カウントダウンは船上で


   



<オープニング>


 客を迎える前の準備で、スタッフは慌ただしく船内を駆け回っていた。
 並べられていくテーブル。ピアノの位置や照明の具合を確認し、多くの人が待ち望む夜へ備える。厨房では来たるべき時のため、既に調理も始まっていて。
「……きゅ?」
 良いにおいにつられたのか、一匹のモーラットが厨房を覗き込んでいた。


「カウントダウンクルーズっていうイベントなんだよ〜」
 井伏・恭賀(高校生運命予報士・bn0110)が案内のパンフレットを能力者達へ渡しながら、イベントの概要を話し始める。
 川を周遊するこの船は、カウントダウンクルーズと称して大晦日の夜から翌日深夜までイベントを行っている。
 出航後、食事はビュッフェスタイル――和洋の料理が揃っており、年越しソバもある――で、賑やかなダンスパーティがまず始まる。会場に集う人々は食事はダンスに夢中なため、多少騒ぐか抜け出しても気づかれにくい。
 そして夜が深まってくる頃、会場もジャズの流れる世界へ様変わりする。静かに着席して食事を味わう人もいれば、音楽に耳を傾ける人もいる。恋人や友人と甲板へ出て、ゆっくり語らう者も少なくない。
 そんな時間も過ぎカウントダウンがゼロになれば、岸では新年を祝う花火があがり、船上ではシャンメリー片手に乾杯を行う。
 各々が着飾って赴く、大人びた雰囲気のクルージングだ。

「で、いつの間にか野良モラが紛れこんじゃったんだ」
 モーラットからしてみれば、見聞きする全てが新鮮で興味を向ける対象なのだろう。
 時折イタズラ――本人は遊んでいるだけかもしれないが――をする程度で、人への被害は出ていない。しかし、いつ驚いた拍子に人を傷つけてしまうかもわからない。迅速に捕獲しなければならないのだ。
 野良モーラットは、能力者を見つけると寄ってくる。追いかけると逃げてしまうため、そこはうまく考える必要があるだろう。
「ホールの他にはお手洗いや厨房、スタッフ用の船室がいくつかあるね〜」
 パーティー会場になるのはホールだ。ダンスが行われている時間、モーラットは楽しそうな会場の喧噪に惹かれ、ホール付近をうろうろしている。意図して引き寄せない限り、モーラットがホールへ入ってくることは無い。参加者も殆どがダンスに集中している。
 そのため、ダンスの時間が終わるまでにモーラットを捕獲してしまおう、と恭賀は言った。
「捕まえた野良モラは、鞄とか箱とかに入れてねー」
 暗いところに閉じこめられると、どうやらこのモーラットは飽きて眠ってしまうらしい。そのため捕獲後のことは心配しなくても問題ないと言う。
「どうしても心配ならあたしがモラを預かるから平気、よ」
 それまで黙っていた高城・万里が、他の能力者たちへそう告げる。
「能力者さんも、恋人さんやお友達と一緒に楽しんできなよ〜」
 チケット数は余裕持って用意できているから、と最後に恭賀は微笑んだ。

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参加者
久峩・亜弥音(茶狂・b04140)
島守・由衣(透空・b10659)
桐生・未葛(翠華・b18942)
水鏡・白都(高校生呪言士・b29550)
竜桜院・エレナ(幸運の金色兎・b32417)
弥生・景(絢爛真朱・b39052)
リュート・レグナ(よろこびとかなしみのしらべ・b41973)
南郷・蒼羽(あおいそらのはね・b51577)
小野崎・穂乃美(夢の杜・b53780)

NPC:高城・万里(田舎育ちの黒猫・bn0104)




