<リプレイ>
●だーれもいない浜辺で 「ん〜、イルカさん〜♪ どこにいるのでしょお〜」 夕方の浜辺で望遠鏡を使って何かを見ている、ちょっとあやしい人がいました。城・忍(ダイナマイトチア・b07894)ちゃんです。 どうやら、この浜辺にイルカさん妖獣が現れたみたく、忍ちゃんはそれを探しているようです。 でも、まだいないようでした。 「よし、完璧ですね」 斑目・鉄斎(炎獣・b25084)くんは砂でお城を作っていました。それは、もう、海に来たら作りたくなっちゃいますよね……え? 妖獣退治なのに遊んじゃダメって? いえいえ、鉄斎くんはダンボールをくり抜いてみんなが隠れる砂のお城型カモフラージュを作っているのです。ここに隠れてイルカさん妖獣が現れるのを待つのですよ。 「わ〜、すごいですの〜」 ダンボールを運ぶお手伝いをしていたセラフィナ・トウドウ(暴食せし鋼王蟲・b01821)ちゃんは、その砂のお城を見てとっても喜んでいます。こんなすてきなカモフラージュだと、妖獣退治もちょっちり楽しくなっちゃいますからね。 「フィナも隠れるですの」 セラフィナちゃんはあまったダンボールをすっぽりとかぶってみます。 「…………」 思わずセラフィナちゃんにツッコミを入れたくなる笹木・智成(桜夜風・b00626)くんですが、とりあえず鉄斎くんの作った砂のお城に隠れて、イルカさん妖獣が来るのを待つことにします。 忍ちゃんとセラフィナちゃん、レイチェル・コンスタンチン(ナイトブレイカー・b17001)ちゃんが砂浜を歩き回ってイルカさん妖獣を誘き寄せて、出てきたところをみんなでえぃ! と攻撃する予定となっていました。 「とってもかわいいイルカさん……ど、どれくらいかわいいんでしょうか……」 砂のお城から囮の三人を見つめつつ、イルカさん妖獣がどれだけかわいいのか、ちょっとドキドキしている『ニーナちゃん』ことニーニアルーフ・メーベルナッハ(黒き贖罪の十字架・b02883)ちゃん。でも、イルカさん妖獣はそのかわいさが武器なのです。見たくても見ちゃったら……運命予報士が言ってたように魅了されてぱっくんされちゃうかもしれません。 「今回のゴーストは一体……初仕事には丁度良い相手か」 かわいさなどには惑わされん! 腕を組んでイルカさん妖獣の出現を待つ火渡・龍人(炎帝・b16609)さん。気迫十分の様子です。 「うー、かわいいイルカさんをポコッ! って叩くのはちょっといやだけど、食べられちゃう前にやっつけないとねっ!」 「どれだけかわいくてもゴーストだし、かわいさだけで勝てると思うなよ、って感じだよね〜」 紺野・栞(ペンキ塗りの悪戯っ娘・b25206)ちゃんとアンジェリカ・ソアーウィンド(堕天の銀・b10646)ちゃんもやる気十分という感じでした。
●イルカさん登場 「イルカさん、いないですね〜」 忍ちゃんは望遠鏡でイルカさん妖獣を探し続けていました。でも、遠くまで見渡してもその姿はありません。一体、どこにいるのでしょう? 「イルカさんはどちらですか〜」 セラフィナちゃんが浜辺をスキップしながらイルカさん妖獣を探しています。ちょっと陽気に鼻歌を歌いつつ浜辺を散策するセラフィナちゃんですが……。 その時です。
――ざっぱーん
突然、大きな波しぶきが上がりました。 「きゃっ! 何なの、この飛沫!」 レイチェルちゃんが振り向くと……そこにイルカさん。 イルカさんは海からお顔を出すと、おっきなおめめで三人を見つめます。 すると、そのおっきくてつぶらな瞳がうるうるとしてきて……。 「か、かっわいぃぃぃぃー! で、でも、でも、でも……おめめ見ちゃダメ見ちゃダメ見ちゃダメ見ちゃ……うわぁぁぁぁぁーん! これがいわゆる生殺しと言うやつですか〜!?」 見たいけど、見ちゃダメ! セラフィナちゃんは手で目を覆って、そのおめめを見ないようにします。 これが、イルカさん妖獣の必殺技『おめめうるうる攻撃』です。 見ちゃったら、魅了されること間違いなし! 「かわいいけど、まともに見ちゃダメです〜」 忍ちゃんはイグニッションすると、おめめを見ないようにイルカさん妖獣の背後へまわります。そして、霧影分身術&魔弾の射手でパワーアップ! いっち、にー、さん、しーと、ちょっとストレッチをした後、忍ちゃんはイルカさん妖獣に忍びよって掌底を打ち込みます。陸に押し上げて、一網打尽という作戦ですね。 「ゴメンね〜、イルカさん〜! でも、仕方がないの〜! 陸まで飛んでって〜!」 ばっしゃーん! とすごい波飛沫が飛び散り、爆水掌が炸裂! でも……。 「おもーい! こんなの吹き飛ばせないですよ〜」 ちょっぴり陸には近づいたけど、イルカさん妖獣はあまり動きません。忍ちゃんの力じゃ、ちょっと難しかったかな? イルカさん妖獣はせつない鳴き声を上げると、忍ちゃんの方へ振り向きます。おめめをうるうるさせて……。 「ううう……イルカさん……ごめんなさいです〜」 おめめを見ちゃった忍ちゃんは魅了されてしまってギュッ! とイルカさん妖獣に抱きつきます。頭をなでなでして、お顔をスリスリしたりしますが……イルカさん妖獣のおめめがキラーンと怪しく輝いて……。
