招来!まねきねこっ


<オープニング>


 さて、此処は古い町家が通りに並ぶ或る街です。
 とってもめでたく有難い招き猫のお祭りがやって来ました。
 招き猫が通りのあちこちのお店の店頭に隠れているんですって。
 姿形は、置物であったり、色紙絵に、額縁、そのお店にとって商売繁盛の有難い招き猫が飾られているのです。どんな招き猫に会えるのだろ?
 地図を片手に探しついでに、ちょこっとお店に立ち寄って、招き猫の御利益のお手伝いなーんてしてみたりして。土産物や美味しい蕎麦やうどん、休憩所に喫茶店でコーヒーでも♪
 あ、そうそう。
 あるお店では猫猫づくしの雑貨をメインに、お店の奥には生猫がいるっというお店や、貯金箱ばかりを集めた小さな博物館もあったり、そして張り子、陶芸、鉄屑、様々な素材で作られた招き猫達の作品展も見物ですよ。

「後はさ、見るだけじゃなくて、自分でも招き猫が作れる体験教室もあるみたいだぜ」
 小此木・エドワード(小学生運命予報士・bn0026)がチラシを見つつ、話をふってきた。
 キャンドル専門店の可愛いお店。今だとハロウィーン系のユニークな形のキャンドルや、ハーブ系のアロマキャンドルがお店の中に並ぶ。
「今回は、猫や招き猫っ。それから今の季節だからさ、ハロウィーンの南瓜やオバケ。どっちか自分の好きな方を作らせて貰えるんだ」
 所要時間は一時間程。作り方は、いたって簡単。

・ラップに包まれたテニスボールくらいの、熱くて白い蝋の塊を好きな形に成形する。
(紙粘土みたいに、ギュッギュと手で握って形を整えていこう。しっかり表面も撫でていかないと、ぽろぽろひび割れるので要注意)
・芯を立てたい中央へ竹串で穴を貫通させて、芯を取り付けるよ。
・ここで一度、形を固定する為に、お店の人がコーティングしてくれるからお任せ。
(色を染めたい場合は、染料に漬けて貰えるよ。何色が好きかな?)
・赤、黄、黒、緑、紫とカラーシートを千切って、手の中で柔らかくしながら、眼や口のパーツを付けて行こう。
 ・完成したら、またお店の人がコーティング。
 世界でただ一つのオリジナルキャンドルの完成♪

「……要は、紙粘土の要領だな」
 チラシを見つつ、鳥子色・イコロ(カント・bn0053)が、ぼんやり呟いた。
「そうそう。溶かして型に流すのとは、作り方が違うから、ちょっと気をつけてくれな」
 てな感じで。

 招き猫。右手を挙げた猫は金運を招き、左手を挙げた猫は人を招くという。
 じゃ、両手挙げると何かって? それは「お手上げ(降参)」の印なのだよ。
 と、いう話もさておき。

「季節の変わり目っ。ほんのり涼しくなった街並みを歩いてみようぜっ」
 エドは左手を挙げ、ニカッと笑って、皆を誘った。

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参加者
NPC:小此木・エドワード(小学生運命予報士・bn0026)




<リプレイ>


 一羽の白鳥が泳ぐ川岸の柳葉を揺らし、風と共に走る少年少女。
「招き猫のお祭りなんてあるんだな! ああ、猫に逢いてぇ!」
 古き町家の店先に隠れている招き猫達に逢える小さな田舎のお祭り。
 きらきらとはしゃぐ大地の様子に驚く妹の空も、どんな招き猫に逢えるのか楽しみに地図を握りしめ駆け出した。

