冬の味覚


<オープニング>


 真っ白な雪降りしきる冬の海。
 激しく荒れ狂う波間に顔を覗かせた『それ』は、表面がでこぼことした赤黒いグロテスクな姿をしていた。
 成人男性の腿ほどもある太い脚を不気味に蠢かせ、酷く緩慢な動きで浜辺に上がる。

 ぶくぶく、ぶくぶく、ぶくぶく、ぶくぶく……。

 白い泡を吹きながら鋭い爪を振り上げた巨大タラバガニは、海辺の集落を目指してのそのそと移動を始めた。

「冬なんだからしょうがないとはいえ、最近は特に寒い日が続くねぇ」
 うんざりとした声で言いながら教室に入って来た霧里・優雅(中学生運命予報士・bn0127)が、冷えて白くなった両手を胸の前で擦り合わせる。
 呼び出した能力者たちが全員揃っているのを確かめると、優雅は上着のポケットに忍ばせておいたメモ用紙を取り出した。
「えーっと……どこでどう大きくなったものか、とある港町の海岸に巨大タラバガニの妖獣が現れたそうだよ」
 メモに書かれた単語を目で追いながら、いつも通りののんびりとした口調で説明を始める。
「この妖獣は、前にも何度かたまたま海に遊びに来ていた人を襲ったことがあるらしくてねぇ。まんまと味をしめた、とでもいうのかな。さらなる残留思念を求め、町の中心部に向かってるみたいだ」
 優雅の言うようにタラバガニ妖獣は既に移動を開始しており、能力者たちが現地に到着出来るであろう時間──夕方の6時頃には、町の外れにある民家の裏まで到着してしまっているらしい。
 そこは数年前から空き地になっており、学校のグラウンドほどの広さがある。周りには他に民家はなく、巨大な妖獣を相手にするにはうってつけの場所といえよう。
「民家にはおじいさんとおばあさん、80歳を過ぎた老夫婦が住んでるんだけどね。5時半に夕食を済ませると、玄関の鍵を掛けて外出も一切しないことにしてるんだって。おまけに、二人ともかなり耳が遠いらしいんだよ」
「……つまり、我々が少しくらい暴れても気付かれる心配は無い、という訳だな」
 それまで静かに優雅の話に耳を傾けていた華宵・瑠璃花(紅薔薇の剣士・bn0080)が、相槌を打つ。たとえ戦闘を見られたとしても世界結界の効果で何とでも誤魔化すことは可能だが、何も気付かれないに越したことはない。
「次に妖獣についての補足なんだけど……タラバガニって正確にはカニじゃなくヤドカリの仲間だから、ちゃんと前に向かって歩くんだってね」
 今まで少しも疑うことなく横歩きするものと思い込んでいたと、優雅は素直な驚きを口にした。
 敵の攻撃手段は大きな左右の爪と、口から吐き出す白い泡。爪はそれだけで長さが1メートル近くあり、うっかり挟まれでもしたら、たとえ能力者でも無傷ではいられないだろう。
「泡には毒の効果があるから、触れないように気をつけて」
 そう注意を促した後、優雅は万が一を想定し、毒を癒す手段も用意しておいた方が賢明かもしれないと付け加えた。 

「とまぁそこそこ手強い敵ではあるけど、その巨体がゆえに動きもそんなに早くはないしね。キミたちなら、難なく倒せるんじゃないかと……あー、そうそう。そこの港町って、冬場はカニ漁で有名なトコでねぇ。美味しいカニ鍋や焼きガニを出す温泉宿もあるし、依頼が終った後、みんなで泊まってくるといいよ」
「カニに温泉、か……」
 宿の予約は入れておくからと気前よく言う優雅に、それは楽しみだと思わず瑠璃花も口元を綻ばせる。
「何の罪もないおじいさんやおばあさんに被害が及ばないよう、そしてキミたち自身も後のおたのしみを存分に満喫出来るよう、頑張ってきてくれたまえ」
 お土産話を楽しみにしてるよと笑い、優雅は教室を出て行く瑠璃花たちの背に手を振った。

