●今はこれで我慢してあげる。メリークリスマス♪
楽しかったクリスマスパーティー。
だから一杯はしゃいで、一杯楽しんできた。
時計は9時を回ったところを指し示していた。
今日はヴァナディースのところで泊まってくると言ってあるともの。
来年は高校生だし、もう少し夜遊びしたい。そんな気持ちとは裏腹に欠伸がでた。
「……ふぁ……ふ」
もうちょっともうちょっと。それに着替えないと………。そんな事を思っていても次第に瞼は重くなり、とものはそのままソファにもたれかかるように眠ってしまった。
「あらあら、寝ちゃった」
寝てしまったとものを見て、「遊び疲れちゃったのかしら?」と言いながら毛布を取り出し、とものの体にそっとかけてやる。
「まだまだ、お子様なのね、ともの。……というか、子猫みたい」
無防備な寝顔をヴァナディースに見せているともの。そんなとものを見て、優しそうに微笑むヴァナディース。
ともの柔らかく綺麗な髪の毛を指先で梳きながら、とものの寝顔を眺めるヴァナディースはとても幸せそう。
寝ているとものも幸せそう。それは楽しいクリスマスだったからか、ヴァナディースと一緒だったからか、寝ているとものに聞かなければ分からないけれども、安心しきった寝顔で熟睡。
「可愛い」
とものの可愛い寝顔ならずっと見ていられるような気がするヴァナディースは、そっとともの前髪を上げて額におやすみのキス。
「おやすみなさい。ともの。いい夢見てね♪」
その言葉がとものに届いているのか、とものは嬉しそうに小さく微笑む。そんなとものの様子に、ヴァナディースは目を細め愛しげに頭をそっと撫でた。
「でも来年は、もっと遅くまで、もっと長く、あなたと遊びたいな。ねぇ、お願いね。ともの♪」
でもひとりでこのまま夜を過ごすのはちょっと寂しいから。
来年はもう少し長く一緒にすごそうと、寝ているとものにお願いをするヴァナディース。
そのお願いが届いたのかどうか……それは、来年のクリスマスまでのお楽しみ。
とものは子猫のような穏やかな寝姿のまま、ヴァナディースに見守られて、楽しい夢の中にいた。
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