「御守さん! 見つけましたわ! あの柱陰に招き猫がいますわよ!」
「あっちの天井に描いある絵も面白いわね」
 これで二勝二敗。歌戀と御守は同じ恋人に恋する強敵同士でお互いに勝負?
 くすくす。永遠に続く仲良し少女達の時間は止まる事はない。
 土産物屋では、40cm特大張子の招き猫を挟んでとろける表情の蝦蛄子と縞が片手を上げ、記念撮影すると、
「イコロ様、ご一緒に左手上げて…にゃん♪ デスわ♪」
「あわわ……」
 交代して、ハミング歌い猫耳猫尻尾に肉球手袋装着のレディとイコロが同じポーズで撮影。イコロは顔から火を噴いた矢先に、目が合った黒兎に手招きされて飛び上がった。
 人工大理石で出来たインテリアキャット、癒しグッズ等が所狭しと並ぶ店内。
「にゃー、かわいい猫ちゃんでしゅねー♪」
 テンションが上がりっぱなしの蝦蛄子に、こんな蝦蛄ちゃんは見た事がない…と縞は吃驚。
 確かに猫は可愛いものね。
「でも本物の猫には、やっぱり敵わないなあ」
 更紗は数種の招き猫を前に、店奥の本物の猫を撫でる大地兄妹達を微笑ましく見送りながら思う。

「そこの綺麗なオネーサン!」
 オールバックとサングラススタイルのマリスが瞳と歩きながら、土肥・水葉に声を掛ける。
「はしゃがないの」
 と窘めつつ、水葉は両手に団子、豆袋と抱え食べ歩きに余念がなく、瞳は猫に会えたか問い、後で如路の為に招き猫を買いに行く予定だと云う。
「じゃ、その前に季節のカレーでも食べる?」
「蕎麦以外ならOKだ」
 旅は縁。食べ歩きも大事だね。

「ボクも食べるのは好きだから、負けないよー」
 静粛なる蕎麦屋では桂と杜生が、十枚の盛り蕎麦を五枚ずつ勘定を賭けた早食い勝負。その近くで、遼が集めた招き猫の画像をノートパソコンで並べて、エドと煉侍に見せていた。
「へぇ、何か少しずつ表情とかも違う…かな」
 三人の席には既に平らげた丼。
 一枚を三口で喉に流し込む杜生と、早々に蕎麦に飽き「これは別腹なんです!」と、天麩羅に浮気する桂に比べれば、常人並みの量。
「追加で十枚お願いします」
 これぞ招き猫効果? 大量注文に店主、万歳。
「「よく腹に入るなあ……」」
「エド兄、俺も食うーっ」
 食べ盛りの煉侍を押さえ、感心する遼とエドに「蕎麦は飲み物です」と飄々と勝者杜生は云い放った。

 痲那が志郎と、ゆっくりした歩みで辿り着く先は、硝子工芸品の前。皆の賑やかな声が漏れ聞こえる中、透明で繊細な細工達を痲那は見入る。
「この猫置物をお勧めするのですよー」
「わぁっ。有難うございますねっ!」
 掌の中の猫は瑠璃色の瞳で、満面の笑顔の志郎を見つめていた。
 その笑顔の理由は、なぁに?
 志郎は久しぶりに痲那とお喋りする事、初めてのお祭りの事を密かに呟き返す。
 夏月も散歩の途中で立ち寄り、結社の喫茶店用の絵付け皿を丁寧に選び出していく。雑貨の他に龍麻が好む古風な招き猫も陳列していた。
「これだけあると、どれが良いか判らないや。イコロは、どう思う?」
「これどう?」
 赤頭巾の大福招き猫、生猫似、達磨猫。けれど龍麻は、街の歴史を見て来た猫が良いのだろうと思案し、一つ腕に抱えて手渡した。
 再び、ぐるりと店内を見渡した所で、電光丸が両手に余る特大ぬいぐるみで視界を塞いだ。
「これ、すげぇ! イコロっお兄さんが買ってやるっ」
「えと…あ有り」と素直に受け取るイコロに。
「へぇ結構、可愛い所あ……痛ーっ?!」
 がぶっ☆
 痛烈な絶叫な響いたが、この際気にしないが吉。

 きょろきょろ。
 展示会場の某店の母屋ギャラリースペースには、雪風が驚く程の溢れる猫猫尽し。
「可愛い…」
 力強い筆致の額縁猫絵、白粉顔にニマリ笑った顔、コケシ顔達が手をひょいとあげ、撫でたくて手を差し出したステラを招いてくれる。
 作家陣が多種の素材で作った愛嬌のある猫達や、全国から公募した招き猫絵葉書展示。
 その傍では千広が、ぼんやりと猫が苦手な友人を思い出しながら作品を鑑賞していた。
「猫が苦手な人はこういうのもダメなんだろうか……」
 猫克服の為に一緒にくれば良かったなって。
「小学生の頃には、何故小判を持った猫が飾られているのか不思議に思ったものです」
 猫に小判という諺がある様に良い組み合わせに思えないと成章は思うのだ。その謎を知る時は来るのだろうか? 