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参加者
風野・夜彦(赤ネクタイと狙撃銃・b03754)
橘・右京(黒雷帝・b25711)
宿木・夕葉(祭囃子・b28852)
小蓋・裕太(アルバイター魔剣士・b30251)
月乃・星(中学生霊媒士・b33543)
儀水・芽亜(共に見る希望の夢・b36191)
ノエル・ライカンスロープ(中学生クルースニク・b37111)
司狼・朱鷺親(高校生魔剣士・b37959)
NPC:華宵・瑠璃花(紅薔薇の剣士・bn0080)




<リプレイ>

●食えないカニ
 能力者たちが各々手にした灯りが、夕暮れの海岸を淡く照らし出す。
 低く垂れ込めた雲からはちらちらと粉雪が舞い降りているが、幸いにも地面に積もるほどではない。
「カニカニー♪ 冬は、やっぱしお鍋かなっ! カニ鍋ー……おいしそう」
「……蟹(ぽわ〜ん)」
 早くも依頼終了後のお楽しみであるカニ三昧に思いを馳せ、今にも涎を垂らさんばかりな宿木・夕葉(祭囃子・b28852)。カニ鍋初体験の月乃・星(中学生霊媒士・b33543)も、まだ見ぬご馳走に妄想を膨らませた。
 そんな夕葉たちの姿を微笑ましく眺めていた司狼・朱鷺親(高校生魔剣士・b37959)が取り出したのは、LEDライトの付いたヘルメットだ。
「ちぃとカッコ悪いが、仕方ないか」
 こんなときに見栄を張ってもしょうがないと開き直り、それをすっぽりと頭に被る。ライトのスイッチを入れ、朱鷺親はタラバガニ妖獣がいると思しき空き地へと光を向けた。
「お……」
 薄闇に浮かび上がる、不気味に蠢く巨体──……果たして、ヤツはそこにいた。

 だらしなくぶくぶくと白い泡を溢れさせた妖獣は、呆れるほど緩慢な動きで老夫婦の住む家を目指して移動を続けている。
「うげっ、近くで見ると以外にグロテスクだな……」
 両手に提げたランプで敵の姿をかざし見た風野・夜彦(赤ネクタイと狙撃銃・b03754)が、堪らず口をへの字に曲げる。対照的に何だか楽しげな様子のノエル・ライカンスロープ(中学生クルースニク・b37111)は、藍色の瞳をわくわくと輝かせた。
「カニが前に進むなんてすごいね、カルチャーショックってやつだね! ……あれ? なんか違う?」
 頭の上に大きなクエスチョンマークを浮かべた後、ま、いっかと誤魔化すように照れ笑い。
「……あれ、食べられたらいいのに……」
「えぇっ? 妖獣って食べられないの〜!?」
 あんなに大きなカニなら、さぞや食べ応えがあるに違いない。実に惜しいことだとでも言いたげに洩らした星の声には、ぷぅと愛らしく頬を膨らませて。それでもすぐに立ち直ると、ノエルは元気よく仲間たちを促して言う。
「なーんだ、まぁいいや。早く倒して、みんなでふつうのカニをたべよっ」
「確かに、カニなんて滅多に食べられる食材じゃありませんからね。早々に退治してしまいましょう」
「……がんばる」
 それぞれイグニッシッションした小蓋・裕太(アルバイター魔剣士・b30251)や橘・右京(黒雷帝・b25711)も決意を口にし、すらりと日本刀を鞘走らせる華宵・瑠璃花(紅薔薇の剣士・bn0080)と共に妖獣の後を追った。

