●『二人で、一緒に』
ベルナデッドと双は、2人仲良く手を繋いで公園をお散歩中。話をしながら、のんびりと歩いている。 そうしてのんびりしていると、ふわりと冷たいものが顔に触れる。見上げると、ふわふわと雪が降ってきていた。 「双、見て見てー! 雪だよ、ホワイトクリスマスだねー」 「わ……すごいなー。たくさん降ってくる」 2人は空を見上げて、嬉しそうに笑っている。そして、少しずつ雪が積もってきているのに気がついた双が呟いた。 「雪だるま……作れるかな。作れるなら、作りたいな」 「うん!」 ベルナデッドも楽しげに返事をして、視線を地面に向ける。そこで、首を傾げる。 「……あれ? でも雪がちょっとしか積もってないねー」 そう、まだ降り始めて時間も経っていないし、この降り方だと雪だるまが作れるくらいまで積もるのにまだ時間がかかりそうだ。 「雪うさぎなら作れるかなぁ?」 このくらいの雪なら、小さな雪うさぎなら作れるかもしれない。そんなベルナデッドの提案に、双は笑顔で頷く。 「そだなー。じゃ、雪うさぎ! 作るぞー」 そうして、2人でしゃがみこんで雪を集める。集めた雪をぎゅっと固めて、近くにあった南天の木から実と葉を取ってきて、目と耳をつける。そうして完成した、てのひらサイズの小さな小さな雪うさぎ。 「完成ー!」 2人で作った雪うさぎ。その雪うさぎを持って、再び歩き出す。今度は、街の方に向かうことにした。
イルミネーションで彩られた街の中。2人は、楽しげにイルミネーションを眺めながら、綺麗な方へと歩いていく。そして、辿りついた場所にあったもの。それは、とても大きくて綺麗なクリスマスツリーだった。 「わ、すごいすごーい! いつもとちがう街みたいー。きれいだねぇ」 「こんな大きいツリー、はじめてみた……」 ベルナデッドも双も、ツリーを見上げていた。そして、2人で顔を見合わせて、穏やかに笑いあう。 「双と一緒に見られてよかったんだよー。私、今年のクリスマスは絶対ずっとずっと忘れないんだよー」 「同じの、何回見ても今日のことは、忘れないよな。……オレも、一緒に見れて良かった」 大好きな人と繋いだ手。ベルナデッドの空いた手には、さっき2人で作った小さな雪うさぎ。大切な、今日の思い出……。 ベルナデッドは、双の頬にそっとキスをして、恥ずかしそうに笑う。双は、突然のことにぽかんとしていたのだが……少しして真っ赤になるのだった。
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