「ネコーに招かれて……招きネコ可愛いなあ…」
 そして喫茶室には、長閑にお饅頭とお茶を頂いている三樹や、穏やかに珈琲と和栗パフェを堪能している夏月。歌戀と御守に雪風とステラが葡萄パフェを仲良く食べている近くの席で、黒兎がイコロに無花果のタルトを奢る。
 店内を見回すと、他にも多勢の見知った顔が休憩していた。
 季節のスイーツがこの店のお勧め。
「会うのは誕生日以来だな。全然会う機会無いから忘れられてるかもしれないが」
「僕は忘れんよ」
 同じ学校とは云え、多忙な能力者同士のすれ違いは起きるもの。「また、たまに会いに来るよ」と頭を撫でられて、約束を交わす。

 ココアとチョコに加え、限定十食の葡萄とグレープフルーツのタルトセットも賞味する來夢に、カプチーノを堪能しパーンも微笑む。
 傍らにパーン似たメッシュの付いた土産の招き猫。
「今日は猫が沢山会えて、どうだ?」
「楽しいのですよ〜、パーンさん、ありがとうなのです♪」
 瑞々しい緑の粒の爽やかさとカスタードのしっとりとした甘さに、散策の疲れも癒される少女達。
 自然と綻ぶ命の笑みに、珍しいなあとエドは嬉しくなった。
「この後のキャンドル作りが心配なのかぇ?」
「え…、いや」
 後で自信作見せてやっから! とエドは爽快に笑った。


 緑鮮やかなアイビーが這う朱煉瓦のアーチ型の門傍にお伽の家の様な建物がある。窓外の卓にハロウィングッズが並び、店内は入口左手に体験教室、奥に数百種のキャンドル。
 教室内の大テーブルを囲む壁棚には、モザイク、動物と多種の造形キャンドルが飾られ、菫と忍と共に真揮は「アレとか見たことないよ」と感心する。
 本日の見本、招き猫キャンドルを、みーけが目を爛々と輝かせ観察中。
「うーん、一匹ごとに個性が色々あるのにゃ〜」
 手荷物を預け、緊張した面持ちで各自が席につく中、ボウルで蝋を練り、準備をする先生の横で、時雄が材料に置いてあるラップに、何処のメーカーか拝借。
「あ、あのね。席に着いてくれないかな?」
 女性の先生が困り顔で苦笑。
「すみません、ラップマニアなものでっ」
 そんな物あるのかっ!