●折って砕いて焼き上げて
 強い光源は周囲の目につく危険性を増すだけだという星の忠告を受け、最低限の照明を使うに止どまった薄暮の空き地。しばらくすると自然に闇に目が慣れ、敵の位置や地形を全員が問題なく把握出来るようになっていた。
「庶民の夢、高嶺の花のタラバガニも、これだけ育てば見苦しいとしか言いようがありませんわね。綺麗さっぱり気持ちよく、後腐れの無いよう微塵に解体して差し上げます」
 前衛と後衛に分かれた仲間たちがそれぞれの持ち場に散ったのを確認したところで、儀水・芽亜(共に見る希望の夢・b36191)が自らの声を響かせて夢の力を解放する。芽亜の発動させたサイコフィールドは、すべての能力者にガードアップの効果を与えた。
 続けて裕太と朱鷺親が旋剣の構えを使い、ノエルも自らに魔弾の射手を施して攻撃力の向上に努めた。
「一番槍、風野夜彦だ! 喰らいやがれ!!」
 何としても、老夫婦の住む民家を襲わせる訳にはいかない。
 妖獣の注意を惹きつけるべく敵前に飛び出した夜彦の両手には、それぞれ長剣と丸盾が握られている。夜彦は長剣を振り上げ、勢いよく甲羅めがけてロケットスマッシュを撃ち込んだ。
「うっ……」
 ぐわんと、全身にまで響くような衝撃が腕に走る。
 思っていた以上に、妖獣の甲羅は硬くぶ厚いようだ。吹き飛ばすつもりの相手は悠然とその場に留まり、反対に夜彦の方が大きく吹き飛ばされてしまった。
「くそっ。ダシも取れねぇなら、綺麗さっぱり消えちまえっての!」
 したたか地面に腰を打ちつけた夜彦を背に庇うようにして立つ朱鷺親が、黒影剣を纏わせた日本刀を持って果敢にも斬り込んでゆく。
「回復は、お任せ下さいませね?」
 後に残された夜彦に向けて芽亜が涼やかな癒しの歌を響かせると、打撲の痛みはたちまち綺麗に消え去った。
「みなさん、くれぐれも毒の泡には気をつけて下さい」
 用心深く毒泡を避けつつ、横からの攻撃に徹しようとする裕太の長剣と陽極刀『比翼・式継』もまた闇のオーラに包まれる。裕太は、一撃毎に確実に敵の生命力を削ぎにかかった。
「華宵さん!」
 瑠璃花にも、反対側に回って攻撃に加わってくれるよう指示を出す。
「うむ、了解した」
「援護する……」
 裕太に言われるまま二本の剣を振るう瑠璃花の後方、右京の放った十字架型の紋様が敵を追尾し始める。ほどなく標的をロックオンした右京は、派手な銃撃音と共にウルティマレシオヘカート・コマンド+をぶっ放した。
「いっきまーっす! ……にゃは★」
 夕葉の放った牙道砲はタラバガニの巨体を吹き飛ばすまでには至らなかったが、右側の脚の付け根辺りにダメージを与えることには成功したようだ。
「蜂の巣になっちまいな」
 右京や夕葉に続けとばかりに戦列に復帰した夜彦がパレットレインを浴びせかけると、もがれた脚が吹き飛び、粉々に砕けて散った。
「うはー(じゅるり)」
 辺りに充満するカニの匂いに、堪らず夕葉が口元を拭う。
「……やっぱ、食べちゃだめ?」
 ノエルも未練たっぷりに指さしたが、答えは当然NOである。
 こうなったら、やるべきことはただひとつ。
「さっさと倒すよ! カニのために!」
 ノエルの手の中でフロストファングの力を宿した長剣が、空を切って唸る。
「……カニならぬタコ殴り、ね」
 ぼそりと呟いた星も雑霊弾を撃ち出し、ノエルに加勢した。星の前には彼女の使役ゴーストであるスカルサムライが立ち、あるじを守るように日本刀を振るい続けている。
 ぶくぶく、ぶくぶく、ぶくぶく、ぶくぶく……。
 更に量を増した毒泡が、白い飛沫となって辺りに散る。
「毒は、嫌……」
 【黒謳】の袖を翻し、右京が後ろに飛び退る。
 痛みにもがくタラバガニは爪を振り回して暴れたが、右京をはじめとする能力者たちはその動きを見切って一斉に距離を取り、あっさりと難を逃れた。
「そのでっかい剪、なんだかむかつきますの」
 自らの得物である裁断鋏 『Gemeinde』と見比べ、キッと唇を噛む芽亜。
「どちらの鋏が上か思い知りなさい、食用甲殻類!」
 動きの鈍った瞬間を狙い、敵の懐に飛び込んだ芽亜の『Gemeinde』が、妖獣の巨大なカニ爪に食い込む。
 その小さな身体のどこに、それだけの力があるというのだろうか。芽亜が両腕に力を込めると、爪は呆気なく根元から断ち切られて地面に落ちた。
 一方の爪を失い、バランスを崩した妖獣の身体が横に傾く。
「今だ!」
 止どめを刺す好機だと掛けた瑠璃花の声に、裕太は両手の剣を構え直した。
「少しばかり早いですが、焼きガニといきましょう!」
 陽極刀『比翼・式継』に、凝縮した妖気を具現化させた炎が宿る。
 と、そのとき。
「させるかっ」
 最後のあがきとばかりに裕太を狙って飛んできた毒の泡を夜彦が丸盾で食い止め、颯爽と受け流す。
「ありがとうございます、風野さん」
 夜彦の機転に謝意を述べた裕太がひと息に甲羅を斬り下げると、全身を魔炎に包まれたタラバガニ妖獣は紅蓮の向こうに倒れ込み、残った脚を空しく痙攣させた。

