≪ZONE≫収穫の秋


<オープニング>


 実りの秋。
 食欲の秋。
 味覚の王様マツタケをはじめ、クリ、ブドウ、アケビ、ギンナン、エトセトラ……。
 山は美食の宝庫になる。
 繭月・暁(悪殲狗闘・b12442)たちが向かったのは、そんなお宝の山の一つであった。
「へぇ、結構紅葉してんじゃん」
 目的の山を視界に収めるころになって、時任・紫昏(満月の総司令官・b34072)はなんでもないことのように言った。 
「お山の葉っぱがまっかっか。とってもきれいなのだよぅー!」
 小鳥遊・アザレア(プティットコッペリア・b49065)が興奮して騒ぐ。
 山は紅葉の盛りで、鮮やかな紅に黄が空のグラデーションと対になって美しい。
 目的の山はもう少し緑が多い場所になるが、斜面から周囲の山の紅葉も望めるだろう。
 ここを自由に散策していいというのだから山の所有者も太っ腹だ。
「本当に採り放題なんだよな。オレ、いっぱいとりまくるぜー!」
 葛原・流(リンクスソウル・b37977)の明るい声が響いた、その小一時間後、暁たちはゴーストと遭遇した。

「ゴースト補足。十二時、五時、八時。囲まれています」
「……とんだ歓迎だな」
 要・耕治(磨穿鉄硯の徒・b00625)と神宮・戒(の恋人は日本刀・b20174)は比較的冷静に状況を確認した。
 二人ともゾンビハンターではなかったが、確認するまでもなく、目の前の連中のおどろおどろしく度を超えて血色の悪い顔はゴーストに間違いない。
「あー、そう言えば、山の管理人だかなんだかが前に崖から落ちて死んだとかいう噂があったような気もする」
 暁がおぼろげな記憶を呼び起こす。
「その噂の真偽はともかく、話の通じる相手ではなさそうだな。まさか、ここに来てまでゴーストとは、能力者はつくづく縁があるな」
 磯浪・針月(獅子牡丹・b28951)が視界の端に森を収めながら言う。
 あのクリは大きそうだ。
「面倒だな。よし、直助全部任せた」
「よし、任され……って、任されないから! さすがに一人じゃきついから!」
「謙遜しなくていいぞ」
「鏡ってそんなに強いんだ……?」
 鹿島・しが(赤貧バイト・bn0048)はちらりとよそみをしながら言った。
 あのクリは美味しそうだ。
「謙遜じゃなくてー。いや、俺も『ここは俺一人で十分だ』とか言えたら格好いいとは思ってるけどね」
 鏡・直助(亀が大好き中学生・b30272)がしゃべっている間にゴーストがじりじりと迫ってくる。
「冗談はおいといて、さっさと倒して秋の収穫と行くか!」
 暁たちは言って、一斉に起動した。

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参加者
要・耕治(磨穿鉄硯の徒・b00625)
繭月・暁(悪殲狗闘・b12442)
神宮・戒(の恋人は日本刀・b20174)
磯浪・針月(獅子牡丹・b28951)
鏡・直助(亀が大好き中学生・b30272)
時任・紫昏(満月の総司令官・b34072)
葛原・流(リンクスソウル・b37977)
小鳥遊・アザレア(プティットコッペリア・b49065)
NPC:鹿島・しが(赤貧バイト・bn0048)




