ルシア・バークリー & ブリギッタ・シュトルツィング

●『命の洗濯 〜一年の疲れを祓い落とし〜』

 かぽーんっ……。
 白靄の中、ルシア・バークリー(リトルウィッシュ・b28515)とブリギッタ・シュトルツィング(まだまだ見習い・bn0167)は、のんびりと露店風呂の湯に浸かっていた。
 彼らがここに来たのは、理由がある。
 一年の疲れをここで落とす……いや、癒すために、ルシアがブリギッタを半ば、押し切るように誘って、この温泉宿に来たのだ。
「温泉って、いいですね……」
 ブリギッタは瞳を閉じて、この静かな時間を味わっていた。
「ええ、とっても気持ちいいです……」
 ルシアも幸せそうだ。
(「ブリギッタさんを誘って、正解ね」)
 いつも真面目で何事も一生懸命なブリギッタ。たまには、こういう場所で肩の力を抜くのも良いはず。
 そして、ルシアは……。
「ブリギッタさーんっ!」
「はいっ!?」
 ざぶり。ぎゅむん☆
 ブリギッタは、ルシアにぎゅむっと抱き付かれた。
「わあああっ!!」
 ルシアはブリギッタを抱き締めながら、今度は叫ぶ。
「る、ルシアさん?」
 ブリギッタはその様子に、ちょっぴり戸惑い気味。
「ブリギッタさんの胸、大きいですっ!」
 かぽーんっ……。
「………そ、そう……ですか?」
 ルシアの爆弾発言に驚きを隠せずにいるフリギッタは、どうすればいいのか、困惑している。
「ええ、だからこんなにも抱きしめると気持ちいいんですね」
「え、あ……その……」
 かなり困っている中、ルシアは嬉しそうにブリギッタに身を寄せている。それが、好意的なものであることにブリギッタは感じていた。
「ルシアさんも……えっと、肌が白くてすべすべです……」
 その言葉にルシアの手が止まった。同時にブリギッタはちょっと不安そうに首を傾けて……。
「嬉しいですっ!! ブリギッタさんに褒められるなんて……」
 大好きですっと言いたげに、またぎゅっと抱きしめるルシア。
「それはよかったで……」
 ちゅっ♪
「!!!?」
 幸いにも、そこはブリギッタのほっぺ。ルシアは嬉しさをそのままキスで返したのだ。
「る、ルシアさんっ!?」
 もうブリギッタの顔は真っ赤だ。
「ふふふ、親愛の証しですよ」
 ブリギッタの腕に自分の腕をからめて、ついでにその長い髪に自分の指も絡めてみたり。
「ブリギッタさん、ここの温泉のご馳走も美味しいんですよ」
「本当ですか?」
 風呂からあがりつつ、ルシアが言う。
「それに今夜は長いです。いろいろお話しましょうね♪」
「はい」
 こうして二人は一緒に風呂を出ていく。
 二人の夜は夜更けまで続く。それが二人の過ごすクリスマスの夜だった。



イラストレーター名:tom