月夜の誘いにご用心


<オープニング>


 消灯時間から一時間以上が経ち、少女達もさすがに穏やかな寝息を立て始める時間帯。
 この女学園は小学部から高等部までの一貫教育で、日本の未来を担うレディの育成を校是としている全寮制の学園である。
 原則として男子禁制の寮内の一室に、その夜は場違いな男達の姿があった。
「お目覚め下さい。姫君」
「ふぇ……? ど、どなた?」
 寝ぼけ眼の少女の目の前に居たのは、ひげ面のいささかむさくるしい男。部屋は暗いが、彼のほかにも少なくとも五人程の人間が居る様だ。
「子爵様の遣いの者です。貴女をお迎えに参りました、これよりお城にお連れ致します」
「お城……私を迎えに……?」
 この年頃の少女にとって、お城からのお迎えと言うフレーズは意外に効き目がある様。
 元々遊びたい盛りの子供がこんな所に押し込められ、厳しい生活を送らされているのだから、素敵な王子様に救い出して貰いたいと夢見るのも無理からぬ事だろう。
「……わ、解りました。参ります」
 錯誤はあるにせよ、暫しの説得の後で少女は男達と同行する事にした。
「よし、急ぐぞ。誰かに見付かると厄介だ」
「きゃっ?! 待って、着替えや荷物……書置きもごっ?!」
 男は少女を問答無用で抱え上げ、手で口を覆いつつ彼女を連れ去った。

「女の子は責められないわね。わたしも覚えが有るもの、素敵な王子様が平凡で退屈な日常から連れ去ってくれたら……なーんて思った事がね」
 柳瀬・莉緒(中学生運命予報士・bn0025)は少しだけ自嘲気味に言う。
「こほん。今回の敵は、見えざる狂気に犯された従属種ヴァンパイアよ。彼らを捕まえて欲しいの」
 従属種ヴァンパイア達は、いわゆるお嬢様学校の寮に侵入し、少女を一人誘拐しようとしている。
 能力者達はこれを阻止した上で、彼らを可能な限り捕らえるのが今回の任務だ。
「実行犯のリーダー格なのは、ひげ面のルイって男よ。どういう目的があるにせよ、乙女心を利用して少女を誘拐するなんて許しがたい行為だわ」
 莉緒は腕を組み、不快感を露にする。

 さて、ルイ達は女子寮の一室。るかと言う少女の個室に侵入し、彼女を口車に乗せ、それから自分達の乗ってきたミニバンで連れ去ろうと目論んでいる様だ。
「まずはどこでこれを阻止するか、よね。るかさんの部屋に先回りするか。或いは寮の外に出たところで、車に乗る前に阻止するか」
 るかの部屋に先回りすれば、相手の裏をかく事が出来るかも知れない。
 その反面、騒ぎになればるかや周りの部屋の少女達等、一般人が戦いに巻き込まれてしまう危険性がある。騒ぎにならない様に巧く敵を騙したり、いざと言う時の為に一般人への対策もしっかり立てなければなるまい。
 寮の外で迎え撃つ場合、るか以外の一般人を巻き込む危険性は減るだろう。
 ただ、ルイ達が逃げ出した場合、夜闇に紛れた彼らを捕縛するのはやや難しくなりそうだ。
「彼らの目的は解らないけれど、とにかく能力者が犯罪行為を犯すのを見過ごす事は出来ないわ。彼らは不利と見ればすぐに逃げ出すだろうけれど、最低でも一人、捕まえて頂戴」
 一人でも捕まえれば、目的を聞き出す事も出来るだろう。
 捕縛したヴァンパイアの護送等は、学園側で手配するので能力者達は一先ず現場で彼らを捕らえるところまでが役目だ。
「それじゃ、気をつけて行って来て頂戴っ」

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参加者
聖馬・アキラ(炎狐・b00129)
灰島・鋭士(殺シノ調ベ・b12496)
ホーリィ・ランプフィールド(インビジブルスマイル・b18301)
烏森・メジロ(いつか月に行ってみたい・b26804)
平川・明音(俺様さいきょーっ・b29089)
テーオドリヒ・キムラ(氷炎の灰狼・b37116)
水走・ハンナ(ヴァンパイアボンビー・b46874)
エリス・フォーマルハウト(美の守護者・b46962)
朝宮・りんね(狂気に染まりし復讐者・b57732)




