●『乙女のプレゼント 貴方ならどっちを選ぶ?』
クリスマスといえばプレゼント。パートナーに何を送るのか悩む人も多いであろう中、彼女らはとても楽しそうに準備中であった。 「む、むぅ……こ、これでいいのか?」 「そうそう、そんな風にしてー……」 二人は只今、テスト結果で発生した罰ゲームの真っ最中。とはいえ、なんだかお互いに少し楽しそうである。テストで49点以下を一つでも取った者が受けることになったこの罰ゲームではあるが、現在は下準備、素肌リボンの飾りつけの段階である。 「せっかくだからクリスマスに!」 誰かがそう言い出したのをきっかけにそれが実現してしまった。彼女らは一糸纏わぬ姿になって準備中であった。お互い素肌にリボンを巻きつけながら、ちょこんと床の上に座っている。 「難しいなあ」 数学で49点を取った禊は、強制的にこの罰ゲームに参加組。ああでもないこうでもないと、禊は瑠美那の体に赤に緑の縁取りをしたリボンを巻きつけていく。禊のリボンは、既に瑠美那が巻き終えていた。 「やぁんちょっとそこ、くすぐったいよ」 巻かれている側の瑠美那は少し、くすぐったそうだ。49点以下の科目は無いのに、なぜか禊と一緒に参加している。そんな事もありながら、やがて両方のリボンを巻き終えて。 「ぬぁ……な、なんだか、やっぱり恥ずかしいな」 リボンを巻いているときは楽しそうだったのだが、いざとなると視線が気になり、上を向いたり下を向いたり落ち着きがない。真っ赤になりながら、せわしなく周囲の様子を伺っていた。 「そうかなー? なんかちょっとすーすーするけど、こういうのもちょっと変わってて、楽しいよね」 瑠美那は照れる様子もなく、無邪気にこの状況を楽しんでいた。 「あ、ここズレてるよ」 「そうか? ってちょっとっ」 セクシーな魅力を漂わせる二人が並んで戯れる。おいそれとは手を出せぬ雰囲気を保ちながら、少し手を伸ばせば触れる事が出来そうで。少し動けば、まばゆいばかりの白い素肌が垣間見えてしまう。この夢のような状況の中に……かちゃり、と部屋のドアノブが回る音がする。扉を潜り抜けた瞬間、目の前の光景に目を奪われた。 「め、メリークリスマス!」 「メリークリスマス!」 半分やけになった声と、明るくて元気な声が唱和した。頬を染める禊と無邪気に笑う瑠美那の表情が対照的で、お互いの魅力を引き立たせる。 「うぅうぅ〜〜……で、ど、どっちを選ぶんだ……?」 「さぁて、キミはどっちを選ぶのかな?」 床に座り込んでこちらを見上げる二人の美少女を前にして……さあ、キミなら、どちらを選ぶ?
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