chocolate prize ticket


<オープニング>


 繁華街はそろそろ、バレンタインの準備に取りかかろうとしている感じが漂っていた。
 ギフトショップや、お菓子屋は可愛らしいパッケージのチョコレートが並びだしている。
 そんな街並を横目で見ながら、当り付棒アイスを食べる濱田・桜子(クレイジーブルー・bn0102)。
「………うお。当たった」
 最後の一口を食べ終わって、アイスがなくなったアイスの棒を見てみるとそこには、薄茶色の文字で『あたり』と書かれている。
 と、そこに綺麗に並べられたチョコレートが目に入った。
「これだ!! 今年はこれだ!!」
 何か思いついた桜子は、当りアイスの棒を握りしめたままどこかへと走っていく。
 
「つかさ、聞いて聞いて! コレどうよ! 当り付チョコ!」
 手作りチョコレートキットを揃ええた桜子が、楽しげに話を始める。
 今年作るチョコレートは、当り付にしようと言い出した。
 当り付アイスがあるのなら、当り付チョコがあったっていいじゃないかと。
「チョコはそんなこったもんじゃなくて、溶かして冷やして固めてるつもりなんだけど、まだ固まらないそこにコレをくっつけて棒付きアイスみたいな形にしようと思うの」
 ジャーンと、桜子が取り出したのは短めだが、棒つきアイスの様な木の棒。
「でさ、ここが肝心なわけよ」
 大量の木の棒を机の上に広げて、その中から1本取り出すと、そこには赤字で「あたり」と書かれている。
「コレ! コレ!! 手作りの当り付チョコを作ろうと思うの。ただ当りっていうのもいいんだけどさ、カレシにだったら「ハグ」とか書いて、ハグせがんだりするのも有りだと思うんだ」
 カレシはいないけどさ。と、続ける桜子の声のトーンが、あからさまに小さくなる。
 冗談でホワイトデーのお返しを要求するのも楽しいだろうし、女の子同士の交換なら「いつもありがとう」とか短いメッセージを書いてもいいかもしれない。
 仲間内で盛り上がるなら、罰ゲームを書くのもあり。
 どうやら、当り付に拘っているわけではなく、何でもあり。
 そんな説明を楽しげにしながら、沢山の棒とチョコレートを流し込むための、色んな型を広げていく。

「チョコも沢山持ってきたし、沢山作ろうよ。余ったら、みんなでここで当り付大会しちゃえばいいんだしさ」
 色んな種類のチョコで色んな形の当り付チョコを作って、プレゼント用を作った後は、自分たちも思いっきり楽しもうと桜子が提案する。
 さてさて、どんな当り付のチョコができるのか。

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参加者
NPC:濱田・桜子(クレイジーブルー・bn0102)




<リプレイ>


 世の中は便利になったもので、この時期になると可愛らしい型が沢山そこここで売られる。チョコもテンパリングしなくても良いものまで売り出され、これなら少々のぶきっちょさんの腕前もカバーできる。
 しかも今回はアタリつき、チョコの出来よりアイデア勝負。

