貴方のリースはどんな味?


<オープニング>


 銀誓館学園のクリスマスパーティー。
 毎年、様々な趣向を凝らすパーティーが開催され、学園はクリスマス一色に染まります。
 冬休みを目前としたクリスマスイヴの日は、様々なパーティーが開かれているようです。

 クリスマスパーティーは無礼講。
 たとえ、今まで一度も口をきいた事が無い人とでも、一緒にパーティーを楽しむ事ができます。
 クリスマスパーティーは、新しい友達を作る為のイベントなのですから。

 気に入ったクリスマスパーティーがあれば、勇気を出して参加してみましょう。
 きっと、楽しい思い出が作れますよ。
 
「ドーナツってさ、クリスマスのリースみたいだよね」
 切欠は、いつものようにカフェオレを飲みながらドーナツを食べていた、風祭・遊(微睡み適合者・bn0161)のそんな一言だった。
「おー、言われてみれば」
 チョコレートや砂糖のかけられた丸い輪っかに、色とりどりのトッピング。武田・愛一朗(熱血爆走小狼・bn0070)も、目の高さまでドーナツを持ち上げ、納得したように数度頷く。
「なら、今年のクリスマスはそれでいきましょ」
「これで?」
「何するのさ?」
 疑問符を浮かべる2人に、久慈・久司(高校生運命予報士・bn0090)はニコッと微笑むと、持っていたリボンをドーナツのひとつに結び付けた。
「こうやって……みんなで、ドーナツのリースを作るのヨ♪」
 
 まずはみんなで協力して、土台になるドーナツを作ろう。
 フワフワ、サクサク、チョコレート味……編んだり、捻ったりしても面白いかもしれない。
 そして、美味しく揚がったドーナツに、思い思いのトッピングをして、最後にリボンを結んで出来上がり。
 アイシング、チョコレート、ナッツやドライフルーツに、ラムネやゼリービーンズなんかも飾っちゃおう!
 友達や恋人同士で、ちょっと大きなリースを作ったり、別に円に拘らず、ユニークな形にしちゃってもいい。
 チョコペンを使ってメッセージなんかも、お洒落で素敵かもしれない。
「折角だから、ツリーにみんなのドーナツ飾ってみない?」
「わっはー! それ、賑やかで楽しそうだな!」
「パーティーで食べる分は、別に作ればいいもんね♪」
 出来上がったドーナツリースは、袋に入れてクリスマスツリーツリーに飾りつけよう。
 そして、みんなでコーヒーやお茶、ドーナツ以外のお菓子やケーキも持ち寄って、楽しいドーナツパーティーをしよう。
「俺、ちょっとデカいの作ってみよーっと! それと、ドーナツの穴にアイス詰めて食ってみるんだー!」
「僕はやっぱり、シンプルにシナモンシュガーかな」
 色も形も大きさも、ふたつと存在しない美味しいリース。
 さて、貴方のリースはどんな味?

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参加者
NPC:久慈・久司(高校生運命予報士・bn0090)




<リプレイ>

●さあ、まずはドーナツを作ろう!
 楽しいパーティーをするためには、まずは下準備が大事!
「力仕事は得意分野だ。それにここには回転の力がある」
 久司に色々教わりながら、笑顔で麺棒を転がす秀樹。チョコや抹茶、苺を練り込んだり、出来上がった生地を捻りを加えて丸くしたり、とにかく円と回転に囲まれて幸せそうだ。
 飾り用には食紅で色を付けやや平面に、食べる分はミルクや豆乳、チョコで味わい深くと、ユエルは生地をしっかり作り分け。
(「久司さんどんなの作るのかなー?」)
 負けないように頑張らなくっちゃ!

