●二人のクリスマス〜凍れる夜に白銀の贈り物
今年行われた運動会のキャンプファイヤーで、凍夜は澪音に告白した。
そして、迎えたクリスマスの今日。
やっと凍夜は澪音の気持ちを確認する事ができた。
そう、今年は恋人同士になって、初めてのクリスマス。
澪音は、約束していた外灯の下で凍夜を待っていた。
見上げると、しんしんと雪が降ってきていた。
「はぁ〜」
冷たくなる手を温めながら、澪音は待ち続けていた。
「すみません、遅れてしまって」
「凍夜さん……」
凍夜は後ろから優しく、澪音をコートで包むかのように抱き寄せた。
「メリークリスマス、澪音さん」
そういって、左手で差し出したのは、小さなプレゼントボックス。
「これは……」
澪音は驚き、差し出されたものと、凍夜の顔を交互に見つめている。
「さあ、開けてみてください」
凍夜に促されるままに、澪音はその包みを開いた。
開いたボックスの中にあったもの。
それは美しい真紅のリボン。
「貴女の美しい瞳と同じ色です。銀の髪に映えると思って……」
澪音の全てを好きになって、大切にしたいと思う……その凍夜の気持ちが、このプレゼントに込められていた。
「うれしい……ありがとうございます、凍夜さん」
澪音は笑顔でそのリボンを受け取る。
「そう言ってもらえると嬉しいですよ。今日のその貴女の笑顔……ずっと忘れません」
その言葉にはにかみながら、澪音も口を開く。
「私も……一緒に歩いてくださる方に出会えて……嬉しいです……」
凍夜はもう一度、優しく澪音を抱き寄せた。
「これからも一緒に居てください……ずっと……」
「……はい……」
凍夜の言葉に頷きながら、澪音は心の中で願う。
（「今までと……ほんの少しだけ違う毎日が、もっと暖かく感じられます様に……」）
幸せそうな微笑みで、澪音は凍夜を見つめていた。
「さぁ、中に戻りましょう……暖かいココアでもいれますよ」
凍夜の差し出された手に、澪音は自分の手を乗せて、微笑む。
「はい、凍夜さん……」
そういう澪音の髪には、既に先ほど受け取った真紅のリボンが揺れていた。
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＆
銀・澪音 
