●クリスマスパーティー 〜ちょっとしたサプライズ〜
とても楽しいクリスマス。
けれども今年はもっと特別、尊の家に梢が泊まりにやってくる。
トランプに、ゲーム、チェスもしたいけれども、そんなに沢山はきっとムリ。それにもっと大事な事が待っている。
それはクリスマスプレゼント。
梢のびっくりする顔を想像するだけで、尊もにしししっと、楽しげに笑ってしまう。
沢山遊んでいれば時間はあっという間に過ぎていく。二人はそろそろ眠る時間。
「尊ー、先に風呂上がったの?」
尊の後にお風呂に入った梢。辺りをきょろきょろ見渡して尊の姿を探すけれども見つからない。
姿を見せない尊と言えば、サンタ衣装に着替えて準備中。白猫ナットも赤い帽子に、赤いマフラーをして尊のお手伝い。
ベッドのかかっている靴下に用意したプレゼントを投函。プレゼントは彼女によく似合うであろう、ポピーの髪飾り。喜んでくれるとうれしいななんて思った瞬間、聞こえた梢の言葉にびくーっと体を震わせて、慌てて部屋を出て行く尊。
入れ違いに梢が部屋に戻ってくる。
そうして見つける靴下に入ったプレゼント。
「あらまぁ、本当に靴下にプレゼント…尊の家は凝ってるわねぇ」
嬉しそうにプレゼントを抱きかかえる梢。でもそれが尊の梢への小さなサプライズとは知らないこと。
尊はそんな風に彼女が喜んでくれるのが嬉しかった。
「本物のサンタさん、プレゼントをよろしくなんだゾ!!」
梢が部屋に入った後、見つからない場所で呼吸を整える尊。ばれてしまうかもしれないと思ったけれども、なんとか成功。
ほうっと吐息をはき出し見上げる窓の外。明日は良いことあると良いなと想いながら、サンタさんにお願い。
呼吸を整えた後は、梢が待つ部屋へと戻っていく尊。
一緒にベッドに入ってお休みなさい。
今夜はずっと尊と一緒なのが嬉しい梢。
そんな梢の気持ちを察したかのように、尊は彼女を腕枕で優しく抱く。
一緒に眠れるなんてちょっと夢のよう。
くすぐったくって、ちょっともどかしいのに温かく心地よい。
二人で眠る夜は、きっと沢山の楽しい夢を見て、迎えた次の朝は笑っておはようが言えるだろう。
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