 エプロン着用でやる気満々な健斗が、慣れた手つきでナッツを混ぜる。
「料理は得意なんやでぇ〜」
「ドーナツは大きく分けてケーキドーナツとイーストドーナツとクルーラー…」
 折角の機会だから全種類作ってみましょうと、小雪も手際よく作業を進める。
「こんな感じかしら。遊姫、出来た?」
 遊恵は満足のいく仕上がりに微笑んで、傍らにいる遊姫の様子を見てみた。
 するとそこには、まだ生地にすらなっていない材料が。
「これを形にして……おかしいなぁ、ボロボロになる」
 やっと混ぜあわせたはいいが、今度はうまく纏まらない。
「あの、手伝いましょうか?」
「俺もアドバイスすんでー」
 2人からの手解きを受け、漸く形を作ったが、油に入れる段階でもう一波乱!
「……ねーねー、なんで私のは崩れちゃうの〜」
「いいわ、私がやってあげるから……!」
「だ、大丈夫です!」
 遊姫はちょっと涙目で訴えたが、流石に油は危ないからと、結局は遊恵にバトンタッチ。
「味見は後で!!」
 ぺしっ!

 ドライフルーツでシュトーレン風、アーモンド入りココア生地でブッシュドノエル風、更に粒入り苺ジャムで、三色ドーナツを作った志津乃。飾りはアイシングとチョコレートで華やかに。
 泰智の作る生地はチョコレート味。お菓子作りは初めてだけど、大好きな理科の実験のようで、何だか楽しくなってくる。
「これ…はまっちゃうかも……」
 冬の夜空みたいに綺麗なドーナツ、できたら良いね。

 小雪が着々と4種の生地を作る横で、小夏は何故か大根をおろしていた。
「万能ハイブリッド型少女、柊小雪の本領発揮ね!」
「美味しくできたら結社で配るんだーっ♪」
 ひたすら巨大なドーナツに取り組むレイナに、小夏が大根愛と聖夜の奇蹟を語る。
「レイナちゃん、それお鍋に入ります?」
 優実はやや不安そうな表情を浮かべながら、チュロスの生地を魚のような形に曲げ、沢山繋げまくっていた。
「ぎょー!?」
「すごいっお魚さん大家族ーっ!」
「大漁ー!」
 揚げる時も、勿論魚はくっついたまんま。
 そして……。
「良い感じに出来てきましたね。さて、やりますか!」
 どうやら小雪、マイペースにしっかり生地を完成させていたようだ。

 直前までレシピを読みまくっていた悠は、不安なのか久司に色々訊ねている。けれど隠し味のメイプルシロップは、彼女のオリジナル。
「銀誓舘に来てから、戦闘能力と同じぐらい、料理レベルも上がっている気がします……」
 その言葉通り、散人の腕前は大したもの。どんどん揚げられてゆくドーナツは、誰もが納得の素敵な味。
 細い棒を何本も組み合わせたドーナツを作る龍麻だが、形がちょっと特殊なせいか、揚げるのがかなり大変そう。
 パン生地で丈夫なドーナツを作る白児だが、これだけでは芸がないと、ついでに巨大なリングクッキーを焼きだした。
 さて、これは一体……?

 雪の結晶型を目指す月吉と弥介は、六角形に型抜きしたり穴を開けたりと、レシピを見ながら試行錯誤。
 かなり張り切っていた弥介だが、不器用スキル全開で、気付けば結晶と言うより寧ろ蜘蛛の巣。
「こうしているとまるで……」
「ん?」
「お母さんと娘みたいだ」
 勿論、お母さん役は月吉の方。彼の手直しのおかげで、どうにかまともな形になった。
 口には出さいけれど……いつも有難う、感謝してます。

「何処のよりもでっかいの作ろうな!」
「限界に挑戦ッ!」
 眞風と壱球の用意した生地は、なんと鍋ぎりぎりの大きさ!
「いくぞ、サダ」
 呼吸を合わせ慎重に、2人同時に鍋の中へ生地をおろすが……。
「熱ッ、油飛んだって!」
「ちょ、大丈夫か!?」
 やっぱり壱球がちょっと火傷。急いで水で冷やしながらも、でも笑いだけは忘れない。
「そういえばトッピング、サダは何が好きなんだ?」
「甘いのがいいな! チョコとか砂糖!」
 揚がるまでかなり時間がかかりそうですし、ゆっくり考えてみましょうか。

 料理の苦手なスバルに手解きするのは、仲良しのカナンと陸。
「スバルちゃん…上達してると思う……」
「カナンさんに褒めて貰えて嬉しいです、えへへ……あ」
 最後の一言を呑み込んだカナンに、つい照れてしまったのか、生地を引きちぎってしまうスバル。
「もう一寸……肩の力を抜いた方が良いと思う…よ?」
「何より大事なことは、大切な方に食べてもらうことを考えると。そうするときっとおいしくなりますよ」
「う、うん……っ!」
 もう一度練り直して揚げたドーナツは、ちょっぴり歪な形だけど、3人分の愛情一杯!