<リプレイ>


「皆大好きイグニッショーン!」
「……」
「……」
 鏡・直助(亀が大好き中学生・b30272)が作り出したほんのり優しく生ぬるい静寂の後、要・耕治(磨穿鉄硯の徒・b00625)たちは散開した。
 十二時、八時、五時、それぞれの方向の敵に対応するグループは、十二時の名人地縛霊と犬リビングデッドに神宮・戒(の恋人は日本刀・b20174)、繭月・暁(悪殲狗闘・b12442)、耕治、そしてメイドさんの時任・紫昏(満月の総司令官・b34072)。
「……」
「紫昏ちゃ、似合ってるのだよぅー!」
「うん、可愛い」
「いや、でもなんでメイド……」
「気にすんな! 都合だ都合!」
 八時の動物リビングデッド五体に葛原・流(リンクスソウル・b37977)、小鳥遊・アザレア(プティットコッペリア・b49065)。
 五時の三体には磯浪・針月(獅子牡丹・b28951)。
 それら、三グループに囲まれる形で、直助と鹿島・しが(赤貧バイト・bn0048)。
「……天気は快晴、紅葉も美しく秋の味覚狩りには最適と言っても良いが」
「……因果なものだな、能力者とは」
 仰ぎ見える朱の入った山の美景から正常ならざる怪物へと視線を移し、戒と針月は嘆息した。
「……どんな理由で此処に巣食ってるかは知らんが」
 暁はこの山の前管理人の噂の詳細などはとうに忘れていた。
「邪魔するんならさっさと終わらせてもらうぜっ♪」
 問題ない。ゴーストがいる以上、それを倒すのが能力者の務め。山の恵みがある以上、それを美味しくいただくのが暁の務めだ。
(「ゴーストさんも紅葉とかマツタケとか楽しみにきたのかな……」)
 地縛霊の虚ろなな瞳は、どうも行楽を楽しんでいるようではないみたいだ。
 でも、もしそうだったらどうなるだろう。
 地縛霊が足の鎖をちゃりちゃり引きずりながら、紅葉を見ておどろおどろしい声にならない感想を述べて、その周りを腐肉を撒き散らしながらはしゃぐ犬リビングデッド。見つけたマツタケは問答無用で貪り食らう。
 アザレアはぶんぶんと首を振って、一瞬脳裏をよぎった想像を追い払うと、この辺りでは一足早い雪を生み出し身にまとう。
「暴走の秋、っていうことでちょっと暴れちゃうのだよぅー!」
 ゴーストたちはじりじりと近づいてくる。
 包囲して、獲物を逃がさないつもりなのだろうか。
 残念だが、せっかくの遠出を邪魔されて、逃げるつもりも当然負けるつもりもない。
 返り討ちにする気は十分だ。
「陣形配置完了。自己強化術実行……」
 耕治は人間味の薄れた機械のような口調になって、魔弾の射手を起動させた。
 耕治の足元を中心に展開する魔方陣。
 伊達眼鏡の向こうに見える怜悧な輝きを宿した瞳は、冷静に戦況を分析する。 
「直助、しが先輩、援護頼んだ!」
「任せてくれYO!」
「……YO!」
 それぞれガトリングガンや念動剣を構える直助としが。
「レアも頑張ろうなっ!」
「うん。レア頑張るのだよぅ!」
 雪の結晶をまとったアザレアが元気に腕を振り上げた。
 周囲の仲間に声をかけて、流は後衛の盾になるように数歩前へ踏み出す。
 ゴーストたちは間近に迫ってきていた。
 普通に会えば少しは嬉しいかもしれない小動物たちの、しかし変わり果てた姿は秋の盛りを迎える山に似合わない。
「倒させてもらうぜっ!」
 流の掌で見る見るうちに黒い球体が膨れ上がりうごめく、旺盛な食欲に支配された深謀遠慮のない黒燐蟲たちは流が放り投げて着弾した地点から爆発的に広がって近くにいた野ウサギのリビングデッドたちに殺到した。
「行きますよ皆さん……」
 ゆらり、と暁の姿が揺れたかと思うと、次の瞬間には白犬と肉薄していた。
「やぁ誇り高い猟犬さん……速さ比べといこうじゃありませんか……!」
 警戒心むきだしのうなり声をあげる白犬に対して、あえて暁は前屈みになって目線をあわせる。
 真紅の爪に不死鳥のオーラが宿り、犬の牙をかいくぐって腹部に飛び込んだ。
 オーラは炎を生じ、一瞬で犬の全身をくるむ。火達磨になった犬は、怒りの咆哮を上げて暁に襲いかかった。
 鋭い牙は、かすっただけで暁の夏服を刃のように切り裂く。
 右の二の腕についと垂れる一筋の血を認めて、暁は笑った。
「……引き分け、というところですか。次は、触れられずに勝ちます」