<リプレイ>

●大晦日
 もう年の瀬とも言ってはいられない。もうすぐ新たな年が幕を開けるのだから。
 けれど、困ったことに野良モーラットにはそのような概念がない。興味を惹かれればそっちへ、飽きればこっちへと気分が赴くまま行動しているだけだ。
 揺れる船上を歩き回り、リュート・レグナ(よろこびとかなしみのしらべ・b41973)は周囲に一般人がいないか忙しなく首を動かしていた。
「船にいつの間にどうやって潜り込んだんだろ」
 首を傾げた竜桜院・エレナ(幸運の金色兎・b32417)に、共に見回りとして歩いていた水鏡・白都(高校生呪言士・b29550)が眼鏡を押し上げる。
 一方、安全確認のため船内を巡っていた弥生・景(絢爛真朱・b39052)は、ひょこひょこ跳ね回る白いもふもふを捉え、電波の通りが少しばかり悪い携帯電話越しに、捕獲班の仲間へ場所を報せていた。

「早くクルーズを楽しみたいですね」
 疼く気持ちを抑えながら、南郷・蒼羽(あおいそらのはね・b51577)が声を弾ませる。
「その前にモーラットの捕獲だな。万里は初めまして。宜しくな」
「ええ、新年へ向けてよろしく、ね」
 甘い香りが零れるクッキーを手に、桐生・未葛(翠華・b18942)と高城・万里が挨拶を交わす。
 パーティ会場となるホールから漏れてくる音には、島守・由衣(透空・b10659)も羨ましげに頬を緩ませた。
「モーラットが紛れ込みたくなるのも少し解るかな」
 風に煽られるショールを羽織り直した刹那、彼女達は闇夜に生える白と鉢合わせした。
 クッキーや手招きで「おいでおいで」と野良モーラットの気を惹く。能力者と出会えて嬉しかったのだろうか、モーラットは楽しそうに鳴きながら彼女達へ近寄っていった。
「ふふ、捕まえました」
 横からそっとモーラットを抱き上げ、小野崎・穂乃美(夢の杜・b53780)が頬ずりを繰り返す。嫌がる素振りもなく、モーラットは笑っている。
「あなたたちって本当に賑やかなところが好きなのね……」
 穂乃美の腕の中できゅっきゅと鳴くモーラットに、久峩・亜弥音(茶狂・b04140)が僅かに肩を竦めた。
 収納されてしまう前にと、リュートが恐る恐る手を伸ばす。
「ちょっとだけ触っても良い?」
 頷く穂乃美に促されるまま指を毛に沈めれば、温かく柔らかい感触に思わず溜め息が出る。
 相変わらずのもふもふっぷりだと、未葛も能力者達に可愛がられるモーラットをじっと見つめていた。

●カウントダウン・クルーズ
 煌く水面の輝きが船の行く手を照らし、月明かりを映す。
 仕事を終えた能力者達も、この時ばかりは何処にでもいる普通の若者だ。
「パーティーなんて初めて!」
 藍色の瞳をくるくると動かして、リュートが賑わう会場へと駆け出していく。
 足早に不破・心愛の許へ寄った蒼羽は、先に会場入りしていた心愛の前で足を止め、顔を覗き込む。
「蒼羽さん、お仕事お疲れ様です」
 真っ先に与えられた労いに、蒼羽が頬を緩ませる。すると心愛は、間髪いれず頭を僅かに下げた。
「招待して頂きまして、感謝なのです」
「こちらこそ、来てくれて嬉しいです。……パーティーの方はどんな感じです?」
 蒼羽に尋ねられ、船上パーティに期待を膨らませ参加していた心愛が、ホールの雰囲気や踊る人々の華やかさを興奮気味に紡ぎ始める。頬を赤らめ、懸命に。
 そんな彼女を見つめ、蒼羽もまぶたを伏せて笑った。思えば不思議なほどの巡り合わせだ。同じ結社の相手と交流するのは珍しくないかもしれないが、キャンパスまで一緒だと顔を合わせる機会も増える。
 同い年のお友達ができて嬉しかったと蒼羽が臆面もなく告げれば、心愛も大きく頷いた。
「今年はありがとう、来年はもっと仲良くなろうね」
「はいっ」
 二人で築き上げてきた時間も絆も、まだまだ先へと続く長いものだ。
 幼い二人が取り合った手は、優しい温もりで溢れていた。

