●『だっきゅるv 〜どっきりver.〜』
「……あれ? ゆうちゃん、いない……」 晶は、ゆうに会いに来てみたものの……本人がいないので、困ってしまっていた。 「出かけちゃったのかな? せっかく、会いに来たのにな……」 残念そうに辺りを見渡すと、大きな箱が置いてあることに気がついた。そこに、ゆうの字でなにやら書いてある。 「もしかして、クリスマスプレゼントかな? 開けてみていいのかな……?」 晶は、恐る恐るその箱を開けてみる。すると……。 「めりーくりすま〜すっ♪」 中から、勢い良くゆうが飛び出してきて、そのまま嬉しそうに晶に飛びついたのだ。 「わっ! ゆうちゃん!?」 さすがに、晶もびっくりした。びっくりしすぎて、少しの間動けなくなっていた。出かけてると思っていたゆうが、まさか箱の中で待機しているなんて……想像もできなかったのだ。 「えへへ〜。びっくりした?」 ゆうがにこにこ笑って尋ねると、ようやく晶も正気に戻り、思わず涙目になってしまう。 「……もう……あまりびっくりさせないでよねっ!? 本当に……びっくりしたんだから……」 びっくりさせようとは思っていたけど、泣かせるつもりなどなかった。予想外の事態に、さすがにゆうは焦ってしまった。 「ご、ごめんね? そんなに、びっくりするなんて……ボク、おもわなくて……。きーちゃんをなかせようなんて、おもってなくて……」 わたわたしながら、一生懸命謝るゆうの様子に、晶は思わず笑ってしまう。 「いいよ。許してあげる。その代わり、もう、こんないたずらはしないでね?」 「うん! きーちゃんがなくの、いやだもん。こんどは、きーちゃんにわらってもらえるように、がんばるね!」
その後は、二人で仲良くクリスマスを過ごす。ゆうは、晶に嬉しそうに抱きついている。 「えへへ♪ きーちゃんといっしょ、うれしいな」 「私も、ゆうちゃんと過ごせて嬉しいよ」 仲良しな二人のクリスマス。とても温かく、幸せそうな雰囲気に包まれていた。
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