 グロテスクなウサギたちが跳ねるような動きで一斉に跳びかかって来た。
「私より、早い……」
 しがが光の槍を形成しきる前に、ウサギたちはそれぞれ、牙や爪で首筋や脇腹をかっ切り、もしくは根元まで捻じ込んで、生命力に満ち溢れた血肉を味わおうとする。
「ひいい腐ってるー! キモイよー! 怖いよー! ギャー!」
 頬の辺りの肉が腐り落ちてむき出しになった骨とそれに続く牙を気味悪がって、ガトリングガンをぶんぶん振り回す直助まで到達する前に、針月は小動物の攻撃を扇でいなし、あるいはコートのすそで弾いた。
「ふん……随分グロい面構えだな。出来れば生きてる時に愛でたかったよ」
 ばっと扇を開いた針月の背に、十字架型の後光が差した。針月の内から生じた裁きの光は、周囲を清浄な輝きに染め上げ、純なる赤を際立たせた。針月の正面にいたイタチなどは、ぶすぶすと焼け焦げて、身じろぎした拍子に端の肉が崩れ落ちる。
「折角の良い気分をぶち壊しにされるとはな……」
 戒は名の表すように凍りつきてしまいそうに冴えた刃の短刀で空中に印を刻むと、刃の描いた軌跡が魔法の帯となって編まれ灼熱の弾丸が出現した。
「この代価は高くつくぞ」
 戒の振るった破妖の太刀が空中に静止していた弾丸の後部を正確に叩いた瞬間、魔弾はそれによって点火されたように爆発的に飛び出した。
 放たれた弾丸は、迷いなく直線的に進み、地縛霊が構えていたけばけばしい色のキノコを撃ち抜いて胸まで貫通した。
 魔性の業火に包まれた地縛霊はしかし、一喝して炎の苛みを振り払い、新しく取り出したキノコを投げつけた。
 キノコはもう見るからに毒が入ってますと主張しているカラーリングなのだが、不思議と食欲が刺激されてついつい食べたくなってしまう。
「うわっ、キノコっ? ……毒だよな? 食べたらマズイよな?」
 とびのく流。
「マズイ? でも、美味しそうだよぅー?」
 アザレアは微笑む。
「絶対喰わねぇ……じゃなくてくらわないっ!」
「暁、くち、くち」
「繭月、よだれ出てるぞ」
 紫昏たちに指摘されて、暁ったらちょっと恥ずかしい。
「鏡、鹿島。食うなよ」
 戒の制止の声に、直助はきょとんとした顔で返事した。
「あ、大丈夫。俺キノコ嫌いだから」
「そういう問題でもないだろうが」
「……あ」
 パク
 もぐもぐもぐ
「……ぁ」
 突然お腹を抑えてしゃがみこむ、しが。
「……ど、毒だった」
「食べる前にわかれーっ!」
「食べるなって言ったのに……」
 でも好き嫌いはよくない、などと見当違いの言い訳をするしがは後でキノコ採りに監視がつくことになる。