 奏でられる音楽は人々の足取りを軽くし、舞い踊る心を更に高みへ連れて行く。
「2009年も、2008年に負けずいい年になりそうだわ」
 日頃であれば纏う機会もないだろうか。ホルターネックのドレスは、亜弥音の肌を際立たせ、紫の優しさが大人の空気を落とす。
 一方窮屈そうにスーツを着込んできた刈谷・紫郎は、不慣れながらも亜弥音の手を引き、揺れるダンスの中でリードしていた。
 ダンスを習っていた彼女からしてみれば、そのぎこちなさは微笑ましいものだろう。薄く刷いた笑みは耐やさぬまま、あまり無理しちゃ駄目よ、と嬉々とした感情を胸の内で燻らせた。

 ダンスをしている間は、互いにあまり顔を見られない状態だった。
 気恥ずかしさと、後押しされれば一気に突き抜けてしまいそうな少しばかりの躊躇い。それまで保っていた距離を思わせる関係だ。だからこそ、食事のような日常にある一場面では、それを拭える気もした。
 和食中心に口へと運ぶ白都の傍ら、エレナはそんな彼の仕草や動きに目が忙しい。
(「先輩、和食好きなのね……私も和食にしよっと」)
 何を食べているのか逐一脳へインプットし、エレナは平然と彼の横で和食を選んでいく。
「年越しそばもきっちり食べようか」
 不意に白都が提案を向けたため、それまで黙っていたエレナは一瞬目を瞬かせ、頷くまでに少しの間を空けてしまった。
 その近くでは、リュートが並べられた多種多様な料理に目移りしながら、うろうろと歩き回っていた。どれも美味しそうだからたくさん食べたくなる。けれど、調子に乗って取りすぎると全種類食べきれなくなってしまう。そんな理性ぐらいは、リュートにも残っていた。
「万里お姉さん、ドレス似合ってるね」
 片隅で出すを眺めていた万里へ近寄り、リュートは屈託の無い笑顔を浮かべる。
 褒められて恥ずかしかったのか俯いた万里とは反対に、リュートは小さく息を零す。
「わたしもそういうのが似合うようになりたいな」
「え。リュートさん可愛いから似合いそう、よ?」
 首を傾げた万里に、少女は「そうかな」と眉を下げた。十歳の少女が望む自分の未来像は、一体どのようなものなのだろうか。
 ぽん、とそこで万里が手を叩く。
「それじゃあいつか着て見せて、ね」
 思わぬ提案が出た頃、穂乃美は少し離れたところで足を休め、緊張が続いていた心を解す。船もパーティも初体験となれば、胸が高鳴らずにいられない。
 白い肌を似た色のワンピースから流し、決して急くことなく食べ物を摘んでいく。皿へ食べ物を乗せる度に、ビーズのブレスレットが彼女の手首を彩った。
 ――大人っぽいパーティだから、私みたいな子どもで大丈夫かなと思いましたけど。
 顔は動かさずに、目だけで周囲を見遣る。けれど何を気負う必要もなかった。穂乃美は清楚な雰囲気を纏ったまま、通りすぎる人の視線を釘付けにしつつ、デザートへと移行していて。
「ドルチェのシャーベット、ひんやりして美味しいな」
 紫の瞳を眇め、落ちそうな頬を押さえて微笑んだ。
 静かに一人で食の時間を堪能する彼女のような人もいれば、未葛と涙のように二人のひとときを楽しむ者もいた。
「涙は何が食べたい?」
 選択肢の多すぎる質問に、涙は暫し考え込んだままで。
 その傍らで、何やら賑やかな人影がうごめく。
「いかにして、この食べ物を持ち帰るか! 赤貧には、これぞ最大の戦いで御座るね!」
 目を輝かせた景が、ぎゅっと拳を握り締める。年始へ向けて食事を詰めなければ。そう力を入れた景に、高宮・てうも同意を示すように深く頷く。
「周りの目なんか気にならない! 何も言うな突っ込んだら負け!」
 てうの宣言と共にタッパーへ次々重ねられていく料理。
 もはや二人を止められる存在はいない。
 否、周りの客は関わりたくないと顔に書いて目を逸らし、距離を置いていた。恐るべし貧乏パワー。
「気持ち、船とモーラットとタッパーぐらいの意気込みで御座るよ!」
 タッパーの割合はどうにかならなかったのか。