――ぱっくん☆
忍ちゃんは食べられちゃいました。 「あっ! 大変、大変! 食べられちゃったよ! 助けないと!」 イルカさん妖獣に上半身をぱっくんされて足をじたばたさせている忍ちゃんを助けようと、竹緑・森(恋獄狂鬼・b13211)ちゃんが海へ飛び込みます。 「イルカさん! 人を食べちゃダメですの!」 セラフィナちゃんもイルカさん妖獣の上に乗り、ポコポコ叩いて吐き出させようとします。 「作戦は失敗しました! 攻撃班は全員突撃してください! 仲間の救出が最優先です!」 「あーん、食べられちゃったよー!」 砂のお城を吹き飛ばして鉄斎くんが飛び出ました。栞ちゃんも救出に向かいます。 「油断し過ぎだろう……ったく、世話の焼ける……」 龍人さんは海に飛び込むと、思いっきり体を殴りつけて忍ちゃんを引っ張りだそうとしました。 「食いやがった……てめー口開けろ!」 智成くんも必死にイルカさん妖獣のお口をグイグイ引っ張って、開けさせよとします。 「た、食べられちゃいました……ど、どうすればいいんでしょう……」 ニーナちゃんはどうすればいいのかわからず、おろおろしていました。 「効くかどうかわからないけど、大変なことになってるし……」 アンジェリカちゃんはヒュプノヴォイスで、イルカさん妖獣を眠らせようとしました。浜辺に眠りを誘う優しい歌が響きます。 すると、イルカさん妖獣のおっきなおめめが徐々に閉じていき……グーと眠っちゃいました。 「大丈夫ですか!」 鉄斎くんがイルカさん妖獣のお口から忍ちゃんを引っ張り出します。忍ちゃんは大きな怪我はないものの、おめめをくるくる回して『うーん』とうなっています。 「もう大丈夫だよ。しっかりして」 森ちゃんが治癒符をぺったんと張って傷を治し、鉄斎くんと一緒に来ていた葉響ちゃんが赦しの舞で忍ちゃんを正気にさせます。これで、もう大丈夫ですね。 「海豚妖獣ごときがなめやがって……永遠の眠りに落としてやる!」 龍人さんが怒りをあらわにします。癇癪玉が、それはもう大爆発っていうくらいの感情でしたが、智成くんが押さえます。 「火渡センパイ、殴ったら起きてしまうんじゃねーっすか。それより……」 「陸に上げてしまったほうがいいかもね!」 栞ちゃんが提案します。イルカさん妖獣は思ったより強いみたいで、吹き飛ばしては飛んでいかないようです。だったら、寝てる間に……。 「わーい♪ フィナはイルカさんの上にのって海を行くのが夢だったのです♪」 セラフィナちゃんは寝ているイルカさん妖獣の上に乗ってはしゃいでいます。 「近くで見たら……と、とってもかわいいです♪」 ニーナちゃんはイルカさん妖獣のかわいさにうっとりしていました。本当ならおめめを開けている方がかわいさ爆発なのでしょうけど、そうしたら魅了されちゃうかもしれないですし。今の内になでなでしたりして、かわいさを堪能します。 「これはいい絵が撮れそうだね♪」 森ちゃんは携帯のモバイルカメラでイルカさん妖獣の写真を撮っていました。 ……えぇと、お嬢さん方。お楽しみも大変結構ですが、イルカさん妖獣をやっつけないといけません。 寝てる間にみんなでイルカさん妖獣を陸に押し上げておきます。 すると、イルカさん妖獣はバッと起きて、砂浜の真ん中でバタバタと暴れ周ります。そのおめめはうるうるではなく、怒りに満ちたおめめになりました。 「さぁて……覚悟しな、海豚野郎」 作戦がうまくいかなかったので、龍人さんは格闘に切り替えます。でも、こっちの方が龍人さんにとってやりやすいようです。ウワサに聞くしっぽアタックに注意しつつ、イルカさん妖獣に殴りかかりました。 「姿はイルカでもゴーストだし、始末しなきゃね」 レイチェルちゃんは思いっきりハンマーをぶつけます。 ゴーン☆ と大きな音が聞こえそうなくらい強力な一撃が頭に当たると、イルカさん妖獣はもう怒っちゃいました。 