●どんな風に飾ろうか?
 ドーナツが程良く冷めれば、次はいよいよトッピング!
「この銀色の粒、何て名前だっけ?」
 粒アザランをまぶしつつ、首を傾げる伽藍。気が付けば、ドーナツの上は隙間なくビッシリ銀色になっていた。
 見た目は御世辞にも美味しそうとはいえないが、飾りとしての派手さはピカイチ!
「愛一郎さん、熱心なのですね」
 ちょっとお手本にと、愛一朗の手元を覗き込む零夢。そして彼は、ドライフルーツでまるで花のような飾りを作った。
「こうやってトッピングしてみると、本当にリースの様に綺麗ですよね♪」
 早く一口食べたいけれど、そこはグッと我慢!
 息吹はクリスマスっぽい星空を作ろうと、ミルクチョコでコーティングした上にアザランを飾り付け、ビターチョコの黒猫を座らせた。けれどそれだけでは寂しいので、白猫虎猫ゼリービーンズも仲間入り。
 出来上がったら、可愛い弟へのプレゼントにするつもり。

 雪声と雛は、大きめのリースに挑戦。
 飾り用のミニドーナツに、アイシングでサンタやスノーマンを書く雪声。ドライフルーツとチョコで鮮やか演出の雛は、彼が甘納豆を飾りはしないかとちょっとドキドキ。
 ついでに食べる分にも網の目模様のアイシングを施せば、きっとパーティーで喜ばれることうけあい!

 瑞鳳と優雨は、揃ってハートの土台に飾り付け。
「あ、優雨も星使ってみ」
 これがあるだけでかなりクリスマスっぽくなるぞと、星形の砂糖菓子を渡す瑞鳳。
「瑞鳳先輩はハートに更にハートトッピングかと思ってました」
 クスッとそう笑いつつ、アイシングの上に星を散らしていると、ふと糺からの視線を感じた。
「……?」
「いや、何か怪しくなってきたんで……」
 見れば糺のドーナツは、緑に染まって何だか不思議な状態になっていた。
「俺が作るより優雨のが上手そうだし、作って貰った方がどちらかというと俺が嬉しいし……」
「そうですか?」
 優雨は糺からドーナツを受け取ると、赤を加えてクリスマスカラーに染め上げた。
「へー、流石やなぁ」
 彼女の手際に感心しつつ、煌はナッツをつけるためのアイシングを塗っていた。
「煌殿はどれを使うのだ?」
 餡ドーナツを飾りつけながらの真祐斗の問いかけに、煌は暫し迷ったが、結局全部使うことで解決。びっしりナッツの隙間には、豪華さを演出するためのカラースプレー。
「大ボリュームでありますなぁ」
 樅木型の土台を緑のチョコでコーティングしつつ、凛が感嘆の溜息……と、涎をちょっとだけ零す。
「ふむ。こんなものか」
「こちらも完成です」
 ずらり並んだ6種類のドーナツリースは、どれもとても個性的。
「ふふふ…食べるのが勿体無いでありますねぇ」
「言っとくが、一条と藍月は飾るまでは食うのは我慢な」
「わ、分かってるでありますよぅ!」
 心中見透かしたかのような瑞鳳の一言に、凛は伸ばしかけていた手を慌てて引っ込めた。

 プレーンとチョコのハート型ドーナツ4つで、クローバーに似たリースを作る椿。飾りに使うドライフルーツの配色は、シャーマンズゴーストを意識したもの。
 亮はパイ生地でドーナツを作り、生のフルーツを詰めてショートケーキ風アレンジ。なかなかの可愛らしい出来映えに、ちょっぴりウキウキ気分になる。
 それにしても、さっきから椿の視線がやたら気になる。
「可愛いのなんて作ってないよ!」
 対抗して自分も覗き見ようかとも思ったけれど、ここは男らしくツンと我慢。

