●Warmly Holy Night
素敵なクリスマスの夜。
秋嗣と古織の二人にとっても幸せな夜であった。
「こーり、メリークリスマス」
そういって、秋嗣が手渡したクリスマスのプレゼントは。
「うなーっ！ これ、いただいてもよいのですかっ！」
包みの中に入っていたのは、淡い色の綺麗なリボン古織。
一方、古織は頬を染めて、大喜び。
さっそくリボンをつけようとして、古織は秋嗣に向けて、びしっと指を突きつけた。
「少し向こう向いててくださいです！ 絶対振り返っちゃ駄目ですようっ！」
そんな古織に思わず笑みを浮かべる秋嗣。
「りょーかいっ」
秋嗣は言われるまま後ろを向いた。
（「似合うかな……」）
きっと似合うだろうと選んだものなのだが……とても後ろが気になる。
古織がリボンをつける仕草はきっと、可愛いのだろう。
そう思うと、見てみたいという誘惑にかられるが、なんとかそれを堪えた。
古織が喜ぶのなら、我慢も……。
とんとん。
ふと、肩を叩かれた。
「こーり？」
振り向くと、そこには抱きついてくる古織の姿が。古織の顔が間近に迫り、その髪には先ほどプレゼントしたばかりのリボンがゆらゆらと揺れていた。
「素敵なプレゼント、本当に本当にありがとうですっ！」
秋嗣の首に腕を回し、とびきりの笑顔でそう伝えた。
「ん、似合ってる、かな……すっごくかわいい。こっちこそ、ありがと……」
古織の抱きつきに、僅かにバランスを崩しかけたが、なんとか堪えた。
けれど、こんなに喜んでいる古織を見れて、秋嗣も嬉しくなっていく。
（「今日一日色々あったけど、私にとって一番はいつもこの笑顔だから。だからそれに感謝。
去年から今日まで、今日から未来へ……この笑顔がずっと隣にいてほしいな……」）
秋嗣は、まだ微笑む古織を見つめながら、そう思う。
（「これからもずっとずっと一緒ですからねっ！」）
プレゼントに喜びながら、古織もそう心の中で告げた。
幸せな二人の時間。
きっと、このプレゼントは二人にとって、忘れられない思い出となった事だろう……。
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神飾・古織 
