卒業旅行2008〜アパラチアの森の中で


<オープニング>


『高校3年間の思い出を胸に、卒業旅行に行きませんか?』
 様々な旅行会社のパンフレットがあなたの目に入る。
 長い春休み、試験やしがらみを忘れてふらりと旅に出るのもいいかもしれない。
 早速手に取ったパンフレットにはヨーロッパ風の城館と、山裾が青く霞む、美しい自然の風景が載っていた。

 アパラチア山脈は合衆国南東部に広がり、ブルーリッジパークウェイと呼ばれる観光道路がテネシー州からヴァージニアへと続いている。
 標高は大したことないが、一歩道路を離れれば手つかずの大自然に触れることができる。シャクナゲのトンネル、自然にくり抜かれた巨岩など風光明媚な場所は多い……パンフレットはそんな説明で始まっていた。あなたの視線は美しい自然に囲まれた貸別荘で仲間と楽しく過ごす、という文字に吸い寄せられる。


 この旅行のメインは自然の懐で過ごす一日だ。まずは近くの町で鉄道王の城館を見学し、おみやげをゲット。売っているものは菓子類、館の葡萄園特製の葡萄ジュース、陶器、ハンドメイドの木のおもちゃ、アクセサリーなどなど。
 買い物に興味がなければ、広大な敷地内には冬枯れの庭園、白鳥が遊ぶ湖もあるから、遊歩道を散策してもよい。

 その後は森の中のログハウスにステイし、日常から切り離された時を楽しむ。この貸別荘にはリビング、ダイニング、キッチン、一度に数名はいれるジャグジーつきのシャワールーム、寝室が4つある。各ベッドルームは広く、簡易ベッドと予備の寝具も自由に使用可能だ。

 眺めのよいデッキには木のテーブルとチェア、二人がけの木製のスウィング(ブランコ)がある。霧に沈む山脈や夜には星を眺めるのもロマンチックだ。暖かくして森の中を散歩することもできる。
 赤々と燃える暖炉、手が届きそうな星々、思い出に残る夜が過ごせるだろう。
 夕食は自炊。皆でグリルを囲み、アツアツのステーキを頂こう。
 アーリーアメリカン風のキッチンにはモダンな設備が揃っている。材料は準備されているし、オーブン、冷蔵庫、電子レンジ、コーヒーメーカー等も使用可能だ。サラダやスープ、デザートなどを作って添えるのも楽しいだろう。

 あとは暖炉の火を見つめながら思い出話に花を咲かせるもよし、これからを語るもよし。
 どのように楽しむかはアナタ次第、なのです。
 英語? ……まあ何とかなるでしょう、きっと。


 飲酒喫煙イグニッション、本業能力の使用は禁止。残念ながら使役ゴーストも登場させられません。
 おみやげは荷物にならない程度に、一人お一つ発行します。

 学生生活を締め括る思い出の旅……一緒に行く仲間と思い切り楽しみましょう。

マスターからのコメントを見る

参加者
風見・莱花(白薔薇の令嬢・b00523)
アキシロ・スチュワート(幽霊屋敷の執事・b01500)
九十九・弥勒(黒鵺・b01621)
外邑・ひかる(シチュティ・b02060)
神無樹・餞(祈らぬハイリゲ・b04182)
凶峯慈・圭(宵夜行玄僧曲・b04392)
久遠・ビオ(高校生ファイアフォックス・b04502)
饗庭・京斗(風韻泉路に駆ける鼓動・b05370)
各務・風姫(星空飾る冬の風・b11362)
藤枝・唄彦(坤元の朔・b18736)
鳳凰鈴・麗火(炎翼の魔女・b18888)
相楽・椎夜(其処に吹く風・b20067)



<リプレイ>

●the Manshion
 ノースキャロライナ州アッシュビル――アメリカの大地は広く、町を囲む山並みは遙かに青く霞んで、ここがアパラチア山脈のただ中であることをしばし忘れさせた。
 外邑・ひかる(シチュティ・b02060)は城館を背に、広大な敷地を一人歩いていた。遠い稜線に二年前のトレッキングを思い出す。ここにまた帰ってきたのだ……あの頃は学園にさえいなかったのに、今度は卒業旅行で。
 黒々とした林が遠くでざわめく。記憶よりも冷たい、乾いた風が彼方から渡って来て、ひかるの頬をなぶった。