 喧騒を避けて甲板へ出てみれば、冬の外気が突き進む船に沿って流れていた。
 船内は人が多くて苦しくなる。白都は肩を竦み、上着を羽織らせたエレナを闇夜へ導く。
「花火楽しみ。良い場所が取れるといいな」
 まだ来ぬ時に胸を膨らませ、エレナが頬を朱に染める。次第に体温が奪われていきそうだ。
「嬢ちゃんのほっぺ、真っ赤だなー。外だから仕方ないか」
 くすくすと笑いを零した白都は、寒さに乾いてしまいそうな彼女の頬を、両手でそっと包み込んだ。挟んだ温もりが、一層その色を深めた。
 ――赤いのは寒いせいじゃないってば。
 声に出そうとしたエレナは、喉へ飛び込んできた風を飲み込んでしまい、何も返せなかった。
 甲板へ出ていたのは、彼らだけではない。
「同じ大学を受験する」
 紫郎の思いがけない告白に、亜弥音の目が見開く。
「……なら、ちゃんと合格したらまた一緒の学校に行けるわね」
 期待ばかりが先駆けする。思わず零れた笑いで肩が揺れ、亜弥音は今まで生きた長い時間を脳裏へ蘇らせる。
 年が変わる日に、傍で寄り添い共にいられる。些細なようで大きな喜びだ。
 ――月日を重ねることが、こんなにも嬉しいことだなんて。
 紫郎と重ねた手を見つめ、そこから顔へと視線を揚げていく。
 今年もよろしく。その言葉を伝えるために、二人はそこへ立ち続けた。
「ずっと、傍に居て。私もあなたの傍に居るから」
 新年の知らせがあがり、絆を確かめるように唇を合わせるまでそう時間はかからなかった。

●良いお年を
 カウントダウンも間近となれば、普段眠っている時間であるはずのリュートにとっては厳しくなってくる。
 満腹感からもくる眠気を吹き飛ばすべく外気に身を晒し、大きく伸びをした。
「大晦日は、夜遅くまで起きていても怒られないから好きだなー」
「あたしも。夜更かしってドキドキするのよ、ね。はいジュース」
 そんなリュートへ、万里がジュースを手渡す。由衣が人数分の飲み物を配っていたのを、しっかり貰ってきたのだ。
 せっかくだから皆で乾杯しよう――そう言い出したのは由衣だった。巡り合えた仲間だからこそ、そして新年という節目を迎えるからこそ、大勢で過ごす喜びを味わいたいと、仲間達の間からも賛同の声があがる。
 会場に集った一般人も同じなのだろう。シャンメリーやジュース、ワインを片手にカウントダウンを今か今かと待っていた。
 誰が告げたわけでもなく、人々の間からカウントダウンが遡っていく。能力者達も、声を合わせて数え、或いは指で数を模る。
「明けましておめでとう。今年もみんなにとって良い年になる事を願って……乾杯!」
「乾杯ー、2009年もがんばっていきましょう、です」
「乾杯!」
 由衣が繋げた乾杯の音頭に、蒼羽や穂乃美も続いて満面の笑みでグラスを掲げる。
「わ、綺麗!」
 それまで睡魔と闘っていたリュートが、新年を知らせるべく高々と打ち上がった花火を指差し、声をあげた。
「この思い出、ずっとずっと忘れずに覚えていたいな……」
「本当、そうですね……」
 ほうと吐かれたリュートの溜め息に、穂乃美が応える。
 しかしそろそろ眠気が襲来してくる時間だ。
 穂乃美は初日の出を眺めるべく、携帯のアラームをセットしながら甲板へと踏み出していった。

