潮騒ノイズ


<オープニング>


 ──なにがおきたのか、わからない。

 潮騒はまるで耳障りの悪い雑音のように聞こえた。
 頬に飛んできたそれを拭ったら、手の甲に朱が伸びていた。
 これは何だ。女はそう自問する。
 これは血だ。頭の奥で声がする。
 誰の血だ。女はそう自問する。
 そして、目の前の現実を見る。

 ざん、と、誰かが倒れ砂が跳ねる音がした。夜だというのにそれが血色に染まってゆくのが分かるのは、空に数多の星が瞬いているから。
「あっ……あなたが悪いのよ! 殺されて当然でっ……とっ、当然なのよ!」
 途端に漏れ出たその声は、まるで何かに責任を押し付け逃げているような声。震える声、後悔に染まった声。
「当然なんだから、だからそんな目で私を見ないで!!」
 夜空を貫いた絶叫を聞いて、倒れた身体の傍に立っていた白服の女が、嗤った。
『コロシテアゲル、コロシテ──』
「やめて! 私は悪くな、……悪くなんて無い!」
 砂に吸われるのは大粒の涙と悲痛な叫び。悪くない、自分は悪くない、悪いのは誰、あなたでしょう、だからあなたに死んで欲しくて、それを殺したのは──

 ──あぁ、耳鳴りがする。頭が、痛い。
 
●noise
 珍しく……思えば久しぶりに依頼へ対する自身の感情を素直に覗かせて、坂上・木犀(高校生運命予報士・bn0059)は口を開いた。
「人を殺したいほど恨んだ女性、殺してあげると囁いた地縛霊……そして殺されてしまった男性。要するに、最悪な話です」
 吐き捨てられたその声は酷く乾いている。
「……女性は地縛霊が男性を殺害した現場、深夜の海岸に居合わせています。男性を地縛霊の元へ仕向けたのは、その女性ですから」
 震える声で叫んだ女性に地縛霊は振り向いた。
 血塗れて動かなくなった男の首を無造作に掴み、その顔を女性の目の前へと突き付ける。女性は更に絶望する。終わらぬ闇へと突き落とす。
「地縛霊はやがて、その女性を殺すつもりです。死体を見せつけている状況に間に合えば、女性は殺されずに済みます。急げば大丈夫でしょうね」
 ただ、現場に到着した途端に戦闘が始まってしまうだろう。
「何も対策を講じなければ、女性は錯乱に任せて貴方達にすがりついてきます。戦闘中でも、構いなく」
 男性を殺した地縛霊は白の服に身を包んだ女。手には錆付いた刀を持っており、それで斬りつける事で相手の体力を奪う。更に不快な金切り声を上げる事で戦場全体に衝撃を走らせるが、こちらは運が悪ければ度重なる痛みとなるだろう。
 その他に過去、この地縛霊により殺されリビングデッドと成り果てた男が、二体。どこからともなく現れるそれは無造作に殴りかかってくる程度でさほど強くは無い。
「一般人の女性に関してですが、救出に成功した場合は出来るだけ表沙汰にならないような対応をお願いします。深入りする必要は、ありません」
 それは断定的な言い方で。そこまで告げた木犀は、教室の隅で不機嫌そうな顔をし続けていた少年──高槻・市松(磊落拳士・bn0028)をようやく見遣った。
「……理解できました?」
「したくも無ぇ」
「違います。女性の気持ちではなく──最優先が地縛霊の撃破だという事を、です」
「……」
 それは分かってる。低い声で呟いて、市松は目を背けた。
「救いなんてもんは無い話ですよ。最悪にふざけた話です。何かがあってこじれた男女がどうすべきだったかなんて、今となっちゃ明確な答えもありゃしないですし、俺達が関わるべきでもない」
 けれど。
「分かる事は、ひとつ」
 ゴーストさえいなければ、こんな事にはなっていないんです。
 そう、運命予報士は真っ直ぐな声で、告げた。