 妹思いの瑞明が揚げたドーナツに、桜霞は星とツリーに見立てた飾り付け。星はレモンの皮入りクリームに金平糖、ツリーは抹茶味のクリームとドレンチェリー。
「なかなか凝っているな。素敵だよ」
 微笑む兄の手元には、星形ドライフルーツとアザラン、ワンポイントの十字架を飾った、シンプルなホワイトチョコのドーナツ。
 兄妹で全然違うけど、どちらもとても美味しそう。

 皆で作って後で交換こする約束をした、鳥珠キャンパスの仲良し7人。
 ラッセルはチョコドーナツに緑と赤、ラムネ、アザランで、いかにもなリースを作り上げたが、それだけではちょっと物足りないと、団子ドーナツをくっつけた。
「モテない男にとってグループに女子の混ざったイベントは癒しなのだよ、君」
 何やら演説をしつつ、チョコドーナツにレーズンとチョコをかけるあたる。シナモンを塗し、ちょっとオトナな演出も忘れない。
 ドライフルーツ盛り沢山のリースを手早く完成させた恵理子は、仲間達のトッピングを見学。
「うわぁ、キミのも凄い美味しそうね…後で私のと一口ずつ交換しない?」
「む……少し地味ではないか?」
 もう十分豪華なケーキ風ドーナツに仕上がりかけている博雅だが、やはり何か物足りなかったのか、実の付いた柊を挿してみた。
「……皆センスいいなぁ」
 その手際に感心しつつ、健も見様見真似で雪だるま型ドーナツを作る。ホワイトチョコに、チョコとジャムの顔。カラースプレーとドライフルーツで賑やかに。
 モミの林と家々を模した型紙を用意した翅居は、まだ熱々のチョコドーナツに粉砂糖を振りかけて、美しいシルエットを刻み込んだ。最後の仕上げは、銀色に輝くアザラン。
「皆もできた?」
 クマさんの顔を慎重に運びつつ、ラッセルがアドリーナの手元を覗き込む。
「……おかしいですね?」
 そこにあったのは、どこか『もやっと』した緑色の物体だった。
 とりあえず、アザランと赤のゼリービーンズでクリスマスカラーに染めてみるが、何故かどんどんパンキッシュに……。
 これ以上は恐いので、そろそろリボンを結びましょう。
 さて、誰に誰のリースが渡るやら?

 遠い空の下にいる友達。
 彼のイメージは藍色だった。
 だからジングルの作るリースには、たっぷりのブルーベリーチョコと、帚星に見立てたアザラン&アイシング。
 直人も同じ友達を、甘いものが大好きだった彼を思い、見様見真似でホワイトチョコをかけてみる。
「ギャーッ!? 何かドバッて出た――!!?」
 けれど、加減に失敗しチョコまみれ!
「オレは直人のリース、スキだよ」
 大丈夫。見栄えは悪くたって、優しさと一生懸命はギッシリ詰まっているのだから。

 円はハート型ドーナツにストロベリーチョコ。聖雪は星形ドーナツに抹茶とマロンのクリームを挟み、ホワイトチョコでコーティング。そしてチョコで覆われた朔の猫さんドーナツには、シュガーパウダーが雪のように降り注ぐ。
「クリスマスだから一緒にキラキラしようぜ」
 折角だからと、円は聖雪と朔にも星のお裾分け。
「金平糖、綺麗ですね」
「イルミネーションみたいなんよ」
 ゼリービーンズ、スプレーチョコ……リースは輝きを増してゆく。
「甘くて乙女ハートなリースの出来上がりだぜ♪」
 なかなかの出来映えに円が満足そうに笑い、聖雪が3つ並べて写真を撮る。
「眺めてたら少しお腹が減ってきたんよ」
「………」
 さて、どうしましょう?

