<開かずの地下室>
マスター:空白革命
ある男女が古い鉄扉を開けた。
「やだ、焦げ臭い」
「あの噂、本当だったのかね」
過去にこの建物で起きた大火災。
それは何人もの焼死者を出し、地下一階の倉庫フロアを全焼させるに至った。
以来この鉄扉は封鎖され『開かずの地下室』となっていた……筈である。
「ただし事件同日の11日11時11分にここを訪れると、扉が開いている」
男がジッポライターを擦って、炎で顔を照らした。
「そこには全身を炎に焼かれ続ける幽霊がー!」
きゃいきゃいとはしゃぐ男女。
その時、
――バタン
と、鉄扉が閉まった。
男はライターを取り落とし、火は直ぐに消えてしまった。
ドアノブを回す音がする。
「え、どうしよう! 開かないよ!」
ドアを叩く。叩く。叩く。
「誰か! 誰か開けてくれ!」
「ああ」
返事が――部屋の奥からした。
二人が、ゆっくりと振り返る。
炎が灯っていた……その炎が、歩いてくる。
炎が広がり、部屋中を照らした。
轟々と燃える炎。炎。炎。
部屋中が炎に包まれる。
そして男女は悲鳴ごと、炎の中に包まれた。
王子・団十郎(高校生運命予報士)はどっかりと座って待っていた。
「待ってたよ、適当な所に座って」
そんな穏かな口調で、彼は事件の概要を話し始める。
とある建物で足を踏み入れた人間を『地縛霊』が焼き殺してしまうという事件が発生している。
この『地縛霊』は日に日に強さを増し、しまいには建物全体を焼き尽くしてしまう恐れがある。
一刻も早い討伐が望まれている。
地下室への入り口は一つで、建物裏側の掘り階段を下った所に鉄扉が設置されている。辺りは人通りも少ないので警戒は要らない。
地下室内部は学校の教室を二つ繋げたような奥行きのある造りをしており、室内にあった物は全て炭と化している。また現場には地縛霊の特殊空間が展開しており、中に入ったが最後、自分か相手が倒れるまで外に出ることはできないので、入る際には心の準備を済ませておこう。
次に『地縛霊』だが、この『地縛霊』は身体に炎を纏っており、これを周囲に飛び散らせて攻撃してくる。
更にこの『地縛霊』は部屋の奥から順番に『火災』を発生させていき、火災当時の状況を再現して人間を追い詰めていく習性があるようだ。ゆっくり戦っていると火の手が回るので注意して欲しい。
「皆、危険な仕事になるが、無事に帰って来て欲しい。頑張ってくれ!」
団十郎は真剣な表情でそう締めた。
<参加キャラクターリスト>
このシナリオに参加しているキャラクターは下記の8名です。
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