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参加者
エルレイ・シルバーストーン(銀石の操霊士・b00312)
篠森・臨(精神鍛錬部部長・b02387)
高瀬・安寿紗(蒼穹の狩人・b02546)
御門・悠輝(高校生サボり魔・b04748)
大羽・輝流(優しい狂気・b25702)
百白・例冶(百八つ・b31014)
弥生・景(絢爛真朱・b39052)
春名・心緒(春に散る鴇羽・b39456)
NPC:高槻・市松(磊落拳士・bn0028)




<リプレイ>

●Thought
 静かな波が押し寄せ、返る。
 ひたすらにひたすらに同じ音、同じリズムを繰り返すその様はまるで感情を押し殺しているようにも見えた。
 奏でる音を背景に、この先で繰り広げられているのはどれだけ酷い物語か。夜の砂浜を駆ける九人の能力者達は各々が想いを内に秘めたまま進む。
 どんな形であれ、人死には嫌い。
 出来る事をしないのも嫌い。
 百白・例冶(百八つ・b31014)が走る理由はそれだけだ。揺らめく光はふたつのランプ。ひとつは自分、ひとつはフランケンシュタインBのクイカウスに括り付けたもの。
 教室で聞いた話を思い返せば返すほど、御門・悠輝(高校生サボり魔・b04748)の気分はどろりと濁る。
(「全く、なんてしょうもない話……」)
 自分は自分、他人は他人と思っていても。気分が乗らないというのは分からないでもない。
(「まぁ、何もしないよりはまだマシ、って」)
 そのくらいに思っておくのが良いのだろうと、思い返す事を止めた。
 ──どうあれ、取り返しのつかないことは、一つでも少ない方がいい。
 高瀬・安寿紗(蒼穹の狩人・b02546)は走りながら一度だけ夜空を仰ぎ、再び前を見る。
 そう、少ない方がいい。それが命であるのなら尚更だ。
(「殺されて当然、なんて。そんな人は、いない」)
 胸に澱が積もるような話。それが更に濁って重くなるような話。篠森・臨(精神鍛錬部部長・b02387)は沈みかけた表情を打ち消すように首を振る。
 大羽・輝流(優しい狂気・b25702)はただただ目を細めた。こういう事はよく分からない。ただ、気分が澱む感覚が胸に落ちる。
 ……きっと、考えてもどうしようもないのだと輝流はひとり頷いた。
 ゴーストは狩る。それできっと、自分には充分だ。
「松様はリビングデッドの足止めをしてください」
 波と同じようにゆるやかに襲ってくる眠気に頭を左右に振って、エルレイ・シルバーストーン(銀石の操霊士・b00312)は前方を走っていた高槻・市松(磊落拳士・bn0028)へと告げた。走りながらも振り向いた市松は僅かに眉根を寄せる。
「……構わねぇけど、保護には回らなくていいんだな」
「はい、お願いします。おふたりとも怪我、しないようにね」
 市松の頭上にいた彼の相棒を見遣りながら告げれば、分かったとだけ返ってきた。

 潮騒と足音の間に、悲鳴が割り込んだのはその直後。

●Noise
 濁った瞳が目の前に。
 鉄の香りが空気を汚す。
 折れそうな程の力で首を掴まれた男の顔が、過去に幾度も頬を寄せた顔が目の前に。
 男はもう死んでいる。死んでしまっている。けれど、自分を見つめている。
「いや、いやっ! 見な……見ないで! 見せないで!!」
 甲高い絶叫に白服が楽しそうに揺れた。同時に力を失った男の頭も揺れる。透けるような腕が伸び、女の頭が掴まれた。
 強引に頭を上げさせ、正面を向かせ、再び男を突き付けて。
 ──見ないなんて、言わせない。
 まるでそうとでも言いたいのか。白服の女はケタケタと不快な笑い声を上げた。