 楽しい事が好きな人へのプレゼントだから、楽しいものにしたいと綾羽は、ネコ型に流し込んだチョコに「Lucy for you」と書いたアタリの棒をチョコの中に埋め込む。プレゼントする相手の日ごろの皆からの愛されようを思い浮かべては思わず笑みがこぼれる。
 アタリが出ると異常にテンションが上る事に共感する悟は、表に「当たり」裏に「なんってうっそ♪」と上げて落とす棒を作り、慣れた手つきで溶かしたチョコの中へ。
「ボケと突っ込みは笑いの基本、チョコっとボケ倒すんが俺なりの礼なんや♪」
 一瞬の空白の時間。
「はい、ここ笑うとこや!」
 そんな事は計算済みだと言わんばかりに悟本人が、笑い飛ばす。
 流羽はアタリ付のチョコはあったかなかったか考えるものの、「まあいいや、楽しければ♪」と、結論付けどの型にするか悩む。ハートはありがちだしなんて考えていると、神降臨。何故か脳内で森のくまさんが流れ出し、手には可愛らしいクマ型を持っていた。
「………お告げ?」
 むしろ何かのお告げだろうかと思うけど、型もアタリも決まったから早速作業に移る。
 教室の片隅で表に「あたりもう一本食べる」裏に「その後体重計に乗る」と書いた棒のチョコを制作してるのは散人。
「甘いものはカロリーも多い、油断大敵、後の祭りですね」
 と、呟いた所で誰の耳にも届かない。
「早速、王様チョコを作るぞ〜」
 王様は何でも命令できるんだよとくすくす笑いながら龍麻は、王様ゲームチョコを作る。
 こそこそとチョコを作るしいな。まだ無地の棒に文字を書こうとしているところ。
(「…「だいすき」…いやいや。「LOVE」…いやいやいやっ」)
 書く内容を考えて頭を抱えたり、両手を天井に向けたりして一人悶絶したものの「これからもよろしくね♪」というものに落ち着いた。可愛いリボンをかけて、ラッピングするときには渡そうと思っている相手を想い、自然と口元が綻んだ。
「人生は何事も勝負です!」
 アタリ棒には「勝」と焼き入れる気合のいれようの秀元。作ったチョコで、相手が「勝」を引当てられるのか、勝負する気満々。出来上ったチョコを持って、勝負の旅に出る。

 アタリ付が気になって、勢いで参加した志音だったが、知り合いがおらず、なかなか自分の居場所が掴めず、たどり着いた先は桜子の隣。
「好きな女の子に、逆チョコ?」
「いや……俺にもなぁ…いるのか、なぁ」
 桜子と何故か恋愛話をしながら、ホワイトチョコでアタリ付を制作する志音。
 アタリ付はロマンだねと、口元にちょっと意地悪な笑みを浮かべる紅音は、「攻」「受」など、カップリング用語を書いて棒をチョコに沈める。その後にハート型のチョコを作ったときには、乙女な表情をしていたとか。
「さて、大量に作るわよ」
 目安は100本だと、月亮はスイート、セミスイート、ミルク、ハイミルク、ホワイトと色んな種類で作ればきっとすぐに出来てしまうだろう。それにこれだけあれば、アイツも途方に暮れるだろうと、アタリが1本だけの100本チョコの制作と楽しそうに行っていく。
「見て見て! クマさん可愛くないか? …用途は友達用だけど!」
「あ、あの髪の綺麗なコでしょ。つーか、そのにやけよう逆チョコあげるカレシみたいだよ」
 久しぶりと円が桜子に出来上がったばかりの、ホワイトチョコのクマさんチョコを見せると、円をからかう桜子。円はくだらない話をして笑って、ワクワクして作るチョコそんな時間がバレンタインの醍醐味だと思う。そんな桜子の足元には鳩尾を抱えてしゃがみこんでいる、人物が一人いたとか。
「で、サクラコは誰か良い相手見つかった?」
「え!? えぇぇぇぇーっ!!! い、いやーっ。つか、そんな事言うリーヤンこそどうなのさ」
「私は……そうね、アルバート君とか意外と好みなんだけど」
 手元を見たまま、桜子の方を見ずにリヴァルからのど真ん中超剛速球ストレートにびびったのは桜子のほう。あからさまに頬を赤くして、素っ頓狂な声をあげる。何とか気を取り直して、質問返しするものの、リヴァルの言葉を鵜呑みにし、作業する手がとまり、彼女の顔をまじまじ見ていた。