 戦いは続いている。
 針月は目前のタヌキ、野ウサギたちに光の十字架で攻撃した。
 邪悪の存在を許さない制裁の光は、彷徨える魂を苛み、圧倒的な正義の熱量によってゴーストたちを光の内に消し飛ばした。
 光が落ち着きを見せたとき、ゴーストの体は先ほどまでの姿を保ってはおらず、影のように跡が残っている。
「山に眠れ……落葉に埋もれ、土に還ればいつか実りの一部となるだろう」
 軽やかに、アザレアが踊る。
 秋の盛りの中で舞う少女の姿はまるで妖精のようで、木々の紅葉もまるで見惚れたように赤味を増している気さえした。ちなみに彼女もメイド服。
 しかし、ひるがえるマントの鋭利さは可憐さに比例して、イタチのリビングデッドたちを細切れに変えた。
「さよなら、なのだよ」
 リビングデッドを掃討し終えたアザレアたちは、紫昏たちの救援に向かった。
 救援といっても、特別なにかする必要はなさそうではあった。
 獣じみた構えで白犬と対峙する暁。
 速さに速さを増した攻撃は交差し、暁と白犬は間合いをとった。じりと足元を確かめる白犬に、どこからともなく降ってきた桃缶が命中する。
 いらだたしげに桃缶をどかす白犬。その隙を暁は突かなかった。
 睨み合い、数瞬。
 ほぼ同時に動いた暁と白犬であったが、暁はコンマ何秒の差で先に獣撃拳を叩き込み、カウンター気味の白犬の爪を紙一重で避けきった。おおよそ速さに限らず、完全勝利であった。
「毒状態の仲間発生……浄化プログラム作動」
 冷静につぶやく耕治を中心に、風が巻き起こる。
 ただの風ではない。恵みを運び世界を循環させる風は、清らかな力で仲間の体内にある毒成分を消し去っていく。
「毒の消滅を確認。正常終了しました」
「サンキュ、耕治」
 毒を受ければ、たちまち耕治が癒すチームワーク。
(「戦闘も知った仲間とっつーのは、やっぱ楽しいもんだよな」)
 戦いの中で仲間たちとの連帯を感じ、知らずほんの少しの笑みを浮かべる紫昏。
(「ところでアケビって何だ……? お菓子? 木の実……? おぅ、どうでもいいこと考えてる場合じゃないな)」)
 戦いの中でアケビに対する疑問を感じ、しかしそれを振り払って戦いに集中しようとする直助。
 最後に残った地縛霊と相対する。
 背中に感じる仲間たちの気配。
 慣れた呼吸で意思疎通すれば、怖いものなど何もない。
「そんじゃ、終わりにしようぜ?」
「回復は任された……迷わず行け……っ!」
 針月の声援を受けた、紫昏の桃缶が地縛霊に命中。地縛霊がうめいて、よろめいた。
 チャンス!
「よっし、直助! 練習したアレやってみようぜ!」
「こんなこともあろうかと、一昨日一時間かけて考えたんだ!」
 流の両手の内で、黒燐蟲たちの塊が膨れ上がる。人間一人くらい隠れられそうな大きさの、暴走弾を投げつけられ、地縛霊は何を思ったかキノコで相殺しようとする。
 キノコと暴走弾が激突し、黒燐蟲たちは空中で炸裂して地縛霊を襲う。暗がりが晴れたとき、暴走弾の中から現れたのはキノコを口にくわえた直助だった。
「ふらへっ! おふぇたひのひゅーじょうはざ!」
 流の黒燐蟲が地縛霊に喰らいついたのと、零距離ガトリングが地縛霊を貫いたのとは同時であった。
 かろうじて存在している、地縛霊が毒爪を振り下ろそうとした瞬間、戒の黒影剣が地縛霊の心の臓を貫いた。
「終了だな」
 断末魔を上げて、戒が剣を抜くと同時に地縛霊は消滅した。
「ずっと一緒だったんだねぇ……主人と一緒にもうお休み?」
 地縛霊の消えた場所を見つめる白犬の骸に、暁は話しかけた。
 骸が答えるはずもないと知りつつも。


