にゃんこ、ふたたび


<オープニング>


 ――にゃぁぁぁぁぁぁぁぁーん♪

 人里からはなれた森のなか。
 なんか、かわいいにゃんこの鳴き声が聞こえてきました。
 おや、その声につられてか、イノシシさんがノシノシと聞こえてくるところへ歩いていきます。
 茂みをぬけ、ちょっと広い場所にたどりついたイノシシさん。
 そこには……にゃんこ。
 とてつもなく、でかいにゃんこ。
 体(特に横方向)もでかけりゃ、手もでかい。
 そう、この超おっきなにゃんこは妖獣なのです。

 ――にゃぁぁぁぁぁぁぁぁーん♪

 また、にゃんこ妖獣のかわいい鳴き声。
 そして、大きな左手でイノシシさんを招く仕草をしました。
 すると、ふらふら〜とイノシシさんはにゃんこ妖獣に近づいていき……。

 ――ベチッ☆

「また、にゃんこの妖獣があらわれたんだよー!」
 能力者さん達が集まっている教室に、長谷川・千春(中学生運命予報士・bn0018)ちゃんがドタドタとあわてて入ってきました。
 いそいでメモ帳をペラペラとめくり、おしごとのおはなしをします。
「ぶっちゃけいって、招き猫! しかも、すごーくおっきいんだよ! なんたって、全長五メートル!」
 千春ちゃんが手をあげて人を招くしぐさをしながら、にゃんこ妖獣の説明をしました。
 すごくでかいです。
 こんなのに叩かれたらひとたまりもありません。
「このにゃんこ妖獣はかわいらしい鳴き声で獲物をさそって、近付いてきたら必殺ねこパンチ! こんなおっきな体から繰り出されるパンチを受けたら、もうお星さまになっちゃうくらいぶっ飛ばされるから注意してね!」
 にゃんこ妖獣の鳴き声を聞くと、ふらふら〜とにゃんこ妖獣に近づきたくなってしまいます。
 えぇ、にゃんこ妖獣もかわいいですし、そのふくよかな体もふわふわもこもこで魅力的で、おっきな手のにくきゅうもたまりません。
 で、近づいたところに、そのおっきな手でバシッ! とブン殴られるというコンボ。
 これは気をつけなくてはいけませんね。
「にゃんこ妖獣はあまりにもおっきくて、自分では動けないんだよ。だから、人里からはなれた森のなかで動物を招いて、その残留思念を食べているってわけ。これ以上、動物がやられないように、森に行ってにゃんこ妖獣をやっつけてきてね!」
 にゃんこ妖獣はおっきすぎて動けないようです。
 人里に来る心配はないようですが、動物さんやもしかしたら森に来た人が被害にあうかもしれません。
 そうなる前に、にゃんこ妖獣をやっつけるのが今回のおしごとです。

「いままでもこんな妖獣がいたけど、強さも、かわいらしさも、ふわもこ度も当社比五割増しって感じで、かなり強敵だから注意してね!」
 けっこう強そうな感じですね。
 しかも、かわいらしさやふわもこ感も増量とは……これは、とてつもない凶器です。
 注意しながら、がんばろー! ということで、千春ちゃんは両手をおおきくふってにゃんこ妖獣退治に出かける能力者の皆さんを見送りました。

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参加者
シェル・スフェアイト(小学生魔剣士・b16698)
シルフィア・クロス(白紫幻奏・b19633)
郁雨・優奈(全力全壊・b20764)
綾織・言乃(中学生ヘリオン・b22496)
谷繁・碧(虎猫娘・b28335)
九十九・刃(白髪魔獣・b28957)
ユーリ・クライスラー(小学生ヘリオン・b31504)
セイカ・セイングラント(小学生白燐蟲使い・b31513)