 プリンチペッサのサクサクドーナツは、ピンクと白のアイシングでレース模様。更にアザランで、愛しい「あの方」の事を想いながら飾り付け。
 可愛いデコレーションも良いけれど、折角だからメッセージをと、チョコペンでメッセージを書くウィル。だが漢字は思ったよりも難易度が高い。
「やっと書けた……」
 思わず出たのは、大きな溜息。

 チョコペンで「めりーくりすます」と書かれたドーナツに、色とりどりの砂糖をまぶす心和。
「わぁ、すごく可愛いね♪」
「愛一朗さんも遊さんも、とても楽しそうですね」
 出来上がった作品を笑顔で見せあいっこしていると、そこに一花がリボンで沢山繋げられたドーナツを持ってやって来た。
「みんなのクリスマスにご協力下さい。なんて」
 見ればそこには、色んな人の絵やメッセージ。
「わっはー! 俺も書く書く!」
「これ、使ってみますか?」
「ありがとう。それじゃ、ちょっと借りるね」
 心和に借りたチョコペンを使い、彼らもみんなのクリスマスに御協力。

「へぇー…アイシングってこんなに色の種類、あるんだー…」
「頑張って美味いの作ろうな、ジロウ」
 仲良くトッピングをはじめた、恋人同士の義仁と尚。
「ここはこうして……あ、ここは違う色にしようかな」
「ん〜…あ、ここにアプリコットつけてみっかな」
 料理心があり手先の器用な義仁は、なかなか素敵に飾ってゆく。が……。
「…トノくん、それ…一体何?」
「…え、ドーナツだけど、なんか変?」
 どうやら尚は、色々お察しレベルなようだ。

 雪之丞とココナは、一緒に結社仲間へのプレゼントを作ることにした。
「ん〜…結局こういうのって自分が食べたい物だよな」
 ビターチョコのドーナツに、クラッシュナッツとドライフルーツを塗す雪之丞。
「bizarreの皆用やったら、お洒落で綺麗なドーナツがいいやろか?」
 星形チョコとアザラン一杯のココナのドーナツは、まるでフワフワの宝石のよう。
「ユキちゃんのはオトナな感じやね」
「ココちゃんのも美味そうだ。ところで、リボンの可愛い結び方教えてくれない?」
 シルバーのラメ入りリボン、とてもよく似合ってますよ。

 レディとレンリーのドーナツの上は、まるで遊園地のように盛り沢山。
「レンリー様、トナカイさんありませんのデスかしら?」
「あはは、それ可愛い〜♪」
 零れそうなクリームに砂糖菓子のサンタ、アイシング、ドライフルーツもたっぷりと。
 そして最後にココアをまぶし、ワンポイントの星を飾れば出来上がり。
「可愛いのができたね♪」
 2人仲良く手を繋いで、落とさないように慎重に運ぼう。

●ドーナツリースでメリークリスマス♪
 出来上がったドーナツリースは、早速ツリーに飾り付け。
 円と聖雪と朔のリースには、お揃いの齧り跡が付いてるけれど、それもきっと幸せの証。
「あ、よければこれにも飾りませんか?」
 そう言って白児が取り出したのは、先程の巨大なリングクッキー。
「それ素敵かも!」
「なあ、俺もいいかな?」
 何人かが大喜びでリースを飾り、リースで出来たジャンボリースの完成!
 やっぱり高いところがいいと、ティーナは脚立の上に立った。
「きゃっ!」
「大丈夫…です、か? …ティーナ」
 足を滑らせてしまったティーナだが、その体を翼の手がしっかり優しく抱きとめた。
「大丈夫、です。お気遣いありがとう、翼姉様」
 そういえば、呼び捨てにするのもされるのもこれが初めて。2人の距離が、ちょっと縮んだ気がした瞬間。

 そしてすべての飾り付けが終われば、いよいよお楽しみのドーナツパーティー♪
 メリークリスマスの一斉の声とともに、ツリーの周りをクルクル回転し出す秀樹。
「創意工夫凝らされていて、ちょっとした芸術作品だな」
「うん、とっても綺麗♪」
 兄の言葉に微笑みながら、食べる分のドーナツを皿に盛る桜霞。飾り付けは、苺と生クリームのサンタさん。
「きらきら輝く、素敵な思い出になりましたね」
 陸の言葉に、スバルとカナンも笑顔で頷く。
「あいつ今頃どこにいるかな」
「元気だといいですね」
 直人とジングルは、リースの向こうに遠い友を思い浮かべる。
「……来年も、一緒にこういうの参加したいね」
「……来年も、一緒にどっか行こうな」
 ツリーを見上げる尚と義仁は、つい同じようなことを同時に口にしてしまい、恥ずかしそうに顔を見合わせた。