<リプレイ>


「任務のためとはいえ、女子寮に入るのは申し訳ない気がすんな……」
 闇を纏った灰島・鋭士(殺シノ調ベ・b12496)の姿は、一般人に見られることは無い。が、やはり入ってはいけない場所に入ると言うのは独特の緊張感がある物だ。
「それで、るかの部屋はどこなの?」
 こちらは旅人の外套を纏った朝宮・りんね(狂気に染まりし復讐者・b57732)。
「ここ、お名前が書いてありますの〜」
 セレナが指差す先、各部屋には表札がついており、部屋の持ち主の名前とクラスが書かれている。
「しょうがない、とりあえず端から探すか」

 潜入班の三人がるかの部屋を探し始めた頃、寮の外では他の能力者達がそれぞれの配置についてヴァンパイア達の到着を今か今かと待ち構えていた。
「従属種ね……ホント、主の躾がなっていませんわね。美少女は人類の宝! るかさんもりんねさんも絶対死守しますわ!」
 そういう自身もヴァンパイア達の標的になりうる資格は有していそうなエリス・フォーマルハウト(美の守護者・b46962)。
 正面入り口近くに潜みつつ闘志を燃やす。
(「あぁ、ロリ趣味だか儀式の生贄目的かは知んねぇけど、阻止させてもらうことには変わんねぇ」)
 そう心の中で呟くテーオドリヒ・キムラ(氷炎の灰狼・b37116)は狼に姿を変え、何の変哲も無い野良犬のフリ。
「狂気か……親父を思い出すから嫌ね」
 見えざる狂気に犯されたヴァンパイアを相手取るのは、水走・ハンナ(ヴァンパイアボンビー・b46874)にとっては余り気分の良い事ではない様だ。
「……ま、これも仕事だからね」
 とは言え、能力者達の戦いは相手を選べないものだ。自分を納得させる様に呟いて深呼吸。
「目的不明ってのは不気味だぜ。慎重に行った方が良さそうだな」
 さて一方、裏口に控える平川・明音(俺様さいきょーっ・b29089)。
 普段は自身過剰な彼女だが、今回は得体の知れない相手と言う事もあっていささか慎重だ。
「吸血鬼の人と、お城で『影のお城』を思い出しちゃったのね。けど……関係ないよね?」
 城とやらにるかを連れ帰るのが敵の目的らしいが、城と言うのはただの誘い文句なのか、それとも……今は窺い知る事も出来ない。烏森・メジロ(いつか月に行ってみたい・b26804)はいつでもライトを点けられる様に準備しつつ、首を傾げる。
(「出来るだけ多く捕えたいですね。慎重かつ迅速に参りましょう!」)
 また少し離れた場所を歩く一匹の子猫。猫変身したホーリィ・ランプフィールド(インビジブルスマイル・b18301)だ。
「さてと、一体何が目的かわからないけど、とりあえず捕まってもらいましょうか。お姉さんがんばりますよー」
 女装といっても何の違和感も無さそうな聖馬・アキラ(炎狐・b00129)だが、今回の敵は小学生以下に狙いを定めて来ている事もあって、男性陣の女装は見送られていた。
「……今回の敵はロリコン?」
 さてさて、一体何を目的とした集団なのか、美少女を誘拐せんとする非道な敵の襲来まで、能力者達はじっと息を潜める。


 ――ブロロォォン。
 それから暫くして、一台のミニバンが学園の敷地内に侵入してきた。ヘッドライトを消しており、あからさまに妖しい。
「来たか。りんねからのコールはまだ……ないな」
 明音はもう一度携帯の画面を確認するが、着信はない。
「見付かっちゃダメだからジッとするのね」
 元々小柄な体を一層縮ませて木陰に潜むメジロ。
「エリスさん、それらしい車が裏手に来たよ。合流よろしく」
 アキラとホーリィは建物の影に身を潜めつつ、正面班へ連絡を取る。
「解りましたわ。皆、裏口ですわ!」
 連絡を受けたエリスは、すぐさま表口のメンバーに知らせて裏口へ速やかに移動を開始する。
 ――キキッ。
 裏門近くで停車したミニバンから、数人の男達が降りてくる。
「よし、急ぐぞ!」
 黒服に身を包んだいかにも怪しげなその男達は、機敏な動きで寮へ向かってゆく。
 これを見計って、子猫に姿を変えた明音はバンの死角へと回り込む。
「(やっぱり運転手が残ってるな……いや、運転手だけじゃないな)」
 バンの中からは微かに男の話し声が聞こえる。明音は変身を解くと、バンの中に敵が残っていると言う合図のワンコールをホーリィへ送る。
 しかし、まだ肝心の潜入班からの連絡はない。