<リプレイ>

●巨大にゃんこ、あらわる
 十一月に入り、お外も寒さを感じる時期になりました。
 そんな中、元気に人里はなれた森の中へ入っていくみなさんがいます。
「ここにおっきな猫さんがいるんですね〜。とってもたのしみです〜♪」
「巨大な体らしいから、ふわふわもこもこですごそうだね。もふもふし甲斐がありそう」
 なかよくならんで歩くセイカ・セイングラント(小学生白燐蟲使い・b31513)ちゃんとユーリ・クライスラー(小学生ヘリオン・b31504)くんが、楽しそうにおはなしをしています。
 この森におっきなにゃんこの妖獣がいるそうですが、彼らはその妖獣を退治しにきた能力者のみなさんです。
 ですが、ちょっと様子が変です。
 テンションが高いというか、楽しそうな雰囲気なのですが……。
「五割増しのかわいさと聞けば、だまっていられません」
 グッ! とこぶしを握る綾織・言乃(中学生ヘリオン・b22496)ちゃん。
 全力でもふもふしますが、何か? といった雰囲気を漂わせながら森の中を進んでいきます。
「当然、ふわもこを堪能するしかありませんですねぇ」
 グッ! シルフィア・クロス(白紫幻奏・b19633)ちゃんもごぶしを握ります。
 みなさん、にゃんこスキー、かわいいものスキーのようですね。
 運命予報士のおはなしによれば、この森にあらわれたにゃんこ妖獣は、かなりかわいいそうです。
 しかも、おっきい分、体がふかふかで手触りがすごいという……でも、強さも五割増しなので、気をつけないとけがしちゃいますよ?
「でも、サイズがおっきいと……うーん。もうすこし、ちっちゃければもっとかわいいんだけどな」
 シェル・スフェアイト(小学生魔剣士・b16698)ちゃんは、全長五メートルというにゃんこ妖獣のおおきさを気にしていましたが、そこに『おおきい=つよい』という概念はないような感じでした。
 ちょっと心配です。
「ふわもこ……にゃんこ……」
 なにやら吐息をしつつ、森の中をつき進んでいく谷繁・碧(虎猫娘・b28335)ちゃん。
 ヤル気まんまんといった感じですが、手がちょっとあやしい動きをしていました。
 どうやら、違う方向でヤル気十分といったところ。
「さすがに巨大土鍋は手に入らなかったのです」
 なぜか手に土鍋を持っているのが郁雨・優奈(全力全壊・b20764)ちゃん。
 いったい、何をする気なのでしょう?
 何か、とある作戦を考えていたようですが、おっきなおっきな土鍋はお店を回っても見つけることができなかったようです。
「どんなに愛らしい猫の姿をしていても、所詮は妖獣! 五メートルなんてデカブツなんか全然かわいくねぇ!」
 と、自分に言い聞かせながら気合いを入れているのが九十九・刃(白髪魔獣・b28957)ちゃん。
 運命予報士のお話では、獲物を愛らしい声で魅了しておびきよせ、うっとりしているところを必殺のねこパンチでぶっ飛ばすという恐ろしい妖獣のようです。
「ふわもの、にゃんこ〜」
「十分、堪能させてもらいますよー!」
「に・く・き・ゅ・うもわすれてはいけません」
「全力でもふるのです」
「ふわふわ……もふもふ……はふー」
「ここの猫はどんな種類なんだろうね。見るのが楽しみ♪」
「おうちに連れてかえりたいのですけど……さすがに無理なのです」
 でも、緊張感が足りないこの御一行様。
 はたして無事に、にゃんこ妖獣を倒すことができるのでしょうか……。

