●街角ショッピング in クリスマス
碧は、楽しそうにハミングしながら、店の中に入っていった。
「何買うんだ?」
「そうやね……これなんかどうやろ?」
眞司の声に碧は可愛い服を見せた。
「お、いいんじゃないか?」
「じゃあ、買うて来るわ♪」
「え?」
第一の店にて、碧は可愛い服をゲットした。
「これ、可愛いわぁ〜」
今度は可愛らしいマグカップを発見。
「ええと思う、しんちゃん?」
突然尋ねられ、返答に困る眞司。
確かに可愛い気もするが……うん、きっと可愛いのだろう。
「ああ、いいと思う」
たぶんと心の中に呟いて。
「やっぱり、しんちゃんもそう思うのな。じゃ、これも買うてくるわ♪」
「………え?」
第二の店にて、碧は可愛らしいマグカップをゲットした。
「しんちゃん、しんちゃん! これ、すっごくええと思わない?」
新たに見つけたのは、ミニドレス。
店員の話によると、パーティーのときはもちろん、デートのときにも使える素敵な洋服だそうだ。
「このショールも一緒につけますと、とてもお似合いですよ」
ふと、値段を見る。
「……ちょ、ちょっと高くないか?」
「んー、これくらいなら平気やわ。どう、しんちゃん、似合うやろか?」
店員や碧の言うとおり、とっても似合っている。
「いいのか、高いぞ? 似合ってるけど」
でも心を鬼にして、もう一度忠告。
「やっぱりしんちゃんもそう思うん? 店員さん、この服、買いますわ」
だが、忠告は届かなかったようだ。
第三の店にて、碧は可愛らしいミニドレスをゲットした。
つぎつぎと店を回り、つぎつぎと買い物していく碧。
そして、なぜかその荷物は眞司の元へ。
気がつけば、二人は大きなクリスマスツリーのある広場にたどり着いた。
「しんちゃん」
碧は振り返り、眞司を呼び止める。
「ん?」
荷物を沢山持っている眞司はふと顔を上げた。
「メリークリスマス」
にっこりと微笑む碧の後ろには、白い雪と共に輝くクリスマスツリーが見えた。
「メリークリスマス」
思わず眞司も笑みを浮かべる。
これで買い物も終わりかと思う眞司に、碧はというと。
「次はあっちの店、いってもええかな?」
結局、碧のショッピングはその後も、相変わらず続いたのであった。
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