 やがてラップに包まれたボール玉程の熱々の蝋を配られ、さて何を作ろう?
 贈る人が驚く物。
「猫は私も許婚も大好きだから、猫が一番かな」と彬は考え、裕斗は自分をモデルに写真を見ながら作る事にした。
 里奈含め全員が、頭の中に思い描いた形。時雄は敢えて満月ならぬ十六夜型。
 みーけは勿論「三毛猫にするにゃ〜!」
「……やっぱり三毛か? それとも寅か…」
 雅は顎に手を当て迷った挙げ句、白に決めた。
「せっかくの手作りだもの。何かオリジナリティを出したいわよね」
 火蓮は猫又を思いつく。「溶けた後にも『また』福を招く」と云う意味で。
 いつかは、猫も捨てがたいけど、もうすぐハロウィンだから南瓜お化けもいいかなと思う。
「何事も挑戦です。ジャック・オ・ランタン大好きです」
「そうそう。ジャンジャカジャンみたいな名前の」
「里奈先輩、それ違うっ!」
 エドがツッコミを入れるが、自分の手元を彬と裕斗に覗かれ慌て、更に背後に立つ陸王の気配に、ざーと青ざめた。
「これぞ! 紳士の嗜み、手作りプレゼント! どの辺からしごいていこうかなー」
 この人、何の監督デスカ?!
「細かい作業は得意じゃないけど、何とかなるだろう。一緒に頑張ろう、エド」
「頑張ろうぜ、高斗先輩」
 じーん。剛胆且つ温厚な人情が有難く。
 初めて触る蝋は少し油のぬめりがあり、堅い。
 どど──ん、もふもふ。
「くーたね、おこのみせんぱーといっしょに作りゅの〜」
 教室内に豪快な音を立てながら、空汰とみーけが蝋を捏ね始め、いつかの一心不乱な前向きさにも触発され。
「「負けられない!」」
 里奈とエドが苦戦し『訳の判らない物』を作る最中、杏樹が掌に緑眼の黄色猫を乗せて話し掛けて来た。耳と尻尾も綺麗、首回りも括れてスマートな所は杏樹を彷彿させる。
「エドに滅多に会えないから、私の分身がエドの傍に遊びに行ってるのもいいかなって」
 驚くエドに、貰ってね♪ と、悪戯っぽく笑ったのだった。
「有難う。杏樹先輩、大事にする!」
 胸が熱くなる。
 皆と運命予報士とでは、共に過ごせる時間が少ないと、先輩は判ってくれてるという事。

「おしは…兎のぬいぐるみのリトル・ノートさんの、まねき兎を作ります…♪」
 白お化けの尻尾にいつも一緒の黒いリトルを乗せる為、丁寧に丁寧に蝋を撫でる忍と菫の様子を見守りながら、真揮も成形していく。
「帽子被ったオレンジ猫が、まきおにーさん。黒い兎さんを連れた猫が、おしちゃん」
 そして、ピンク色でお花被ってる猫が、菫本人。
「可愛らしいのです……♪」
「うん。上手く出来てる」
 小さく三つ別々に作ってしまったので、芯を立てる箇所が無くなってしまったけれど、菫の気持ちが沢山詰まった温かい形。内気な忍もほわっと嬉しそうに、真揮は微笑み、帽子の招き猫をちょんと指先で突いて挨拶したのだった。

 優美奈が南瓜猫を三毛カラーで、目と口も猫っぽい形で作っていると、刀が不気味な西洋の妖怪サンタクロースを作っていた。
「あの…刀さん、サンタさんは聖人…」
 聞こえてません。
 愛用のナマハゲの面をモチーフに悪戦苦闘していた史恵は感嘆し、奮起する。
「刀殿! 何と格好いいのじゃ! ゆみなんは可愛らしく出来ておるのぉ!」
「史恵殿のなまはげは、ゴーストも追い払えそうでござるな」
 三人同士、楽しく褒め合い、励まし合い、せっせっ。
 今年のクリスマスには、これらで飾り付けしようという史恵の提案に、刀と優美奈は嬉しそうに頷き合った。

「今日は色んな種類の猫グッズ見れてホクホク。おこづかい許す範囲でしか買えないのが残念」
 猫グッズを集めていると云うれいあに「本当に猫さんが好きなのですねぇ」と彩華は微笑む。
 れいあは銀色猫、彩華は白く少しピンクに染めたペルシャ猫風招き猫。
 招く手。金運と人運、どっちにしよう?
 目は赤がいいですわ。
 と、お喋りしながら♪

 珀と染谷・水葉は、愛猫そっくりだと溶けてしまう姿を見たくなくて、それなら珀は猫オバケ、水葉は、どんな表情がいいか思案しつつ…アイディアを出しながら作っちゃおうという事にした。
「お父さんの南瓜素敵ー。こっちは不思議な形になりそう」
「前代未聞の猫オバケ……珀なら上手に出来るよ」
 よーし頑張ってみようかな!
 