「ったくもう! 幾らお嬢様学校だからって個室なんて!」
 その頃寮内のりんねは、るかの部屋が中々見付からない事に若干のシビレを切らし始めていた。
「確かに一人一部屋と言うのはゴージャスですの〜」
 相槌を打ちつつ、足早に一つ一つの部屋を確認するセレナ。
「二人とも、こっちだ!」
 曲がり角から手招きする鋭士。どうやらるかの部屋が見付かった様だ。
 ――トントン。
「はい? どなた?」
 扉を叩くと、部屋の中からは可愛らしい少女の声。
「夜遅くにごめんなさいね」
「失礼致しますですの〜」
「えーと……?」
 りんねとセレナの二人が部屋に入ると、るかは記憶を探るように瞳を泳がせる。一見見覚えのない少女達が何者だったか思い出そうとしているのだろう。
「失礼をお許し下さい姫君。私はあなたを悪魔から守るためにやってきた騎士です」
 恭しく礼をする鋭士。
「騎士……様? えーと、あの……悪魔と言うのは?」
 るかはかなり驚いた様子だが、騒ぐ事は無くそう尋ねる。
「姫、今は時間が有りません。まずはこの部屋を逃れ、詳しくはメイドのセレナからお聞き下さい」
「さ、こちらへどうぞですの〜」
「え? あ、はい……」
 半ば強引にセレナに手を引かれ、部屋を出て行くるか。
「よし、それじゃ俺はここに隠れるぜ」
「ええ、外の皆に連絡するわ」
 鋭士はクローゼットの中に隠れ、りんねはベッドの端に腰掛けて携帯を操作する。
 なんとか作戦の前段階は整った様だ。


「(来た!)」
 明音の携帯が震え、りんねが入れ替わりに成功したという合図が届いた。すぐさまホーリィにその旨を知らせる。
 一同いつでも飛び出せるように身構える。
 ――シューッ!
 明音がナイフを突き立て、タイヤの一つをパンクさせる。
「何だ?」
 間をおかずドアが開き、中から男が二人出てくる。
 ――バッ!
「うわっ?!」
 メジロによって照射されるライト。男達はライトアップされて完全に浮き足立つ。
 ――ヒュッ!
 不意を突いてナイフを振るう明音。
「ぐわっ!」
「なんだお前達はぐっ?! ――ごほっ!!?」
 もう一人の男の口をディスノミアの手に抑えさせ、エリスは渾身のパンチを男の腹部に見舞う。
「ぐーちゃん、全力でいきますよ」
 不意を突かれた男達は、抵抗らしい抵抗も出来ないまま能力者達にぼこぼこにされてしまった。
「よし、それじゃもう一度隠れよう。そっちはお願い」
 倒れた男をずるずると物陰へ引き摺るアキラ。
「解った。水走さん、足を頼む」
「いっせーの……!」
 テーオドリヒとハンナがもう一人を持ち上げて運ぶ。
「なんだか、見ようによってはこっちが悪い人みたいなのね」
 呟きつつ、ライトを消すメジロ。