 陸は『チョコレート愛好会』で遊べる王様ゲームみたいなゲーム性が強いチョコを作っていく。形は全てハート型で、棒には「隣の子にハグすべし!」「遠くにいる知り合いにサムズアップすべし!」など書かれていた。
 湯せんしなければいけないチョコを食べているナズナが、幼い頃のワクワクを思い出す。湯せんしてとけたチョコをスプーンですくって食べてみる。さて後はくじ。真面目なものにするか、少しふざけたものにするか悩ましげ。
「あ、でもこれ見た目で分かりやすくしたらダメだよな。……ま、美味けりゃいいか」
 明良はホワイトチョコや苺チョコで色をミルクチョコと混ぜて見分けが付きそうなチョコを作っていたが、美味しいならそれでいいかと「もう1本」と、アタリ棒を作る。
「ちょこ♪ ちょこ♪」
「……なんかえらい楽しそうだね」
 ウキウキの三月を見てまといが呟く。一緒に作り始めるものの、アタリ棒を書くときはまといに内容がばれない様に、手元を隠す三月。
「あ、先輩、わたし苦味強いのより甘いのの方がいいなー」
「苦味より甘いものね。うん分かったわ」
 三月のリクエストに応え、まといが持って来たのはビターチョコレート。交換用とアタリ付大会用を別に用意する二人。まといは取り合えず「重い」と書き重い棒をつくり、三月は「肩叩き券」ならぬ「肩叩き棒」を制作。まといの作ったチョコが苦いと知るのはもう少し先の事。

 イチゴ・オレンジ・メロン・バナナの風味のチョコはカラフル。漣花の好きそうなウサギの型に溶かしたチョコレートを流し込んでいく将。
 アタリの棒には日本語じゃ照れちゃうから『Je t'adore』と書き、ハズレの1本にオレンジピールを忍ばせる。
 可愛らしいウサギのチョコ。アタリはとても気になるけれども、彼が作ってくれたチョコ食べるのも勿体無い。
「…「きょどるな危険」?危険なもの入れちゃいけないと思うのです」
 将が作ったアタリ付大会用のアタリ棒を見て、首を傾げる漣花の隙をつき、将は出来たのチョコをひとつ口の中に放り込む。
 アタリ棒にアタリやハズレを書き込むのが楽しい。
 繭は大切な友達に贈るつもりだから、ハズレ棒には「大好き」と書いていくのを、覗き込む眞琴がラブイなと思った瞬間、1本だけ違う言葉の棒を見つけて思わず声を上げた。
「…ってちょ、一本は「まじない」ー!? それとも「呪い」ー!?」
「呪いはお好きな方で読んでください…という、事で………眞琴さんの、当たりは…?」
 今度は繭が眞琴のアタリ棒を覗き込む。
「し、シロさん…。強く生きて…ませんけれど、生きて、ください…っ」
 そう呟くのが精一杯。
「……ばれんたいんと言うのはよくわかりませんが、チョコレートがたくさん食べれるのは良い事ですね。とにかく、当たりつきチョコを……作る前に、味見しても問題ないですよね?」
「材料の段階で食べつくすのはやめときなさい」
 紫の注意を受けたのと、ある程度食べたので満足した要も作業に移る。
 紫が作った自分のセンスを最大限に引き出した抽象的芸術チョコを見て、要がまた食べたそうに見つめる。アタリ付大会でもアタリ、ハズレ関係なく要はチョコを食べ、紫は引きが悪くハズレばかり引いてしまっていた。
 柚も料理が出来る春果が、柚の様子て二人は一緒にチョコを作っていく。
 これなら失敗もなさそうだけれども、人に贈るものもしもの事があってはいけないと、柚は春果に来てくれて心強い。
 春果はうさぎ型にミルクチョコを流しいれる。
「かりんおねえちゃん…喜んでくれるかな」
 作りながら贈る人の反応が気になる。柚も春果もプレゼント用とは別にアタリ付大会のチョコを作る事も忘れない。