「わあ、これは本当に凄いね」
 藤枝・唄彦(坤元の朔・b18736)は吹き散らされた前髪を押さえて、涼やかな声をあげた。門からバスに揺られ、道が違うんじゃと思う頃、やっと建物が森の向こうに見えてきた。そして今、城館は円形の噴水の向こうに堂々と翼を広げていた。
「やっだ! 想像以上に素敵〜♪」
 九十九・弥勒(黒鵺・b01621)は踊り出しそうな勢いで玄関に歩き始める。その目は光り輝き、とうとう彼のキモチは早春の空に弾けた。
「わたしきっと前世はこういうお城で生まれ育ったプリンセスとかじゃないかしら?!」
 ねっ、みんな!、と振り返ると、白人の老夫婦と目があって微笑ましそうにHi、と挨拶された。
「Hi……らしいよ」
 と、彼の代わりに挨拶を返したのは相楽・椎夜(其処に吹く風・b20067)だった。老カップルは何やら笑いながら通り過ぎて行く。
「みろきゅん。みんな行った、らしいよ?」
 椎夜はとてもいい笑顔を浮かべて、玄関を指さした。

 大理石のホールを入れば、目の前に佇むのは室内庭園だった。カーブを描く天井から陽光が降り注ぎ、竹製の家具に緑葉が揺れる。
 久遠・ビオ(高校生ファイアフォックス・b04502)は、用意周到に準備したガイドブックと見比べながら嘆息した。
「これが鉄道財閥の別荘ですか?」
 個人の邸宅でありながら、貴族の城館と言っても遜色がない。
「英国の実家とどっちが大きいかしら?」
 風見・莱花(白薔薇の令嬢・b00523)がアキシロ・スチュワート(幽霊屋敷の執事・b01500)を振り返った。クラシカルな英国風の調度だけでなく、空間の広がりそのものが日本とは異質だ。
「……お屋敷を思い出しますね」
 さあ参りましょう、とアキシロは主人を優しく促す。

 饗庭・京斗(風韻泉路に駆ける鼓動・b05370)は目指す図書館に辿り着いていた。壁面の書棚は優雅な螺旋階段で上下階層に別れている。夥しい数の蔵書は深い飴色の書棚の奥に健在だった。天井画にマントルピース、バロック調の室内は美しい。
 できれば手に取って読みたいものだが、残念なことに立ち入り禁止のロープが立ち塞がり、順路を示す矢印が興を削いでいた。まあ英語苦手だし、と京斗は肩をすくめる。
 それにしてもどんだけ広いのだ、ここは。どちらにせよ、本をゆっくり読む時間はありそうもなかった。それより外で風景写真でも撮るかと京斗はデジカメを確かめた。
 凶峯慈・圭(宵夜行玄僧曲・b04392)達は、どでかいシャンデリアが二つも下がった食堂を覗いていた。熊の毛皮の敷物に、三つの暖炉。鹿の剥製が硝子の目玉で中を睨む。いったい何人でメシを食うのやろ、と彼は思う。椅子の数を数えるのも面倒だった。
「あれなんか旋やんが座っとる姿が目に浮かぶようや……」
 壁際に巨大な玉座を発見して、圭は連れをニマニマ見た。