「……こわい」
 目の当たりにした光景に、まだ幼いエルレイは本能で悟る。ゴーストよりも喚き震える女の方が、怖い。身体が震えを訴えたのは海風のせいでは無い。
「悪趣味な事してんじゃねーよ!」
 そこへ輝流と、そして安寿紗が切り込んだ。二人が狙ったのは地縛霊、立つべき位置は女との間。突然の出来事に座り込んだまま目を見開いた女だったが、何かを叫びかけ腕を伸ばしかけたその刹那、身体が砂上へと倒れ込む。
 誘い込まれたのは深い眠り。符を放った姿勢のまま、悠輝は例冶へと視線を走らせた。
「悪趣味な時間は、おしまい」
 小さな身体を戦場へ潜り込ませると、例冶は眠りについた女の身体を後方から羽交い締め、離脱した。地縛霊から距離を取った位置にクイカウスを残し、自分達は更にその先を目指し。
 例え強力な眠りであろうとも、戦闘が終わるその時まで眠り続けてくれる確率は極めて低い。この女を眠らせる事の出来る二人は以後戦闘に専念するつもりであり、起きてしまっても再び眠らせるという心算は無い。
 ならばせめて一秒でも長く、夢を見れば良いと願う。
「……」
 遠ざかる女と例冶を一瞥し、春名・心緒(春に散る鴇羽・b39456)は気怠そうに目を細めた。
 目の前で死なれるのは後味が悪い。
 それに、手を下したのが地縛霊であろうとこれは女自身の罪だ。
 ……ならば、贖うべきなのだ。死ではなく、生きる事で。
 桜散る術扇を揺らがせた心緒が召還した四つのコアは、まるで夜空の星のように煌めいた。
「人は過ちを犯し続ける存在で御座るか……」
 前方で地縛霊に肉薄する輝流と安寿紗を見たままで、弥生・景(絢爛真朱・b39052)は空へと真白の剣を突き上げる。
 自分達は任務を遂行するだけで、本当ならば見捨てても構わないと思っていた。けれど彼女の行く末を、自分達が決めていいものかという思いも有り。
 だから助けようと思った。それだけのことだと、そう思った。
 景により生み出されたのは不快に点滅する赤の弾。空を斬るように剣を振るえば、それは地縛霊へと撃ち出される。
『──』
 赤弾を受けた地縛霊の目の色が変わったように見えた。ゆらゆらと身を揺らし、掴んでいた男の亡骸を無造作に離し、もう片手にあった刀の柄を強く握る。
 錆び付いた刀は血に濡れすっかり赤茶色に染まっていた。それを引き摺るように、輝流と安寿紗を振り払うように景を目指して歩み出した地縛霊に、景は僅かに口の端を上げた。
「鬼さん、こちら……で御座るよ」
 背後を気にしながら徐々に位置を調整したならば、地縛霊はまるで糸に引かれたようにそれを追う。こくりと息を呑んだ景の持つ刃へ臨が白の蟲を纏わせた。それから素早く視線を走らせて、目の合った安寿紗へ頷く。
 そこへ朽ちかけた拳を振り上げたのは哀れなリビングデッド達。二体のそれが狙う相手を定めるべく動き出した、その直後。
 砂浜を、光が走った。
 自身の周囲にコアを旋回させながらエルレイが裁きの光を放ったのだ。それはリビングデッドだけでなく地縛霊をも巻き込み、幾度かの衝撃を、終わりへと近付ける傷を与える。
 この隙を逃さず。悠輝は黒の術手袋を嵌めた手を、何かを掴むかのように前方へ伸ばした。その先に生成されたのは自己を高める強力な魔法陣。
 ──クイカウス、道を見せて。
 同時に後方から静かな声がして、悠輝の傍にいたクイカウスの腕に頑強なガントレットが作り上げられた。クイカウスは何も語らない。ただ、その腕をゆらりと上げて、次の瞬間に放たれたのは電撃の波。
 空気が震える。肌をピリ、と刺すような感覚を覚える。ゴースト三体を巻き込んだ電撃は先刻走った光と同様に続けざまの衝撃を走らせる。
 それでも地縛霊は砂上を進んだ。景を目指し、怒りに任せ刀を振り上げた。
「駄目やよ」
 それを弾いたのは、安寿紗の鉄槌。嘆きを飲み込み、無へ帰れ。込められた願いと共に、安寿紗はそれを炎に乗せて振り抜いた。
 心緒はその様子を慎重に窺ってから地縛霊に視線を定めた。前衛が削られる事も、誰かが倒れる事も避けたいから、だから全力を尽くそうと作り上げたのは光り輝くひとつの槍。撃ち放たれたそれは一直線に地縛霊へと飛来しその身を貫いた。
「倒れたら皆に迷惑がかかるで御座る」
 それでもまだ、地縛霊は怒りに任せ自分を追っている。
 そう判断した景はしなやかな動きで長剣を旋回させた。臨は自分へと殴りかかってきたリビングデッドを無視するように振り払い安寿紗へと駆ける。繰り出した蟲を安寿紗の武器へと纏わせる。
 もう一体のリビングデッドには市松が肉薄し、足止めに動いていた。それを心配そうに一瞥しながらエルレイは再び光を戦場へ走らせて。その光の間を次いで炎が駆け抜けた。悠輝の放ったその魔弾が地縛霊の身を叩き炎で舐めたその直後、地縛霊の動きが止まる。
 ──我に、返った。
 一度、二度。まばたいた地縛霊はすぅ、と夜空を見上げ、大きく大きく口を開いた。
「ッ!」
 響いたのは、悲鳴でも無く、笑い声でも無く、怒号でも無く、人らしさの欠片も無い金切り声。空気が震え、衝撃が走り、それは例冶と女を除く全てを叩く。
 そう、打ち棄てられた男すら巻き込んで。死してなお傷を受けるその身体を見て例冶は黙り込む。ひどい話、ふざけた話、可哀想な男。
 そして、可哀想な女。
「……ん」
 響いた声の所為では無い。唯、ひたすらに運が悪かっただけ。そう、最初から最後まで。
「いけない」
 例冶の目が僅かに開かれた。
 小さな唸り声を漏らしながら──女が目を覚ました。