 ――カチャ。
「お帰り、るか。早かったわね……って誰よ、あんたたち!」
 一方その頃、るかの部屋にはルイ一行が到着。手はずどおり、驚いたフリをするりんね。
「お、おい! どういう事だ!」
「さ、さぁ……とにかくお嬢ちゃん、静かに。我々は別に怪しいものではない」
「ど、どう見たって怪しいじゃない!」
「厄介な事になったな……いやまてよ、良く見たらこの子もかなりの……」
「うむ、るか嬢と同等……それ以上といっても良いかもしれん。これなら子爵様もご満足される筈」
 ぼそぼそと小声で話し合っていた男達だったが、さほど時間を掛けずに結論が出たらしい。
「姫君、子爵様の遣いの者です。貴女をお迎えに参りました、これよりお城にお連れ致します」
「お、お城?」
「さぁこちらへ!」
 一般人のフリをしているりんねに疑いを持つ様子も無く、ルイ達は彼女を連れて部屋を出る。
「任務の為とは言え、女の子のクローゼットに隠れるのは……いや、今は任務に集中しよう」
 りんねとルイ達が部屋を出たのを確認すると、鋭士もクローゼットから出て彼らの後をつける。


「それで、そのお城って言うのはどこにあるの? 子爵って言うのはどんな人なの?」
「ええまぁ……それは追々」
 りんねは怪しまれない範囲で探りを入れるが、ルイ達は言葉を濁すばかり。
「おい、本当にあの娘で大丈夫なのか?」
「はぁ……しかし美少女は欠かせぬ存在ですし、性格は問題ですが見た目は……」
「ちょっと、聞いてるの? 城まではどうやって行くの?」
 ぼそぼそと話し合っているルイ達に問いかけるりんね。
「それなら心配はご無用。白馬ではないが、車を用意してあります」
 寮を出たところで、ルイはミニバンを指差す。
「む? 待て、妙だぞ。運転手はどうした」
 が、男の一人はバンの運転席に人影が無いのに気付いて周囲を警戒し始める。
「ここまでよ! 観念しなさい」
 完全に警戒態勢を整えるより前に、能力者達は一斉に姿を現した。ルイ達を取り囲みつつ、言い放つハンナ。
「その子は連れて行かせないの」
 再びライトを点灯させ、ヴァンパイア達を照らすメジロ。
「むっ!? な、何者だ!」
「曲者か……油断するな!」
 身構えるルイ達。
「姫君、こちらへ――」
「おっと、ここは通行止めだぜ」
 りんねを連れて寮内へ入ろうとしたヴァンパイアの行く手を塞ぐ鋭士。
「ええい、片付けろ!」
 包囲されたヴァンパイア達はそれぞれ得物を抜き放ち、ついに戦端が切られる。