 一緒に来たのに背中向けて作業をする瑞鳳と兇。
「恥ずかしいから書いてるの見んなよ」
「じゃあ俺も姐さん用のやつ作っとこう。見るなよー?」
 出来上がったところで、くじ引タイム。
「何か引くのに勇気の要るくじチョコだなー。俺も一つ引いてみるか!」
「しかし罰ゲームもあるんだよなこれ…まぁそれはそれか、楽しけりゃなんでもよし!」
 兇は『アカペラで一曲歌ってみよう』を引き、この後瑞鳳に1曲披露する事になった。
「あ、折角だから濱田にこれやる」
「ありがとー。………ミドミド、ちょっと自分が幸せだからってー。こうしてやるーッ!」
 近くにいた桜子に一口サイズのチョコを渡した瑞鳳。そのまま食べて棒を見ると「カレシゲット!…頑張」なんて書いてある。きーっと桜子は悔しそうに瑞鳳のこめかみを拳骨でグリグリしだす。
「当たりに何を書けばいいんでしょうか…」
「アタリで、いいんじゃないの?」
 若干へこんだ桜子が悩むアリスに助言。それはあまりにも面白くないと、はたと何か気が付いたアリス。
「あ、何でも1つだけ言う事聞く、とかどうですか?」
「じゃぁ、あたしデートがいい」
 自分に出来る事ならなんだってやるというアリスに、少し意地悪な笑みを浮かべて言い返す桜子。バレンタインぽくないのは気にしない方向、ハズレは可哀想だからと「Happy Valentine!」はアリスの優しさ。
「濱田先輩、ひとつどうかな?」
「ルーヤン久しぶり。いいの?」
 瑠矢が作った薔薇型のアタリ付チョコをひとつ貰った桜子。アタリを確認。そこには「右楽先輩の物まね」と書かれていた。
「何故、ユッキー」
 見なかった事にしようかと思ったのだが、そうも行かずアリスも何だか期待したし戦を送ってくる。物静かに瑠矢も桜子が指令をこなすのを待っている。
 まさに崖っぷち。
「のばらー。愛してるよー」
 全く似てない。
 棒読み台が精一杯で、余りの悲しさにその場に蹲る。
「どうした! 桜子」
 さっき出会い頭にハグチャレンジでボディを食らったカザキが桜子に再びハグ作戦をチャレンジ。しかし今度は弁慶にパンチを食らう。しかし「俺にチョコねぇの?」落とす気満々でかっこつけながらのチョコの催促は忘れない。
「いるのー?」
 カザキを見上げ上目使いで可愛く見られるチャンスだが、ふてぶてしい態度でその効果半減。「仕方ないなー」と作ったチョコをカザキへ渡す。5本入ったコ袋を渡すと、取り合えず一本食べる。
「っしゃ、愛してるぜ桜子!」
 何が起こったかわからない。あれは全てハズレのはずなのに。カザキが食べたチョコの棒には「デート券」と書かれていた。
 間違えた!!
 そう思った時には遅い。「それなし。それなーしー」と、騒いだところでカザキの耳には入っていない。
「桜子先輩、先輩作の当り付きチョコまだあったら下せー」
 そこへ登場したのは光。昨年の炭水化物チョコフォンデュで痛い目を見た彼は、当然今年は普通のものを希望する。超笑顔で、桜子に両手を差し出した。
「あ、あるにはあるけど………いる?」
 尋ねる桜子に頷く光。
 さっきのダメージが大きいのか、残ってるチョコはどれが誰に渡すのかすでに分からない。もうこうなればどれでもいいやと光に渡す。自分だけが桜子のチョコを無心に来たのかと不安に思っていたが、カザキの姿を見てなんとなく安堵する光だった。

「型はどれ使おうかな…小夏どれがいい?」
「えへへっ私はハートの使うーっ♪」
 カズマと小夏は思い思いの型を選び、チョコを流しいれアタリ棒をチョコの中へと沈める。カズマがなんて書いたのか気になって、ちらちらとカズマの方を見てしまう小夏。
「ふふふ、完成まで秘密だぜ!」
「そんじゃ私のもヒミツ……あっ、なっナイショだもんっ!」
 カズマはくじ運のない小夏のために、全てアタリのチョコを作った。それを小夏が知るのはもう少し後の事。
「肩叩き券」
「手作りお弁当一週間分」
「動物園デート」
「ホワイトデーにウサ耳付けて愛の台詞」
「たわさんの抱擁」
 これは弥介のチョコの棒に書かれている内容。
「膝枕で耳掃除をしてあげる」
「褒めてあげる」
「一つだけ何でも言う事を聞いてあげる」
「俺の肩を揉んでもいいよ」
「モーラットの物真似を見せてください」
 これは月吉のチョコの棒に書かれている内容。
 出来上がったチョコを、せーので一本ずつ引いてみる。食べきるまでのドキドキ感がたまらない。
 弥介は「褒めてあげる」を引き当て、月吉は「手作りお弁当一週間分」を引当てた。くじの結果に月吉が早速、30分間弥介の全てを褒めだした。