●作戦名『もふもふ大作戦』
 イグニッションを完了し、しばらく森を散策していた能力者のみなさま。
 と、唐突になにやらかわいい鳴き声が聞こえてきました。

 ――にゃぁぁぁぁぁぁぁぁーん♪

 どうやら、にゃんこの鳴き声のようです。
「を、いたいた……ふわもこだな」
 刃ちゃんが恐る恐る声がする場所に近づきます……。
 茂みの中をかきわけて、奥に進むと……そこにご立派な体型のにゃんこ妖獣が、ででーんと構えていました。
「ふわもこにゃんこ……あうぅ……」
 手で人を招くようなしぐさ、愛らしい声、ふくよかな体型からくるふわもこ感……とてもゴーストとは思えないチャーミングなにゃんこ妖獣。
 シルフィアちゃんはもう、がまんできないといった様子でしたが、なんとかがまんしているようです。
「うーん、三毛の毛並みか。スタンダードだね。でも、とってもふわふわもこもこでパラダイスな予感!」
 ユーリくんはちょっと興奮気味。
 でも、ぶっ飛ばされたときの保険にリフレクトコアを召還して、戦いに備えます。
「やっぱり、ちょっとおおきいかな……でも、その分いろいろできそう」
 旋剣の構えを取るシェルちゃん。
 大きい分、叩かれたらイタイから、注意しています。
「こんなにおっきいと、やっぱり無理のようです」
 土鍋を抱えつつ、魔弾の射手で魔力を増幅させる優奈ちゃん。
「ふわもこにゃんこ……でも、仕方無い……」
 碧ちゃんが構えると、にゃんこ妖獣は目をキラーンと輝かせて……。

 ――にゃぁぁぁぁぁぁぁぁーん♪

 甘い鳴き声と共に、能力者さん達を招きます。
「だ、だめ……」
 耳を塞ぐ人、視線を逸らす人、魅了されないように必死に抵抗する能力者さん達。
 でも……。
「ネコさん……ふわもこー」
 にゃんこ妖獣の方にふらふら〜と歩いて行く人がいました。
 言乃ちゃんです。
 どうやら、にゃんこ妖獣の愛らしい鳴き声に魅了されてしまったようです。
「待て、ふわもこー! やるなら俺をやれ!」
 そんな言乃ちゃんをかばおうと、刃ちゃんが飛び出します!
 すると、再びにゃんこ妖獣の目が輝いて……。

 ――ぺちこーん☆

「ぐはっ! ナイスパンチ、ふわもこ……!」
 必殺のねこパンチ炸裂!
 刃ちゃんはお星さまになるくらいの勢いで、どっか飛んで行っちゃいました。
「はっ、私はいったい何を……」
 言乃ちゃんは怜央くんの赦しの舞で正気に戻りました。
 でも、すぐそばには言乃ちゃんを見下ろすにゃんこ妖獣が……。

 ――にゃぁぁぁぁぁぁぁぁーん♪

 くいくいっと、手招きをするにゃんこ妖獣につられ……。
「ふ、ふわふわもこもこ……」
 再び言乃ちゃんはにゃんこ妖獣に近づき、がばっとそのふくよかな体に飛びついてしまいました。
「またかいな!」
 怜央くんが叫びます。
 でも、言乃ちゃんはしあわせそう。
 しかし、にゃんこ妖獣は目を光らせて……。

