし
死亡者:なし
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