玖世・天 & 漆原・暁

●SWEET CHRISTMAS-美味しいケーキはいかが?-

 今日はクリスマス。
 暁の部屋で天とのクリスマスを楽しいんで居た。
 その出来事は、ふたりで仲良くクリスマスケーキを食べているときに起こったのだった。
「……む」
「待て」
 暁の手に食べていたケーキのクリームが不用意についてしまった。彼女がそのまま布巾か何かで拭き取ろうとするのと天が制止する。
 きょとんとしたままの暁の手を取ると、天はそのままクリームを舐め取った。
「へ……?」
 きょとんとしていた暁の表情が大きく変わる。目を大きくし、何が起こったのか理解するまで少しだけ時間がかかった後、顔を真っ赤になって照れだす。
「……っな、何をやっている!?」
「お前の指に付いたケーキのクリームを俺が舐め取っただけだが??」
「や……そうじゃなく……って、その……えぇと……」
「あぁ、まだクリームが残ってたのか」
 慌てふためく暁の言葉に、天は何でもないように応える。それに暁は頬に止まらず顔中を真っ赤にさせてたまま、どうしたものかと困ってしまう。けれどもそんな暁の困った事など知らず、天は再び暁の手を取ろうとした。
「ま、待て! 手に付いたなら、普通に拭けばいいだろう!?」
「そうか?」
「当たり前だろう!? そんなこと、平然とされたら照れるだろうがっ」
「そうか。お前、照れたのか」
 赤い顔の暁の必死の反論。それは天には全く効果がなく、それがどうかしたのかといった風にさらりと交わされてしまう。それに思わず暁が墓穴を掘ってしまった。その事実は天の言葉によって、知らされてしまい暁は言葉を失う。
「……ぅ」
 やってしまった。と、言うような表情で、黙りこくった暁の頭を黙って撫でる天。
 そのまま黙って撫でられる暁。
 そんな事もあったものの、何とか機嫌を直した暁と天は仲良くケーキを食べ終わることができた。

 二人だけのクリスマス。
 時間はゆっくりと流れていく。




イラストレーター名:青薙 伸