御槻・沙耶 & 海堂・ミサキ

●『性夜』

 二人だけのクリスマスパーティーを楽しんだ夜。
 沙耶とミサキは、パジャマに着替えて、二人一緒にベッドに入っていく。
「何だか修学旅行みたいだね」
「修学旅行ってよりも、お泊り会やな。ほら、パジャマパーティーとかやね」
「そのまんまだよー、沙耶っち」
 そんな他愛のない話をしながら、沙耶は今日のことを振り返る。
 つい先ほどまで楽しんだ、二人だけのリボンパーティーを。
「今日はめっちゃ楽しかったわー。これもミサキっちのお陰やね」
「そんな、たいしたことやってないよ」
 ミサキはそういって、布団で顔を隠すかのように照れていた。
「そんなことないで。ミサキっちがいてくれて、楽しいパーティーもできて、もう幸せいっぱいや!」
「もう、そんなこと言っても、なんにも出ないからねー」
 ミサキは完全に布団の中に隠れてしまった。
「ミサキっちは、照れ屋さんなんやから」
 ふふふと、楽しそうに沙耶は、ぐいっと毛布を捲る。
「わわっ!」
 捲られた布団から、頬を火照らすミサキの顔が現われた。
「んー、そんなん照れてたん?」
「ううう、沙耶っちが変なこと言うからだよー」
 拗ねるような声でミサキが答える。
「ええやん。ホントのことやし」
 さも当然と、沙耶は言いのけた。
「ま、まだ言ってるっ」
「ミサキっちは、ホント、かわええわぁ〜」
 ちょっぴり小悪魔っぽい笑みを浮かべて、沙耶はミサキの布団の中に潜り込んだ。
「ちょ、ちょっと、沙耶っちっ!!」
「ええやん、ちょっとくらい」
「ちょっとって、わあっ!!」
 服の上からぎゅっと胸を抱きしめる沙耶。
「やっぱりな」
「や、やっぱりって……」
「ミサキっちの胸は大きくてええなって。それに……こういうのも、たまにはええと思わへん?」
「こういうのって……あっ! 沙耶っち、何して……きゃっ!!」
 ごそごそと二人は布団の中でじゃれあい始める。
 気づけば、布団の外に着ていたパジャマやらが投げ出されていたり。
「んっ、あ……沙耶っちっ……」
 どうやら、彼女達が眠るのは、もう少し先のよう。
 二人の長い長い夜は、こうして幕を明けたのであった。



イラストレーター名:さいばし