「戦闘終了予想時刻より、大分早いな。これなら収穫も問題ないね」
 戦闘中からスイッチの切り替わった耕治が現在の時間を確認していると、
「ぶどう食べたいぶどう大好きぶどうとりたいぶどうー!」
 直助の叫びが遠くからエコーがかって聞こえてきた。
「あ、ようやく発見! これマツタケじゃね?」
 暁は根気良く松の林を練り歩き、ようやく一本のマツタケを見つけた。
 テレビ番組で見るような、立派に生え育ったマツタケは、堂々たる風格を示して、なんとも言えない芳しい香りを放っている。
「あ……えーと、しがちゃん持ってく?」
「いや、それは繭月が見つけたものだから、繭月のもの」
「そっか、じゃあ……」
「……」
 じっと暁を見つめるしが。暁は視線を感じて、頬をぽりぽりかいた。
「やっぱ欲しいの?」
「……うん」
 木に登って木の実をたくさん収穫してきた流は、木の下で待っている直助にサルカニ合戦のサルよろしく収穫の一部を落としてあげた後、するすると降りてきて、
「すっげーいっぱいとれたぜ。そっちもなんか採れた?」
「へっへー、マツタケ。あとキノコやらカキやら」
「すげぇ! 美味しそう! しかもたくさんあるっ! つーか、耕治先輩速っ!」
 暁のそばでは耕治がひよこ鑑定士顔負けの高速ぶりでキノコの可食を判断していた。
「食、毒、毒、食、食、毒、食……」
 毒の有無だけでなく、適した調理法別に分類している。耕治は他にも秋の味覚を発見した場所の情報を収集したり、一度にとる量を制限したりしている。
 とりつくさず、自然と仲良く接していくことで人間は山と共生していけるのだ。
「僕は必要な分だけ手に入れば十分、ですので残りは皆で分けて下さい」
 という耕治の管理の目を逃れて、こっそり流はぶどうをつまみ食い。
「しが先輩も食べてみる?」
 共犯に巻き込もうと、流がつまんで汚れを払ったぶどうの粒を指ごとパクリ。
「……うま」
 しがが親指を立てているところに、直助がやってきて、
「キノコ発見ー。俺キノコ嫌いなんだけど皆食べるよね? これ色きれいだし美味しいんじゃない?」
 直助がつかんでいるのは鮮やかな黄色のキノコ。
 どこかで見たことがあると記憶をたどれば。
「……さっき、あの地縛霊のおっさん投げてなかったか?」
「それ、毒」
「だよぅー」
「鏡、捨てるんだ」
 戒はしがを監視しながら言う。手にはキノコのガイドブックがあった。マイタケ探しの片手間である。
(「通常の黒いマイタケも美味いが、鍋に入れるならやはりスープを濁らせない白いマイタケが良い……」)
 紫昏は地面とにらめっこ。
 一見無表情であるが、雰囲気は真剣そのもので、クリ探しに夢中だ。
 針月は歩いて、紅葉を楽しんでいる。
 たまに木陰や茂みをのぞいては少しがっかりした表情を見せていて、どうやら森の動物が顔を出さないかと考えているらしい。
 こんなにも自然の豊かな土地に来ておいて、遭遇したのが全部腐りものでは悲しすぎる。
 がさり
 音を聞きつけて、茂みにそろりそろりと近寄る。
(「これは……いや、まさかな。期待してはいけないな」)
 そう思いつつ、どきどきしてそっと葉を押しのけて見てみれば、そこにいたのはヴィクトリアンなメイド服姿の紫昏だった。
「このクリ、でかいぜ」
「……」
 イグニッションすればクリのイガも怖くない。
 落胆した針月に近寄って来たアザレアの腕いっぱいに、ウサギがだらんと体を垂らしていた。
「見て見てー。ウサギちゃなのだよぅー! とーってもかわいいのだよぅー!」
「ウサギ……! 毛並みはぼさぼさだが、確かにとってもかわいいのだよぅ」
「……」
「……」
「おい、磯良……今」
「……どうした?」
 と、そこへ暁の声が届く。
「おーい! 来てみろよー! マツタケもう一本発見! 超特大だぜ!」
 暁たちにとっての秋はどうやら豊作のようである。
「いっぱい運動した後のお食事はね、美味しいって母様が言ってたの!」
 秋の味覚のパーティーに期待を膨らませるアザレアであったが、思い出したかのように腕の中のウサギに言った。
「あ、ウサギちゃは食べないから、安心するのだよ」
 深まり行く秋の日の出来事であった。


マスター:池田コント 紹介ページ
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参加者:8人
作成日:2008/11/23
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