「(うぅ、パーティが始まるまでにできあがって良かった……)」
 どうにかリースを飾り付けたアヤは、安堵の溜息とともに焼きメレンゲとチュロスをパクリ。傍にあるのは紅茶の香りと、オールドファッションを食べる智成の笑顔。
「んー、こんなクリスマスも……」
「アヤ、それもらうぜ?」
「あ!」
 言うが早いか、智成は、アヤが手に持つチュロスに齧りついた。
「はは、美味しーな」
「もうっ、言ってくだされば差し上げましたの、に!」
 けれどこういう食べ方って、何だか美味しかったりするんですよね。

「ドーナツで飾ったツリーっていうのも、結構面白いですねー」
「みんな、いろいろ作るよなぁ」
 美味しそうなツリーを見上げながら、詩乃と塔也もドーナツを食べる。その最中にふと目が合い、詩乃は照れながら自分のドーナツを差し出した。
「……少し、食べます?」
 勿論大喜びで受け取って、代わりに自分のドーナツを分ける塔也だが……。
「んで、口移しはまだかな」
 どうかそれは、人目のない場所でドウゾ。

 二人掛けの席で紅茶のカップを傾けるのは、アルブレヒトと枸杞。
「ドーナツのリースを飾ったツリーというのは個性的で面白いのぅ」
 クリスマスパーティーは初めてという枸杞だが、ツリーの出来には大満足のよう。栗金団とロールケーキを食べながら、嬉しそうに自分のリースを見上げている。
「えーと…ところで、枸杞殿、誕生日お祝い申し上げる」
 寮の皆とはまた別に、個人的なお祝いがしたかったと、頬を染めたアルブレヒトが恥ずかしそうに呟く。
「……できれば来年もこうして二人でお祝いしたい…のう」
 さて、返答は……?

 ここに来て、失えない大事な人達と出会えた。
 そんな想いを込めて、雛が雪声に幸せについて訊ねてみる。
「辛い戦いも潜り抜けてきたし、迷惑を掛けっぱなしだったが……」
 続けられた言葉は、笑顔は、間違いなく幸せの証。

「メリークリスマス。今日は、素晴らしい機会をくれてありがとう」
「こちらこそ、来てくれてアリガト♪」
 ジェラールから紅茶を受け取り、暫しの歓談を愉しむ久司。
「初めて作ったものだから、口に合うかわからんが……」
 ジェラールはそう言ってひとつのリースを示し、続く言葉に久司は微笑み頷いた。
「愛一朗的には、今回のドーナツに添えるんやったらどんなアイスなん?」
「やっぱシンプルにバニラ……って!?」
「愛ちゃん様〜♪」
「ちょ……レディ!」
 当然後ろからミニスカサンタに抱きつかれ、ドーナツを落としそうになる愛一朗。
 知り合いを見つけて走り出す息吹。心和も親しい人達への挨拶に向かう。
 プリンチペッサの視線は、先程から何故か久司と遊に向いている。
 調理中に失敗したドーナツをつまみすぎた龍麻は、既にお腹がきつそうだ。
「も、もしやこれは……チョコ、レー…かふっ!?」
「うわっ、倒れた!」
「あの、良かったらこれを」
 チョコを食べて倒れた白児に、志津乃が濃いめの紅茶を渡す。
「あービックリした……」
 目の前で起きたちょっとしたドッキリに、ウィルは額の汗を軽く拭った。
「ねっねっ、1種類ずつちょーだいっ♪」
 ちゃっかり小雪のドーナツにたかる小夏。当然優実のおさかなチュロスも食べている。そしてレイナが齧るのは、勿論超巨大ドーナツ。

 楽しい時間はまだまだ続く。
 さて次は、どのドーナツを食べようか……?


マスター:大神鷹緒 紹介ページ
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楽しい 笑える 泣ける カッコいい 怖すぎ
知的 ハートフル ロマンティック せつない えっち
いまいち
参加者:72人
作成日:2008/12/24
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冒険結果:成功!
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