 城館付属のワイナリーは田園風景の中に美しく佇む。ここの売り物は試飲つきのワイン説明会だ。
 神無樹・餞(祈らぬハイリゲ・b04182)はプラスチックのカップに入った液体をクッとあけた。と言っても彼が試飲したのは葡萄果汁だが、とにかく濃くて美味しかった。隣で桜子も飲み干してニッコリ笑う。
 目当ての買い物を終え、二人は長閑な風光の中を散歩した。
 餞の目線の下には黒い髪が揺れる。
「俺、黒田と一緒に来られて本当に良かった」
 桜子が顔を上げて、視線が触れ合う。私も、と素直な笑みが返ってくる。様々なことがあった高校生活だったけど、その終点で、二人はここに立っている。風はまだ冷気を残しているけれど、誰の行いが良かったのか、この時期にしては大気は温んでいた。どこまでも広がるくすんだ大地とおもちゃの様な家と、失いたくない人と肩を並べて見る異国の風景は心に滲んで、暖かかった。
 きっとどんなに惨めな時も、この幸せを抱いて歩いていけるよ……。

 その頃、ビオは温室見学を終えて庭に歩み出ていた。硝子屋根の温室では、シダやシュロが揺れていたし、蘭の間など園芸に興味がある彼にとっては見所は多かった。冬枯れの庭園も趣があったが、花のある頃に来れば素晴らしかっただろうとそれだけが残念だ。時間を確かめ、彼はガーデンを縫う小径をのんびり辿っていった。
 各務・風姫(星空飾る冬の風・b11362)と涼は城館を臨む遊歩道にいた。初めての外国旅行に、写真家志望の風姫は古ぼけたカメラを手放さなかった。これはと思う風景を次々にフィルムに収める。
「たまには俺も撮ってくれるとか、俺達の……」
 ガシャと彼の目の前でシャッターが降りて、風姫がニッコリ笑う。
「まだまだ、ガンガンいくわよー」
 風姫は再び風景に目を移して張り切った。
「あ、りょー。あとで結社の皆に食べ物でも買っていく?」
 涼は笑みを浮かべて空を仰ぐ。初めての外国だけど、二人のノリは変わらない。

 シックな煉瓦造りの店で時間を過ごす者も多かった。品物を買い込む莱花にはアキシロが付き従う。鳳凰鈴・麗火(炎翼の魔女・b18888)は銀の懐中時計を探していた。
「ねえ、兄さん。これなんか素敵じゃない?」
 唄彦が志道に見せたのは、クラシカルなネクタイピン。一つ大人になった証に、と兄弟は頷きあう。
「面白いお土産、売ってる、かな?」
 椎夜の言葉に、小夜子が振り向いて微笑む。
「ふふ……ミステリアスなアイテムなら期待できるかもしれないわね」
 それにしても、と彼女は店を見回した。……城のどの場所も、ギフトショップでさえ、本当に素敵だった。早く帰って人形が作りたくなっちゃった……。

 一方、真剣な顔で彼女へのおみやげを選ぶ寅靖や旋達の姿も見られた。
「所でな寅やん。なんで今更、隠れラヴしとんの? 旋やんなんか、存分に惚気て来るんやで」
 圭がやってきて早速からかいモードを発動する。
「なっ……そんな真似出来るか!」
 真っ赤なほっぺの寅靖が微笑ましい。
「惚気が羨ましいなら素直にそう言えよ」
 しゃあしゃあと旋が言ってのけて、愉快な三人組は土産もの選びに戻った。
「……せやな。記念に揃いの土産でも探すで」
 チェーンなんかどやろな、圭の日本語が店にあふれる南部訛りの英語に混ざった。ギフトを選ぶ楽しみはどこの国でも共通らしい。

●アパラチアの森で
 落葉樹の森は黒々として、木々はダイナミックに遙か空を目指して伸びる。現地のガイドは一通りの説明を終えて帰り、明朝までは自由行動だ。暖炉は早くも赤く燃えて、窓辺に落ちる陰は長く伸びていた。
 旅装を解く皆の傍ら、莱花はアキシロをそっと呼んだ。
「ね、旅行中は同じ高校のお友達って事なのよ。お友達みたくして欲しいの、いつもの従者なんかじゃなくて。せめて、旅行中はネクタイを取ったらどう?」
 莱花のお願いを聞いてアキシロは黙った。しばし視線をはずし、いつもの執事服からネクタイを外してポケットに仕舞う。
「……最後ですからね」
 ついでにシャツのボタンを一つはずし、これで宜しいですかと微笑んだ。