 丁寧な仕事で、きな粉餅チョコ棒を3本作った是空。
 3本全部がアタリなのは少し卑怯かもしれないが、祝う事が出来なかった去年の章人のお誕生日とクリスマス。そして今年のバレンタインと、1日で全部お祝いしちゃおうという豪華3本立て。
「さぁ章人さん、当り棒に書いてある魔法の呪文『はっぴー☆バースクリスタイン』を唱えましょう。私に似た白いものが現れ、どんな願いも頑張って3つ叶えてくれますよ」
「まるで暗号だが、分かった。そうか、今までの分、全部祝ってくれるんだな…有難う」
 是空に優しく微笑みかける章人のチョコの棒には「後でご褒美のフルコース」と書かれている。
「桜子ちゃん、どんなの書いたらいいかなー?」
「誰にあげるのさ」
「えっとね、彼氏さんにあげるのー!!」
 無邪気な遥姫の笑顔に、今日幾度となく折れた心が再び折れて、そのまま去っていく。
「ハルちゃん引いて、引いて」
 怜磨が出来上がったチョコを遥姫に差し出す。5本あるうちのひとつだけアタリが隠れている。
「見て見て〜♪」
 えいっと、1本選んで、食べてみると棒に書かれていたのは「こんどお菓子作るの手伝って?」
 大きな苺タルトを一緒につくる約束を交わす。


 アタリ付は楽しい。
 しかしその内容を考えるのは案外難しい。
「3人で作ったチョコを混ぜて、当たりが引かれたらホワイトデーの日に作った人へ書いてあるものをプレゼント…っていいんじゃない?」
 ひなたの提案に十六夜も光も同意する。
 十六夜は手作りレモンパイ。
 光は生チョコ。
 ひなたは手作りのお菓子。
 皆同じ星型で作ったチョコが一箇所に集められて混ぜられる。
 もうどれが誰のだかわからない。
 いっせーのーで!
「あ…何もない、つまんないな」
 ハズレだったひなたは不満げに頬を膨らませる。
「………少し…虚しいな…」
 自分のアタリを引いてしまった十六夜。
「なにかなー♪
 ひなたのアタリを引き当て「手作りのお菓子」と、書かれていた。
 これで今年のホワイトデーの贈り物も決まったのだが、自分の物を引当てた十六夜はどうしたものかと少し考え込んでいた。

「皆、完成したなー。じゃ、交換スタートー!」
 湊の掛け声でアタリ付チョコの交換がスタートする。
 誰のが当たるのかドキドキする。
 もしかすると自分のが戻ってくるかもしれないし、ハズレかもしれない。
「お歌1曲歌って」
 このココナのアタリを引いたのはコトハ。
「コトハと遊園地」
 このコトハのアタリを引いたのは雨兎。
「大吉」
 この雨兎のアタリをひき当てたのは湊。
 湊のチョコを引当てた睡花は、うーさまキャンディーをひとつ貰っていた。
「アタリ」
 このアタリを引いたのはココナには、睡花からもうひとつチョコをプレゼント。
 みんなが作ったチョコはそれぞの個性が出ていて、当たったらうれしいけど、ハズレが出たとしても甘くて暖かい気持ちになれる。
 結局皆で、楽しく会話しているうちに、ハズレのチョコも全部食べてしまったから、だって美味しかったんだものと、顔を見合わせて大笑い。

