●『White Christmas』
雪とイルミネーションで彩られた街角。多くの人々が楽しげに、にぎやかに通り過ぎていく。そう、今日はクリスマス。皆が幸せで穏やかな時間を過ごす日……。 恵太とさやかも、今日は外でデート。夜景を眺めながら、二人で並んで歩いていく。 「わー、これ可愛い」 ショーウィンドウを見て、さやかが笑う。そんなさやかを見て、恵太も思わず笑ってしまう。 「プレゼントしようか?」 「いいよー、高いし」 「バイト代入ったばっかだし、大丈夫」 「でも……あ、こっちがいいな。クレープ食べよう!」 今度は、クレープ屋の方に向かって歩いていく。そうして、クレープを買って、二人で食べながら、再び歩き出す。美しい夜景と、隣にいる大切な人との会話を楽しみながら、二人の時間を過ごしていく……。
そうして二人で楽しく歩いていると、一際綺麗な場所にたどり着いた。 「けーた、きれいだね……」 「ああ、うん、すげえ綺麗……」 さやかは、恵太の手をきゅっと握る。それに気づいた恵太がさやかの方を見ると、寒さのためかちょっと頬が赤くなっている。 (「……景色よりも、なによりも。さやかが一番綺麗だな……」) 人々が通り過ぎていく。立ち止まることなく、人は流れていく。雪とイルミネーションで彩られたこの場所には、二人以外の誰もいない。 恵太は、さやかの腰に手を回して抱き寄せ……二人は見つめあう。そして、さやかは少し背伸びをして、目を閉じ……その唇に、恵太はそっとキスをした。唇を離して、赤くなっているさやかの顔を見て、恵太は穏やかに微笑んだ。 「さやか。すげえ綺麗だぜ」 そして……さやかの眼鏡をそっと外して、二回目のキス。今度は、一回目よりもしっかりと……。 その後、見つめあって笑いあう二人は、幸せそうで……少し、恥ずかしそうで。
付き合って三年。そして、同棲を始めて、既に半年ほどが経った。色々なことがあったが、喧嘩も無く、未だにラブラブで。 これからも色々なことがあるだろうが、ずっと一緒にいると……二人は、互いに誓い合った。
| |