「……お疲れ様」
 共に戦ってくれたスカルサムライの手を握り、その労をねぎらった右京が、イグニッションを解く。
「これ、食べられないの残念だにゃー……」
 こんがりを通り越して真っ黒な炭になりつつも、辺りに香ばしい匂いを漂わせるカニの残骸。それを心底残念そうに見上げた夕葉だが、次第に妖獣の姿はぼんやりと薄れ、やがて跡形もなく消え去ってしまった。
 ここで若者たちが騒いでいたらしい風を装うため、季節外れの花火の燃えカスや適当なゴミをバラ撒く裕太の傍らでは、夜彦が不自然な戦闘の痕跡は残っていないかと仔細に調べて回っている。
「ふぃー、ようやく片付いたか」
 撤収準備完了。
 去り際に老夫婦宅の前を通りかかった能力者たちは、何も知らぬげに灯る家の明かりを少し誇らしげに眺め、胸の奥がほっこりと暖かくなるのを感じた。

●カニ・かに・蟹三昧
 予報士の優雅から紹介された温泉宿は、老夫婦の家から少し歩いた海岸沿いにあった。小さいながらも趣のある露天風呂が自慢だそうで、旅館に到着するや否や、夜彦と朱鷺親は荷物の整理もそこそこに噂の露天風呂へと足を伸ばした。
「一仕事終えた後の風呂はいいねぇ」
「あ゛ーーーー、生き返るねぇ」
 黒い岩の湯船に浸かり、頭にタオルを乗せて寛ぐ朱鷺親の姿は、どこからどう見ても中年のおっ……げふげふ。
「ボエー♪」
 あまりの気持ちよさに、呑気な鼻歌まで飛び出す始末。すっかりご機嫌な調子の朱鷺親は、手足がふやけるまで存分に長風呂を満喫した。

 宴会場のテーブルにずらりと並べられた、カニ! カニ! カニ! のカニ尽くし。刺身に天ぷら、焼きガニ、茹でガニ、カニサラダ……もちろん、メインは魚介類と野菜たっぷりのあつあつカニ鍋だ。
「わーい! 今度こそカニカニ! たくさん食べるよ〜!」
 ジュースとウーロン茶での乾杯の後、早速茹でたてのカニ爪にかぶりついたノエルの顔に、満面の笑みが浮かぶ。
「うぅ、カニなんて食べたのいつ以来だろう……美味しい……」
 天ぷらにした脚肉の甘さに感動した裕太は、口いっぱいの幸せをしみじみと噛み締めた。
「…………」
 カニを目の前にすると人は皆寡黙になるというが、普段から口数の少ない星は、完全ともいえる沈黙モード。ただただ一心不乱に、黙々とカニとの格闘を続けている。だが、何やらちょっぴり様子がおかしいような……?
「蟹蟹蟹〜……ん? あらら、大変」
 星の紹介で宴会に加わった竜桜院・エレナ(小学生コミックマスター・b32417)が、いち早くそれに気づいて箸を置く。
 カニを食べるのはこれが初めてという星は身を取り出す方法が分からず、あろうことか殻ごと噛み砕こうとしていたのだ。
「先輩、いいですかー? 蟹というのはですねー……」
 小学生とは思えぬきちんとした所作でレクチャーを始めたエレナが、専用のハサミを使って器用にカニを捌いてゆく。
「はい、どうぞー」
「……ぉー……」
 殻と同じ形を保ったまま、ぷりっと押し出された脚肉が美しい。まるで手品のような見事さに目を丸くし、星は思わず感嘆の声を上げた。