●Refusal
 声にならない声、言葉にならない言葉、悲鳴、絶叫。
 ゴーストへと対峙していた能力者達は背中を刺したそれに一斉に振り返った。
 女が、例冶に押さえつけられながらも暴れている。夢か現か、それすら分からなくなった状態で、ただただ声を張り上げている。
「しまっ……」
 駆けようにも遠い、再び眠らせようにも届かない。
 地縛霊の金切り声による衝撃をまともに受けた者が複数いる今、優先すべきは女よりも戦況を立て直す事。
 再び沸き上がった畏怖に耳を塞ぎたくなりながらもエルレイは前を向き、コアを召還する。そしてふと、肌を刺すような空気に気付いた。その正体は、
「……松様?」
「いいから──てめぇは黙って大人しくしてろ!!」
 エルレイが顔を上げると、ほぼ同時。
 怒号と共に剣呑な風が吹き抜けるような感覚が砂浜を走る。それに睨み付けられた女は「ひっ」と短く悲鳴を上げたかと思うと、途端にへたり込んで動かなくなった。すかさず例冶がそれを抱き留める。目と耳を塞ぐように。
 震える腕で救いを求めるようにすがりついてきた女に、例冶は声に出さずに呟いた。
(「このまま、終わるまで縋り付いているといいわ」)
 ……言える事は、何も無いけれど。

