増田・団 & 団の真シャーマンズゴースト

●『マンゴーさんと2人でクリスマス!』

 せっかくのクリスマスイブの夜だというのに、僕は一人ぼっちでお留守番。
 親は仕事で、お姉ちゃんはデートでお出かけ。
 増田・団(締め切りギリギリマイスター・b61615)は、飾り付けられていない簡素なクリスマスツリーを見上げて頬を膨らました。
「……なんてね」
 にかっと笑って、団は両手に持ったカラフルなモールを振り回した。
 本当はこの状況が嬉しくてたまらないのだ。
 実は今、団は一人ぼっちではなく、寄り添うように黙々とツリーの飾りつけをするつぶらな瞳の──マンゴーさんがいる。
 結社の皆にはマンゴーさんと二人でイブを過ごすって言ったら、生暖かい目で見られたけど団は全然平気だ。
 モールを激しく振り回しながら、誰もいない空間に向かって力説する。
「マンゴーさんはいつも優しいし、ピンチの時は助けてくれるし、何よりあの背中がカッコイイ! ダンディでハードボイルドだと思うんだけど……」
 なのに、何故か皆は同意してくれない。
 ──あれ?
 がっくりと肩を落とそうとしたが、身動きが取れない。熱中するあまりモールが体中に絡まってしまったのだ。
 団のピンチを感じ取ったマンゴーさんは、すぐさま駆け寄りモールを解いていく。
 自分のために、その短い手を一所懸命にちまちまと動かす姿に、団は胸を打たれた。
「マンゴーさんは僕のヒーローだね!」
 やっと体が自由になった団は、マンゴーさんの手をしっかりと握り締めて感謝の気持ちを伝える。
 そして、思い出したように慌てて付け加えた。
「今日はいつものお礼を込めて、マンゴーさんへクリスマスプレゼントを用意したんだ」
 そう言って団は、ツリーの下に置いておいたプレゼントの包みをマンゴーさんに差し出す。
 マンゴーさんが器用に包みを開封すると、白、赤、緑に色分けされた長い布が出てきた。
 団は、その長い布をマンゴーさんの首に二度三度回して掛けてあげる。そして満足そうに目を細めて呟く。
「僕とお揃いのマフラーだよ。暖かい?」
 僕の将来の夢はサンタさん! 今夜はその予行練習だね。

 大きくなったらサンタさんになりたいっていう僕の夢を、マンゴーさんだけは笑わずに聞いてくれる。
 いつもありがとう、マンゴーさん。大好きだよ、ずっと一緒だよ!



イラストレーター名:土方