 アタリ付チョコ、折角作るんなら、楽しみたい。
 プレゼントするアタリ付チョコとは別に、皆で交換する用のチョコもちゃんとつくって準備しておく。
「…け、結社に帰ってからでイイですか…」
 薫子が上ずった声を上げた。
 手には「ひつじのきぐるみ」と書かれたアタリ棒が握られている。
 それはコノハの作ったアタリ。キグルミを着て欲しいという事。今用意できるわけじゃないから、結社に帰ってからねと、薫子と約束を交わす。
 アタリ棒を見て、固まっているのはリオート。棒には「ハズレ。今から3分間、語尾に「〜だぴょん☆」を付けて喋ってNE☆」と書かれている。それは薫子のハズレらしく、薫子が楽しげにニヤニヤb笑っている。
 しゃべろうかどうしようかと、思案してるリオートの横で、夜斗が悶絶している。ハズレ用に作った、激辛チョコが自分の下へと舞い戻り、それを引いてしまっていたから。
 しゃべるにも辛いし、痛いし、水を飲んでもなんだかひりひりしてくる。
「うん? これ何だろう」
 コノハの棒は先を青く塗られているだけで、何か書いているわけではなかった。
「それはあたりだぴょん☆ 青色は僕の故郷のロシアでは幸運の象徴だから幸せが訪れる事を願ってだぴょん」
 青の棒はリオートが作ったもので、その説明をするときにはちゃんとハズレの指令を実行した。
 結社の皆の様子に、妙にドキドキしていた駿喜。
「ほら、やっぱりねー。これは日ごろの行いのおかげかなー♪」
 引いたチョコは無印で、ハズレなのはちょっと残念な気もしたけど、きわどいアタリよりかはいいかと思った。

 さてこちらは全てアタリ付のチョコ。
 ハズレはなし。
「指令:ネコの真似をする事」
 初っ端から悠良のアタリでダメージが大きいのは健斗。今から結社に帰るまで、ネコで通さなければならない事になり、どうしてもしゃべらなければならいのなら、語尾に「にゃん」と言わなければならなくなった。
 そして悠良は、「当たり!もう10本プレゼント!」と、ももきのアタリを引当てて、嬉しそうに大量のチョコを貰っていた。
 そして笑い飛ばしていたももきの笑い声がフェードアウト。手に持った棒に視線が釘付け。拓己の「アイのコトバ」というアタリにどうしたものかと、考えた結果。
「愛してるぞー!」
 と、教室中に響き渡るぐらいの大声で、愛の言葉を叫んだ。
 そして最後の拓己は健斗のアタリ、「ウインクしながら投げキッス」を引きあてた。何の因果なのか、人にやった事は自分に返ってくる。そんな仕組み。仕方ないと拓己は軽く肩をすくませての健斗に向かってウインクして投げキッスをした。
 さぁ、これはまだ序の口。
 第2回戦もやるぞと、再びチョコを選んでいく。

「あ、三人ともどれがいい?」
 嬉しそうな笑顔で刹那がネコ型チョコを、薄荷、栞、瞬へと差し出す。
「アタリには「ネコミミ」って書かれてるんだけど、当ったラッキーな人は……、全員だよね」
 へらっと楽しげに笑う刹那。
 遠くを見つめて「…猫耳、かぁ…」と、呟く瞬。
「って事で、はい、ネコミミカチューシャ」
 全員分を良い笑顔で指しだす刹那。
「どーみてもネコミミ。にーやんだもんな…こんなこったろーとは思ってたんだぜ…つか全員分って…」
「うん、やっぱここは女の子の栞がセーラーとか猫耳とかな!」
「およ? うぬっ!! このネコミミはきっとかっこいい男性がつけるべきっ!! きっとかっこかわいくなるからっ!! 薄荷くんと瞬先輩はもらったからここは刹那先輩がつけてユニットを組むべきだと思う!! 因みに衣装はセーラー服で!」
 現実逃避をしたい瞬は栞へと責任転嫁を試みる。しかし逆にセーラー服をふられ、窮地に追い込まれれば、刹那も仲間にしてやると、持参していたネコミミカチューシャを持って、逃げる刹那を追いかける。
 仲良く喧嘩しな。

 バレンタイン。
 乙女の聖戦でもあるけれども、所詮お祭り。
 きっと楽しんだもの勝ち。


マスター:櫻正宗 紹介ページ
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楽しい 笑える 泣ける カッコいい 怖すぎ
知的 ハートフル ロマンティック せつない えっち
いまいち
参加者:62人
作成日:2009/02/13
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