 悠輝と心緒が放つ癒しの力を持った符が飛び、臨の繰る白の蟲が淡く光る。
「終わらせるだけ」
 景を庇うように前に立ち、臨は真朱色の衣の裾を揺らした。二対の剣柄を強く握り前を見る。
「光よ、裁きの刃となり此の世の穢れを祓いたまえ」
 エルレイが光を、クイカウスが電撃を走らせたならリビングデッドがその身を折り波間に倒れた。
「本当に、悪趣味なんだよ!」
 言っても通じないとしてもその言葉をぶつけたかった。輝流は歯噛みしながら砂を蹴り地縛霊へと斬りつける。夜に紛れ、歪んだ月が闇を斬る。
 奪い取った体力すら不快に感じるような相手だと、輝流は頭の隅で考えた。そこに割り込むように思い出された女の事もそうだ。好きな奴を殺させようなんて、自分には考えられないから。
 自身が持つ術を使えるようになった。そう感じた安寿紗もまた武器を振り上げる。炎を纏った鉄槌が空を切る。
 容赦なんてものは、無い。鬼面越しに灰の瞳を細め、振り抜かれた鉄槌が地縛霊の身を叩いた。
 星降る夜を抜けて、やさしい朝を迎えて、穏やかな波を見て。
 とてもとても綺麗な世界がそこにあるのに。なのに何故、憎しみばかりを見てしまったのだろう。
 伝える言葉は持たないから、だから安寿紗は代わりに武器を振る。
 絶叫に乗せて炎が全身へと広がった。けれどそれはすぐに消える。白服の地縛霊と共に、燃え尽きるように消え去った。

●END
 一人の男と、二体のリビングデッドの遺体が波打ち際にあった。
 打ち寄せる波が穏やかに血を浚い、海へと還る。
「せめて、ゴーストにはならないように」
 どうか安らかに。
 男に手を合わせた臨が立ち上がり追ったのは、男に触れる事無く、再び眠らせた女だけを連れた能力者達。足が酷く重いのは、きっと砂のせいだけでは無い。
(「結局のところ、どっちが最悪だったのかしら」)
 目が覚めた後の事でも考えているのだろうか、複雑な表情を浮かべる輝流の腕の中で眠る女を一瞥し、悠輝はぼんやりと考えた。自業自得だとは思う反面、どうでも良いという気持ちもあった。
 普段ならばすっぱりと割り切るだろうし、答えなんてものは出るはずも無いだろうけれど──それでも。
「捩れた語り部は、誰なのかしら」
 例冶の腕にはまだ女の感触が残っている。掌を見つめ、それを握り、呟いた。
 自分で手前の道に砂をかけ、他人の所為にした女。自分の言葉を打ち消すように泣き喚いた女。
 ふざけた話だった。けれど、起こらなくても良い、起こらない筈の話だった。
 そう、ふざけた話だったのだ。
 ひとつ息を吐いた安寿紗は前を向く。安寿紗の中には答えがあった。
 言葉で逃げても、どんなに目を逸らしても、自分の心からはきっと逃げられないのだと。
 怖い、醜い、怖い。エルレイは起こった出来事の全てを思い返し再び身を震わせた。女をちらりと見遣っても、すぐに目を逸らしてしまう。彷徨うように指先を動かして前で揺れていたマフラーを掴めば歩いていたそれが足を止める。
「早く、帰りましょう……」
 襲い来る眠気はエルレイの声を更に幼く響かせた。歩く事もままならなくなりかけていた少女に告げられた相手は小さな溜息を吐いて、背中に負ぶされとだけ告げた。
 景はふと立ち止まり、海を見遣る。
「真、人は如何して愚かな存在で御座ろうか」
 そっと呟かれたそれは、波音に浚われて。再び、何事も無かったかのように歩き出した景の背を見送ったのは、同じく立ち止まっていた心緒。耳を撫でる潮騒に、元々不機嫌そうであった双眸を更に細め。
「……今日は妙に煩く感じる、な」
 血を浚っても、呟きを浚っても、胸中に沈殿する重苦しい感情は浚われず。普段ならば気を落ち着かせてくれる筈のその音は、今はただ、心を掻き乱していた。
 星降る夜の海の傍、ひとつの話が終わって朝を待つ。


マスター:笠原獏 紹介ページ
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参加者:8人
作成日:2008/05/01
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