●あなたと過ごすHolly Night
楽しかった学園のパーティーも、もう終わり。
パーティーを楽しんだ連と力の二人は、連の部屋に戻ってきていた。
賑やかだったパーティー会場と違い、この部屋は静けさに包まれていた。
ぱちんと電気がつけられる。
明るい明かりは、連の手で、小さな電球のみへと変えられた。
「連?」
思わず声をかける力。
連は答えず、力の後ろから、そっと抱きしめた。
そしてそのまま、力と一緒にベッドに座る。
「やっぱ、二人っきりの方が気楽でいいな♪」
「知らないわ……」
連の言葉にそっけなく答える力。
だが、抱きしめる連の両腕に、力は自分の手を重ねている。
「でも」
力はそっと口を開く。
「連はどこでもこういうことしてくるじゃない?」
「いやいや、やっぱふたりっきりだと大胆になれるというか♪」
力の言葉に連は即座にそう答える。
いや、それだけではない。
力の肩越しに顔を寄せ、無理な体勢でキスをしたのだ。
「ん……」
力もその期待に応えるかのようにキスを返す。
静かな部屋で続く、甘い時間。
……どのくらい経っただろう。
連の唇がゆっくりと離れた。
「何度も言ってると、胡散臭く聴こえるかも知んねーけど……」
離れた唇から、紡がれる言葉は。
「愛してるぜ、力」
真っ直ぐ力を見つめる瞳。その言葉は真実の愛の言葉。
力は赤い顔を更に真っ赤にさせながら。
「……うん、私も……愛、してる」
小さな力の囁きは、連の耳にも届いた。
連は笑みを浮かべ、そっと力に寄り添う。
二人の聖夜は、ゆっくりと更けていくのであった。
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