●二人でサンタクロース！
クリスマスの日、ラサは尚志の部屋を訪れていた。
勧められた場所に座ったラサのすぐ隣には、大切な人……尚志の笑顔がある。
クリスマスだからプレゼントを交換しよう。
そう最初に言ったのは、どちらだったか……ラサかもしれないし、尚志かもしれないが、もう、それは些細なこと。
２人は相手へのプレゼントを一生懸命考えて、こうして、クリスマスの日を迎えたのだった。
今日の服装は、もちろんサンタ服。
だって、お互いが、お互いにとっての『サンタクロース』なのだから……。
「じゃあ、まずは私からです……はい、ひーちゃん」
差し出されたプレゼントボックスを受け取り、早速中身を確かめようとする尚志。一体なんだろうな？ と心なしか楽しげに指先を動かせば。
「これは……ブレスレットか」
指先で触れて取り出したそれは、炎の紋様が透かし彫りにされた銀のブレスレット。心なしか重く感じるが、それは、その重みの分だけ、ラサからの愛情が込められているという事なのかもしれない。
「ありがとな、ラサ。俺からのプレゼントは、これだ」
早速それを手首に滑らせながら笑うと、嬉しそうに目を細めるラサ。
そんな彼女に、今度は尚志がプレゼントボックスを渡す。
「あ……可愛いです……♪」
丁寧にラッピングを解いて、開いた箱の中には、ハートをモチーフにしたシルバーブレスレット。
同じ素材のブレスレットをお互い選んでいた事に、少し照れた様子ではにかみながらも、ラナは可愛らしいそのプレゼントを、すっかり気に入ったようだ。
嬉しそうな笑顔で尚志を見る。
「ひーちゃん、これ絶対に大切にします。ありがとうです……！」
両手でぎゅっと抱きしめて、ラサもまた、ブレスレットを手首に通す。
「ラサ、似合ってるぜ」
「ひーちゃんも、とっても……」
お互いに身に着けたブレスレットを掲げて、見つめあう。
なんだか照れ臭くて、恥ずかしいけど……こんな風に、一緒に過ごすのは、とても幸せ。
「……あ、そういや、忘れてた」
「？ なんです？」
尚志は、不意に思い出した様子で呟くと、怪訝そうに首を傾げているラサを見つめる。
「メリークリスマス、ラサ」
「あ……メリークリスマスです、ひーちゃん♪」
その言葉に顔をほころばせるラサ。２人はまた、幸せそうに笑いあう。
――きっと。
こうして、傍にいるあなたが。
自分に、とってもたくさんの幸せを運んでくれる、たった１人だけの『サンタクロース』なのだろうと思いながら。
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＆
ラサ・アラインガラ 
