●クリスマスを和風に彩って〜恋のお御籤〜
着物に身を包んだ、小夜と美咲。
彼女達はとあるお屋敷の会場に来ていた。
このパーティーは、ちょっと変わっており、和風のクリスマスパーティーが行われていた。
和風に飾られたクリスマスツリー。
和風のお菓子におみくじ。
嗜好を凝らしたパーティーは、多くの者達を楽しませていた。
もちろん、小夜と美咲もその一人。
緊張した面持ちで、羊羹を受け取る小夜と美咲。
その柚味の羊羹には一つずつおみくじがつけられていた。
席に座り、二人はどきどきと羊羹を、おみくじを見つめる。
「えと、おみくじは、お互いの、恋愛運を、占って……なんて。良い結果だと、いいんですけれど」
「大丈夫、きっとサンタさんが運を持ってきてくれますから」
血を分けた姉妹ではないが、姉妹のように仲の良い二人。
二人は互いに、相手を大切に思っていた。
にこっと微笑み、勇気を出して、そっとおみくじを開いた。
「あ、小吉ですね。小夜ちゃんはどうですか?」
どうやら、美咲のおみくじは小吉だったようだ。
小夜はしばし静かにしていたが。
「あは、えと、私は、大吉、でした」
「わっ、嬉しい。来年のクリスマスも幸せがやってきますね」
なんと小夜のおみくじは大吉。今年もまた、仲の良い二人でいられそうだ。
「……お姉様、この一年間、一緒に過ごせて、よかった、です。また、来年も、よろしく、お願いします」
「ええ、私もですよ、小夜ちゃん。こちらこそよろしく。また来年も、一緒に来ましょうね」
そして、二人は微笑みあう。
羊羹を食べ終えた二人は、クリスマスカードを交換しあった。
「えと、お姉様に、喜んで貰えると、嬉しい、です」
そういって、小夜が渡したのは、サンタの折り紙を貼り付けた可愛らしいクリスマスカードであった。
「まあ、ありがとう、小夜ちゃん。私のカードも受け取ってもらえますか?」
美咲が渡したのは、小さな天使が描かれたカードであった。どことなく、小夜に似ている気がするのは、気のせいだろうか?
二人は互いに交換したカードを抱きしめ、パーティーを楽しむ。
和風なクリスマスパーティー。
どうやら、二人にとって、素敵な想い出ができたようだ。
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