●『アイと璃美のクリスマス』
「メリークリスマス〜」 「メリークリスマス〜」 お約束の掛け声と共にジュースで乾杯。 ここは旧武家屋敷をリフォームした一階平屋建ての建物。瑠美の結社の建物だ。その和室の1つには、クリスマスツリーが華やかに飾り付けられている。 「はい、これプレゼントよ〜。姉貴が作ったんだけど、サイズ合うかしら?」 アイがにっこり笑って、綺麗にラッピングされたプレゼントを瑠美に差し出した。 「ありがとうございます♪ 私もお二人にセーターを編んできたのですよ。似合うと良いのです〜」 嬉しそうにプレゼントを受け取った瑠美は、自分からのプレゼントをアイに差し出す。 「きゃー♪ 璃美ちゃんの手作り? ありがと〜」 嬉しそうに歓声を上げながら受け取ったアイは、プレゼントを思わず抱きしめた。 瑠美の言う『お二人』というのは、アイとアイの姉の事。瑠美が受け取ったプレゼントの作成者だ。瑠美はサカザキ姉妹の両方と仲が良い。だからアイも『姉貴が作った』と言ったのである。 「さっそく着ちゃおうかしら♪」 包みから白いセーターを上機嫌で取り出したアイ。満面の笑顔でセーターをぎゅっと胸に抱きしめた。 「私も着てみていいですか?」 瑠美も包みから取り出したピンクのセーターを嬉しそうに見つめる。 「じゃあ、お互いに着替えて見せっこしよ」 アイが笑顔で提案すると、瑠美も「はい」と笑顔で頷いた。
「じゃーん! サイズぴったり〜」 瑠美の手作りセーターを着たアイが、くるりと一回転して作成者にお披露目する。 「良かったです。私もサイズぴったりです」 にこっと瑠美が笑った。 「璃美ちゃん似合う〜♪ か〜わい〜♪」 ピンクのセーターは瑠美がいつも髪につけている赤いリボンと相性ばっちりでよく似合っている。 「アイさんも似合ってるのです〜」 瑠美も、自分の編んだセーターが想像以上にアイに似合っていて、満足げな笑顔を広げた。その笑顔にアイも顔を綻ばせる。 「ありがと〜♪ もう、瑠美ちゃん可愛い〜!」 瑠美の可愛さに思わず、という風に、瑠美をぎゅーっと思い切り抱きしめた。 (「去年は姉妹水入らず温泉でのんびりしたけれど、今年のクリスマスは和むわ〜♪」)
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