 同じ頃、それぞれの時間に浸る仲間達は。
 翡翠色のドレスをなびかせて、未葛が涙を抱き寄せる。年が明ける瞬間を寄り添い過ごした涙を、ただぎゅっと。
「……今年も宜しくな」
 未葛の呟きは、涙の耳朶を打った。

 本格的なディナータイムへと突入していた景とてうは、カウントダウンを報せる花火の中でも、いつもと変わらぬ流れに乗っていた。
「お揃いで御座るね〜」
 レンタルドレスを互いに指差しあい、銃を撃つ素振りと共に笑いあう。
 すぐ横には、フタが飛んでしまいそうなほど詰め込まれたタッパーの山を作りながら。

 ささやかな乾杯のノリから離れ、由衣は高坂・司真と共に甲板へと歩み出ていた。黙ったまま上着が彼女の肩を包み込む。
「依頼お疲れ様」
 司真の穏やかな声音を寒さの中しかと聞き届け、由衣は愛おしそうに瞳を眇める。
「ありがとう。想像以上に素敵な場所で、司真君と一緒に来られて嬉しいわ」
 躊躇いも恥ずかしさもない。本心からの感想に、司真は思いがけず飄々とした態度を崩しかけた。
 けれど照れは静かに胸へ引き戻し、司真は風に遊ばれる彼女の顔を真っ直ぐに見つめる。
「それから、今年一年ありがとうございました。来年もどうぞ宜しく」
「こちらこそ……」
 返しかけた由衣は、一度言葉を区切って喜びを噛み締める。
「司真君のお陰で良い一年だった。今年も、そしてこれからもどうぞよろしくね」
 私は今幸せよ、と続けようとした彼女の声が、打ち上げられた花火と重なった。

 エレナの温かさを逃さぬように、白都が少しばかり大袈裟に抱きしめる。
「こんな事するのはエレナだけだ」
 耳へ直接吹き込むように囁けば、赤くなっていたエレナの色が耳まで侵食してきた。
 ――白都先輩、し、心臓に悪いわ……。
 小さく呻くエレナに、白都は新年の挨拶を捧げる。突然ぬくもりが身体から離れ、エレナもようやく顔を覗き込むことが叶う。
 祝いのため持ったグラスをチンと鳴らし、互いに一口ずつ含む。
「そうそう、エレナ嬢ちゃん」
 不意に紡がれたのは、期待ハズレだなんて言わせないという、白都の決心だった。
「嬢ちゃんの隣は他の奴には渡さない。数年後先の俺込みで期待してて」
 遠慮したのか控えめになった風のおかげで、はっきりと聞こえてしまう。
 ――とっ、隣は渡さないって……。
 唇が震えるのは、寒さの所為なんかではない。興奮と戸惑いが同時に押し寄せたエレナを、彼は見守るように眺めるだけで。
 ふと、エレナは確かめるべく口を開いた。
「新年早々のお願い。一つだけ」
 一足指を立てて告げた彼女に、白都が頷く。
「嬢ちゃんはやめて。エレナって呼んで欲しいな」
 呼び捨てで呼んで欲しい。
 そんな思いがけないお願いに、白都は一瞬呼吸を忘れた。
 歳が離れていることもあり、本当に大切に、大事に彼女の成長を待とうと考えていた。それこそ壊してしまわぬよう、力をセーブして。
 けれど、少しずつでも近づきたいと背伸びする少女に、白都はくすぐったさと困惑を絡めあわせ、今この時間の彼女へ答える。
「困らせないように、誠意努力します」

 新たな一年が始まった。
 隣り合わせの非日常と向き合いながら、若者達はまた新しい一歩を踏み出す。
 彼らの未来が明るく、そして幸福に溢れたものであるように。
 戦う彼らの真実を知る風がそう願ったかのように、最期に大きな華が崩れることなく夜空を飾った。


マスター:鏑木凛 紹介ページ
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楽しい 笑える 泣ける カッコいい 怖すぎ
知的 ハートフル ロマンティック せつない えっち
いまいち
参加者:9人
作成日:2008/12/31
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冒険結果:成功!
重傷者:なし
死亡者:なし
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