ルナルネーヴェ・マイト & 黒木・優

●秘密のプレゼント―You Like Me? Love Me?

 クリスマスパーティーでの、楽しいプレゼント交換会を終えて。
 ルナルネーヴェは、ちょいちょいと優を招き、一緒に会場の外へと抜け出した。
 そう、二人っきりのプレゼント交換を行う為に……。

 ほのかな月明かりと、イルミネーションの灯りが淡く、二人を照らす。
(「早く、いわなきゃ……」)
 外へ上手く誘ったのは良いが、なかなか切り出せない。
 その手には、優へのプレゼントがあった。
「ルナル」
「はい?」
 優に名前を呼ばれ、ルナルネーヴェの声が裏返る。
「メリークリスマス」
 そういって、優はプレゼントを渡した。
 ルナルネーヴェが包みを開けると、そこには。
「指輪……」
「指に合うといいんですが……」
「あ、ありがとう、ゆーくんっ」
 ルナルネーヴェは嬉しそうに微笑んで、勇気を振り絞った。
「こ、これ……わたしからのプレゼント」
 そっと差し出される長方形のプレゼントボックス。
 実は優。心の中で。
(「プレゼントは私なの、とか言ってくれないかなー」)
 と思っていた。心の片隅で、こっそり残念そうに思っていた事はルナルネーヴェには内緒。
 かさかさと優は、期待に満ちた表情でプレゼントの包みを開く。
 そこには、新しいサングラスがあった。
 その様子をルナルネーヴェはじっと凝視していた。
 ある事を決意しながら……。

「素敵なプレゼント、ありがとう」
 さっそく新しいサングラスに付け替えて、優は微笑む。
 そんな優にルナルネーヴェは。
「……ん、そのプレゼントにはのろいがかかってるの」
 思いがけない告白に、優は困惑している様子。
 ルナルネーヴェは頬を染めながらも、続けた。
「それを贈られた人は、贈った人と同じものしか見れなくなるの。……わたしは、もうゆーくんしか見れないの。だから、ゆーくんも、わたししか見ちゃいけないの」
 そう言って、ルナルネーヴェは背伸びして、自分の唇を優の唇に近づける。
 そのギリギリの所で、ルナルネーヴェは止めてしまった。
 恥ずかしくて、恥ずかしくて、これ以上、先へは進めない……。
 そのルナルネーヴェの様子に優は、くすっと微笑み、ルナルネーヴェを抱き寄せた。
 やっと二人の唇が重なる。
「……大丈夫ですよ。こんなものがなくても、私もルナルしか見れていませんから」

 二人っきりのプレゼント交換会。
 どうやら、二人にとって忘れられない交換会になったようだ。




イラストレーター名:聖マサル