 その時、皆で楽しく盛り上がっている中、教室の一角で累の爆笑が起こった。
「結構いい感じに出来たと思うんだけど! ……そんなに笑う事ないだろ」
 咲夜がうちの猫をモデルにして、一生懸命に作った猫……のつもり。ほっそりと、柔らかい毛も、先が少し曲がった尻尾も、結局よく判らない雪だるま風に仕上がってしまった。
 無難にぶち模様の左手招き猫を作った累との力量差は歴然。
 でも。
「それも可愛いな」
 しょんぼりした咲夜に、累は夏の太陽の様な笑顔で笑う。
 人を招く招き猫。咲夜に、いい縁を運んで来てくれますように──。
 そう云ってくれた。


「招きイコロ嬢を作るんじゃよ」
「僕は猫より犬顔だと思う…」
 朝日と朔の隣に座るイコロを法眼が観察しつつ制作中。イコロが赤面逃亡一歩手前に、すかさず法眼が自家製金平糖を一袋くれたお陰で大人しくなった。
 年の功というか、見事な釣り具合。
 娘三人、ちょっと休憩に金平糖をぱくっ。
「朔やイコロと仲良ぅなれて、学校が楽しくなったのじゃ。友達が増えれば、毎日が楽しゅうなるものな♪」
「ボクも、また皆と一緒に遊びたいんよ」
 再び作業。
 朔はもなかの無愛想な顔を、それっぽく作りたくて一生懸命、朝日は体温より熱い蝋に「熱い熱い」とぺちぺち形作り。イコロが手伝い成形。
 ルーベットが黒に染めた猫を片手に様子見に来て、「どんな物を作ってるんだ?」と訪ねた。
「僕は雪豹かな。エドのは…さっぱり判らん。何だろアレ」
「ほう?」
 蝋塊は纏める前に冷めるとぽろぽろ分解してくる為、手の体温で丁寧に繋ぎ撫でるのが良いのだが、体温が低いと纏めるだけで苦労する。
 陸王に「手が冷たい」、高斗に「握力ないのか」と両手を握られ、「いてぇー!」とエドが悲鳴を上げていた。
「ふふん。わたしは可愛い顔の招き猫が出来るわよ」
 鼻高々の火蓮に敗北感で打ちのめされたエド。

 徐々に皆のキャンドルが仕上がり中。
 カラーシートを千切り、掌で柔らかくし、眼や口や髭のパーツ付け。白庵は器用に赤マントも細かく、傘を持つ緑で細身の幽霊。彬の黒装束の飼い猫モモそっくりのキャンドルも細部が徐々に。
 赤い首輪に黄鈴、小判だけじゃ淋しいと赤いハートも一緒に抱かせ「お? 良い感じかも♪」と雅は満足げに、最後に先生にコーティングを頼んで完成だ。

 途中、賑わう室内から窓の外を見遣ると、「雨が降って来た」という誰かの声と共に湿る空気が黙々と作る如路の耳と鼻腔に流れ届いた。
 手元の円らな瞳の愛らしい子猫へ目線を落とすと、空色猫の「彼」を思い出す。
 玉砂利を歩く人々の傘が鮮やかに花開く。
 秋の風景が静かに天から降り注いで来たのだ。

 出来た──!!
「ハロウィンの準備はこれで完璧だね!」
 今度二人で火つけようか♪ と、喜ぶ珀と水葉を筆頭に、空汰達もにぱっ♪ 完成品が次々と新聞紙の上に並び、白庵を初め、その個性を見守る全員にお披露目された。
「うむ、強そうに仕上がってござる。満足満足♪」
 刀と優美奈がパチパチ拍手をした。
「…まぁ、ちょっと歪んでおるが……これぞ手作りの温かみというヤツじゃ!」
 史恵の言葉通り、招き猫、オバケ、南瓜、個性豊かなキャンドル達は、この街で出逢えたどの招き猫よりも、風格あり、滑稽であり、愛おしくもあり。
 たった一つの大切な思い出よ、ようこそ。
 自分達の手の中へ。

 最後にエドの作品を見た命と煉侍から御飯を貰った空汰が呟いた。
「……両手上げたハニワかぇ?」
「エドにぃ、りょうてぇ?」
「あ──っ! 俺の応援万歳猫っ!」
 つまり、そういう事なのだ。
 届け、この願い。秋空に。
 世界を守ってくれる皆へ、幸福を招きますように。


マスター:ココロ 紹介ページ
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いまいち
参加者:63人
作成日:2007/10/04
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