 ――びったーん☆

「はぅ……必ず戻りますから、毛皮を洗って待ってなさい……」
 ダイナマイトなにくきゅうの強烈なビンタを食らった言乃ちゃんは、お星さまになってしまいました。
「普通の猫さんなら、飼いたいです、のに……」
 珠果ちゃんは赦しの舞で飛んでっちゃった言乃ちゃんを癒します。
「痛いの痛いの、お山の向こうに飛んでけですよ〜!」
 セイカちゃんも白燐奏甲で傷ついた仲間を癒していきます。
「なんて破壊力バツグンなんだろう……」
 いろいろな意味で、ユーリくんはその破壊力に茫然。
 そうしている間にも、にゃんこを堪能するためならー! と突撃していった碧ちゃんがお星さまになってたりします。
「思ったよりやるなぁ」
 仲間を守ることに専念しているシェルちゃんですが、今の状況じゃちょっと厳しいといった感じの表情をします。
「それなら……」
 シルフィアちゃんは眠りを誘う歌声を森に響かせました。
「……あとでゆっくり楽しませていただきますですよ!」
 その声はにゃんこ妖獣を瞬く間に眠りの世界へと誘います。
「ふふふ……うまくいったのですよー!」
 シルフィアちゃんは、にゃんこ妖獣が眠ったのを確認すると猛ダッシュ!
 勢いよく飛びついて、ふわもこを堪能します。
「にくきゅうもすごいですよー♪」
 そして、足を持ち上げてにくきゅうをプニプニ。
 うわさどおりのふわもこ度に大満足のシルフィアちゃんでした。
「ちょっと痛かったですが、あれはあれでよかったです」
 言乃ちゃんもふわもこを堪能するために、にゃんこ妖獣へ抱きつきます。
 殴られたら痛いけど、さわってみると手のにくきゅうもいい感じです。
「あれだよね、もうこれだけで憎めなくなるよね……」
 思いっきりぶっ飛ばされた碧ちゃんも満足げにもふもふします。
 痛みなんかどっかに飛んでってしまいますね。
「ふわふわでもっこもこ〜♪」
 シェルちゃんはおおきな体に寝そべってみたりしています。
 なんか、もう、このまま寝てしまいそうな気持ちよさですが、寝ないように注意です。
「これはさすがに真似できないです……」
 なにやら、密かにもふり猫(?)としての対抗心を持っていたらしい優奈ちゃんは、この体全体を包み込む癒し感覚に怯んでる様子。
 ですが、もふもふを堪能すると、にゃんこ妖獣の頭の上に土鍋を置き、自分が猫変身してその中に入ってみたりします。
「優奈先輩、それかわいいっ!」
 ユーリくんはにくきゅうをたっぷり堪能しつつ、もふりタイムを満喫。
 それは、もう、素敵なシークレットヘヴン。
「もふもふふわふわ……おうちにつれて帰りたいのです〜♪」
 セイカちゃんはにゃんこ妖獣のおなかあたりをもふもふ。
 かわいく眠る姿に自分もとろーんとしてきちゃいます。
「もう、もふもふタイムは終わりみてぇだぜ!」
 かわいくても、妖獣は妖獣! と自分に言い聞かせていた刃ちゃん。
 でも、密かにその寝姿に和んでしまっていたのは秘密です。
 そうしている間に、にゃんこ妖獣は目を覚ましてしまいました。
「いっきに畳みかけるぜ!」
 獣撃拳でにゃんこ妖獣を攻撃する刃ちゃん。
「惜しいですが、仕方ありません」
 起きたばかりのにゃんこ妖獣に次々と攻撃をしかける能力者のみなさん。

 ――ふぎゃぁぁぁ!

 能力者のみなさんの総攻撃で、にゃんこ妖獣はついに倒れました。

●戦い終わって
 最近は日が暮れるのもはやくなりました。
 辺りはもう薄暗くなっています。
 優奈ちゃんはにゃんこの姿のまま、みなさんの様子を見ていました。
 そして、しばらくすると振り向いて、にゃんこ妖獣がいた場所を見つめます。
(「生まれ変わったら普通の猫さんになってくださいです……」)

「えへへ、十分に堪能できたし、そろそろ帰ろっか」
 シェルちゃんは満足げな表情で帰り道を歩いていました。
「勝つには勝ったけど、かわりに何かかけがえのないものを失った気がするんだ……主にふわもこ」
 碧ちゃんは隣で溜息を吐きつつ、名残惜しそうな表情をしています。
「うぅぅ……残念ですけど、しかたないですね……」
 シルフィアちゃんも残念そうなお顔をしていましたが、帰ったらあの感触のぬいぐるみをつくろうと思いました。
「私も帰ったら、もふもふ感そのまんまなおっきな猫さんのぬいぐるみ買おうっと……」
 セイカちゃんも同じ考えのようでした。
 極上のふわもこ感はよい思い出です。
「今度は普通の猫さんに生まれて欲しいな」
 ユーリくんの言葉にみんな「そうだね」と頷きます。
「できれば大きな姿そのままで!」
 それは無理ですよ、ユーリくん?

 これで、ひとつの妖獣退治のおはなしはおしまいです。
 おつかれさまでした。


マスター:えりあす 紹介ページ
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知的 ハートフル ロマンティック せつない えっち
いまいち
参加者:8人
作成日:2007/11/15
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冒険結果:成功!
重傷者:なし
死亡者:なし
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