 麗火は日が暮れる前にと、荷物を置くとすぐに森を散歩していた。
「やっぱりこういう所の空気はおいしいわね」
 足元で枯葉がかさこそ音を立てる。夏に来ればちょろつくリスや鮮やかな色の鳥達に出会えるはずの森だ。彼女は胸一杯に清冽な森の香りを吸い込んだ。
 彼女が散歩から戻ってくると、貸別荘の中は何やらいい匂いがした。広いリビングに顔を出すと、ひかるがいた。足元には薪が何本か置いてある。
「昼が早かったから早速メシつくることになったぜ」

 早速キッチンを覗けば、人口密度が高いこと。
「何をつくるのかは決めていなかったわね。普通に野菜サラダとかどう? 焼ける物はシンプルに焼きましょう、それなら大惨事にはならないから」
 料理の得意な風姫が、材料を眺めてメニューを決める。ビオは自炊をしているというだけあって手際がよい。野菜を刻む音もリズミカルだ。
「私も材料を切ります」
 麗火もまな板を前に参戦した。何しろこの人数分の料理だから結構な量だ。莱花も緊張しつつ野菜を手に取る。傍らには長年の友人の様な、アキシロがいた。
 やることあったら言ってな、と京斗が各所を覗いて回る。
 餞はステーキ肉の塊を不穏な目で見ていた。
「かぶりつきたいですか? 無理ですよ」
 桜子がこそりと肉の塊をずらした。
「よりー、このお肉、、一口大に切って欲しい? らしいよ?」
 椎夜が志道を呼ぶ。怪訝な顔をしながらも彼はやってきた。椎夜には小さくピースにしてあげて、あとの皆には注文をききつつ――1センチぃ?――ステーキをスライスしてゆく。串はどこを探してもなくて、どうやらここらでBBQといったらただの直火焼き料理のことらしい。今夜の場合はグリルにじゅわーっと大きなお肉やら野菜やらをのせてはふはふ食べるのだ。和牛と較べて柔らかくはないが、噛むほどに味が出る牛肉はとても美味しくて、ボリュームも大満足なのだった。
 料理をしなかった人間がテーブル準備をして、彼等は米国風の単純で豪快な食卓を囲んだ。風姫特製秘伝タレが皆に回される。
「凄いボリュームだね。それに弥勒が焼いてくれたら美味しいよ」
 唄彦は草鞋サイズの肉と格闘しつつ、ふふ、と微笑む。
「唄ちゃん、ケイちゃん、これもちゃんとお食べなさい」
 当の弥勒がレタスをどばっと皿の脇に盛りつけた。と思うと、そこ焼けてるわ、とトウモロコシが志道の皿に運ばれる。今夜の弥勒は皆のオカンだった。
 アキシロと莱花は食事中も仲良さげで、ひかるはモリモリ肉を食し、圭はきっぱりと宣言した。
「肉ウマー、精進料理なん知らんわー!」

●炉辺に集う
 夕食の片付けもすっかり終えると、炉辺で音楽の夕べが始まった。
 まずは餞がバイオリンを構える。
「下手だけど、カノン辺りを」
 共に旅が出来た喜びと、旅立つ門出を祝って―――心を込めた音色が響く。風姫はカメラを構え、パシパシ陽気にシャッターをきった。

 京斗は炉辺に佇み、赤い炎が横顔に影を落とした。
「改めてになっちゃうけど、結社長のお勤め、ご苦労様でした」
「長い間、色々頑張ってたわよね。ほんとお疲れ様。そしてありがとうネ、ケイちゃん」
 唄彦と弥勒が隣に腰をおろす。
「こっちこそ世話になったな。なんか、あっちう間にここまで来たって感じ?」
 京斗は照れて笑った。
「何だか、時間が経つの、とっても早く感じる、らしいよ?」
 椎夜がぽつりと漏らす。その声が聞こえたのか、少し離れた場所にいた麗火がふと目をあげた。
 ビオの歌声が莱花のキーボードと絡んで細く部屋に流れていた。