「お疲れさん」
 ねぎらいの言葉と共に、空になった瑠璃花のコップにジュースが注がれる。ふと顔を上げると、そこには夜彦のいつになく優しい顔があった。
「あ、ああ。風野先輩も、な」
 互いに心地良い疲れを感じつつも、交わされる穏やかな笑みと笑み。共に力を合わせて依頼に取り組んだ戦友同士、二人の間に芽生えた信頼の絆が見えるようだ。
「ほらほら、これ超おいしーよぉ。食べて食べてぇ」
 ここぞとばかりにカニを口いっぱいに頬張った夕葉が、夜彦と瑠璃花の碗にもカニ鍋の具を山盛りにして勧める。
「あっ! 芽亜おねーさんもどうぞなんだよぉ」
「ええ、ありがとう」
 食事というものに一切執着がなく、サプリメントや野菜ジュースですべて事足りると考える芽亜だが、夕葉の好意を無碍に断るほど野暮ではない。淑女然とした態度でにっこり礼を言い、宴の雰囲気を心から楽しんだ。

●乙女の悩み
「……ふぅ」
 僅かに塩分を含んだ泉質は、身体を芯からじわじわと温めてくれる効果があるらしい。そっと宴会を抜け出して露天風呂までやってきた右京は、小さなお盆に乗せた和菓子とジュースを浮かべ、のんびり肩まで湯に浸かった。
 他人とのコミュニケーションが苦手な右京にとり、他にひと気のない女湯で過ごす時間はこの上ない至福といえた。だが、いつまでも一人ぼっちはつまらない。
 寂しいかも……とぽつりと洩らしたところへ、がやがやと賑やかな声が近づいてくる。ややあって脱衣所に現れたのは星とエレナ、夕葉、芽亜、それに瑠璃花を加えた総勢5名の女性陣だった。
「……むにゃむにゃ」
 美味しいカニを思う存分食べまくり、すっかり満腹になって睡魔に襲われた星が、眠そうに目をこする。そんな星を半ば強引に温泉に連行してきたエレナは、てきぱきと星の服を脱がせにかかった。
「……むにゃむにゃ、んー」
 裸にされてもなお、意識ははっきりとしないようだ。もともと羞恥心はあまりないらしく、タオルも巻かずにほてほてと湯船に向かって歩き出した。
「ほら、風邪を引くぞ」
 足元がおぼつかない様子の星を心配した瑠璃花が、後ろから追いかけてバスタオルを羽織らせる。
 今回の依頼に参加した女子の最年長である瑠璃花は背だけはひょろりと高かったが、凹凸の少ない身体は今ひとつ、いや今ふたつくらい女らしさに欠ける。はっきり言って、色気ゼ……。
「……ん?」
 すわ、覗きかっ!?
 何かしら視線のようなものを感じ、きょろきょろと辺りを見回す瑠璃花。
「あ……」
 ひと足先に湯船に入っていた芽亜と目が合う。
「べっ、別に瑠璃花さんのスタイルが気になって見ていた訳ではありませんわっ」
 茹でガニのように顔を真っ赤に染め、芽亜はぶくぶくと湯の中に顔を沈めた。


マスター:水綺蒼猫 紹介ページ
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楽しい 笑える 泣ける カッコいい 怖すぎ
知的 ハートフル ロマンティック せつない えっち
いまいち
参加者:8人
作成日:2008/02/10
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冒険結果:成功!
重傷者:なし
死亡者:なし
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