「逃がさないのね!」
 メジロは強力なエネルギーの風を纏いつつ、びしっとルイを指差す。
「大人しく観念するんだな」
「行きますわよ、ディスノミア」
 明音の雷弾が放たれ、間をおかずエリスはサキュバスと共に同時攻撃を仕掛ける。
 ――バシィッ!!
「ぐわっ!?」
「な、なんだこいつら……手強いっ!?」
 一人のヴァンパイアがマヒし、動きを奪われる。予期せぬ強敵の出現に浮き足立つヴァンパイア達。
「観念しな。全部吐いてもらうぜ」
「このロリコン! ペド! 変質者! 最終日東館壁際!」
 テーオドリヒが不死鳥のオーラを叩き込むと同時に、ハンナも強烈な風を放つ。
「ぎゃあぁっ!!」
 集中攻撃を受けた男は、地面に突っ伏して意識を失ったようだ。
「そこっ!」
 次の標的へガトリングガンを撃ち込むアキラ。
「くっ……ルイ様、こうなったら少女を盾に……」
「むむっ、致し方ない。姫、ちょっとこちらへ……」
 再びひそひそと耳打ちをするルイ達。猫撫で声でりんねを手招きする。
「行くわけ無いでしょ……さあ、フルボッコ体操の始まりよ」
 しかし当のりんねはイグニッションを済ませ、旋剣の構えを取る。
「な、何?! 罠かっ……姑息な!」
「だからあんな小生意気な娘はやめるべきだと……大体この学園に通う令嬢にしてはどこか上品さに欠けると言うか、貧乏臭さが漂っているというか」
「……全部聞こえてるわよ」
 言い放題言っているルイ達に、感情を殺しつつ告げるりんね。
「さぁ、どんどんいくのね」
「援護する」
 俊敏な動きで間合いを詰めると、弧状の鋭い蹴りを放つメジロ。明音もこれに呼応して雷の魔弾を放つ。
 ――ドシッ!
「ぐはぁっ!」
 この連携を受けて更に一人のヴァンパイアががくりと膝を突く。
「くっ……遺憾だが撤退する! 突破しろ!」
 形勢が圧倒的に不利と見て、ルイは任務の達成よりも撤退を選択した。
「ええい退けっ! ローリングバッシュだ!」
 ヴァンパイア達はなりふり構わず、囲みを突破せんと向かってくる。
 ――ガガッ!!
「堪えて!」
「ぐーちゃん、手当てをお願い! 簡単には、通しませんよ……!」
 ローリングバッシュを受け止めたディスノミアを、すぐさまぐーちゃんが回復に回る。
 その間にもホーリィは、至近距離から雷の魔弾を見舞う。
「通せ! そこをっ……」
「ここは通行止めだと言ったはずだぜ」
 ――ゴオォッ!
 鋭士は尚も寮内へ逃げ込もうとするヴァンパイアの顔面へ、紅蓮の炎を叩き込む。
「そろそろ観念したらどうだ?」
「くっ……黙れ黙れぃ」
 次々に戦闘不能に陥ってゆくヴァンパイア達。テーオドリヒはルイへ降伏を促すが、勿論応じるつもりはなさそうだ。
「変態髭親父、覚悟!」
「髭男爵さん、いきますよっ」
「誰が変態だ、失敬な小娘だな! それにそこのオバサン、我輩は男爵ではグハァッ!!」
 テーオドリヒのフェニックスブロウが、そしてハンナのジェットウィンドが容赦なくルイへ襲い掛かる。
「誰がオバサンだー、せめてお姉さん……とにかくこのロリコン!」
「ゴハァッ!!」
 アキラのフェニックスブロウが炸裂し、ついにルイはその場に倒れ伏す。
「おねんねには、まだ早いわよ! アンタたちには聞きたいことがあるんだから!」
「ううっ……」
「あんたの仲間や同類に、二刀流の日本刀使いは居なかった?!」
「……我々は……美少女一筋の一刀流だ……ぐふっ」
 りんねはルイの襟首を掴んで問い詰めるが、彼はそう答えたきり意識を失った。


「血を求めるとか勢力拡大とか何か知らないけど、何の罪も無い女の子を騙して誘拐しようなんて――」
「全くですわ。美少女は人類が共有すべき宝! それを無理矢理独占するなんて――」
 捕縛したルイ達に、説教をするハンナとエリス。
 実際に聞こえてるかどうかは余り問題ではなさそうだ。
「何が目的か……素直に教えてくれるでしょうか」
 アキラは心配そうに言うが、巧くヴァンパイアを全員捕らえることが出来たのだから、能力者達としては十二分に役目を果たしたと言っていいだろう。後の情報収集は学園に一任だ。
「何をしようとしてたのかな? 理由、早く解ると良いのね……」
 捕縛したヴァンパイア達を引き渡しつつ、期待を篭めて呟くメジロ。
「こっちの情報についても、悟られないで済んだな。さすが俺、完璧だぜ」
 一方、明音は更に自信を強めた様子で満足げに頷く。
「一体どんな陰謀が渦巻いているやら……」
 捕縛したヴァンパイア達が口封じに遭う危険性を考慮し、周囲を警戒していたテーオドリヒだが、幸いその気配は無さそうだ。
「ひと段落ですね。女装を見れなかったのはちょっと残念かも、ですが」
 悪戯っぽく微笑みつつ言うホーリィ。
「いや、女装は……相手の狙いは小さい子みたいだったしな……。それより、セリナやるかをいつまでもトイレに隠れさせておくのは可哀想だ、夜も遅いし合流して帰るとしようぜ」
 内心ほっとしつつ、鋭士は一同を見回す。

 能力者達の活躍によって、従属種ヴァンパイア達の魔手から美少女達を守る事が出来た。
 影で一体どの様な思惑が蠢いているのかは、そう遠くない未来に明らかになる……筈だ。


マスター:小茄 紹介ページ
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楽しい 笑える 泣ける カッコいい 怖すぎ
知的 ハートフル ロマンティック せつない えっち
いまいち
参加者:9人
作成日:2009/01/31
得票数:楽しい18  笑える4  カッコいい2  知的3 
冒険結果:成功!
重傷者:なし
死亡者:なし
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