「さあ、次は騒ぐわよー」
 カメラを置いて風姫がキーボードの前に座った。寅靖がギターを持っておもむろに立ち上がる。
「……少し音を外しても大目に見てくれ」
 よっし歌うぜ、と旋がポーズを決めれば、圭は戯けて立ち上がった。
「暇なワイは踊ったらええんかっ? 誰か踊ってくださぁーい!」

 一方、部屋の片隅でひかるは予備の薪を加工していた。シンプルに丸い穴をあけた野鳥の巣箱だ。その底に、皆がかわるがわるやって来ては自分の名前を刻んだ。
「この旅行で初めて出会った奴ばかりだけど、またその縁が続く様に、な」
 餞が自分の名を彫りながら祈りを込める。木工の得意な風姫は涼と二人で自分達の巣箱を作った。
 ひかるは「GINSEI」の文字と今日の日付を彫り、TONOMURA、と自分の名を刻む。巣箱の底に皆の名が仲良く肩を寄せ合って、まるで卒業記念の寄せ書きの様だった。明朝この巣箱を適当な木に設置するのだ……。
 ひかるは余った木を集めると別の何かを作り始める。窓外には降るような星空が広がっていた。

●星々は暁を夢見る
 ビオがはく息は白く夜更けの森に溶けた。立ち止まって星を見上げれば静寂が彼を抱きしめる。ただ独り、瞬く星をこのままずっと眺めていたかった。
 風姫と涼も森にいた。枯葉がかさこそと足元で微かな音を立てる。山岳写真家を目指す風姫の手には今もカメラがあった。卒業のこと、将来の夢のことを話すうちに二人だけの夜が更けてゆく。
 別荘の灯が森の闇に暖かく浮き上がって見えた。

 これでよし、と。
 唄彦は満足気に潜り込んだ。ベッドを動かすのは大仕事だったが、せっかくだから皆でごろごろ川の字に眠るのだ。
 あ、唄ちゃんの隣。
 弥勒が潜りこもうとするが椎夜の方が早かった。彼は一瞬絶句するが無邪気なお隣には叶わない。
「また一緒に来たいわねぇ……」
「きっと一生の思い出……らしいよ……」
 椎夜がまどろみながら呟いた。

 緩やかなピアノのメロディーが余韻を残して消え、菜花はアキシロへの曲を弾き終えてキーボードから目を上げた。旅の夜が二人にしんと語りかける。
「4月からは大学で音楽を学ぶことにしたわ。この曲は貴方の為に作ったの」
 たくさんお世話になったわね、と菜花は微笑んだ。卒業しても彼とは一緒にいられるけれど、やはりどこか寂しい。
「素敵な曲です」」
 アキシロは菜花の後ろに回り、綺麗な赤茶の髪に触れた。白い耳朶に昼間みつけたイヤリングを丁寧に付ける。
「私はずっとお傍におりますよ。莱花さまは、私の大切な……」
 言葉は絶えた。彼の優しい笑みはこれからもきっと、莱花の為だけにあるのだろう。

 ひかるは一人、木を削って鳥を作っていた。
 独りが楽だとずっと思ってきたけど……ナイフを器用に扱いながら、彼の瞳は穏やかだった。
 この鳥はオリオール。本物は鮮やかな橙の胸でフルートみたいに囀る。春が来ればこの森にも彩り豊かな野鳥が歌うだろう。
(「庇護されてきた俺達も野に旅立つ……」)
 春陽の下、自分は一体どこを歩いているだろうか。どこに向かって飛ぶのだろうか。

 数多の星座がゆっくりと天を渡って行く。
 明日の太陽はまだ地平線の向こうで、朝の一矢を放つべく待っているところだった。


マスター:水上ケイ 紹介ページ
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楽しい 笑える 泣ける カッコいい 怖すぎ
知的 ハートフル ロマンティック せつない えっち
いまいち
参加者:12人
作成日:2008/03/15
得票数:楽しい3  ハートフル11 
冒険結果:成功!
重傷者:なし
死亡者:なし
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