「全然プリティーじゃないんですよ! この鯨!」 鉄斎くんは手に火球を作り出すと、それを仰け反る程に後ろへ持っていき、それを頭上越しに一気に前方へ振り抜きます。罵倒と共に投げつけられた火球は、見事イルカさん妖獣へ命中! 「ほーら、今どきイルカなら芸の一つ二つはできないとおまんまにありつけないよ〜」 アンジェリカちゃんはポーンとイルカさん妖獣へボールを投げてやります。一個目は鼻でポーン! 二個目はしっぽでポーン! ばかにしているのか! といった目で睨むイルカさん妖獣にアンジェリカちゃんは三個目を投げつける仕草をしますが……。 「これを投げ返せたらエライわね」 アンジェリカちゃんが投げたのは……光の槍でした。これはどうやっても返せません。プスッ! と光の槍はイルカさん妖獣に突き刺さります。 「かわいいものを傷つけるのは気が引けるけど、やらないとまた誰かがぱっくんだもんねっ」 「喰らえ白桜!」 栞ちゃんはダークハンドでイルカさん妖獣を切り裂き、智成くんは淋漓たる意気と共に白燐蟲さんを解き放ちました。白燐蟲さんはイルカさん妖獣に纏わり付くと、その体を侵食していきます。 「せめて罪悪感感じる前に消えて下さいー!」 「ごめんね、イルカさん!」 ニーナちゃんは光の槍を投げつけ、セラフィナちゃんはクレセントファングで思いっきりイルカさん妖獣を蹴ります。 得意でない陸の戦いでイルカさん妖獣はフラフラになっちゃいました。 「妖獣如きが俺達の手を煩わせるな……眠れっ!」 龍人さんがとどめを刺そうと青龍刀を振り上げたときでした。 「ダメ!」 そこに森ちゃんが割っては入ります。 「好きな人を他の人にやられるくらいなら……」 いっその事、自分の手で……森ちゃんの手には呪殺符……。 呪符がペッタンとイルカさん妖獣の頭に張られると……苦しそうに悶えながらイルカさん妖獣は消えていってしまいました。
●せっかく海にきたんだから! 時間は夕方ですけど……せっかく海にきたのですから、ちょっとははしゃぎたいですね。 「わぁ〜い!」 傷も癒えた忍ちゃんは、服を脱ぎ捨てて一目散に海に入っていきます。 あ、もちろん水着は着てますよ? しかも、ちょっと大胆なビ・キ・ニ♪ 服の下に水着着用とみんな準備万端でした。 「確かにかわいい目をしたイルカさんだったね。危うく騙されるとこだった……」 栞ちゃんもそんな会話をしつつ、海水浴を楽しみます。 「うーん」 森ちゃんは困ったお顔をしていました。イルカさん妖獣の写真を撮ったつもりだったのですが、写っていないのです。気が付いたら消えちゃってました。 「ま、いっか」 気にせず海に入っていくと、水鉄砲でみんなを攻撃! きゃーきゃー、わーわー、水かけっこ大会の始まりです。 「ふん、騒がしい奴等だ……」 龍人さんは岩場の方からみんなをチラッと見ると、視線を海に戻します。周期的な波の音が龍人さんの心を落ちつけるようです。静かに海を眺める火渡先輩はちょっとカッコイイかも。 一方で、ニーナちゃんとアンジェリカちゃんはレイチェルちゃんの持ってきたビーチマットに座って夕日を眺めていました。せっかく海にきたのですからエンジョイしなきゃ損です! そこへ……。 「海といえば海水浴です♪」 ふっふっふー、と邪笑するセラフィナちゃんが三人を強制的に海へ引きずっていきます。 「えっ、えっ! 私、水着持っていませんし……」 「大丈夫です。水着はちゃんと用意してますの♪」 用意周到なセラフィナちゃん。ちゃんとみんなの水着も用意していました。 「ま、せっかく海にきたんだからね〜」 アンジェリカちゃんとセラフィナちゃんは、お顔を真っ赤にして恥ずかしがるニーナちゃんを岩陰に引きずっていきました。
「おや、当たったようです」 鉄斎くんは葉響ちゃんと一緒に釣をしていました。 力任せに竿を引くと……。 「わー! 斑目センパイ、ゴメンンサイ!」 「「…………」」 釣れたのは智成くんでした。
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参加者:10人
作成日:2007/07/20
得票数:楽しい2
笑える12
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冒険結果:成功!
重傷者:なし
死亡者:なし
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